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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2022年6月26日日曜日

【6/26(日)予想】宝塚記念の全頭評価&ねらい目レース(東京12R)

■阪神11R/宝塚記念

[1]①オーソリティ(ルメール)

間隔を空けたローテーションで走れているため3か月ぶりの実戦は良いですが、右回りでパフォーマンスが1段階下がるうえ昨春の天皇賞でサッパリだったように直前輸送も得意ではないタイプ。東京のような大箱が向いているだけに阪神内回りもプラスとは言い難く、買えてもここは押さえまで。

[1]②アフリカンゴールド(国分恭)

決してハナにはこだわらないタイプですが、前半が61秒を回るようなスローペースが条件。パンサラッサが飛ばすここはその望みは薄くて。

[2]③メロディーレーン(団野)

この馬の場合適条件が限られるうえ、きっかり4勝分の賞金しかないためこのように賞金以外で出走順が決まるレースの方が予定を組みやすい側面があります。前半62~3秒の入りから前で運び他がバテたところを捕まえるレースが理想ですが、このメンバーではそれを望めないでしょう。

[2]④エフフォーリア(横山武)

前走の大阪杯は輸送の影響もあってかゲート内でチャカつくなど本来の姿にあらず。最終追い後のコース入りを手控えるなど陣営なりに工夫をしてはいたものの、本来の操縦性が全く見られず負け過ぎの感もありました。

この中間は2週連続で3頭併せの真ん中を割らせる調教を施され、最終追いではブリンカーを装着し最後の1Fで併走馬を突き放すパフォーマンスを見せました。但し、1週前はランドオブリバティとウインカーネリアンというOP馬が相手だったのに対し最終は古馬条件クラスの2頭と併せる相手がそもそも違うため先着は当たり前で、しまいの伸びは同じでもOP馬と併せた1週前の方が全体時計は良かったわけです。最終的には本番でもブリンカーをすることとなりましたが、速めのペースが見込まれる今回、集中して前を追いかけるとガス欠になる危険があります。ここ一本でローテーションを組まれた点は他の有力馬と比べて有利ではありますが、この過程を以てまだ復活とは言い切れないと見ます。

[3]⑤アイアンバローズ(石橋脩)

前走の天皇賞では鞍上が脚を計るレース運びをした分で⑤着。確かに条件戦時代は控えて勝っていますがそもそもキレ勝負では分が悪い馬で、今回は上村師も積極的な運びを示唆しています。但し前前で運ぼうとしても前半が60秒を切るような一線級のペースで走れたことがなく、追走に手いっぱいになる懸念が。

[3]⑥タイトルホルダー(横山和)

前走の天皇賞では菊花賞同様に1000m基準で60秒-63秒(1200m換算75秒)-60秒で逃げることができての圧勝。3角前で捕まえに動く馬は何頭かいましたが、この時点ですでに再加速できていましたから結果的には2番手以下の馬は遅きに失した格好です。アイアンバローズが控え、ディバインフォースは落鉄、シルヴァーソニックは落馬と長距離重賞で実績のある馬が誰も鈴をつけに行けなかったことも想定外で、予想以上の大勝を生むこととなりました。

但しそれも含めハナに行けてこその馬で、2回目の再戦となるパンサラッサが厄介です。自らペースを落とすことができないメンバー構成でどこまで食い下がれるかでしょう。

[4]⑦デアリングタクト(松山)

1年ぶりの実戦となった前走のヴィクトリアマイルは⑥着と上々の復帰戦となりましたが、1番枠からのスタートで無駄なく1600mを走ってきた割には同じく経済コースを通ったローザノワールすら捉えられなかった内容は実績から考えるとおよそ物足りないと言わざるを得ません。追い切りは元々この程度で軽くても気になりはしませんが、オークス・JCを振り返って陣営は2400mが長いという認識を示しており、2200mというのは守備範囲のボーダーライン。構えて乗ることで漁夫の利を得る可能性はありますが、それにしては売れ過ぎかと。

[4]⑧ステイフーリッシュ(坂井)

サウジ・UAEで3000m超のレースを連勝して帰国してきましたが、追い切りは相変わらず格下に見劣りする内容。国内中距離戦線で勝負になるレベルにはないと見ます。

[5]⑨マイネルファンロン(M.デムーロ)

