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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2024年3月9日土曜日

【3/9(土)予想】中山牝馬Sの注目馬とねらい目レース(コーラルS、中山8R)

■中山11R/ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス アレグロモデラート

前走の愛知杯(小倉)は前半1000m通過が57.4というかなりのハイペースで、先を行った馬が3角から垂れて押し出されるようにして先頭へ。川田Jのガチ騎乗で勝ちに来たミッキーゴージャスに捕まった時点で勝負ありかと思われましたが、最後まで粘り腰を見せ0.5差の④着と健闘しました。格上挑戦でこれだけ良いレースが出来れば次は自己条件で人気必至かと思われましたが、運よくここも格上挑戦で出走が叶う形に。しかもハンデは50kgとさらに軽くなり、前走③着のコスタボニータとは5kgも差があります。距離は1800mになりますが、例年であれば60秒前後の入りとなるのがこのレースでありむしろ展開は楽になるはずで、全姉ナスノシンフォニーはホープフルS⑤着と中山適性も示す血統背景。めぼしい逃げ馬も居ないここは先手必勝で改めて期待したい舞台です。


■阪神11R/コーラルS メタマックス

2走前のカペラSは前3頭がそのまま残りそうな流れを差し込んでの③着と、OPでのめどを立てる走りが出来ました。前走のすばるSは⑨着敗退も、最終追いがテンで飛ばし終いバタバタという内容で失速もやむ無しの調整過程でした。今回は終いを伸ばす形での調教が出来ており、3走前に0.5差をつけ準OPを快勝した1400mに戻って再度期待です。


■中山8R スマートオリーブ

集中力が続かないところがあり、ブリンカーを着けこの条件に矛先を向けてから⑦②③⑬着。大敗した2戦は何れも前半33秒台のペースで揉まれまいとハナを主張し、差し有利展開を前受けしてしまったものでした。今回は隣のプラティクレールがハナを取りそうで、外の2番手が確保できそうなメンバー構成。脚抜きのいいダートでも走れており、被されずに運べれば好走可能でしょう。

2024年3月3日日曜日

【3/3(日)予想】弥生賞の注目馬とねらい目レース(大阪城S・関門橋S)

■中山11R/報知杯弥生賞ディープインパクト記念 トロヴァトーレ

昨日のチューリップ賞にもまして弥生賞は「トライアルとしての意義の低下」が顕著で、ここを使って次走皐月賞を勝ったのは2010年①着のヴィクトワールピサが最後という現状。但し出走するメンバーの質としては昨年のタスティエーラ、一昨年のアスクビクターモア、3年前のタイトルホルダーとG1馬がズラリ。皐月賞を勝てるかどうかはともかく、ここは「G1級の素質を持つ馬が活躍するレース」と考えれば、ここまでのパフォーマンスが1枚上のトロヴァトーレを素直に信頼すべき局面と考えます。

追い出してからの反応の良さが抜群で、初戦はルメールJが直線半ばまで追い出しを我慢したうえで33.8の末脚で内の各馬をまとめて交わし、2戦目の葉牡丹賞は4角から直線入り口まで前が塞がりスムーズとは言えない立ち回りの中で前が開くとスパッと伸び、こちらも33.9の末脚を繰り出し差し切り勝ち。何れも直線でフルに追っていない中でのこの上がりですから、中山コースに求められる反応の良さを備えていると言えるでしょう。1戦1戦高いパフォーマンスを見せているだけにここを使って皐月賞だと間隔が短くなる懸念があり、本番でレガレイラへの騎乗が決まっているルメールJを配してきたあたりもここはキッチリ賞金加算というのが本音のはず。シンエンペラーに加え無敗で臨む馬が4頭おりオッズも分散されることから、パフォーマンスの高さを考えれば十分買いと言える範疇でしょう。


■阪神11R/大阪城S ルージュスティリア

全4勝を福永元Jの手綱で挙げたことにも現れている通り、折り合いが難しい馬。前走の愛知杯は前半が流れたことではリズムよく運べてはいましたが、キレを引き出す騎乗が苦手なモリスJが乗っていたことに加え距離も長く最後は止まってしまいました。ワンターンの1800m、しかも最内であれば前に目標を置いて運べますし、馬場が良馬場まで回復したことも好材料。ハンデも53kgはかなり恵まれたと言え、ここは格好をつけられる舞台かと。


■小倉11R/関門橋S フィデル

2走前のウェルカムSは積極騎乗タイプのマーカンドJ騎乗で末を失くし⑪着、前走の壇之浦Sは直線で進路が開かず⑤着。それでも0.2差まで詰めてはおり、やはり新馬戦を勝ったように小倉への適性は高いと見ます。加えて坂路を50秒台で駆け上がってくる最終追いは6走前の再度山特別①着時以来で、立て直されて状態も問題なし。時計の掛かるコンディションも合っており、メンバーの落ち着いたここはチャンスでしょう。

2024年3月2日土曜日

【3/2(土)予想】チューリップ賞・オーシャンSの注目馬

■阪神11R/チューリップ賞 ショウナンマヌエラ

2歳戦の充実化に伴い、近年は牡馬・牝馬共にトライアルレースの地位低下が顕著です。かつて桜花賞への最重要ステップとされたチューリップ賞も、16年②着だったジュエラーを最後に桜花賞馬を輩出できていません。ひとえにローテーションの多様化がレベルの低下を引き起こしており、具体的には「阪神JF→チューリップ賞→桜花賞」というかつての王道ローテを歩む馬が少なくなったことが挙げられます。そしてそれはそのまま展開にも結び付いていると考えられ、レベルが高ければ瞬発力を持つ馬の出番が増える⇔逆に低ければ緩いペースで前残りになりやすい、という傾向が見て取れます。

【前走阪神JF組の頭数と③着内馬の4角通過位置】
23年 1頭 1-6-3
22年 4頭 8-8-4
21年 1頭 1-3-2
20年 4頭 2-4-1(※)
19年 3頭 3-12-10

20年だけハイレベルかつ前残りでしたが、この時は上位3頭(マルターズディオサ、クラヴァシュドール、レシステンシア)が力量が抜けていた結果であり、そこから0.2差の範囲にいた④~⑥着馬は「13-10-7」番手にそれぞれいましたので後方待機勢に向く流れであったとは言えます。

それで言うと今年は阪神JF組の参戦は「0頭」。抽選除外で朝日杯に回ったタガノエルピーダをカウントしてもわずか1頭ですから、今年は前残りの展開が期待できそうです。ただ、3歳春の段階で積極策を仕掛けるのは後の折り合いを考えるとリスクが高く、あまりやりたがる陣営は居ません。それでも先行しようとする馬はすなわち「逃げた方が良いと実績で証明している」タイプなわけで、今回のメンバーで言えば逃げて新潟2歳S②着しているショウナンマヌエラがそれに該当します。溜めて切れる脚を使えるわけではないためここも積極策を取ることが想定され、間隔を開けた方がいいタイプなだけに本番よりもむしろここでの賞金加算が本音でもあるでしょう。スタートさえ決まれば粘り込みの目も。


