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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2021年5月30日日曜日

【5/30(日)予想】ダービー&目黒記念の全頭評価とねらい目レース(むらさき賞)

[1]①エフフォーリア(横山武)

 元々ダービー向きと思われていた中で皐月賞を完勝。内を通って前が上手く開いたうえ馬場も回復していたというのは大きかったですが、0.5差はメンバー間での勝負付けはほぼ済んだと思わせる強さでした。

 但し今の東京は必ずしも内が良いとは言えず、土曜の7R(3歳1勝クラス、芝2400m)では1番枠のジェニーアムレットがハナを切り61.1のペースで運びましたが2.8差の10着(11頭立て)。騎乗した横山武Jも明日の戦法を決める参考にしたはずですが、そうなると今度はいかにして外に出すかが課題になります。

 33秒台前半の脚を繰り出せるエフフォーリアに勝とうと思うなら後ろから差すのは厳しく、バスラットレオン、タイトルホルダーに限らずそれより前の位置を取りたい馬は多いはずです。この「エフフォーリア包囲網」をいかに打破するか、偉業達成への最大のハードルはここにあると見ます。

[1]②ヴィクティファルス(池添)

 それまで3戦後傾戦を差して好成績を収めていましたが、皐月賞では前後半5Fともに60.3-60.3のイーブンペースで位置を下げてしまいました。この日の中山は決して外が伸びないわけではなく、当日1時間前に行われた芝2000m戦は捲り気味に進出した外の馬が差し切っていました。それなりにペースが流れたうえでさらにキレが求められるこの舞台では、パフォーマンスを上げる期待はしにくいかと。

[2]③タイムトゥヘヴン(石橋)

 前走のNHKマイルCでは直線スムーズさを欠きながらも6着と地力を示しましたが、今回はそこから800mの距離延長。京成杯で前半63秒で逃げて残せなかったことが距離に原因があるとすれば、ロードカナロア×キストゥヘヴンでこの舞台での前進期待は難しいと考えます。

[2]④レッドジェネシス(横山典)

 京都新聞杯は暴走気味のルペルカーリアをようやく捉えての勝利で、1勝クラスを勝てない馬も混ざっていたことを思えば高くは評価できないレースでした。前回も今回も直前はポリトラックや芝コースが主体で体に気を遣いながらの調整が続くうえ、この鞍上ではエフフォーリアのアシストとばかりにレースをぶち壊す懸念すらあります。

[3]⑤ディープモンスター(武豊)

 距離は伸びた方がよく東京のような広いコースが向いているのは事実ですが、すみれSは同馬以外は1勝クラスでも勝ちきれない馬の集まりでレースレベルとしては疑問符が付く中力の違いで押し切った印象で、33秒台のギアを隠し持っていれば話は別ですが母系からも上りはかかった方が良い印象で、良馬場想定の現状では推しにくいです。

[3]⑥バジオウ(大野)

 負けて強しの大寒桜賞を経て前走のプリンシパルSは完勝という内容でしたが、やはりレベルとしては1勝クラス程度というのが妥当な見方でしょう。今回は簡単に好位は取れなさそうですが、タイトルホルダーと違って番手でも勝ち切れている点はプラスで、バスラットレオンを追いかけてどこまで粘れるかでしょう。

[4]⑦グラティアス(松山)

 先述の通り皐月賞は外が伸びなかったとは言い切れず、目立った不利も無く道中の位置取りからそのまま流れ込んで6着という内容からは強調材料が見当たりません。これまで3か月おきにレースに使っていたところから初の中5週というローテも未知数で、2.4億という取引価格の割にいつも加藤征師の調子が見られないという点からもここで大望は難しいかと。

[4]⑧ヨーホーレイク(川田)

 この馬には10頭の全兄弟(兄・姉)がいるのですが、そのほとんどが3歳春以降パフォーマンスを伸ばせておらず現に古馬OPを勝った馬はゼロ。世代戦にしても一番の出世株であろうマウントシャスタも毎日杯2着→NHKマイルC6位入線(失格)、カミノタサハラも弥生賞1着→皐月賞4着といった具合で、完成度のリードが無くなることで相対的に着を落とす傾向にあります。この馬も皐月賞は善戦しましたが、それ以上を望むことが難しい一族であるが故、大きくパフォーマンスを伸ばせる期待は薄いと見ます。

[5]⑨ラーゴム(浜中)

 皐月賞では出だしで行きたがるところがあり、4角で既にガス欠というレースでこれを以て実力とするのは早計でしょう。但しその前のきさらぎ賞よりも前半が流れたにもかかわらず気難しさを見せたという点では今回さらに距離が延びることはプラスではなく、タイム差なしの2着だったヨーホーレイクとの比較で考えてもここで伍するのは難しいかと。

[5]⑩シャフリヤール(福永)

 全兄アルアインと同じく毎日杯を好内容で勝った後、陣営はダービー直行を選択。流石にレコードで勝った後で輸送込みの中2週は厳しいと見られるだけにこれは正解でした。中間はじっくり乗られ2週連続でサトノシリウスとの併せ馬で先着。好気配で送り出せる態勢は整ったと見ます。

 但し気になるのが、藤原英厩舎が世代戦で連勝することのハードルが年々高くなっている点。


 上記は同厩舎の3歳世代限定戦における「前走1着だった馬」の成績です。ここ10年ほどは人気馬でしか勝てておらず回収率は低迷トレンド。未勝利→条件戦の臨戦パターンを含め勝ち馬がゼロという年も多くみられます。

 ノーザン主体の構成となった同厩舎にとっては回転を高めるために1戦1戦が勝負となりますが、これが「お釣りを残すことをしなくなった」のか「単純に仕上げが下手」なのかは何とも言えないデータです(一応「中8週以上」でのデータも取りましたが勝率はほとんど変わりませんでした)。立て直す期間を得た今回は変わってくる可能性もありますが、この人気では少々危険かもしれません。

[6]⑪ステラヴェローチェ(吉田隼)

 キレでは劣るもパワーと持続力で勝るというタイプで、荒れ馬場の内を突っ込み3着に来た皐月賞はお見事でした。今の東京の内はそんなに良くはないですからコースロスなく進んでの一発はあるかもですが、外が伸びますのでキレ勝負では分が悪いというのが正直なところです。

[6]⑫ワンダフルタウン(和田竜)

 頓挫があり何とか間に合った青葉賞を快勝。中2週で再度の遠征は楽ではないですが、前走に比べて調教負荷もかけられており体調面の不安はなさそうです。ただその前走はインベタから直線でうまく外に出せての勝利で、同じような位置を取りたい馬が多くなる今回はそう楽はさせてもらえなさそうな展開が予想される故、一筋縄ではいかないと見ます。

[7]⑬グレートマジシャン(戸崎)

 全兄弟にフォイヤーヴェルク、ノチェブランカ、ブラックマジックと芝2000m超を主戦場とする馬が多く、スピード決着は苦手かと思っていましたが毎日杯がレコード勝ちのタイム差なし2着。期待値の高さを思えば当時は物足りなさもありましたが、わざわざ遠征して挑んだ初重賞でこの時計に対応できたのは振り返れば大きく、大箱コース+外伸び傾向と歓迎すべき条件が揃うここは十分台頭が見込めます。ただまだ多分に幼さを残す分道中で我慢が効くかどうか、戸崎Jの腕の見せ所でしょう。

[7]⑭タイトルホルダー(田辺)

 行けないと良さが出ないタイプで、皐月賞も結果的に途中からハナに立ったことが好結果に繋がりました。今回はそれをやろうとするならバスラットレオンを途中で抜かなければならず、後述しますが緩急をつけるタイプの逃げではないため自ら加速しないと抜くことは難しく、かといって2番手で垂れてくるのをじっと待つのでは外差し勢にやられてしまいます。

 可能性があるとすれば、バスラットレオンと2頭して後続を大きく引き離しリードを保って直線を迎えるロジャーバローズパターン。但し例年ほどインが良くないことを考えれば、直線でのコース取りに悩むところです。

[8]⑮アドマイヤハダル(M.デムーロ)

 エリカ賞、若葉Sともにメンバーの戦績から強調できる内容ではなく、前走もイン追走からうまく外に出したかと思いましたが伸びは存外。良馬場で巻き返す期待はありますが、アイビーSの内容からも東京コースではキレ負けの懸念があります。

[8]⑯サトノレイナス(ルメール)