元々折り合いが課題でハナを切るか極端に後方から進むかで馬込みを避けざるを得なかったのですが、前走の天皇賞は馬群の中で折り合い最後まで脚を使って⑥着にまとめてきました。精神面の進境が伺えるうえ、昨年新潟記念を制したデムーロJを手配しここを目標に進めてきたローテーションも好感です。スタートしてからの直線の長い阪神2200mコースでパンサラッサのいる今回は60秒を切る淀みない流れが想定され、先行勢が早めに前を捕まえに行くとなると自ずから最後の1Fの勝負になってきます。まさしく大外一気を決めた新潟記念と同じような展開になるうえ、内目が活きており外を回して上がってもさほどコースロスは無さそうなのも助けです。いくら実績面で劣るとはいえ、G1でこの騎手が単勝万馬券というのは流石に舐められすぎです。

[5]⑩ヒシイグアス(レーン)

調整が難しくなかなか順調に使えない馬で、今年は香港国際競走が外国馬の受け入れを中止したことを受け急遽大阪杯から始動することに。まだ途上の出来だったことを思えば前走の④着は上出来で、図らずもここまで3か月の間隔を取れたこともプラスでしょう。中間はレーンJが4週連続で跨り意思疎通に努めており、時計的にも調整は上手くいっているようですがやはり気になるのは遠征競馬と経験のない暑さ。変にテンションが上がるようなことがなければ力はあるだけに、取捨を問われればパドックまで見極めが必要でしょうか。

[6]⑪パンサラッサ(吉田豊)

前走のドバイターフでは初のナイター競馬ということもあり鞍上曰く「進みが悪かった」とのことでしたが、ロードノースの猛追にも負けず①着同着。決して国内で勝ってきた時と同じスタイルにはなりませんでしたが、地力の強化を見せつけた一戦でした。

ただ、ここ2走1800mを使ってきたこともあり陣営は2200mに対し「やや長い」というスタンスを崩していません。それがブラフである可能性もありますしこの馬に関してはついていって潰すこともできないので皆自滅待ちのスタイルにならざるを得ず、結果としてスムーズに運べて逃げ切れる可能性は十分に考えられますが、現に2000mを超えて使われた2戦はハナを切って大敗。変に距離を気にして溜めて良さの出るタイプではないため、行って垂れたらそれまでという乗り方でこのレースの流れを大きく左右する1頭ですが、本来マイラーでもなんとかなる中山2500mで止まってしまったことを考えれば、まっとうにスタミナの必要なこの舞台では最後に垂れると見ます。

[6]⑫ウインマリリン(松岡)

1週前に好時計を出し直前は軽くにとどめるのは前走の大阪杯と一緒ですが、その前走は病み上がりの一戦とはいえ直前の出来を思えば負けすぎです。ここも一段階上向きとは言っていますが、上半期に現実的に使えるレースがここしかないという事情も。秋以降、中山に戻って見直したい馬です。

[7]⑬アリーヴォ(武豊)

小倉巧者ということでその適性が半信半疑だった前走の大阪杯では、よどみなく流れ先行勢が潰れる小倉2000mに近いラップ構成になったことでこの馬の走りの出来る展開になりました。今回も前半が流れ展開は向きそうで、複系の相手には押さえが必要でしょう。

[7]⑭キングオブコージ(横山典)

長くいい脚を…というよりは一瞬のキレを生かして勝つタイプで、このコース自体は初めても自身の力は出せるはずです。あとはG1でやる気のないことの多い鞍上が色気を持って乗ってくれればというところですが、18頭立てで大外を回して差せるだけの脚があるわけでもなく、かといって一昨年の目黒記念の時のように好位で死んだふりをするのも難しい枠順。上手く立ち回れれば複穴はあってもとは思いますが…

[7]⑮ディープボンド(和田竜)

持久力勝負が向いている馬で、有馬記念②着が示す通り中距離戦に求められるスピードも兼ね備えています。この舞台でならタイトルホルダーを逆転することはたやすいでしょうが、理想を言えば自ら他の馬をバテさせるような展開に持ち込みたいところ。そのためにはどこで前を捕まえに行くかの判断が必要ですが、パンサラッサの出方を伺いながら、後ろにもそれなりに脚を使わせなければいけないとなるとその難易度の高いレースになりそうです。

[8]⑯グロリアムンディ(福永)

芝では新馬戦を勝ったのみ。その新馬戦は京都芝2000mで2.05.8と時計も平凡で、当時からの成長は見込めるとはいえまっとうな良馬場では流石に出番は厳しいでしょう。

[8]⑰ギベオン(西村淳)

2000m超の距離は3歳時のセントライト記念⑬着時以来。2000m以内のレースでも流れが向かないと好走できておらず、距離・ペース共にここは向きにくいでしょう。

[8]⑱ポタジェ(吉田隼)