■中山11R/夕刊フジ賞オーシャンステークス ジュビリーヘッド

3角で挟まれたスプリンターズSと重馬場で前残りの決着となった昨年の春雷S以外はこのコースで堅実に走れており、そもそも1番人気⑤着だった昨年のこのレースでも4角から直線にかけ進路をカットされる不利を受けており、近走の着順が振るわないのも適条件に使われていないことが本質です。得意コースでG3クラスであれば十分やれるはずで、ここまで人気を落としているなら狙う価値はあるでしょう。

2024年2月25日日曜日

【2/25(日)予想】中山記念・阪急杯の注目馬とねらい目レース(小倉6R)

■中山11R/中山記念 マテンロウスカイ

開幕週に行われる重賞というだけあって、過去10年の内9年で4角4番手以内の馬が勝ち切っています。コース形態的に上がりの競馬にはなりにくいことに加え、基本的には先を見据えた馬が集まるレースになるため本番での折り合いへの影響を抑えるべく控えるレースを志向する人馬が多くなることも挙げられます。今年の場合テーオーシリウスがいますが、あの逃げについていくことは得策でないと皆わかっているため、かえって好位集団がかわいがられる展開が考えられます。

マテンロウスカイは前付けして速い脚が使えるタイプですが抑えると味がなく、2走前のリゲルSを勝った時のようにペースメーカーをおいて番手のレースができるのが理想です。前走の東京新聞杯は①~④着をラチ沿いを通った馬が独占した中で外を通っての⑤着と、重賞でも差のない力量を見せた一戦でした。今日1日中山の芝を見ましたがインは信頼して良さそうで、メインの幕張Sを勝ったニシノスーベニアのように好位からの抜け出しが決まれば頭まで。


■阪神11R/阪急杯 ルプリュフォール

前走の京都金杯はマイル戦でもペースが流れる想定で本命にしましたが、大事に乗っても3角でハミを嚙んでしまったように現状でもまだ息の入る距離は苦手で、やはり1400mが向いています。師曰く「開幕週の馬場でもあり、先入観を持たずに運んでほしい」とのことで、いつもの大外一気では間に合わないことを自覚してか位置にはこだわらない姿勢。テン乗りとなる岩田康Jの起用もその意識の表れでしょう。実際にこのコースで3勝クラス戦を勝った一昨年の斑鳩Sでは内枠から馬群の中を追走し、直線で抜け出す優等生の競馬が出来ていました。力量だけで言えば一昨年のスワンS③着に昨年のこのレースも⑥着と、メンバーの手薄な1400m戦であれば食い込める余地はあります。芝が掘れていない状態の重馬場であればなおのことコースロスを少なく回れるかが鍵となるはずで、馬場を気にして前が流れればチャンス大と見ます。


■小倉6R リルフロスト

昨夏の北海道で芝1200m戦を使われ③④④着。この3戦で先着を許した馬は既に全馬勝ち上がっており、ハイレベルなメンバーの中で善戦した経歴の持ち主です。前走で3走ぶりに芝1200m戦を使われましたが、陣営曰く4角でノメった際に蹄鉄がひしゃげてしまい、最後は流さざるを得なかったとのこと。先週の連闘も予定されていた(非抽選除外)くらいで蹄に問題は無く、この相手関係であれば力量は上位と見ます。

2024年2月24日土曜日

【2/24(土)予想】ねらい目レース(中山12R・小倉12R)

■中山12R チュウワスプリング

前走の1勝クラス戦は前半33.4という芝のスプリント戦並のハイラップを刻んでの逃げ切り。渋った馬場ではよくある話ですが、ホープフルSのあった当日は良馬場かつ4角の含水率1%台というカラカラのダート、しかも3歳牝馬が55kgを背負って過去これ以上のラップおよび勝ち時計で逃げ切った馬はなく、牡馬混合戦の1番枠(最も芝部分を走る距離が短い)でのパフォーマンスという点もポイントが高いです。昇級初戦でもここは牝馬限定戦ということもありメンバーは低調で、人気を分け合う各馬は何れも控えたいタイプ。強力な同型不在のここなら3連勝も視野に入るでしょう。


■小倉12R ホイッスルソング

ゲートで一呼吸遅れる癖がありどうしても後ろからになってしまいますが、その分4角から助走をつけられる小倉は合っています。2走前の八幡特別は外伸び馬場で内に押し込められエンジンを吹かせずの⑧着、前走の1勝クラス戦は直線で前の馬が外に張ったせいでろくに追えず0.4差④着と何れも不完全燃焼のレースで、スムーズに運べさえすれば現級突破の実力の持ち主です。内を空けなくていい今日のコンディションなら進路取りの難易度は下がるはずで、このメンバーなら十分勝負に。

2024年2月18日日曜日

【2/18(日)予想】フェブラリーSの全頭評価と小倉大賞典の注目馬

■東京11R/フェブラリーステークス

[1]①[地]イグナイター(西村淳)

キャリアのほとんどは1400m以下のレースに加え、好走歴のある盛岡ダ1600mコースはスプリンターが好走しやすいコース形態でもあります。(まともなスピードの馬が揃う)多頭数戦の経験も乏しく、この枠ですと馬群にもまれて何もできない懸念が。

[1]②シャンパンカラー(内田博)

昨秋の復帰予定が伸びた理由はハッキリとしていませんが、富士Sに特別登録を済ませたうえ当週まで追い切られていたわけで少なくとも夏負けの類ではなく、しかも木曜になって回避となると何らかのトラブルがあったのでしょう。そこから年内休養で復帰戦がダートという経緯を考えれば、およそまともに勝負を見込んでここに出してきているとは思えません。

[2]③[地]ミックファイア(矢野)

ダートは体力勝負の色が強く、当然ながら3歳馬と古馬とでは大きな差が出ます。ミックファイアにしても強いのはあくまで同世代間でのレースの話で、前走の東京大賞典2.4差⑧着というのが現在地でしょう。それでも前日時点では地方馬3頭の中で人気最上位に推されていますが少なくとも御神本Jは昨年⑥着のスピーディキックの方を上に見ているという話で、中央のスピード勝負についていける戦歴の担保もない現状では手は出しにくく。

[2]④ドゥラエレーデ(ムルザバエフ)

ここ2戦はダート最強クラス+ウィルソンテソーロの後塵を拝し連続③着ですが、何れも古馬との斤量差が1kgしかなかったことを考えれば勝ちに等しい健闘と言えます。但し元々指摘している通りこの馬はラストで切れる脚を使えるタイプではなく、ここ2戦は上がりの掛かるコースで前付けが叶っての好戦。今回初のマイル戦となり位置取りを落とすことは必至で、この馬の良さを生かし切れない懸念が大きいです。

[3]⑤オメガギネス(ルメール)