 冒頭、エフフォーリアに勝つためには差すのは厳しいと言及しましたが、唯一後ろからでも勝つ期待を持てるのが桜花賞で32.9の末脚を繰り出したこの馬と見ます。その桜花賞はスピードを持った馬が台頭する流れでソダシを捉えきれませんでしたが、全兄には菊花賞3着のサトノフラッグを持つ血統で距離延長+長く良い脚を使える適性はこの舞台向きと見ます。ルメールJも位置にはこだわらず自分のレースに徹するとコメントしており、外差し競馬で末脚を全うさせる覚悟でいます。

 オークスに出ていたら2倍台の2番人気は確実でしたでしょうが、66歳の国枝師にとってもダービー挑戦のチャンスはもうそう多くないということ、加えて2016年に8cm差で逃したダービーの栄冠に挑まんとする里見治オーナー(サトミHC)の想いを汲めば、桜花賞2着となり牝馬3冠の資格を得られなかった時点でここへの参戦は半ば必然だったとも言えるでしょう。かねてから自分はここに出てくれば重い印を打とうと決めていた1頭であり、この中間の前哨戦の結果からもその結論を変える必要はないと見ています。

[8]⑰バスラットレオン(藤岡佑)

 陣営も鞍上も「本来もっと距離が伸びてよく、切れる末脚を使える馬」という評価は一貫しているのですが、気持ちの面で緩急をつけたレースができないことから現状では一本調子のレースオンリーになってしまいます。ニュージーランドTではスピード能力の違いを見せつけ圧倒しましたが、今回は例年のようなイン有利の馬場とまではいかないだけに逃げてどこまで、というレースにならざるを得ないでしょう。

 尤も、藤岡佑Jがゴールまでまたがり続ければこの馬は(2,0,0,0)ですし、デビュー戦のようにスローに落とせれば終いは33秒台の脚を使えます。要は「ブレーキが使えないタイプ」という話で、他が様子見して平均以下のペースに落とせた時には見せ場を作る期待は十分にあります。


<予想>
◎サトノレイナス
○エフフォーリア
▲グレートマジシャン
△バジオウ
△バスラットレオン

 Cコースに変わっても例年より内が良くないことを踏まえ、外有利の決着を見越してサトノレイナスを本命に抜擢しました。当然エフフォーリアにうまく捌かれればアッサリというシーンもありますが。3着候補は舞台変わりで前進あるグレートマジシャンに加え、先行勢からは行き切るバスラットレオンと番手でも持ち味出せるバジオウを複穴で。



■東京12R

[1]①ムイトオブリガード(横山武)

 前走新潟大賞典はメンバー最速の上りを使って0.4差7着。ひと叩き後の2戦目で動きは良くなっていましたが、ワンターンで平坦の2000mではさすがに道中の追走で手一杯というレースでした。坂を2回上る東京2500mは一昨年のアルゼンチン共和国杯で勝利しており、調教も前走時より格段に動けていることから前進可能と見ます。但しトップハンデで足りるかどうかは微妙なところ。

[1]②トラストケンシン(吉田豊)

 2年間勝利から遠ざかっていますが、一昨年のアルゼンチン共和国杯では格上挑戦の身ながら0.3差の5着に入っています。全3勝はすべて東京で右回りでは難儀する馬なのですが、前走は中山で0.2差5着と復調気配を見せました。中間の調教は馬なりで50.7-12.6と好時計をマーク、展開に左右される部分は大きいですが外差しの効くコンディションで52kgであれば見せ場を作れる可能性はあるでしょう。

[2]③アドマイヤアルバ(北村宏)

 3歳時の京都新聞杯2着をピークにパフォーマンスを更新できておらず、最後に掲示板に載ったのも一昨年の京都金杯の4着まで遡ります。53kgのOPでも1秒前後負ける現状に加え、本質的には1600~2000mが守備範囲と見られ距離もやや長いです。

[2]④サンアップルトン(柴田善)

 昨年のアルゼンチン共和国杯で0.3差3着とコース適性は証明済みで、前走のメトロポリタンSは外に進路を取ろうとしたところ前をふさがれ切り替えるロスがあったもので見直しは可能でしょう。但しここが目標と言っておきながら中間はプールを多用しつつ南ウッドで馬なりの併せ馬。状態維持を最優先にしている状況では前走からの上積みとなると疑問符が付きます。

[3]⑤ウインキートス(丹内)

 前走の日経賞では3角で他馬に寄られ内ラチに接触するアクシデント。これを除けば過去14戦すべて5着以内と堅実さが光ります。但し好走歴は中山、札幌、福島と小回り右回りに集中しており、内が必ずしもいいとは言えない状況で立ち回りだけでやり過ごすのは難しい舞台と見ます。

[3]⑥アドマイヤポラリス(吉田隼)

 純粋な切れ味勝負では分が悪いものの、道中でじわっと進出し直線で前を捉えるレースが得意なタイプでこの2連勝も自分の持ち味を発揮したレースでした。詰めの甘さも解消されつつあり、外回りコースだった2走前の阪神2400m戦で34.2で上りをまとめていることからもここにきての充実度は目を見張るものがあります。ただ今回はスロー必至のメンバー構成で、似たような位置から切れ味を繰り出せる同型馬も少なからずおりどこまで踏ん張れるかが鍵でしょう。

[4]⑦サトノルークス(大野)

 前走は59kgを背負っていたことを思えば0.6差6着は健闘の部類ですが、それ以前の重賞では重馬場だったセントライト記念と長距離戦の菊花賞を除き脚力不足で苦戦が続いています。大雨が降れば別ですが、仮に15時前後から雨が降ったとしても府中の水はけを考えれば良くて稍重程度でしょうからやはりここでは脚が足りないと見ます。

[4]⑧ヒートオンビート(川田)

 後ろ過ぎては届かない一方で、ある程度ペースが流れても前目から良い脚を使えるのがセールスポイント。その分脚の使いどころが鍵で、前走は早めに抜け出した後直線で右へ左へ寄れているうちにミスマンマミーアに差されてしまいました。こうなると本来は直線の長いコースは戦い方が難しくなるのですが、この馬に乗って(2,1,1,0)の川田Jならうまく導いてくれるでしょう。初輸送をクリアできれば。

[5]⑨アイスバブル(石川)

 この馬の好走歴は短期免許の外国人Jが乗った時に集中しており、該当時は(3,3,1,2)なのに対し日本人Jでは(1,2,0,11)。昨年2着も隔離覚悟で来日したレーンJが駆ってのもの。流石に石川Jを「仮想ムーア」と扱うにはまだ早く…

[5]⑩ナムラドノヴァン(内田博)

 初勝利以降は前半5Fが60秒を超えるような低速戦でしか走れておらず、万葉Sも長丁場+軽斤量、阪神大賞典も重馬場と好走できる条件が揃っていました。前走の天皇賞(春)は道中通過順がほぼそのまま着順になる展開でこの馬には向きませんでしたが、今回60秒くらいで流れそうなこの舞台では追走に懸念が残ります。

[6]⑪グロンディオーズ(ルメール)

 1年半ぶりで+28kgと明らかな叩きだった昨年の江の島Sを除き、東京では(4,0,0,0)。他1勝も新潟の外回り2000mと直線向いてゴーサインを出せるコースが向いており、舞台適性は抜群でしょう。この馬もサンアップルトン同様に中間はプールを多用し最終は坂路で馬なり単走でしたが、並行して日に2本ずつの登坂を繰り返しており負荷という意味では十分にかかっています。重賞連勝が期待できる出来と言えそうです。

[6]⑫ダンスディライト(横山典)

 3走前のオリオンSを積極策で押し切ったものの、同舞台の京都記念では見せ場なく0.7差の6着。現状では時計面に課題を残すうえ、さして斤量で恵まれているわけでもないここでは強調材料に乏しいです。

[7]⑬ディアマンミノル(松山)

 前半5Fが61.0秒以上なら(4,1,1,4)、それ未満なら(0,0,2,3)と良績は低速戦に偏っています。ここ3年は59~60秒台で流れていますがペースメーカーがいない今年は61秒台を踏む可能性があり、位置取り次第で台頭は可能な舞台です。

[7]⑭ゴールドギア(田辺)

 前走は直前の動きも良く復調なっての1着でしたが、もともとこのコースは得意としており昨年のこのレースでも5着と健闘しています。出来は良い意味で平行線ですが、昨年から斤量が2kg増える点を考えると着を上げられるかは微妙なところです。

[8]⑮ミスマンマミーア(福永)