控えて案外だった2走前の金鯱賞の反省を生かし、前走の大阪杯では意識的にポジションを取ったことで先行勢が総崩れとなる展開を絶好のタイミングで受け止められました。馬場の良いところを通し、追って味のないレイパパレ、急坂不安のアリーヴォと併せたのでは勝つのも納得です。

ただ今回の中間は動きは今ひとつ。1週前には一杯に追われるもジュンライトボルト・ウーリリに後れを取り、最終はポリトラックで55.9-13.0とおよそ稽古とは言えないレベル。絡まれない大外枠は良さそうですが、既に2週目にしてラチ沿いはギリギリのコンディションにつき経済コースを通るのは得策とは言えずで。


<予想>
◎マイネルファンロン
○ヒシイグアス
▲アリーヴォ
△ディープボンド


■東京12R ハッピーアナザー

7走前の未勝利勝ちが東京ダ1400mでのもので、逃げて後続を突き放し0.7差の圧勝。ここ6戦中5戦が稍重以下で、唯一良馬場でやれた3走前はスタートで躓いたうえ何故かそこから外を回そうとした柴田大Jの謎判断の分もあり大敗。実績ある舞台に戻ればこのメンバーなら通用あって驚けずで。

2022年6月25日土曜日

【6/25(土)予想】ねらい目レース(東京7R、青函S)

■東京7R スイーツビュッフェ

前走の新潟戦でも推奨しましたが、その前走は武藤Jが露骨に進路選択に失敗し脚を余し⑧着。完全な騎乗ミスでした。2走前の中京戦④着だけ走れれば牝馬限定戦のここならやれてよく、お手馬アラカザームではなくテン乗りのこちらを選択した田中勝Jのチョイスを信用したいです。


■函館11R/青函S マイネルアルケミー

暖かい時期に好走が集中しており、近3戦は昨年12~今年1月のもので度外視できます。加えて上がりのかかるレースの方が良く、昨年連勝でOP入りを決めた時も稍重で時計を要する決着でした。函館は金曜に50mmの大雨が降り、良馬場までの回復は難しいとなればこの馬の出番があっても良いでしょう。

2022年6月19日日曜日

【6/19(日)予想】ユニコーンS・マーメイドSの注目馬とねらい目レース(東京2)

■東京2R ミニョンルミエール

1200mで③②②②③着とした後で1300mに距離を伸ばして④着。4角でやや狭くなる場面がありそこで砂を被ったことで嫌気が差し、勝負所で位置取りを下げてしまったのが直接の敗因でしたが、元々柴田大Jは折り合わせることが苦手でその傾向が今年は特に顕著です。今年、前走から距離が伸びた馬に乗った時の成績が(1,1,1,59)と散々たるもの。そこからデムーロJへの乗り替わりは純粋に鞍上強化で、今回直近成績の良い馬は他にもいますが牝馬限定戦ながら決め手に欠ける馬ばかり。しっかり溜めてひと脚を使わせられれば決められるでしょう。


■阪神11R/マーメイドS クラヴェル

1000m台のレースがほとんどな牝馬戦で2000mというのは長距離に分類され、例年のこのレースでは直線で脱落する馬が続出することで内が渋滞し、外を突いた差し勢の漁夫の利が生まれ得ます。昨日の阪神芝の傾向を見るに、時計は出ているもののエアレーション効果か必ずしも前が有利というわけではない模様で、昨年と同じ変則開催でも今年は従前の日程時と同様に渋滞を避けられる外目の差し馬が有利と見ています。これに該当する馬の中では、エリザベス女王杯③着以外にも牡馬相手の重賞で好走歴もあるクラヴェルが最もチャンスある立場でしょう。但し鼻出血持ちのため惨敗リスクは含み置く必要アリです。


■東京11R/ユニコーンS セキフウ

国内では昨年の全日本2歳優駿④着以来。その間サウジ、UAEと転戦しサウジダービーでは直線鋭く追い込んで僅差の②着でしたが、従前からの課題としてこの馬はスタートがもっさりしておりどうしても道中で置かれてしまいます。そのため息の入る流れや距離だと前が残るので追いつけないという話で、現に全日本2歳優駿も川崎コースで4角10番手からよく④着まで追い上げました。サウジダービーと同じマイルに戻るのは好材料ですし、ワンターンで流れればこの馬にとってはむしろ好都合。実績は見劣りしないだけこの人気なら大きく狙えます。

2022年6月18日土曜日

【6/18(土)予想】ねらい目レース(米子S、函館1、東京7)