前走の東海Sは初の関西圏での競馬に加え距離延長の一戦。向こう正面で行きたがるところを良く辛抱しての②着でしたが、スローペースの1800m戦を叩いてここに向かうローテは当初からの理想だったはずです。但し、強い勝ち方を見せた2走前のグリーンチャンネルCは脚抜きの良い不良馬場。良馬場ではレパードSでライオットガールを捕まえ切れなかった経緯もあり、冬場でさらに時計の掛かる砂でどこまでの走りを見せられるかはまだ未知数です。

[3]⑥カラテ(菅原明)

この馬は爪が伸びやすく、暖かい時期になると調整が難しくなります。加えてコーナーワークに難があり、重賞3勝は何れもワンターンのコースで挙げたもの。故にこれらの条件を満たすG1はフェブラリーSとマイルCS程度しかないですが、芝よりコーナー径の小さいダートではまた話も違ってきます。一度見切りをつけたはずのマイル戦に再び戻ってくることで位置取りを落とす懸念も大きいです。

[4]⑦ガイアフォース(長岡)

昨春の始動戦で「マイラーズCか天皇賞か」という普通ならあり得ない二択に悩んだ陣営。いつぞやのキングヘイローやダンツフレームを彷彿とさせますが、その真意は「新装京都のきれいな芝でスピードを活かしたい」というものでした。3歳時に連勝した小倉と中山も3角からスピードに乗りそのまま押し切るレースの出来るこの馬にとって向いていたコースで、そこまでスピードを活かすことにこだわっていたにもかかわらず、適鞍が無さそうと見るやここに使ってきたのは理解に苦しみます。芝の二軍扱いだった昔ならまだしも、今のダート界は最初からダートで活躍することを見越した馬たちが上位を占めており、よほどの大雨でも降らない限りはこの馬の良さを出すレースにはならないでしょう。

[4]⑧セキフウ(武豊)

手前を変えなかったり暑いとやる気を出さなかったりとあてにしずらいタイプなうえ、3歳時のユニコーンS②着時以来東京遠征では大敗続き。武幸厩舎は気性面の問題を矯正するどころか悪化させる傾向があり、ドーブネやウォーターナビレラ等のOP馬も3歳時より適性距離が短くなっています。この鞍上で折り合いの心配をするのも野暮な話ですが、仮にそれがクリアされたとて、セキフウ自身がリミッターを解除してくれるかは走ってみないとわからずで。

[5]⑨ペプチドナイル(藤岡佑)

元々逃げなくても競馬ができるタイプではありましたが、2走前のベテルギウスSでは大外枠から無理をせず馬の後ろに入れて運び、最後にひと脚を使うレースで勝利し進境を見せました。マイルは初めてですが気のいい方ですから追走に手間取ることも無さそうです。ただ、近年の藤岡佑Jは戦法を決め打ちしてくる騎乗が多く、相対的に騎手レベルの低いローカル戦では無双できます(大外ぶん回しの多い丹内Jやイン突きにこだわる鮫島駿Jにも同じことが言えます)が、リーディング上位勢があの手この手のプランBを繰り出してくるメイン場では成績が低下。今年挙げた9勝も全て小倉でのもので、自分の思い通りにレースが運ばないときの脆さはジャックドールの降板劇にも現れています。これは体形などにも起因する個々の騎乗スタイルの問題なので今更どうこうという話ではなく、こういう舞台で積極的に買える騎手ではない、というのが個人的な評価です。

[5]⑩タガノビューティー(石橋脩)

前走の根岸Sは出遅れもそうですが、前半3Fが35.8、4F通過も48.3とまるで2000m戦かと見間違うくらいのスローペースで末脚を繰り出しても追いつけなかったことが痛かったです。この馬自身も35.4で上がってきており、昨年の根岸Sの35.3と大差ない脚を使えてはいました。石橋脩JはクイーンCのテリオスサラでも同様の出遅れをかましており、相対的にもスタートの信頼度が低い騎手であることは間違いないのですが、前走の結果を以てこの馬の能力を低く見積もる理由にはならないはずで、締まったペースの本番は改めて実力を発揮してくれるはずです。

[6]⑪キングズソード(岩田望)

マイルの経験はなく、それ以下の距離も1勝クラス時代に1400mで0.8差⑥着という実績があるのみです。5走前のアンタレスS③着時のように前半のペースが流れると取りこぼすタイプで、1700mの勝ち星も50kgの今村J騎乗時と「小倉の勝ち方を知る」川田Jの手腕で挙げたもの。前走の東京大賞典ではJBCクラシックの鮮やかな勝ち方がウソのような⑤着で、相当騎手を選ぶ馬であることは間違いないうえ、全兄キングズガードも東京コースの重賞(=1600m以下のレース)では(0,0,0,6)。この舞台で前進を望む要素は見当たりません。

[6]⑫[地]スピーディキック(御神本)

末脚は素晴らしいものを持っていますが、中央相手のペースだと使える脚が一瞬で直線の長い東京コースでは脚の使いどころが難しいです。昨年のこのレースでは⑥着と健闘を見せましたが、伸びかけたのは前が壁になり追い出しを待たされた分脚が溜まった結果であり、実際の上がりタイムはレースと同じ36.5でした。前走の東京シンデレラマイルも、2kgのハンデ差とは言えJBCレディスクラシックで2.9差⑧着と歯が立たなかったラブラブパイロ相手にタイム差なし、それも圧倒的な差し有利展開での辛勝だったわけでここでの通用と言われると?

[7]⑬レッドルゼル(北村友)

間隔を開けた臨戦で好走するタイプで、昨年のフェブラリーSも3か月の休み明けで②着と善戦。前走の武蔵野Sは夏負けが尾を引き完調ではなかった中で③着と力を見せており、まだまだここで走れるだけの力量は持っています。本質的にマイルは長いうえ戦法が限られることからどうしても展開や馬場の助けが必要ですが、ダート経験が少なかったり被されたくない馬が内枠に多い今回は前半からそれなりにペースが流れることが想定され、良馬場想定もこの馬には向いてくれるでしょう。但し、この年にして調教で相当行きたがっている面を見せているのは距離延長局面では懸念材料で、陣営もテンションに配慮して木曜追いでソフトに仕上げざるを得なかった点は少なからず割引が必要です。安田隆厩舎最後のG1にもかかわらず、川田JがG1を勝ってもいないサトノグランツの遠征(それもカタールのG3)を優先したあたりもここへの気合の入り方が透けて見えるだけに。

[7]⑭ウィルソンテソーロ(松山)