 前走はヒートオンビートがふらふら走っていた分間に合ったとはいえ、33.0の末脚は優秀でした。直後の桜花賞でインから伸びたソダシがレコード勝ちしたように外有利というコンディションでもなく、2走前の日経新春杯2着からも坂を2回上がるタフなコースも得意にしています。しまいを伸ばす調教は前走同様で、ヒートオンビートとの斤量差が1kgに縮まる点前進までは厳しいまでも、この中で伍せる力量は十分にあると見ます。

[8]⑯トップウイナー(和田竜)

 前走のオアシスSは直線で競走中止しましたが、陣営曰く「何も異常がないのに止められた」とまるで田辺Jの判断に怒りをぶちまけているかのようなコメント(本来競馬マスコミってこの辺りオブラートに包むはずなんですが)。2走前に2.4秒差の大敗を喫しているうえ、この日は久々のマイル戦でモロに掛かっていたこともあり4角で既に手ごたえを失くしていて、馬が止めてしまったことから大事を取った可能性が高いです。

 馬自身には異常がないとはいえ、昨年のプロキオンS以降走るたびに負け幅を大きくしており、芝は最長で2000mを走って2.0差の9着とここで通用する根拠には乏しい現状です。父バゴ、母父テイエムオペラオーという血統背景だけに大雨でも降れば話は別ですが、上記の通り馬のメンタルの問題と考えられることからここは静観が妥当でしょう。


<予想>
◎ミスマンマミーア
○グロンディオーズ
▲ヒートオンビート
△ディアマンミノル

 タフなコースレイアウトで末脚を伸ばせるミスマンマミーアを軸に。今年重賞を連対している馬が2頭しかいないメンバー構成で額面通り走れればグロンディオーズも外せませんが、▲△にもチャンスありと見て連の相手に。


■東京10R エアファンディタ

 前走は位置取りを下げたうえ内有利の展開で、32.8の末脚でも5着が精一杯でした。距離延長でポジションが取れそうな今回は前進可能で、中団外目から運べれば突き抜ける期待も。

2021年5月29日土曜日

【5/29(土)予想】

■中京11R ファルヴォーレ

 人気どころ+内側に先行タイプが勢ぞろいしたこと、18頭中13頭が距離短縮ローテとなるここは先行争いが激しくなりそうです。中京は今週からBコース変わりとなりますが、仮柵でもカバーしきれない痛みが正面直線に残っており、先週の時点で既に4分どころが良く伸びていたことを思えば極端に内有利のコンディションになる期待も薄そうです。

 ファルヴォーレは前走のファルコンSでほぼ最後方から追い込んでの6着でしたが、掲示板を占めたのは逃げ・先行勢というレースでよく差を詰めてきました。この馬は併せ馬の形になるとエキサイトするためどうしても後ろから行かざるを得ないのですが、道中で抑えが効けば直線は鋭く伸びます。外目の枠を引けたこともプラスで、Hペース+外差し傾向のここでは一発好走の期待が持てそうです。


■東京12R エースレイジング

 前走はほぼ勝ったというところを離れた位置からニュートンテソーロに差されて僅差の2着。それでも他の先行勢にはしっかり差をつけておりますし、今回は大外枠で芝を走る距離が長くなることから楽に先手も取れそうで、再度の好走に期待です。

2021年5月23日日曜日

【5/23(日)予想】オークスの全頭評価と注目レース(東京10R)

■東京11R

[1]①ククナ(横山武)

 3歳になってからレースぶりに進展が見られないのが気になるところです。馬群に入れても怯まないタイプで2歳時はそのレースセンスでリードしていましたが、脚の使いどころが難しいわりにキレ負けする馬でクイーンCを見る限り出していっても中途半端、かといって溜めても差し切れるまでの脚は期待できずで、母がオークス3着馬という点以外に強調すべきところが見当たらず。

[1]②スルーセブンシーズ(戸崎)

 前走のミモザ賞は4角で1頭だけ違う手ごたえで楽勝。ただ前半34秒台の異例のハイペースで、荒れた内を進む先行勢が3角で早めに前を捉えにかかったところを馬なりでごぼう抜きという展開だったわけで、額面以上の評価はし難いというのが本音です。2走前の1勝クラス戦も前崩れの流れをじっくり運んでの台頭で、雨量がさほどでもないと見られる今回は末脚比べとなると分が悪い印象です。

[2]③パープルレディー(田辺)

 2走前のゆりかもめ賞はシンガリ追走からの差し切りで、それも馬群の合間を縫って併せ馬に持ち込み2400mで最後まで足を伸ばしたレースでした。前走のフローラSは距離短縮+内前有利展開に泣きましたが、今回のメンバーで唯一同距離の勝ち鞍がある馬でスタミナの不安なく乗れるのはアドバンテージと言えます。陣営は「インベタ戦法」を示唆していますが、これは距離不安ではなくスタミナを温存する策としての言及であるはずで、それが活きる好位の内から早めに追い出せるレースが叶えば台頭は可能でしょう。

 この馬の全兄にはカツジがおり、同馬の好走パターンは「前走からの脚質転換」がきっかけになっています。

 ・NZT1着…前走3番手先行→今走3角14番手から追い込み
 ・マイルCS4着…前走5番手先行→今走3角15番手から追い込み
 ・スワンS1着…前走11番手追走→今走逃げ切り

 母メリッサ自体が脚質を一変させての勝利が多く、兄弟たちも目先を変えさせることで力を発揮できるタイプと言えます。先行勢が手薄な今回、控えた前走から一転してポジションを取りに行くことができれば一変の可能性は大いに秘める一頭です。但し、今の東京が外差し優位な状況でうまく外に出せるか、また追い切りが2週連続でポリトラックという点で状態がどこまでかは半信半疑な部分も残ります。

[2]④タガノパッション(岩田康)

 スイートピーSはトライアルらしく前半が流れ、先行勢がほとんど残せない中外から差し切ったレースでさして強調する内容ではなかったと感じています。3月のデビューから中3週→中1週→中2週という過密ローテで再度の遠征競馬と超えるべきハードルは大きく、ポテンシャルを秘めた馬とは感じるもののいろいろなバックグラウンドを加味して言えば「どうか無事に回って帰ってきますように」というのが正直な気持ちです。

[3]⑤クールキャット(武豊)

 この血統らしく立ち回りの不器用さを残す馬で、東京では不利のあったアルテミスSを除き2戦2勝、中山では2戦していずれも着外(とはいえフェアリーSは暴走、フラワーCは上手くなだめすかして乗って善戦という評価ですが)。ゆったり運べる距離延長に加えスムーズに好位を取れそうなこの枠はプラスで、最終追い切りも前走からさらに調子を上げており前進の目は大きいでしょう。

[3]⑥ウインアグライア(和田竜)

 状態面が一息だった前走は度外視できるものの、デビュー戦はブエナベントゥーラに注目が集まった分好位からスムーズに運べたぶんの勝利で、OP2勝は稍重の札幌と重の中山と時計のかかる馬場でのもの。本質的には全体時計がかかった時に台頭するタイプで、良馬場見込みのここでは分が悪いかと。

[4]⑦アカイトリノムスメ(ルメール)

 レースセンスが高く自在に立ち回れる点が強みで、前走の桜花賞では内に押し込められ窮屈なレースになりましたがそれでも0.2差の4着と格好をつけました。スッと好位につけられ、前が開いたところで直ぐに反応できる操縦性の高さは多頭数の舞台で活きてきます。もう少し外の方が被されるリスクは少ないですが、この距離なら前半が忙しくならない分自分のポジションは取れるでしょう。

[4]⑧ハギノピリナ(藤懸)

 前回はスローペースを見越しての早仕掛けが嵌った印象で、ペースが緩んだところでうまくポジションを上げた鞍上の好判断が光りました。この舞台では仮にそれができても上りを34秒台に纏めないと厳しく、良馬場が見込まれるここではキレの面で懸念が大きいです。

[5]⑨ユーバーレーベン(デムーロ)

 疝痛明けのフラワーCはギリギリの状態で、前走のフローラSは展開不利を追い込んでいずれも3着と地力は見せました。本来前走で権利が取れないと出走は厳しく、それなりに仕上げられての一戦であったためここへのお釣りがどうかと見られていましたが、追い切りの動きからは当時の状態をキープできていると判断できます。連を取りに行くここ2戦と違って今回は頭を取りに行くレースができる分じっくり構えられるのはプラスで、不利のあったアルテミスSを除けば常にソダシと善戦している実績からもポテンシャルは上位。外差しバイアスに傾いている今の東京なら、差し切るまでの期待を持っても不思議はないでしょう。

[5]⑩エンスージアズム(岩田望)