■阪神11R/米子S シャーレイポピー

前走の福島牝馬Sは終始馬場の悪いインを走らせられ、向正面ではエヴァーガーデンが邪魔で位置を上げられず。おまけに3角でエンジンをかけ始めた時にバテて下がったロザムールのせいでブレーキを踏み、4角では渋滞にはまる始末。直線では止む無くラチ沿いを進むも伸びきれずで全くレースをさせてもらえませんでした。元々マイルで(4,0,0,1)に対しそれ以外で(0,1,0,4)という明らかなマイラーで、牝馬限定のマーメイドSではなくあえて牡馬混合でも適条件を選んできたあたりに陣営の明確な意志が伺えます。人気上位は確実でしょうがここは好勝負可能と見ます。


■函館1R メイショウオオルリ

3走前の新馬戦は②③⑤着が既に2勝を挙げている好メンバーの中を④着。2走前は距離が長くお釣りが残らなかったレースで、前走はスタートで挟まれるような形になり後方から。前にいないとほぼノーチャンスというレースで外枠も仇となりました。今回は最内枠を引けたうえ、牝馬限定の芝1200mと相手関係も易化。菱田Jが函館1200mで1枠に入ると(3,4,3,23)で単回160/複回170と非常に優秀なのも好材料。ここはチャンスです。


■東京7R クラリティスケール

砂を被ると良くないうえ折り合い面に難があるため、外枠で短めの距離が適している現状。1桁馬番を引いた2回は③②着だったのに対し、2桁馬番で⑪⑧④とゲート位置が顕著に成績に現れています。今回は15番枠でスムーズに出せそうで、強力な同型も見当たらない中ノープレッシャーで運べれば勝機あり。


2022年6月12日日曜日

【6/12(日)予想】エプソムC・函館スプリントSの注目馬とねらい目レース(恵那特別)

■東京11R/エプソムC トーラスジェミニ

一部では、原JがまだG1に乗れない(30勝していない)ため安田記念を回避してここを使ってきたことが美談チックに語られていますが勝率2%台の騎手の取り上げ方としてそれが正しいのか?という疑問はあります。本来「勝ち星が足りないから乗れない」ってのは騎手としては恥ずべき話のはずです。

ただこれは原Jの腕どうこうというよりは「騎手育成に熱心でないばかりか所属騎手は調教助手かなにかと勘違いしている美浦のリーディング上位厩舎」に問題の端緒は存在します。キムテツの話は極端だとしても、国枝厩舎で鳴かず飛ばずだった中谷Jが矢作厩舎に移籍して多少なりとも出番を得たというエピソードもあるわけで、むしろそういう厩舎が多いせいで「成績は芳しくないが競馬界の将来を想い積極的に弟子を受け入れる良心のある厩舎」(弟子を3人抱える小桧山・根本厩舎等)が割を食い、結果的に下位厩舎が所属に少ない勝ち星を割り振っていく構造ですからそりゃ勝ち星も伸びるはずはありません。預託希望の馬主に「泉谷に乗ってほしくないなら預けるな」とまで迫った本田師のようにとまでは言いませんが、サークル全体で人を育てる気概のあるなしが将来の趨勢を左右するという気がしているのです。

本題とそれましたが、原Jは有力な乗鞍が増えればもっと勝てる騎手だと思っています。トーセンメラニーで散々勝ちあぐねたように差し追い込みの騎乗には課題が残るものの、逃げ先行でのコース取りなどは冷静そのもの。減量騎手にありがちな「行くだけ言ってあとは神頼み」みたいな騎乗とは一線を画す存在と見ています。昨年の東風Sで直前で負傷した田辺Jの代打でトーラスジェミニに騎乗し58kgを背負って鮮やかに逃げ切った時もそうですが、見た目に走りにくそうな荒れた内をコースロスなく運び結果的にそれを嫌った外差し勢を振り切った騎乗ぶりには、見た目やイメージにとらわれずその馬のベストを引き出す感性を感じました。

そのトーラスジェミニと2戦連続のコンビ。前走のダービー卿CTは⑫着大敗も、前傾戦を2番手から自ら捕まえに行くレースを見せ外差し決着を0.8差ならむしろ中身のあった敗戦と言えます。頭数が落ち着き逃げたい馬が居ないメンバー構成なうえ、ここ2週外差しが続き内外はフラットになりつつあります。外差しイメージで有力馬が差し損ねれば、単騎で気分良く行けた際の恐ろしさは鞍上が一番わかっているはずです。