チャンピオンズCはスタートで出遅れるもレモンポップから0.1差の②着、東京大賞典は積極策でウシュバテソーロから0.2差の②着という戦績を考えれば、ここでは能力最上位というのは疑いないでしょう。そもそも交流重賞3勝、ダートでは掲示板を外したことが無かっただけに「実力馬が実力通りに走った」というだけの話ですが、それでもここ2戦がそれぞれ12番人気、6番人気と伏兵扱いされていたのは、この馬自身にG1経験が無かったこともそうですが重賞未勝利の原Jが鞍上だったということが全てでした。確かに明らかにマイナスな乗り替わりもある中、原Jをはじめ「実力が過小評価されている」タイプの騎手は配当面では妙味しかなく積極的に狙いたいですが、(騎乗経験のある戸崎Jでないのは何故、というツッコミはさておき)実績十分の松山Jが乗るとなればボーナスタイムは終了。この人気が本来のこの馬の実力を示しているというべきで、むしろこれでもまだオメガギネスのお蔭で2番人気に甘んじているという考え方もできます。

[8]⑮ドンフランキー(池添)

33秒台も厭わない速いペースで入り、最後は止まりながらも押し切るという典型的なダートのスプリンターです。ダートではマイル経験はなく、1800mで1.0差⑦着が一度あるのみで距離適性の裏付けには乏しいうえ、直線の長い東京で37秒台の上がりでは間に合わないでしょう。

[8]⑯アルファマム(キング)

折り合い面の課題もあり、良績は1300m以下に集中。2走前の霜月Sはかなりのハイペースで差し有利展開になって届いたもので、今回同じ展開になったとしても初のマイル戦で脚が持つかどうかは未知数です。

<予想>
◎ウィルソンテソーロ
○タガノビューティー
▲レッドルゼル
△オメガギネス
△ドゥラエレーデ


■小倉11R/小倉大賞典 マイネルファンロン

この馬は調教の動きと調子が直結するタイプで、この中間はウッドで長めから時計を出し5F65.2-12.1をマーク。6F以前から時計を出しつつ5F65秒台をマークするのは、21年の新潟記念を勝った時以来の好時計です。障害から戻ってのここ2戦は着順こそ⑦⑩着と地味ですが、2走前の中日新聞杯は0.5差と着差程負けてはおらず、前走の中山金杯にしても最後まで進路が開かなかった中0.7差まで押し上げており力量差はわずか。最終週で直線馬群がばらければあとは伸びるのみで、年齢で軽視するのは危険でしょう。

2024年2月17日土曜日

【2/17(土)予想】ダイヤモンドS・京都牝馬Sの注目馬

■東京11R/ダイヤモンドS ハーツイストワール

最後の3Fでギアチェンジするレースが得意なタイプで、東京コースは(3,6,0,3)と良績が集中。得てして長距離戦は残り1000mくらいから加速が始まるレースが多いですが、その多くは阪神や京都といった3~4角の下り坂でラップの上がるコースで行われていることに起因します。ここはめぼしい逃げ馬も見当たらず、かつ距離に不安のある馬ばかり。淡々と流れて最後の直線勝負になりそうな流れはこの馬に向くはずです。


■京都11R/京都牝馬S シングザットソング

ここも主戦場が1200mだったり左回りの方が向いている馬が多く、1400mの重賞を勝っているのはこの馬を含め3頭だけ。うちメイケイエールは右回りで信頼度が一枚落ちるタイプで、ロータスランドは流石に7歳という年齢に加えて今年も大外枠を引いてしまい、前付けしたいこの馬にとってはマイナスな条件です。それならばここに来て折り合いに進境を見せている昨年のフィリーズレビューの覇者を狙いたいです。

2走前のオパールSで初めて1200mを使われ、控える競馬から脚を伸ばし0.1差の②着。前走の京阪杯も中団後ろで折り合えましたが、直線で行くところ行くところ進路が塞がれ不完全燃焼の⑨着でした。陣営も今ならば1400mに戻しても良いと手ごたえを得ており、今開催の京都ならば最後の直線も馬群がばらけ捌きには苦労しないはず。得意距離での巻き返しに賭ける手はあるでしょう。


2024年2月11日日曜日

【2/11(日・祝)予想】共同通信杯の注目馬とねらい目レース(北九州短距離S)

■東京11R/共同通信杯(トキノミノル記念) ベラジオボンド

先週のきさらぎ賞の時にも話題にした通り、近年皐月賞への重要ステップレースとして有力馬の出走が増えているのが共同通信杯です。東京芝1800mというコース自体はワンターンでマイルに近い適性が求められますが、このレースに限って言えばより長いレースを志向する馬たちの集まりということもあり、中盤がしっかり緩んで最後の3Fが11秒台前半の上がり勝負になるという中距離戦らしいラップを刻みます。今回の出走メンバーの中で「最終3Fが全て11.5以下のレースを勝った経験がある馬」はベラジオボンドとジャスティンミラノの2頭。ただジャスティンミラノの勝った東京戦は1400m区間までずっと12秒台を刻んだただのドスローなのに対し、ベラジオボンドの阪神戦は36.0-37.4-34.1としっかり緩急のついたペースで脚を使えており、こちらの方が共同通信杯の適性が高いと見て本命にします。何かと株を下げるレースが続いている岩田望Jですが、余計に嫌われている今が買い時でもあるでしょう。


■小倉11R/北九州短距離S カリボール

短期免許期間を1か月残し帰国したイギリスのモリスJ。結局(1,3,7,60)という散々な成績で日本競馬への適性は証明できませんでした。彼の最大の問題は「自分の(=欧州流の)騎乗を証明したい」というスタンスで終始日本のレースに臨んでいた点に尽きると考えています。馬場も馬の造りも欧州と全く違う日本の競馬では明らかに早仕掛けと思えるレースを連発(これはバシュロJ等他の欧州組にも言えることですが)しており、それを修正する気もないのであれば関係者の信頼を得られないのは当然です。

そのモリスJが前走跨ったカリボールも、本来出していくと甘くなるタイプ。それでも前走は内有利馬場のお蔭で0.4差⑥着に粘りましたが、理想は昨年のこのレースで0.2差⑧着した時のようにじっくり溜めるレースです。今の小倉なら1分8秒台で差しの決まるレースが期待でき、この馬の持ち時計でも十分対応可能。久々に最終をコース追いでやれており状態も心配なさそうで、中枠に先行タイプが多いこの並びからも前崩れ期待で狙います。


※京都記念は人気どころに信頼を置けず、台頭を期待できる伏兵も見当たらないことから予想は見送りといたします。

2024年2月10日土曜日

【2/10(土)予想】クイーンCの注目馬とねらい目レース(紫川特別)

 ■東京11R/デイリー杯クイーンカップ  コスモディナー

前走の阪神JFでは輸送で−22kgと大きく体重を減らした上、最内枠で押し込まれストレスの掛かる競馬に。それでもゴール前で併せる形になるともう一伸びを見せた内容は悪くなく、まともなら掲示板は伺えるかと思わせるレースぶりでした。この中間2週にわたりウッドで好時計を連発したところを見ると身体は問題なさそうで、関東圏に戻って万全の状態で走れれば一発の魅力は十分です。