 前目のポジションを取って前半ゆったり運べた方が良いタイプで、前半4Fが49秒以上なら(2,1,0,0)、それ未満なら(0,0,0,3)とペースによって明暗が分かれています。過去10年のオークスで前半4Fが49秒以上かかったのはソウルスターリングの勝った2017年の1回のみで、今年のメンバーなら無くはないですがそこまで遅くなるならソダシが行ってしまう可能性が高く、47~8秒台を刻む公算が大きいここでは追走に懸念があります。

[6]⑪ソダシ(吉田隼)

 先週のヴィクトリアマイルでランブリングアレーを2着に持ってきた吉田隼J。道中はインでじっと我慢しながら、直線では外に進路を取りグランアレグリアの後ろを通って脚を伸ばしました。今の東京の伸びどころを心得た騎乗であると言え、少なからずオークスのリハーサルとして有意義な一戦でもあったと言えるでしょう。

 但しやはり距離が伸びてよいタイプとは言い切れず、中間も距離に関してはあいまいなコメントに終始しています(「やってみないとわからない」「負けることろは見たくない」「信じて乗るだけ」etc.)。スピードの絶対値で押し切る可能性も十分に考えられますが、早めに先頭に立つ流れになった時に目標にされてしまうリスクもはらんだ存在と見ています。

[6]⑫ミヤビハイディ(吉田豊)

 前走は良馬場の1800m戦にして前半4Fが50.4もかかる特殊なペースながら、外差し馬場の恩恵もあり差し届きました。但しフラワーCで1秒以上負けたアビッグチアとタイム差なしの勝利という点を見れば、このメンバーで即通用の可能性は見出しにくいと考えます。

[7]⑬ファインルージュ(福永)

 桜花賞では距離ロスなく運べましたがやや忙しかった印象で、少し促しながら追走するシーンも見られました。追走が楽になる分ここでは前進が期待できますが、気になるのは状態面。木村師が「何とか良い状態で送り出すことに腐心したい」とコメントしており、今回過去最短となる中5週での参戦は(天栄での)調整期間がどうしても限られるため、その点で不確定要素を残す今回はまだ全幅の信頼とまでは行き辛く…

[7]⑭ストライプ(柴田善)

 母グレイスフラワーは東京2400mで勝ち星がありますが、中央で3戦未勝利の後南関で2勝して戻ってきた経緯からもスタミナというよりは道中の追走力に課題があり1000m台では好走が難しかったというのが実でした。桜花賞は輸送による馬体減が響いてのものでしたが、勝ったクロッカスSにしても後傾戦を内前で押し切ったというもので特に強調すべき点がなく、1勝クラスの内容からはここでの通用可能性は見出しにくいです。

[7]⑮アールドヴィーヴル(松山)

 デビュー以来体重を減らし続けており、前走は輸送がなかったにもかかわらずさらに減ってしまいました。今回の中間は坂路で馬なり単走オンリー。十分に負荷をかけ切れずポテンシャルだけで走っている現状では、一気の距離延長に耐えられるかの不安のほうが大きいです。

[8]⑯ニーナドレス(藤岡康)

 前走の君子蘭賞では前に馬を置けず行きたがっていたところを川田Jがスッと宥めて馬群の中へ。直線では再加速して33.4の脚で前を捉えましたが、前半1000mが61.5もかかっており距離を考えればスローの範疇でした。デビュー戦も小倉の芝2000m戦で前半が63.8という異常なほどのスローペースで、良馬場で時計が出そうなここでは脚を溜めるのが難しいと見ます。

[8]⑰スライリー(石川)

 フローラSは距離延長で好位を取れたことが大きく、また内前有利のレース展開にも助けられました。再度の距離延長でポジションは取れそうですが、当時ほど内が残せる状態ではないだけにどこまで粘れるかでしょう。

[8]⑱ステラリア(川田)

 前走の忘れな草賞自体はメンバーレベルは高くなかったものの、例年そのようなメンバーが集まる中でも過去10年で3頭の勝ち馬を輩出しているレースです。特に忘れな草賞で「上り順位3位以内」を叩き出した馬に絞ればオークスは(3,0,1,4)。この馬も前走は上り1位であり、勝ちタイムの1.58.0は例年より2秒以上速く、例年よりBコース替わりが1週遅かった点を考慮しても上々と言えるでしょう。2歳時には東京のベゴニア賞で青葉賞2着のキングストンボーイとタイム差なしの接戦(2着)の実績もあり、欧州系の母系からもスタミナの不安はなさそう。大外枠でも壁を作って進めれば、外が活きるコンディションで台頭が見込めるでしょう。

<予想>
◎ユーバーレーベン
○アカイトリノムスメ
▲ステラリア
△ソダシ
△クールキャット
△ファインルージュ
★パープルレディー

 フローラSとはコンディションが一変する今回、ユーバーレーベンの末脚が今度は届く可能性を考えたいです。アカイトリノムスメは一番の安定勢力ですが、アパパネの仔では既にこの馬が一番の出世頭となっており、この血統にこれ以上を求めてよいのかという点で対抗までとしました。ソダシのコース取り、パープルレディーの出方にも注目。


■東京10R トオヤリトセイト

 2019年のNHKマイルCはハイレベルの一戦で、0.4差で8着でしたが当時のメンバーはほとんど重賞勝ちorOP入りしており、出走18頭のうち現時点での条件馬はヴィッテルスバッハ(3勝C)、ミッキーブラック(3勝C、抹消)とこの馬のみ。決め手に優れる分展開に左右されやすい脚質が出世を妨げており、2走前もほぼ勝ったところをカイザーミノルに内からもう一伸びされる惜しいレースでした。流石に前走は届かない位置取りでしたが、人気どころに先行したい馬が多いメンバー構成は好都合で、全兄トゥラヴェスーラが先週同じコースの京王杯SCで2着しておりコース適性も問題なし。外差しも届く今の東京ならチャンス大でしょう。

2021年5月22日土曜日

【5/22(土)予想】

■中京11R オーヴェルニュ

 半マイル46秒台と芝並みのペースで進んだ前走のフェブラリーSは参考外。もともとマイルでは好走歴がなく流れが忙しすぎました。アメリカンシードが行き切りそうな展開に加えて1900mは飛ばした先行馬が止まりやすく、番手で見ながら運べるこの馬のほうがチャンスは大きいと見ます。

2021年5月16日日曜日

【5/16(日)予想】ヴィクトリアマイルの全頭評価とねらい目レース(新潟9)

■東京11R

 今回も全頭評価から。

[1]①マジックキャッスル(戸崎)

 特殊馬場の桜花賞以外は全て掲示板内。昨年のオークスも回顧記事で取り上げた通りデアリングタクトとの進路争いに敗れてロスの大きいレースだったもので、現4歳世代では指折りの能力の持ち主と言ってよいでしょう。前走の阪神牝馬Sも終始後方の内で待機し、直線ではやっとできた進路を一度塞がれそうになりながら再度伸びなおしての2着。改めて能力の高さを示した形で、適度に前半が流れる展開になれば再度の台頭の期待は高いでしょう。

[1]②シゲルピンクダイヤ(和田竜)

 3歳春以降、パフォーマンスに成長が見られない点が気がかりです。前走ももう少し走れても良かったはずなのですが、最近では先行して流れ込むパターンでしか好走できていないことも考えると折り合いがつく代わりにズブさが出ている可能性があり、時計が求められるここでは現状厳しいかと。

[2]③クリスティ(斎藤)

 充実一途での参戦ですがこれまで前半のペースが35秒未満のレースでは崩れており、2走前の大敗も前半が34.5で流れたマイル戦でした。時計のかかる馬場になれば浮上の目はありますが尋常な良馬場であれば厳しいペースになることが見込まれます。

[2]④イベリス(酒井)

 マイルでも勝ち鞍はありますが、そのアーリントンCは前半3F35.0というスローでの逃げが叶ってのもので、次走のNHKマイルCでは33.9の流れで逃げてシンガリに沈んでいます。マイルはギリギリで少しでも余裕をもって逃げたいクチで、甘く見積もっても34秒台前半で流れそうなこの舞台で同型も揃うとなると簡単にはいかなさそうです。

[3]⑤デゼル(川田)

 エンジンのかかりがワンテンポ遅い分鋭い末脚が身上で、前走も陣営が「よく間に合った」と驚いたほど。右ムチを入れながら右に寄れる始末で本来的には左回りのほうが良いタイプでもありその点は前進が見込めますが、ワンターンのマイルは流れが速くこの馬の脚力では追走に苦労する懸念があります。

[3]⑥グランアレグリア(ルメール)