■函館11R/函館スプリントS ヴェントヴォーチェ

昨日の函館開催の特徴は「内有利」「高速決着」の2点に尽きます。1Rの未勝利戦で1番枠のバンデルオーラが勝ちましたが、そのタイムは1.08.5。一昨年(昨年は札幌開催)の同日の1Rに組まれた3歳未勝利が1.09.2だったことを考えてもかなりスピードの出る馬場で、この時計勝負をそれなりに前から勝負できる強さがないと難しいと言えます。

ヴェントヴォーチェの前走の春雷Sは、シャンデリアムーンが33.2で飛ばすかなりの高速戦でした。こうなると差し勢に流れが向きやすいのですが、それを5番手から追いかけ上りも33.1でまとめて突き放す強い勝ちっぷり。1.06.8の勝ち時計もさることながら、ひと月前のオーシャンSと比べても前半も勝ち時計も上回る内容。展開のカギを握るビアンフェが外に回ったのも好都合で、相手に出足を使わせて最後の最後に前を捉える展開が待っているはずです。


■中京9R/恵那特別 メサテソーロ

だいぶ昔にカーンテソーロを推奨したときに説明した了徳寺健二氏の話題。最近ではまた違った意味で注目されることとなりました。


この「関連会社の事業資金」に使ったというのが詳細が掛かれていないので謎なのですが、あくまで個人的な想像として了徳寺健二HDリョーケンファーム(氏の元所有馬が繁殖生活を送る日高町の牧場)に使ったんじゃないかと思います。馬主業というのは製造業と同じで初期投資(=馬代)が莫大で、生産牧場にしても土地の確保や整備で多額の費用が掛かります。○外含め年間30頭ほどをコンスタントに送り出す同氏ですからそのくらいのお金は使っていても不思議はないのですが、こうした好き勝手をいつまでやれるのか…


↑最近めっちゃよく電車内の広告に出てくるウルフ・アロン選手(了徳寺大職員)

それはさておき、今回紹介したいのがこの追徴課税のニュースが流れた5月下旬を境に同氏の馬の成績が急に良くなったという事実。


5月22日週まで3勝しかしていなかったのが、国税の指摘が発覚した5月29日(これが取材日なので実際の指摘はこの少し前にあったと思われる)の週に2勝、先週も2勝を挙げており勝ち星をリョーケン、もとい量産。今週は計5頭がスタンバイするも土曜出走の4頭は⑪②④⑧着。日曜唯一の出走となるこのメサテソーロは、3走前西塚Jを背に積極策に出て13番人気③着と波乱を演出しましたが、元々位置がとれさえすればやれる馬で4角5番手以内なら(2,1,2,2)※2回の着外は④⑤着。オールダートの中京ダ1200mなら内枠で流れに乗れれば問題ないですし、松山Jへの鞍上強化も好感。テソーロ軍団の命運はこの馬に託されました。

2022年6月11日土曜日

【6/11(土)予想】ねらい目レース(ジューンS)

■東京11R/ジューンS テンカハル

2走前の大阪-ハンブルグCでの見解が下記。

連続好走ができないタイプで、1走ごとに好走と凡走を繰り返す戦歴。前走の御堂筋Sは+12kgと明らかな仕上げ途上の作りで行く気に任せてぶっ放しての④着。今回はその分折り合いもついて馬体も締まるはずで、元々ホープフルSでも0.7差⑥着とやれていた馬。形式上は格上挑戦でもこの相手なら。

その2走前は最後にディアマンミノルに差されこそしたものの、前目から運んで勝ちに行く競馬で②着。自己条件に戻った前走のむらさき賞は一気の距離短縮でポジションを取れなかったうえ、元々休み明けも良くないこともあって⑬着大敗。2600mで2勝を挙げているように前半ゆったり運べるこの距離は合っており、今回はレイオブウォーターも控える作戦を示唆しておりスローは必至。ここは巻き返す番です。

2022年6月5日日曜日

【6/5(日)予想】安田記念の全頭評価とねらい目レース(松風月S)

[1]①カフェファラオ(福永)

この馬に関しては毎回述べている通り「テンが流れると好走⇔落ち着くと凡走」という図式と捉えています。2走前のチャンピオンズCは3F36.5-4F49.7とペースが落ち着き⑪着大敗、前走のフェブラリーSは34.5-46.8と昨年同様の高速決着で①着とその傾向は変わらずですが、3走前に函館記念を使ったときにもっと速いペースで流れていながら⑨着と走り切れなかっただけに、芝で内枠では実力発揮は疑問符です。

[1]②ヴァンドギャルド(岩田望)