■小倉11R/紫川特別  アカノストロング

中央再転入後は⑦⑪着(交流除く)と地味な成績ですが、⑪着の前走はハイペースの中ヤマニンウルスを追いかけて失速したもの。⑦着だった1勝クラス戦にしても外の好位を取るまでに時間がかかった分で、直線でも下がらなかった内容を見れば外枠を引ければ変わる余地はあると見ています。上記2戦はメンバーも強く、今回絶好枠から無理せず好位の外目を取れればやれてもおかしくはありません。

2024年2月4日日曜日

【2/4(日)予想】東京新聞杯・きさらぎ賞の注目馬とねらい目レース(白嶺S)

■東京11R/東京新聞杯 ホウオウビスケッツ

過去10年で逃げ切りが3回、逆に4角10番手以下からの差し切りが2回しかなく、切れ味勝負になりやすい東京で行われる重賞としては少々特殊な傾向があります。2月の東京は芝の生育面で春や秋の開催に劣るうえ、Dコース開催でコーナー径が最も大きい時期に開催されることもあり外を回るロスが大きくなってしまいます。故に、好発を決めた逃げ先行勢がポジション的に優位になるわけですが、それでもレースの上がりは34秒台が水準。行った行ったのレースで勝つタイプでは駄目で、速い上りで走り切れる能力が求められます。

今回の上位人気を見渡すとマスクトディーヴァ、ウンブライル、ジャスティンカフェと見事に後ろから行くタイプだらけ。しかしジャスティンカフェは昨年取りこぼしたようにこの時期の東京は合ってなく、4歳牝馬2騎はリバティアイランドやブレイディヴェーグのお蔭で人気していますがレベルが高いのはそれら一部のトップクラスのみで、現4歳世代が5頭出走した昨年のターコイズSはソーダズリングの④着が最高と、斤量差を以てしても壁を崩せていません。本当に強い可能性もありますが、世代限定戦のみの経験で買われているのは少々過剰人気かと。それならば適条件に戻ってくるホウオウビスケッツに期待したいです。

実際、牡馬も上がり馬のドゥレッツァが菊花賞を制したりクラシックホース2騎が有馬記念で及ばなかったように、レベルとして疑問符がつくことは事実です。しかしながら、5走前にフリージア賞をレコード勝ちしたようにスピードを生かしたいホウオウビスケッツについては、ここ4戦は不適条件に使われ続けたおかげで着を落としていると踏んでいます。スプリングS・皐月賞は重馬場の中山、ダービーは距離が長いうえコーナー4つ、中日新聞杯もコーナー4つの急坂コースで、ベラジオオペラくらいしか相手がいなかったスプリングS②着も含め敗因はハッキリしています。その中でもダービーはパクスオトマニカがハナを主張し出がけに思いっきり引っ掛かった中、坂上まで見せ場を作っての0.2差⑥着。最後脚が上がりながらも3Fを34.0でまとめてきたところにはやはり高いスピード能力がうかがえます。

今回はそのフリージア賞以来のワンターンで折り合い面も不安なく、先行優位の今の東京も味方につけられると見ています。極めつけは中間3週連続で岩田康Jが駆けつけ調教をつけている点。ノースブリッジに代表されるように在厩調整に定評のある奥村武厩舎ですが、その3週ともウッドで52-11秒台の加速ラップを刻み、負荷のかけ方としては過去一と言ってよいレベル。夏負けで毎日王冠を見送った経緯もあり、気候的にもこの時期の方が力を出せそうでここは大きく狙いたい局面です。


■京都11R/きさらぎ賞 テイエムリステット

昔のきさらぎ賞と言えばスペシャルウィーク、ナリタトップロード、ネオユニヴァース等クラシックに直結する出世レースでした。しかし元々この時期の重賞は頭数が揃いにくいことに加え、2歳路線の整備により有力馬がここで賞金を加算する意義が薄れたこともありメンバーは年々手薄に。2月の京都は雨や雪など天候に恵まれないことも多く荒れた馬場を避けたいという理由に加え、最近ではトライアルを使わず春のクラシックを見据えた遠征をこの時期に経験させたいという関西陣営の思惑もあり、今や出世レースの座は共同通信杯に取って代わられています。

それで何が起こっているかと言えば「非ディープのよくわからない穴馬が突っ込む」ケース。京都開催の2020年以前を見ても、20年の勝ち馬は7番人気のコルテジア(父シンボリクリスエス)、19年も②着に6番人気タガノディアマンテ(父オルフェーヴル)、③着に7番人気ランスオブプラーナ(父ケープブランコ)と非ディープ系の善戦が見られます。メンバーが揃わない=社台系の主流血統馬が少ないということでもあり、それは決着時計の遅さに現れています(16年にサトノダイヤモンドが勝った時は1.46.9、以降は1.48以下の勝ち時計)。今の京都のような馬場ならなおさら、ディープを持たないクラシックを見据えた3歳春の重賞ではいかにも人気しないような馬でもチャンスがあると言えるわけです。

モーリス産駒のテイエムリステットは前走のシンザン記念で0.6差⑥着。ノーブルロジャー、ウォーターリヒトといった上位陣が外を回す中ラチ沿いの轍を進んで小差の健闘を見せた内容は評価してよく、ダートで勝ち上がった実績もあり痛みの進んだ今の京都の芝は合っています。ここ2戦はゲートで飛んでいきそうになったり芝の切れ目に驚いたりとまだ若さを存分に見せながらも結果を残しており、空き巣レースで手堅く賞金を稼ぎに来た藤原英厩舎のファーヴェントを除けば抜けた実績馬は見当たらず。この相手関係なら食い込める余地はあるでしょう。


■東京10R/白嶺S カズプレスト

再転入後連を外したのは距離不適の1800m戦とスタートで躓いた6走前の麦秋Sのみ。カレンブラックヒル産駒らしくワンターンでスピードを活かすレースが合っており、再転入後の2勝は何れも今回と同じ左回り+芝スタート+ワンターンの中京1400m戦。狙いすました東上で(0,3,0,0)の津村Jに手が戻るのも好材料。上位争いは必至と見ます。

2024年2月3日土曜日

【2/3(土)予想】ねらい目レース(アルデバランS、春菜賞、テレビ山梨賞)

■東京9R/春菜賞 キャンシーエンゼル

前走のファンタジーSはインを突いた馬が上位を占める中、終始外を回らされる苦しい展開。前に壁も作れず力みながらの走りで最後はガス欠というレースでした。小頭数の内枠であればスムーズなレースが可能なはずで、小倉2歳Sで牝馬最先着の③着という内容はここでは一枚上。前走大敗で人気を落とすようならここは妙味アリと見ます。


■東京10R/テレビ山梨賞 アルママ

約7か月ぶりの前走は輸送で大きく体を減らし-12kgでの出走。好位から直線では見せ場なく下がってしまい⑩着でしたが、0.8差に踏ん張れたのは収穫でした。休み明けを叩かれ府中に戻る今回は見直せてよく、前走現級で掲示板が3頭、昇級初戦が1頭という低調メンバーなら十分通用しても。