 昨年の安田記念が秀逸で、アーモンドアイより前に位置しアーモンドアイより速い上りで勝った完勝と言える内容。前走は馬場の問題と割り切れる敗戦で、当日の天候に問題がなければ最右翼と言える存在です。

 但し今回の「中5週」はデビュー以来2番目に短い間隔になります。「中4週」の一昨年のNHKマイルCでは4着(5着降着)、「中6週」の昨年のマイルCSでは1着でここは判断の分かれるところ。とはいえ、尋常に考えれば昨年のレースぶりからわざわざここに使ってくるということは「名を捨て実を取る」ローテーション選択であると思われ、高速決着もってこいの脚質でもあることから多少の割引があっても争覇圏は外さないと見ます。

[4]⑦マルターズディオサ(田辺)

 気性と馬体維持の難しさから成績が安定しないタイプで、昨年の桜花賞時は馬体減を懸念してのソフト調整での大敗でした(馬場もありましたが)。オークスは距離、秋華賞は押し出されてのハナに立つ競馬でそれぞれ敗因ははっきりしておりそのほかは大崩れなく走れています。前走の高松宮記念にしても初の1200m戦でありながら0.4差7着は健闘の部類で、距離延長でポジションも取れ、関東圏でレースを迎えられる今回は前進が見込めます。

[4]⑧ランブリングアレー(吉田隼)

 前走の中山牝馬Sでは他馬の脚が上がる中最後までしっかり伸びて差し切りましたが、裏を返せばそのような時計のかかる消耗戦でこそ本領を発揮できる馬で本質的には中距離に適性があると見るべきでしょう。ターコイズSは0.5差7着と着差ほどは負けていないですが、良馬場でペースが流れると現状マイルでは追走に苦労する懸念があります。

[5]⑨テルツェット(デムーロ)

 4連勝中、取り消しを除けば(5,0,1,0)とほぼパーフェクトの戦績で、左回りコースでは確実に走れています。但し今回は初斤量、相手強化に加えて過去最短の中5週での出走となります。一戦一戦じっくり間隔を取られての調整が続いているうえもともと馬体も細く、中8週の前走でさえ418(-6)kgと過去2番目に軽い馬体重でした。少なくとも間隔を詰めることでパフォーマンスを上げるタイプではなさそうで、斤量対応も考えるとここは今後への試金石として静観が妥当かと。

[5]⑩レッドベルディエス(石橋)

 このコースで2勝クラスを勝った実績がありますが、36.0-32.8という後傾ラップでの差し切り。流石に今回はそこまで楽はできないメンバーです。

[6]⑪ダノンファンタジー(藤岡佑)

 2歳から3歳春にかけての4連勝はまさしく完成度の違いで、それ以降は休養明け一発目に最高打点をたたき出すタイプになっています。前走の高松宮記念は流石に短すぎましたが、現状でのベストは1400mと見え、2Fの距離延長は折り合いの面からも歓迎とは言い難く…

[6]⑫サウンドキアラ(松山)

 昨年の2着馬で本来なら最右翼に支持されてもおかしくない存在ですが、それ以降不振に。あれだけ連戦連勝で結果を出してきた馬が今年は年内これがようやく2戦目という現状からも、陣営の苦悩が見て取れます。昨年はこのレースが年内4戦目だったのですが、最終の坂路で「51.6-12.3」という好時計を出すほど体調が良かったわけで。今年は「53.1-12.4」と悪くはないものの、終い重点にしてはラストから2F目が最速になってしまうなどややちぐはぐな印象で、昨年以上を期待できないとなると現状では掲示板も危ういと見ています。

[7]⑬プールヴィル(三浦)

 前走の阪神牝馬Sでは余裕残しの仕上げながら0.1差4着と健闘しましたが、4角5番手から流れ込んだだけでデゼルやマジックキャッスルといった候補待機勢と比較するとレースぶりとしては平凡であったと言わざるを得ません。やはりこの馬のベストは1400mで、同距離で(4,4,1,2)に対しそれ以外(といっても1600mしかないですが)は(0,0,0,7)。どうしてもこの1Fは壁になる印象です。

[7]⑭ディアンドル(団野)

 長らくスランプでしたが中距離で復活。特に3走前の愛知杯では先行馬壊滅の流れを1.3差9着とし、浮上のきっかけを作りました。2~3歳時は前向きな気性から短い距離を使われてきましたが、本来血統的には中距離が合うクチで今後もこの距離カテゴリで好走を期待できるでしょう。但し今回は再び激流のマイル戦に戻るという点で、ここ2走のようにスムーズに運べるかどうかでしょう。

[7]⑮アフランシール(大野)

 4勝は全てローカルか小回りコース(函館、中京、京都、新潟内)。比較的後方待機勢が台頭した京都牝馬Sでも1.2差13着だったことを考えれば、ここでの通用可能性は見出しにくく。

[8]⑯リアアメリア(福永)

 昨年のローズS勝ち、オークス4着と世代上位の実績の持ち主ではありますが2歳時に勝ったアルテミスS含め「途中で一呼吸置けるレース」ではしっかりギアを入れて走れる一方、ワンターンのマイルなど息が入らず流れるレースでは苦戦しています。前走の反省からある程度ポジションを取りに来るでしょうが、流石にアルテミスSのような緩い流れは期待できずで。

[8]⑰スマイルカナ(柴田大)

 外目の枠を引いてはしまいましたが、逃げなくてもレースはできるタイプで問題ないと見ます。過去4回掲示板外に敗れた後の次走は(2,1,1,0)で、気持ちの面でのリセットができれば力は出せるわけで連続凡走しないタイプとも言えます。但し今回は(0,0,1,2)の55kgを背負い、マイルの持ち時計ももう3秒ほど詰めないと勝ち負けにならない計算につき、予報以上に雨が降る展開にでもなれば浮上の目はありますが…

[8]⑱レシステンシア(武豊)

 前走の高松宮記念はほぼ勝ちに等しい内容で、やはりけれんみのないペースで運んでこそ真価を発揮できる馬でしょう。淀みないペースで流れるこの舞台は合うはずで、大外枠もむしろほかの馬の具合を見ながら進めるので心配する必要はなさそうです。懸念点としては東京コースが外差し傾向に振れている点。もともと野芝の生育が例年より幾分遅れていたため内側の消耗が早く、昨日の京王杯SCも結果だけ見れば先行勢の台頭でしたがパフォーマンスとして目立ったのは外差しのトゥラヴェスーラで、その他の芝レースでもペース以上に外差しが効いている印象でした。先行勢の中でしっかり残せる期待が大きいのがこの馬というのは確かですが、その先行勢自体に流れが向かない可能性を考える必要もありそうです。

<予想>

◎グランアレグリア
○マルターズディオサ
▲マジックキャッスル
△デゼル
△レシステンシア

 外差し有利傾向の馬場を考えればグランアレグリアの好走確率はより高まったと見てよさそうです。先行勢ではレシステンシアを押さえに、その他は差し・追い込み勢を中心に。


■新潟9R ハニーリン

 千直といえば鮫島駿J。通算(6,8,3,28)で単回342、複回228とベタ買いでもプラスになるほどで、およそ3回に1回は馬券になっている計算です。この馬自身も千直は好走歴があり、太目残りの前走を一度叩いて理想的な仕上げができたここは上位争い必至でしょう。

2021年5月15日土曜日

【5/15(土)予想】京王杯SCの全頭評価とねらい目レース(東京4)

■東京11R

 この前かしわ記念とNHKマイルCでやってみて手ごたえ感じたので、今回は京王杯スプリングCの全頭評価をやってみようと思います。

[1]①エアアルマス(松山)

 被されたくないこの馬にとっては最悪の枠を引いてしまいました。砂を被ることへの不安から再度芝に戻るわけですが、今の東京の内側は砂埃が立つほどのコンディションなので、ハナを切れなければキックバックを受けかねない状況なだけに立ち回りが難しい一戦になりそうです。

[1]②ビッククインバイオ(大野)

 このコース(3,0,0,1)と大得意にしていますが、昇級後はもうワンパンチ欲しいというレースが続いておりメンバーが揃ったここでは掲示板までは期待できてもそこから上となると諸々がかみ合ってほしいところです。

[2]③グルーヴィット(石橋)

 左回り1400mは最も得意な舞台であり、昨年のこのレースも3着と走っています。但し懸念点として折り合い難が付きまとうため、距離延長局面では(0,0,1,2)とイマイチ。斤量が減るのはプラスですしコース形状的に前半が流れる東京1400mであれば走れてもおかしくはないですが…