国内では1年半勝ち星がなく、上級戦の高速決着に対応できていません。相対的に時計の問われない海外で好走しているのも頷けます。現状マイルでは1分33秒台の決着にならないと厳しく、年によっては31秒台の決着すらあり得るこの舞台では…

[2]③ロータスランド(M.デムーロ)

前走の高松宮記念は回復途上の馬場コンディションに加え、最後の1Fで時計のかかるこの馬向きの展開が奏功し初距離でも台頭可能でした。ただ2走前の京都牝馬Sはある意味この馬の違った一面を引き出したレースで、雨の影響もある中で前半34.3-後半33.9のラップを2番手から進み押し切り。この時は逃げたアスタールビーが4角でいっぱいになり押し出されるように先頭に立ち早仕掛けせざるを得ませんでしたが、それまで上がりのかかるレースで勝ち星を拾ってきたこの馬自身がレースよりも速い33.8の末脚を使えたことに成長が伺えました。

陣営は「ハナには立ちたくない」と言いながらも今回は距離延長で臨む一戦。好位につけられた時の強さを知っているからこそのローテーションとも言えるでしょう。ハナに立たされた富士S、位置を取れなかったマイルCSは参考外。デムーロJがスタートを決め(←ここが難しい)ホウオウアマゾン、レシステンシアを行かせて3番手を確保し直線でその外に出す運びができれば、前目で脚を使える存在としてはこの上なく恐ろしい存在です。


[2]④ダノンザキッド(川田)

前走の中山記念はスタートで伸びあがるような格好になり参考外。スローで流れてスパッと切れるレースは得意で、ゴリゴリの逃げ馬が居ない今回は展開自体は向きそうです。但しスタートも含めてパフォーマンスが3歳以降上がっていないのが気がかりで、安田隆行厩舎の所属にして直前追いに川田Jが乗らなかったのも気になる点。調教パターンを変えて試行錯誤の跡はうかがえますが…

[3]⑤ホウオウアマゾン(坂井)

前走のマイラーズCでは得意舞台で自分の形に持ち込み②着としましたが、最後の止まり方を考えればやはりマイルでは少し長いと見ます。加えて気性面の問題はいまだに解消せず、2回共に着外に敗れている遠征競馬もプラスではありません。

[3]⑥カラテ(菅原明)

前走のマイラーズCは⑦着。3角から手ごたえが怪しく、最後は脚が上がってしまいました。落鉄の影響があったと言及していますが、それも戦前に指摘した通り暖かい時期になり爪の生育が旺盛になることと無関係とは言い切れないでしょう。今回は転厩後初めて坂路メインの調教を施されてきていますが、本来美浦の坂路を50秒台で駆け上がれる馬が中間のベストが53.0というのはやはり手ぬるいと言わざるを得ずで。

[4]⑦ファインルージュ(武豊)

元々間隔を空けてしっかり準備して結果を出すタイプですが、それはこの馬の特性というより天栄で仕上げることが前提となっているが故でしょう。中2週はキャリア最短で、中4週の秋華賞で④着していますがこれは岩戸厩舎所属時のもの。この中間は馬なり2本で現状維持を優先した調整につき、前走からの上積みという点では疑問符が付きます。但しここ2走が展開不利や進路が無い中で②②着としているのは実力の証明で、前走と同じだけ走れればここでも台頭は可能でしょう。

[4]⑧イルーシヴパンサー(田辺)

前走の東京新聞杯では前に馬群を見ながら理想的な運びができ、直線でも難なく外に進路を確保できた分もあっての高いパフォーマンスでした。それでもあっという間に前を捉えた瞬発力は出色で、ここまでの4連勝がいずれも異なるペース、異なる位置取りというのも魅力。抜け出すと甘くなるところもあるだけに相手が強くなればなるほどパフォーマンスを引き出せるタイプと見え、十分に負荷をかけられてきたこの中間も問題なし。絶対王者のいないここでなら一気の戴冠も。

[5]⑨シュネルマイスター(ルメール)

前走のドバイターフは良いところがなく⑧着でしたが、手塚師曰く調整が上手くいかなかったとのこと。2か月半の間隔でその疲れは取れたとのことですが、気になっているのは「幾らか重い」と言ってる割にはびっしり追われたのが最終の1本だけという点。その1本も舌を出しながら走っており余裕を感じさせる雰囲気でした。やはりビシビシ追われてこその手塚厩舎ですし、実力は認めても今回は完調でない点を割り引く必要がありそうです。