■京都11R/アルデバランS ゼットリアン

地元競馬が合うタイプ。3歳時のヒヤシンスSでは-14kg、前走の師走Sも-8kg遠征競馬では大きく体重を減らしてしまい力を発揮できませんでした。距離を延ばしてからは安定して末脚を使えてもおり、最後に前が止まりやすい京都1900mコースは2走前に観月橋Sで勝っている格好の舞台です。人気どころも一長一短というメンバー構成で、人気どころのスンナリ先行を許さじと各馬が早めに動く展開にもなれば頭まで。

2024年1月27日土曜日

【1/28(日)予想】根岸S・シルクロードSの注目馬

■東京11R/根岸ステークス タガノビューティー

中央競馬でダート1400mの重賞というのはそもそもプロキオンSとこのレースの2つしかなく、地方交流競走は枠も限られることから実績馬が揃う上、ペースも流れやすい舞台設定となっています。イメージとしては34秒台で入り35秒台で出てくるようなスピードとキレが求められ、故に上り37秒くらいでスピードだけで押し切るタイプや、前半の位置取りを落とす他力本願の末脚特化型の馬は厳しくなります。

かつては末脚特化型だったタガノビューティーですが、昨年のこのレースからブリンカーを装着し速い流れでもついていき確実に末脚を使うようになってから成績が安定。その昨年こそ強い上位勢の前に④着に屈しましたが、その後コーラルSで2年ぶりの勝利を挙げるとかしわ記念でも②着、昨年の武蔵野Sでも②着に好走。連を外した2走前の南部杯は前が止まらない短距離馬向きの展開の中④着、その前のプロキオンSは異常歩様で参考外と言えます。元々朝日杯FSでも④着の実績がありスピード勝負に対応しうる素地はある上、東京コースでは5勝の実績。強力先行勢の中でも確実に脚を使える存在として、人気でも中心視でしょう。


■京都11R/シルクロードS トゥラヴェスーラ

連続開催の京都は先週・今週とBコースを使用。重馬場の先週ほどではないにせよ依然として時計は掛かっており、今日の最終レースの1.21.7という勝ち時計は昨秋の開催最終盤の2歳未勝利戦と同水準の勝ちタイム。京都開催のシルクロードSは年を追うごとに時計がかかっており、前回2020年のアウィルアウェイの1.09.0という水準を考えれば、限りなく1分10秒台に近い決着が見込まれます。

トゥラヴェスーラのここ3戦は1分7秒台前半の決着が続き④⑥④着。大きくは負けていないものの時計面の限界もあり善戦どまりとなっています。過去3年、重以下で行われた高松宮記念で④④③着と時計の掛かる決着は得意とするところで、かつドリームジャーニー産駒で荒れたタフな馬場にも実績十分で、左回りかつもう少し内目の枠がベストでしたが今回は久々に時計的には間に合うチャンスと見ます。9歳馬に重賞未勝利の鞍上と人気を落とす要素は満載も、決して弟子への温情ではなく師が「今なら合う」と満を持して永島Jを起用してきました。2週前、1週前と坂路で好時計からの当週軽めはいつものパターン。鼻出血持ちのこの馬にとっては一戦一戦が落とせないレースで、陣営の本気度を見誤らずに狙いたいです。

【1/27(土)予想】ねらい目レース(東京8R、小倉12R)

■東京8R キタサンドーシン

右回りで(0,0,0,4)に対し左回りで(2,2,2,4)。着外の内1回は⑤着、2回は芝、ダートで⑧着に敗れた東京戦も他の馬に寄られて向こう正面で位置を下げる不利があってのものでした。右回りの前走は度外視でき、力のいる良馬場も得意にしています。北村宏J・永野Jいずれも負傷により、6戦ぶりに手綱を取る岩田康Jは今日この1鞍のためだけに東京へ。園田時代を含めても「東京遠征で平場1鞍だけの騎乗」はこれが初めてで、勝機を意識しての東上にも期待です(逆にこれで勝てなければ、今の同騎手の立ち位置はこんなものという証明にもなってしまいますが…果たして)。


■小倉12R ロードリライアブル

いつも自分の脚は使えるのですが、周りも速い上りを使われてしまうと間に合わないというタイプ。前走の1勝クラス戦は前半まともに掛かってしまいレースにならずで、距離短縮で臨む今回は折り合いもマシになるうえ、良馬場且つ荒れ馬場の今の小倉であれば最後に周りが止まって間に合う期待大。

2024年1月21日日曜日

【1/21(日)予想】AJCC・東海Sの注目馬とねらい目レース(京都7R)

■中山11R/アメリカジョッキークラブカップ クロミナンス

人気を分け合うのが「今や宝塚記念へのステップレースとしての意義を失い伝統だけの空き巣G2」である目黒記念を勝ったボッケリーニとマイネルウィルトス、チャックネイト等重賞未勝利のメンバー。反動の大きいタイプでもあるボッケリーニは前走タイム差なし②着の後の中6週でどこまでパフォーマンスを戻せるかが未知数ですし、マイネルウィルトスは馬場適性は認めてもトリッキーな中山コースへの対応が鍵。チャックネイトは近2走何れも差し有利展開に乗じての好走で、スローペース+末脚を削がれるであろうこの舞台に適応できるかが課題という現状です。

クロミナンスは明け7歳。前走のノベンバーSでようやくOP入りしましたが、これまで3度の骨折があり順調に使えてこなかったこともありまだキャリアはわずかに10戦。前走は東京でキレ勝負を制しましたが、元々中山でも2勝しており好位から勝負できるタイプです。今回のメンバーを見渡すと控えたい馬が多く、場合によってはこの馬が逃げる可能性も。ゲートが開いて瞬時の判断で前につけられる可能性があるこの鞍上であれば、今日の展開利を最も享受できる存在と見ました。


■京都11R/東海テレビ杯東海S オーロイプラータ

先ず一言。
中京でやらないなら東海S名乗るのやめてくれませんかねぇ…紛らわしいことこの上ない。

今回G1級の古馬の参戦はなく、3歳時から古馬相手に善戦してきた馬がその成長力で伍する可能性は十分にあると考えています。その筆頭はオメガギネスですが、前走のグリーンチャンネルカップは②着のベルダーイメルと実に5kgの斤量差があっての0.6差勝ち。単純に1kg=0.2秒と考えれば実はベルダーイメルに負けてしまっているわけで額面通りの評価はできず、加えてワンターンの前走と今回とでは舞台条件も全く異なるうえ、大和田厩舎は関西以西で(1,4,7,112)と極度の遠征下手。勝ち星の大半は東京・中山で、開業以来京都の平地では勝ち星がありません。オメガギネス自身も唯一の遠征競馬となった2走前のレパードSはライオットガールに不覚を取っており、泥をかぶりたくないと考える各馬が好位を取ろうと先行争いが激化すると前半の消耗が大きくなる懸念もあります。