[2]④エーポス(岩田康)

 前走はBコース替わりが1週遅れた阪神にあって内前が本来有利であったコンディションに助けられてのもので、外差し勢に屈したレース内容からはOPでは力量差があると言わざるを得ない状況です。これが距離短縮で相対的に脚が溜まるようなローテであればよいのですが、それでもない今回は中途半端なレースになる懸念が大きいです。

[3]⑤カイザーミノル(荻野極)

 前傾戦となった前走のマイラーズCでの0.2差3着は評価できるもので、充実ぶりを示した一戦と言えるでしょう。但しこの馬は33秒台の速い上りが求められる舞台は未経験で、良馬場想定の東京戦ではキレ負けの懸念があります。

[3]⑥シャインガーネット(田辺)

 この舞台は合うはずですが、復帰後の3戦が今一つ。2~3歳時に見せたキレが戻っておらず、ダートを試すも終いは変わらずで、実績馬だけに復調を待ってから買うのでも。

[4]⑦セイウンコウセイ(内田)

 昨年のこのレースで0.3差5着でしたが、先行勢決着に助けられてのもの。その昨年は高松宮記念0.4差7着からの参戦で、今年も高松宮記念を0.5差9着に纏めここへ来るローテーションは同様です。健闘していることは間違いないですがかといって昨年からさらに良くなったというわけでもないだけに、今年の流れではどさくさ紛れの前残りは望み薄でしょうか。

[4]⑧ショウナンライズ(丸山)

 この舞台がベストなのは事実ですが、昨年0.8差10着の時点からの伸びしろが見られない近走ではさすがに強調しにくく…本質的には好位から押し切るタイプのレースをしたい馬で、OPのペースでそれができないのは相対的な脚力の問題でしょう。

[5]⑨ビオグラフィー(三浦)

 ブリンカー着用から進境を見せ一気にOPまで上り詰めましたが、それ以前を含め牡馬相手に勝った3勝は全て52kg時。重賞のペースで牡馬交じり54kgのこの舞台で、まずは時計面でめどを立てられるかが今回の目標になるでしょう。

[5]⑩ラウダシオン(デムーロ)

 同舞台の昨年のクロッカスSの内容が秀逸で、35.4で逃げて33.5の末脚を使うという完勝に近いレース。レシステンシアを競り落としたNHKマイルCの勝利もこの「脚力+末脚」を最大限に発揮してのもので、東京の1400~1800mは得意とするクチでしょう。人気であってもこのメンバーなら格好はつくはずで、極端な前がかりで外差し展開になったりしなければ信頼度の高い上位候補と言えるでしょう。

[6]⑪ミッキーブリランテ(和田竜)

 スムーズに外目を追走したいタイプで、前走の高松宮記念は位置を下げながらも0.6差10着と健闘を見せました。距離延長局面では(2,0,1,1)と、追走が楽になるここは前進が合っても驚けません。

[6]⑫トゥラヴェスーラ(鮫島駿)

 前走高松宮記念ではダノンスマッシュの後ろを通って4着と大健闘。この馬は前走時にも触れましたが「前に壁を作れる枠順」と「2週前からの調教」が好走のキーで、枠順に関しては微妙なところですがそれなりにポジションを取りたい馬が内に多いので馬群に入れるのは問題なさそうです。

 あとは調教ですが、今回も2週前「54.7-11.8」→直前「54.6-12.1」と2週連続で好時計。前走時に比べるとテンの入りがゆっくりで全体時計は見劣りますが、輸送に加え距離延長になることと、差す競馬を志向している分終い重点と見てよさそうです。

 1400mは初めてですが、一昨年の京都金杯で0.4差11着(直線では進路がなくろくに追えなかった)があるうえ、全弟のトオヤリトセイトは全3勝が1400mですから距離の心配はなさそうです。Bコース替わりで内目がマシになるコンディションであればレースもしやすく、ここでも通用の可能性は十分と見ます。

[7]⑬エングレーバー(浜中)

 前向きな気性もあり、間隔を取って臨める時とローテありきの時とで走りが変わってくる傾向にあります。過去2回重賞挑戦して1秒以上の大敗を喫していますがそのいずれもが中4週以下での臨戦でした(セントライト記念は距離も長かったですが)。前走は距離短縮の「ショック療法」も効いた形で、距離適性がここにある期待ができる一方で同じ距離に使われ間隔も詰まる今回はコントロールに苦労する可能性があります。

[7]⑭タイセイビジョン(ルメール)

 3歳春までは完成度とレースセンスでリードできていましたが、古馬戦になるともうワンパンチ欲しい印象です。調教の動きは抜群で前走からの前進は見込めますが、その前走が+22kgを考慮しても前残り展開に乗じての4着ともう一つだったことを考えれば、安定して走れても勝ちきるまではどうか、というレベルだと見ています。

[8]⑮イッツクール(北村宏)

 芝では3勝クラスで頭打ちののちダートで勝ち上がり。前々走の中スポ杯を見る限り時計の出るコンディション自体は悪くなさそうですが、上りがかからないと芝での通用可能性は見いだせず。

[8]⑯シーズンズギフト(杉原)

 昨年の紫苑S3着からの「本質的にはマイラー」という某調教師を彷彿とさせるようなコメントでの富士S参戦は色々と物議を醸しましたが(レイパパレの抽選突破確率を上げるためという話も)、その言葉を裏付けるかの如き横山典Jの暴走。その次のターコイズSではガス抜きが済んだのか後方待機から4着と好走できましたが、今回は控える競馬をした中山牝馬S(13着)の後であり、ポジションを主張する馬も居ないだけに折り合い面の不安は大きいと言わざるを得ません。

 冒頭の話にも絡みますが、今回何故テン乗りかつ所属でもない杉原Jが乗るのかという点も興味深いです。黒岩師はもともと鹿戸厩舎で助手をしながら30歳の若さで調教師試験に合格した異端児。大学時代に藤沢和師を紹介されたことをきっかけに競馬の仕事に就くようになったとのことで、なんとなく話が繋がってくる気がします(?)。

 実は杉原JがキャロットF所有馬でOPに出走するのは先日の福島牝馬Sのサンクテュエール(藤沢和厩舎)が初めてでした。そこでの健闘が認められ今回の抜擢に繋がったのかと思いますが、解散まで1年を切った藤沢和厩舎もそろそろ「終活」を考えなければいけません。預託馬の多くは鹿戸、黒岩、そして来年開業する蛯名といった各師を中心とした門下生に流れるでしょうし、彼が育てた騎手もまた、その人脈の中で新たな活路を見出すでしょう。

 こうした状況を考えるとここで杉原Jが存在感を示すことの意義は大きく、これらネットワークの中の有力馬に乗れるチャンスが今後増える可能性があると言えます。少し予想の本題とは外れましたが、ここでの走りには注目です。買えませんが…

[8]⑰カタナ(小野寺)

 競走中止(異常歩様により調教再審査)後の初出走、芝は3戦していずれも1秒以上の負けと実績もなく、ここは無事に回れるかどうかでしょう。小野寺Jはおそらく調教再審査の関係もあり手綱を取ることになったと見られますが、何せ平地で勝ったのは2016年7月が最後。中間障害試験に挑むも飛越自体が出来ず不合格になっており、ここへの参戦に積極性も見いだせない現状では。


<予想>

◎トゥラヴェスーラ
○ラウダシオン
▲ミッキーブリランテ
△グルーヴィット
△タイセイビジョン


■東京4R デクラーク

 小倉に転戦した3戦が好内容で、前が流れる展開で踏ん張っての連続好走。前走は短期間での連戦で体重が減ったことに加え馬場も良くなく参考外とできるレースでした。立て直した今回、流れが落ち着く分最後まで踏ん張り切れれば勝機でしょう。

2021年5月9日日曜日

【5/9(日)予想】NHKマイルCの全頭評価と各場メイン


 ラウダシオン&ミルコの劇的勝利からはや1年。相変わらずの「緊急事態」もここまで来るともはや日常ですが、感染症対策も馬券も行き当たりばったりではいけないということを思い知らされる1年でもありました。

■東京11R

 かしわ記念の敗戦のショックから、水曜より進めていた全頭評価を基に考察します。

[1]①レイモンドバローズ(浜中)

 2走前の1勝クラスで差し決着を前目から押し切っており、同条件にしては上々の時計で走っておりました。但し前目と言っても終始馬場の良い三分どころを走ってのもので、的確なコース取りにも助けられた印象です。抜け出すと気を抜くところがあり仕掛けどころが難しいタイプなうえ、34秒台の上りを求められるであろうレースでの実績に乏しく、ここではキレ負けの懸念があります。