加えて手塚師が「筋肉質になっている」とコメントしているのも引っ掛かります。これまでドイツ血統らしからぬスピードとキレで日本の芝に高い適性を示してきたこの馬ですが、本来の血統らしい馬体に近づいてきたとなると高速決着への対応力という点でどうなるか気がかりです。

[5]⑩エアロロノア(幸)

マイルで前半3Fが35秒を超えないと好走できない馬で、高速決着もさることながらホウオウアマゾン・レシステンシアがそんなペースで辛抱できるはずもなく…

[6]⑪カテドラル(戸崎)

気性的に難しく極端な競馬が合っている割に使える上りに限界のある馬で、レースの上がりが33秒台になってしまうと相対的にキレで劣ってしまいます。乱ペースとまでは行かないであろう今回の流れを考えれば最後の3Fが34秒台以上になるとは考えにくく。

[6]⑫ダイアトニック(岩田康)

前走の高松宮記念はゲートでガチャガチャしている時にスタートを切られてしまい、不完全燃焼の⑭着でした。ただ3走前の京都金杯で最後前を捉えられなかったのはやはり距離かと思わせますし、岩田康Jも中間一度も調教をつけた形跡がなくやる気は感じません。

[7]⑬ソングライン(池添)

前走のヴィクトリアマイルは前残りの展開にも泣き⑤着。ペースが想定以上に落ち着いたこともこの馬にとってはやりにくかったです。元来怖がりで馬群の中を進めるのは得意ではなく、前走は2番枠からのスタートでソダシに前に入られたときに頭を上げたり3角でファインルージュにカットインされて躓き加減になったりと道中もスムーズさを欠いた中での好走ですから価値は高いです。

最終追いでは一杯に追われる併走馬を並ぶ間もなく交わし、1頭になっても最後までしっかり走れていました。気性的な面からもペースが上がり相手も強くなる方が良さが出るタイプにつき、前走からの上積みも考えればここでも主軸を張れる存在です。

[7]⑭ソウルラッシュ(浜中)

西の上がり馬。イルーシヴパンサーと違って東京マイルの経験はないですが、前走のマイラーズCでも前残り決着を外から違う脚で差し切った内容は評価できます。この馬自身は重馬場巧者というよりは「渋ってもマイナスが少ない」タイプと見ていますが、逆を言えばまっとうな良馬場であったときにもっと切れる馬が居てそれに負ける可能性はあるともいえます。前走にしても本来のキレを削がれた人気馬が居た中でのこの結果なので、33秒台の脚が必要になった時にそれを繰り出せるか、ここは力試しの一戦となるでしょう。

[7]⑮セリフォス(藤岡佑)

前走のNHKマイルCでは内枠を引いたこともあり直線では最内を選択しましたが、道中でほしいポジションをキングエルメスに取られた分もあったでしょう。併せ馬に持ち込めなかった中での④着は地力を示した一方で、川田Jがダノンスコーピオンを選んだことも含め、進路優先で行かざるを得なかった点にこの馬の現在地を見た気もします。前走時の見解でも述べた通り、促成栽培によるアドバンテージが薄れつつあるのに加え今度は古馬が相手ですから、この馬に関しては世代戦の戦績をそのまま当てはめて評価することは難しいと考えます。

[8]⑯レシステンシア(横山武)

前走のヴィクトリアマイルは前に行った馬にとっては楽な流れで③着。元々ベストは1400mの馬ですしここはやはり1F長いでしょう。加えて2走前の高松宮記念の時にも触れたように成長力という点で限界が見えつつある現状。どうしても逃げたい馬が居ない分、再び流れが落ち着けば台頭の目はありますが…

[8]⑰サリオス(レーン)

前走で高松宮記念に使った理由について堀師が「マイルでは最後に甘くなってしまう」ことを理由にしていたにも関わらず再度のマイル参戦。個人的にはスタミナの問題というより、マイルの一線級のペースでは脚が溜まらないことが問題で、だから似たような形状でも全体のペースが落ち着く東京1800mが大得意なのだと考えます。実績を考えてもここに回らざるを得なかったのは仕方ないところですしコントレイルという化け物と好走した経歴から未だに人気ですが、正直どの距離に出てきても今のこの馬がG1で勝負になる根拠は見出せません。

[8]⑱ナランフレグ(丸田)