こうなると、末脚タイプかつ大外枠を引いたオーロイプラータに期待したいです。前走のカノープスSではインを立ち回った上位2騎に対し外を回して③着と力を見せ、斤量も勝ったウェルカムニュースとは1kg差。今回も5歳以上馬との斤量差は1kgのままですから、成長と展開利が加算されれば十分足りてよく、ハイペースで最後に前が止まる流れになれば。


■京都7R ブリタニア

芝に転向した前々走・前走で掲示板に載った馬たちは何れも次走で入着。特に前走を勝ったマイネルエンペラーに至っては昇級初戦の尾張特別を連勝しており、ハイレベルなメンバーの中で善戦しています。元々はダートで新馬勝ちしておりこの2戦は良馬場のキレ勝負についていけていない感じでしたが、今日の馬場コンディションなら英国産種牡馬ハービンジャーの血が騒ぐはずで。

2024年1月20日土曜日

【1/20(土)予想】ねらい目レース(中山6R・東雲賞)

■中山6R クラート

ここ2戦は格上挑戦で、自己条件(未勝利)に戻るのは3戦ぶり。2歳の1勝クラスやOPは頭数が少なくなりがちで、ミルファームや田頭氏の所有馬、また森厩舎の管理馬などが多く格上挑戦していました。その多くは⑨着(OPなら⑩着)以内に進呈される出走奨励金(1着賞金の2%~)目当てで、特に以前はOP競走ならタイムオーバーでも満額支給されていたので出るだけで得だったのですが、2019年から未勝利馬に限りタイムーオーバーの場合は支給されなくなりました(発端となった事象は「ヘヴィータンク事件」を参照ください)。これによりおよそ勝負にならない馬は出しても意味がないため、以前より未勝利馬のOP挑戦は減ってしまいました。それが何だという話ですが、このクラートはミルファームの馬でデビュー戦で⑨着したのち未勝利の身でダリア賞に挑戦し、2.8差の⑨着で出走奨励金+特別出走手当+内国産馬奨励賞の173万5,000円を満額ゲット。前走の芙蓉Sでも1.6差の⑧着で同額を持ち帰っており、「OPでもタイムオーバーにならない程度の実力」は持っているどころか逆にタイム差を縮めており、ミルファームの伝統芸と片づけられないレベルの健闘を見せています。

加えてデビュー以来なかなか負荷をかけられてこれませんでしたが、この中間は古馬を相手にウッドで1.3秒先着するなど急上昇。減り続けていた身体も戻っており、ようやく本領発揮となれば未勝利では侮れません。


■中山10R/東雲賞 マイネルニコラス

前走の初日の出賞は微妙に距離が長かったことに加え、3角でまくってきた馬の直撃を受けハミをかむ場面もあり最後に止まってしまいました。前に馬を置いて折り合わせる形なら見直せてよく、戸崎Jがグランドラインでなくこちらを選んだ背景も加味すれば好勝負必至でしょう。

2024年1月14日日曜日

【1/14(日)予想】日経新春杯・京成杯の注目馬とねらい目レース(中山5R・8R)

■京都11R/日経新春杯 ヒンドゥタイムズ

前走の京都大賞典は開幕週でイン有利の展開を外を回して0.2差④着と悪くない内容。去勢して幾らかマシになったとはいえやはり寒い時期の方が調子を上げる馬で、ハービンジャー産駒らしく力のいる馬場も得意とするところです。人気薄での好走が目立つルメートルJへの手替わりもプラスで、前走だけ走れればここでも十分通用するはずです。


■中山11R/京成杯 ダノンデサイル

前走の京都2歳Sはシンエンペラーから0.1差の④着。直線では進路を切り替えるロスもあり、ゴール前の末脚だけならこの馬が一番見どころがありました。安田翔厩舎は昨年オメガリッチマンを遠征させ②着しているようにこのレースをターゲットにしており、横山典Jを配してきた今回は勝負気配でしょう。


■中山5R メイパワー

関東馬にもかかわらず阪神の新馬戦におろして⑤着。16番枠からのスタートで終始壁を作れず、メリハリのない競馬になってしまった割には最後まで頑張りました。


上記の通り、元々ファインニードル産駒は阪神コースを鬼門としており、最も出走数が多いにもかかわらず唯一勝利がありません。中山替わり、内枠替わりで好転は必至で、好発から壁を作って進めれば。


■中山8R プラウドヘリテージ

過去6戦すべてダートを使われていますが、今回と同じダートスタートで(2,0,0,0)に対し芝スタートでは(0,0,0,4)。前走の2勝クラス戦も芝スタートの東京ダ1600mで、芝部分の行き脚はひと息。デビュー戦は1700mを逃げ切っておりコーナー4つの1800m戦なら守備範囲と見られ、近走逃げた馬が居ないメンバー構成からもスンナリが叶えば一発。

2024年1月13日土曜日

【1/13(土)予想】愛知杯の注目馬とねらい目レース(淀短距離S、ニューイヤーS、中山6R)

■小倉11R/愛知杯 アレグロモデラート

2走前の能勢特別の内容を評価したいです。当時は56kgを背負い、55kgで②着だった3歳牡馬アスクドゥポルテを完封。後半4F11秒台が続くラップを押し切っており、向こう正面から下り坂が続く小倉のコース形態もこれに似たラップを刻むことから舞台適性は高いと見ています。このレースは修学院S組から3頭が出ていますが、当時の斤量差で言えば勝ち馬ミッキーゴージャスと0.7差⑥着だったこの馬は同斤で、今回3kg(=約3馬身≒0.6差)の斤量差は妥当と言えるでしょう。その上で、当時⑤着だったセントカメリアに対しては斤量差が1kg→3kgに拡がるので計算上は優位に立っていること、器用な立ち回りが要求される小倉2000mコースで内目の枠を引けたことを踏まえれば人気差ほどの力量差は無いはずです。


■京都11R/淀短距離S キャプテンドレイク

冬場に良績が集中する馬で、かつ休み明けは太目が残りやすく走らないタイプ。前走のタンザナイトSは+16kgとお釣りを残した仕上がりでしたが、最後方から0.5差⑥着まで押し上げてきました。芝が脆く先行勢がスピードを生かしにくい今の京都の馬場ならば間に合ってよく、得意時季、叩き2走目の前進期待です。


■中山11R/ニューイヤーS フィールシンパシー

中山マイルで崩れずに走れていますが、2走前の紅葉Sでは1.31.9の勝ち時計をマークしており時計勝負への対応力も見せています。月曜の最終レースで1.32.5の時計が出たように今の中山は高速決着が見込まれ、メンバー中唯一マイルで1分31秒台の時計を持っているこの馬の出番と見てよいでしょう。