[1]②アナザーリリック(津村)

 アネモネSは切れ味を活かしての快勝も、Hペースを残して2着だったジネストラが桜花賞で案外の結果。アネモネS自体が差し有利の流れでパフォーマンスとしてはジネストラ以上とは判断できず、1週前追い切りも存分に負荷をかけられながら馬なりの相手を最後まで捉えられなかったことからも、状態面でも推しにくい現状では。

[2]③ルークズネスト(幸)

 敗れたレースは距離不適の1800m戦と位置取りを下げてしまった新馬戦&シンザン記念で、自分のポジションを取れれば確実にパフォーマンスを発揮してくる馬です。前走のファルコンSがグレナディアガーズと最後まで競った割にはゴール前の1Fで12.4と失速しているのが気にはなりますが、前半で33.7を刻んでのものと考えれば全体時計の1.20.1は非常に優秀です。但し、前走逃げて距離延長でここに挑む馬は過去10年(0,0,0,3)で、スタートの速い馬が外にいることも考えると思い通りのレースができないorポジション取りで脚を使って最後止まるパターンも考慮する必要がありそうです。

[2]④バスラットレオン(藤岡佑)

 前走はメンバーに恵まれた感はありましたが、2F目以降11秒台のラップを刻み続けて止まらずに逃げ切っており強すぎの一言。敗れてもすべて0.5差以内に纏めており、戦法を問わない自在性も強みです。特筆すべきは今春に入り調教の動きが良くなってきたこと。成長もそうですが、暖かい時期のほうが動けるタイプと見ることもできそうです。その説を採るならば、冬場に後塵を拝してきたメンバーとの逆転も十分可能と見ます。

[3]⑤リッケンバッカー(横山武)

 アーリントンCでは前目の決着の中で足を伸ばして2着と素質の片鱗を見せました。但しこの馬は速い脚に限界があるタイプで未勝利脱出に6戦を要しました。先行、差しいずれもあと一押しが足りず、勝ち上がった6戦目はルメールJが阪神外回りで3角から捲っていく奇襲を仕掛けて後半3F33.4に纏めてようやく勝ったというものでした。前走も重馬場の分だけ間に合ったというレースで、良馬場で入りも出も速いレースとなると現時点での対応力という点では疑問符が付きます。

[3]⑥シティーレインボー(三浦)

 前走2着は鞍上の好騎乗もありますが、現状ではマイルがベストということでもあるでしょう。ですが自己条件でも勝ちあぐねており、先着を許した各馬も昇級後即通用とまではいっていないだけに、着順を額面通りに評価はしにくいというのが正直なところです。

[4]⑦タイムトゥヘヴン(デムーロ)

 立ち回りの巧いタイプで連対実績は全て中山。それでも正直、前半1000mが63.7の京成杯を逃げ切れなかった時点でこの馬に対する個人的な評価は低いです。東京にコースが変わり絶対的なスピードも求められるとなると歓迎できる舞台ではなく…

[4]⑧グレナディアガーズ(川田)

 朝日杯のレースぶりが示す通り、時計が求められる展開となればこの馬の本領発揮でしょう。但し一戦必勝型の中内田厩舎にして、前走3か月ぶりだったファルコンSを取りこぼし。同タイムで走ったとはいえ、ラスト2F目が11.5に対してゴール前1Fが12.4と明らかに前が止まったにもかかわらず捉えきれなかったのは不本意と言える内容でした。

 最終追い切り後の川田Jのコメントがこれ。

「終始いい雰囲気で穏やかに過ごせています。1週前の芝コースでも非常に穏やかで順調に来ています。いいレースができるよう、この馬自身の走りができるよう過ごしてもらって、その結果を皆さんで楽しんでもらえたらと思います」

 繰り返される「穏やか」というワード。「自身の走りを」というコメントには、フィジカルよりもメンタルの問題が大きいことを覗かせ、気持ちが入りやすい馬だけに中間も1週前は芝コースと負荷をかけることが難しかったことが伺えます。唯一のG1馬なので断る理由もないのでしょうが、かといって強調もできない出来だというのが透けて見えます。

[5]⑨ゴールドチャリス(田中勝)

 前走のニュージーランドTはバスラットレオンを捕まえに行った先行勢の中で力量のある馬だけが残り、返り討ちに遭ったほかの馬を追い込み勢が交わして着を拾う展開だったと見ています(それでも1秒以上離された3着以下同士では大きな差はないと見ていますが…)。この馬も本来は先行して2勝を挙げているのですが、その勝った中京2歳Sもあまり強調できるメンバー構成ではなかっただけに、前走6着とはいえここでパフォーマンスを伸ばす要素は見当たりません。

[5]⑩ソングライン(池添)

 桜花賞ではメイケイエールの被害に遭い不完全燃焼の15着。中3週での参戦は気にはなりますが、母ルミナスパレードは全5勝のうち2勝が中1週で連闘でも1勝しており間隔が詰まること自体は問題ないでしょう。このコースでは昨年未勝利戦を勝っていますが、1.34.1という勝ち時計はソダシのアルテミスS(1.34.9)をも上回り昨年の同コースの2歳戦では最も速いものでした(サウジアラビアRCが不良馬場だったのでその点は参考外ですが)。美浦に池添Jが駆けつけて最終追い切りを行っており仕上げも抜かりなし。速い流れを前から差し込んだ紅梅Sの内容はメンバーレベルを差し引いても評価でき、牡馬に対し2kg貰いと考えれば時計面でも十分伍せると見ます。

[6]⑪ヴェイルネビュラ(戸崎)

 勝ったジュニアCはリステッドとはいえそのほかの馬が1勝クラスも勝てていないようにメンバーレベルはかなり微妙でした。時計面でも強調できる点はなく、百日草特別(5着)の内容を見ても速い上りが求められる展開では厳しそうで。

[6]⑫ランドオブリバティ(石橋)

 折り合い面の不安からマイルに路線変更を試みる今回ですが、乗り慣れた三浦Jを下ろすことに加えてスピードの絶対値に不安が残ります。半姉にはリバティハイツがおりますが父はキンカメで、全兄弟の2頭は中央未勝利。そのうちの1頭、ジュベルハフィートはマイルで結果が出ず中距離で好走しており、本質的な適性はやはり2000m前後と見ます。

[7]⑬ホウオウアマゾン(武豊)

 レース中にトモを捻った朝日杯(9着)以外は完璧に走れており、前走もペースがそれほどでもなかったとはいえ完勝と言える内容でした。デイリー杯でもレコード決着のタイム差なし2着と時計面の対応も問題なさそうです。但し気になるのは、脚元を気遣ってかあまりハードに追えていない点。デビュー以来ほぼ毎回速い時計は直前の1回のみで、矢作師曰く前走は「ようやく間に合った」とのこと。今回も「ここまで来られたことが嬉しい」というニュアンスの発言をしており、中2週で絶対的な調教量も限られ輸送もある今回は不安要素も込みでの一戦になりそうです。

[7]⑭ショックアクション(田辺)

 夏の新潟で勝ち上がり、新潟2歳Sも制しましたがここ2戦が案外。デビューからの3戦は前半の半マイルの時計が47秒以上で③①①着、対してここ2戦は半マイル45秒台の入りで⑬⑪着。ペースの変化に対応できていない様子で、過去のNHKマイルCを見るとおよそ46秒台くらいにはなりそうですがそうなると今度は33秒台前半くらいの脚を使わないとこの馬の位置取りでは厳しくなりそうで、大雨などで時計を要するコンディションになれば一考、という程度でしょうか。

[7]⑮シュネルマイスター(ルメール)

 2勝目を挙げたひいらぎ賞が、道中5番手を追走し最速の上りをマークした完勝と言える内容。弥生賞でも2着と健闘しましたが、道中の位置取りで着を拾った感が強く適性はマイル寄りでしょう。1週前も最終もウッドで抜群の動き。もう一枚時計を詰める必要がありますが、型通りの成長を見せればここでも通用する素地はありそうです。

[8]⑯ロードマックス(岩田望)

 昨年6月に新馬勝ち、京王杯2歳Sでも2着と健闘しましたがそこから尻すぼみ。左回りのマイルは適条件ですが、前走を見る限り2歳時からの成長に乏しく、馬体も増えてこないとなるとよくなるのがまだ先か既にピークを迎えた可能性が高く、ここでの強調材料には乏しいと見ます。

[8]⑰グレイイングリーン(武藤)