前走の高松宮記念では晴天で内から乾き始めた馬場に加え、重馬場にして最初の3Fが33秒台と先行争いが激化したことでラストの2Fが11.5→12.4と急激に掛かるラップになったことが奏功しました。元々ゴールに向かって加速するラップではなくこのように前が止まる流れを味方につけており直線でも最後の最後に進路が開いて差し切れましたが、トゥラヴェスーラが鼻出血を発症せず走り切れていたらあそこが開いていたかは疑問符です。坂の緩い東京では最後まで加速が続くため、この馬向きの展開にはなりにくい懸念が強いです。

<予想>
◎ロータスランド
○ソングライン
▲イルーシヴパンサー
△ファインルージュ
△ソウルラッシュ
△シュネルマイスター
△レシステンシア


■中京11R/松風月S ロードラズライト

2走前のりんくうSの際にも推奨しましたが、先行争いのさなかに前に入られ馬群もごちゃつき何も出来ずの⑫着でした。前走は1200mで除外続きだった憂き目もあり久々に1400mを使われましたが、やはりベスト距離ではなくむしろ0.5差⑧着は健闘の部類でしょう。元々現級でもレッドルゼルなどの重賞組に交じって3度の③着があるように力量は通用してよく、この中間は岩田康Jが2週連続で稽古(レースでは酒井J)をつけており抜群の動き。使いたいところに使えないダート短距離において順調度は大きなアドバンテージで、メンバーも落ち着いたここは再度狙いたいです。

2022年6月4日土曜日

【6/4(土)予想】ねらい目レース(中京2、6、東京12)

■中京2R シャドウアイル

坂井Jが中京ダ1800mの未勝利戦に乗ると(5,6,8,12)。勝率16.1%もさることながら複勝率は何と61.3%。人気薄での健闘も多く単回186/複回189と馬券面でも優秀です。この後の今村Jの話とも共通するのですが、「上手い騎手」というのは「焦らない、脚の使いどころを冷静に判断できる騎手」であると私は考えています。

例えば「スタミナを使い切って負けた」場合と「脚を余して負けた」場合があったとして、前者は距離だのメンタルだのを理由にできますが、後者は誰の目にも騎手の仕掛け遅れが原因という見方をされます。そのため多くの騎手は脚を余すことを嫌い、特に経験が浅い騎手は仕掛けが早くなりがちです。よく若手騎手限定競走やYJSのレースで上りのかかる展開を目にしますが、短距離戦では何とかなっても距離が延びるとそうもいきません。川田Jがなぜ平場で勝ち星を量産できているのかというのも、まさしくこういったポイントを押さえた騎乗ができる=実力馬をキッチリ勝たせるスキルに長けているからだと言えます。

さて、話を坂井Jに戻しますが、彼もまた次代のJRAを担う有望株の1人であると考えています。中距離の未勝利戦は勝ちを焦って周りの仕掛けが早くなる傾向がありますが、冷静な取り回しの出来る彼ならばここは上位進出の期待があります。前走は重馬場で前半が64.4という明らかな前残り展開を後方から押し上げての⑤着。乾いた馬場なら前進可能です。


■中京6R クロンヌドラレーヌ

3月デビューにして今年既に12勝を挙げている今村聖奈J。既に父(今村康成元J)の通算平地勝利数(5勝)を上回り、下手をすると障害を含めた通算勝利数(45勝)にも1年目で届いてしまいそうな勢いです。

彼女の持ち味もまた「焦らずキッチリ差し切る」ことの出来る騎乗スタイル。距離別成績にその差が現れています。


短距離では早仕掛け勢を捉えきれないものの、距離が延びると成績が好転。通常新人騎手は減量の恩恵を活かすために前前でレースをするため短距離の方が成績が良くなる傾向がありますが、それとは真逆の実績を示しています。これだけでも通常の新人とは桁違いの実力が伺えます。特に上がりのかかるダートで1800m以上だと(8,3,3,24)。勝率21.1%、複勝率36.8%で単回120/複回126と高水準。いずれバレると回収率は下がっていきますが、いくら人気になろうが腕の良さは変わらないので信頼できる騎手と言えるでしょう。ここは人気しますが、牝馬限定なら現級でもアッサリまで。


■東京12R バーンパッション


前走の東京ダ1300m戦は水の浮く不良馬場(画像)で行ったもの勝ちのレース。それを大外枠から終始水の浮く外を回されたのでは勝ち目も無く、道中は馬の後ろで水を被るキツイ展開でした。

2走前は次走即勝ち上がりが3頭いる好メンバー、3走前はレモンポップが圧勝したレースでメンバーにも恵まれず。4走前~6走前にはこのコースで④④⑥着と大きく負けておらず、上りのかかる良馬場(最終Rまでには回復見込み)も好材料。強いメンバー不在のここなら通用してもおかしくありません。