■中山6R バビロン

過去2戦とも東京の1800m戦に使われ⑥⑦着。前走の未勝利戦は直線で進路を探しながらの分もありましたが、何れも速い上りに対応できていませんでした。現3歳世代が初年度となる父アルアインは現役時代皐月賞・大阪杯と上がり勝負になりにくいG1を2勝しており、サンプルは少ないながらも東京芝は延べ15頭が出走し(0,1,0,14)と苦手な様子。半兄のワセダインブルー、ハイエストピーク、ダイワチャーチルも揃って東京で勝てず→中山で未勝利勝ちという経歴をたどった兄弟で、この舞台替わりが吉と出れば。

2024年1月8日月曜日

【1/8(月・祝)予想】シンザン記念の注目馬とねらい目レース(寿S)

■京都11R/日刊スポーツ賞シンザン記念 デルシエロ

今開催の京都は昨秋の傷み自体は残っていないものの、オーバーシードされた洋芝の根付きが悪いようで良馬場にも拘らず金杯デーからボコボコと芝がめくれていました。その結果、その金杯こそ岩田康Jのお家芸が炸裂するほどイン有利だったのが日曜になり表面の掘削が進み差し有利馬場に一変。昨日の最終レースも田口Jのグランツベリーが難なくハナを奪い、前半3F34.4という無難なペースからも勝ちパターンかと思われましたが、最後は差し勢の台頭に遭い⑤着。差しの効く馬場になっていることは明らかですがかといって外が有利かと言われるとそうでもなく、掘れ方からして恐らく馬場の五分どころあたり(下記画像緑枠)までオーバーシードされていると思われ、さらにその外を回そうとすればかなりのコースロスを覚悟しなければなりません。


加えて上がりも相当かかっており、例えば前開催で最後のマイル戦となった3勝クラスの清水Sのレース上りは33.6、最速は③着だったスズハロームの32.6でした。一方昨日行われた同じ3勝クラスの新春Sは清水Sより1F短く速い上りが出てもおかしくない条件にも拘らず、レース上りは35.5、上がり最速で勝ったサンライズロナウドでさえ34.4と2秒ほど上りを要しています。こうも上りが掛かると、人気になるであろう東京勝ち上がり組やノーザンファーム生産のキレキレタイプよりタフなタイプを狙うのが理にかなっているでしょう。

本命を打ったデルシエロは徹底した昼夜放牧で鍛え上げられた岡田スタッドの生産馬(ちなみに隣のノーブルロジャーはノルマンディーですが外国産馬)。レイデオロ産駒らしくキレキレというよりはタフさで勝負するタイプで、ここ2戦は距離不足で位置取りを落としていた分もありました。距離延長で位置取りは楽になるうえ元々はマイルの新馬戦を勝っており、適度に時計の掛かる今の京都も合っています。18頭立てで内目の枠を引けた利も大きく、積極騎乗が板についてきた坂井Jの手綱なら侮れません。


■京都10R/寿S エーデルブルーメ

前走の魚沼Sは雨中の不良馬場で進みが悪かったのに加え、ラチ沿いを進んだ2頭が①③着に残す決着でラチから離れての追走で④着。平坦のコーナー4つは向いており、8枠スタートも過去(2,1,0,0)と得意にしています。定年の近い師匠・安田隆師の管理馬に乗る機会も残り少なくなった川田Jが手綱を取るここは頭期待。

2024年1月7日日曜日

【1/7(日)予想】フェアリーSの注目馬とねらい目レース(中山7R)

■中山11R/フェアリーステークス テリオスサラ

前走の赤松賞では外を突いた上り上位の3頭が台頭する中、次走阪神JFで②着するステレンボッシュから0.2差②着と健闘しました。2000m、1800mと距離を縮めながら好走できており、上りの求められる東京からタフさが求められる中山への舞台替わりは好材料です。父のロジャーバローズも短い現役生活の中で34秒以下の上がりを使えた試しが無く、ダービーを先行押し切りで制したように本質的にはキレ勝負よりパワーを兼ね備えた資質が求められるレースに向いていました。スタートにケチがつくタイプでもなく、好位をスムーズに取れれば好戦可能と見ます。


■中山7R ネオシルバー

前走のプラタナス賞は先行2騎の決着で、しかも勝ったイーグルノワールが次走で兵庫ジュニアGP制覇、一緒に追い込んで③着したアマンテビアンコも次走でカトレアSを勝つ等レベルの高い一戦でした。元々デビュー戦はこのコースで勝っており、前半64秒のスローペースをまくり気味に押し切った内容も評価できるもの。新馬勝ちの舞台に戻って順当に好勝負と見ます。

2024年1月6日土曜日

【1/6(土)予想】東西金杯の注目馬

本年もよろしくお願いいたします。

■中山11R/日刊スポーツ賞中山金杯 リカンカブール

シルバーステート産駒の珍しい特徴として「東京コースが苦手」という点が挙げられます。


上記は昨年末時点での同産駒の芝コースにおける開催場別成績。御覧のように北海道・東京・九州で極端に成績が悪く、中山・中京で高い成績を挙げています。これは京都金杯に出走するセッションにも言えることですが、末脚に限界があるタイプで上りの絶対値が求められる東京のような舞台は向いていないと考えられます。故に急坂で上がりの速さが求められない中山へのコース替わりはプラスで、昨年暮れの開催がイン有利だったことを考えればCコース替わりの内枠はだいぶ有利と考えてよいでしょう。終い一手を好まない津村Jへの手替わりで位置取りが改善すればこのメンバーでも通用するはずで。


■京都11R/スポーツニッポン賞京都金杯 ルプリュフォール

今年で8歳ですがこれがまだキャリア28戦目。過去27戦の内17戦で上がり最速をマークしている切れ者ですが、折り合い難を抱えており終い一手&短い距離しか使えず、追い込むも届かないというレースが続いています。元々京都芝1600m戦は2戦2勝(内回り・外回りで1勝ずつ)と相性が良く、テンに行きたがることも無い今なら距離が問題になる可能性は少ない(=折り合えるのに1400mにこだわり続けてきただけ)と見ます。大外一気のイメージが強いですが今の京都ではそれは難しく、陣営も「上手く捌いてほしい」と馬群内でのレースプランを描いている模様です。

4戦連続で手綱を取る秋山真Jは末脚のある馬でしか成績を残せないタイプで、エイティーンガールの京阪杯やダイメイプリンセスの北九州記念など大外を回すロスの大きい騎乗も厭わないスタイルではありますが、(改修で調整されたとはいえ)京都コースは4角で前がばらけやすくインで腹を括れば最短距離を伸びてこられます。同騎手が最後に京都で勝ったのは20年1月の寿S(ウインクルサルーテ)で、この時も後方からのレースを強いられた中インで我慢し直線前が開いたところを突き抜けたもの。距離延長で内枠を引いた以上極端に引かない限りはそこそこの位置からのレースになるはずで、有力馬がこぞって外目を引きペースも流れる想定なら末脚で足りるはずです。