 2走前の内容が秀逸です。内に押し込められ4角では一瞬ブレーキを踏みかける場面がありながら、内目に進路を取りノーステッキで鋭く伸び快勝。1400mで1.20.5の持ち時計もこのメンバーに入れば3番目にあたります。新馬戦を勝った松山J曰く「跳びが大きく奇麗な走りをする」と評しており、重馬場でノメって最後ちぐはぐになった前走は参考外。鞍上の武藤雅Jが今年の芝レースで(0,2,4,54)というのは心もとない(追記:日曜の東京3Rで勝利)ですが、「良馬場」「外回り」「大箱コース」「外枠」と走れる条件はそろっており、能力全開の舞台で台頭があっても驚けません。

[8]⑱ピクシーナイト(福永)

 前走は途上のデキで止まってしまった格好ですが、既に賞金が足りており3週間後に関東遠征することを考えればそれでもよかったと言えるでしょう。但し割と展開が向いた中の重馬場で残せなかったのは血統(母ピクシーホロウは全3勝中2勝が北海道)を考えても少し物足りなく、さらに今回音無師は控えることを示唆しています。勝ちきれない馬を控えさせるのは音無厩舎の常套手段ですが、アンビシャスの例が示す通り持ち味を殺すこととも表裏一体です。モーリス産駒が切れ味に振り切って良績を残したサンプルが乏しい現状では、全幅の信頼を置くにはまだ心もとないかというのが正直なところです。


<予想>
◎ソングライン
○バスラットレオン
▲グレイイングリーン
△ルークズネスト
△グレナディアガーズ
△ホウオウアマゾン
△シュネルマイスター

 ソングラインの前走については「不利があったことに気づいていない派」と「不利があったことは認めるが仮になかったとしても勝ち負けになっていたとは思わない派」が多数を占めている状況で、思った以上に人気していないというのが正直なところです。ただ、向こう正面での不利を受け馬も人も気持ちが切れてしまったことが大敗の要因であり、最後まで気持ちを切らさずに走れれば好走可能であったというのが自分の見立てです。

 バスラットレオンは本来控えてもいいクチで、ルークズネストを内に置けるこのポジションは絶好と言えるでしょう。先行争いに早々と決着がつき34秒台後半~35秒台で入れれば、直線では突き放すシーンもあるでしょう。

 以下はかなり順位付けが微妙でしたが、舞台変わりのプラス要素の大きさでグレイイングリーンを3番手に。買い方自体は△4頭と変わりませんが、◎○▲決着を期待する馬券も少々。


■新潟11R ムイトオブリガード

 長期休養がありそこからの3戦目ですが前々走はダート、前走は右回りで度外視できます。もともと東京で3勝+アルゼンチン共和国杯で②①着しているように左回りのほうが走れる馬で、重賞参戦後ずっとG2以上のレースに使われてきましたが今回初のG3戦で相手関係も大きく易化するとなれば狙いどころはここでしょう。


■中京11R スギノヴォルケーノ

 2018年以降の成績で、松若Jはこのコースで(3,4,1,28)で単回136/複回113と優秀な成績。さらにロードカナロア産駒も同じ期間で(12,5,6,24)で単回124/複回101となっており「中京1200mで買い続ければ儲かる騎手×種牡馬」の組み合わせがこの馬です。2か月ぶりの前走はダートで度外視。2走前の北九州短距離Sも差し決着を0.6差8着と踏ん張っており、被されない外枠からスムーズに運べればここでも通用の可能性はありそうです。

2021年5月8日土曜日

【5/8(土)予想見送ります】

 3歳戦はメンバーがかなり微妙で、狙っていた馬もここでは力を出し切れそうな展開なので今日は見送りとします。明日の予想がとにかく難解で…

2021年5月5日水曜日

【5/5(水・祝)かしわ記念予想】


 なかなか考えさせられるメンバーが揃った今年のかしわ記念。5連休の最終日とあってここで取り返そうと意気込むファンも多そう(自分もそのクチですが)で、じっくり全頭の可能性について考えてみようと思います。

[1]①タイムフライヤー(川田)

 フェブラリーSをコンディション不良で回避し3か月ぶりの一戦。ただ今回の舞台適性は高そうだと見ています。昨年の夏にダートで2連勝(マリーンS→エルムS)していますが、小回りの函館+3角からの加速が鍵の札幌で勝ったのは大きく、最内枠+スパイラルカーブで4角がきつい船橋という特性にマッチする戦歴と考えます。今回は前に行きたい馬も多く、労せずして2番手集団のインを取れそうな点も好材料。

[2]②サルサディオーネ(矢野)

 中央時代から左回りに強く、開催4場のうち左回りが3場ある南関移籍は大正解でした。控えると味がなく、他がどんなに速くてもハナを主張した方が良いタイプで今回もこの枠なら行くでしょう。但しダートは牡馬混合戦と牝馬限定戦ではレベルの差が大きく、仮に行ったとしてもワークアンドラブとの競り合いは必至で、カジノフォンテンのプレッシャーも受けながらの逃げは決して楽ではないでしょう。

[3]③カフェファラオ(ルメール)

 力の違いで押し切った新馬・ヒヤシンスSを除いて、重賞では「テンのペースが上がると好走⇔落ち着くと凡走」という傾向が見て取れます。

・前半3Fタイムと着順
 ユニコーンS(1着)12.1-10.9-11.2→34.2
 JDD(7着)12.2-11.4-12.3→35.9
 シリウスS(1着)7.2-11.0-10.9-13.1→35.7(1900m戦のため推定)
 チャンピオンズC(6着)12.7-11.1-12.7→36.5
 フェブラリーS(1着)12.5-10.8-11.4→34.7

 「コーナー2回のコースで不安」という話がありますが、この馬の場合折り合い面の懸念からテンのスピードが出やすい東京のようなコースのほうが相対的に能力を発揮しやすいという考え方ができます。実際、同じ中京でも1900mのシリウスSを勝っていながら1800mのチャンピオンズCで敗れたのは、スタート位置が100m1角にズレることで前半のペースが緩んだことが原因と考えています。

 前走のフェブラリーステークスはスタートが芝のうえ前半のスピードが出やすいコース形態で、さらに被されたくないエアアルマスが最内に入ったことでハナを主張し、それをワイドファラオが追いかけたためにテンが34.7と流れ、芝馬のエアスピネルが2着、1400~1600mで結果を残していたワンダーリーデル、レッドルゼルが3,4着したようにスピードが求められる決着になりました。流石にチャンピオンズCと2秒もペースが変われば折り合いの不安も無く、能力全開で勝てたという話です。

 よって、今回ペースがどうなるかという点が鍵になります。


 船橋1600mコースはホームストレッチの中腹あたりからのスタートで、最初の直線部分は250mほどしかありません。その形状もあってか、過去5年のかしわ記念の前半3Fタイムは「36.8」「37.0」「36.6」「36.6」「37.2」と、中央のそれなりのメンバーが出ても36秒台後半に落ち着きます。

 逃げそうな馬を見ると、サルサディオーネは昨年12月のクイーン賞(Jpn3)を35.8で逃げ切っています。但しこのレースは船橋1800mコースで行われており、最初の直線を目いっぱい使ってダッシュをつけてこのタイムです。カジノフォンテンは2019年に船橋1600mの平場で35.9で逃げ切って(2着に2.9差の圧勝)いますが、これも不良馬場でのタイム。いくらこれらの馬がやりあったとしても流石にテンが34秒台になることはコース形状からも考えにくく、インティも控える戦法を示唆していることを踏まえると、カフェファラオにとっては「辛抱ならない」ペースになりそうな懸念があります。

[4]④ワークアンドラブ(森泰)

 10戦連続でコンビを組んでいた笹川Jが「家事都合」のため4月下旬より休業中。森Jがまたがるのは2年ぶりという点に加えて、この馬左回りでは全くと言っていいほど走りません。南関移籍後も大井を中心に走っており、他場は重賞などよほどのことがない限り遠征しないのですがそれでも(0,0,0,3)。昨年の川崎マイラーズでは初の川崎コースで合流地点であわや4角を逆走せんとばかりに逸走した経歴もあり、本質的に左回りが合わないと思われます。

[5]⑤ミューチャリー(御神本)


 直前追いではかなり意欲的に追われましたが、アクションの割に時計はさほど出ておらず後ほど紹介するカジノフォンテンの馬なりの調教時計のほうが良かったくらいです。フェブラリーSでは7着と健闘を見せ、ソリストサンダーやサンライズノヴァに先着するなどこの中に入っても決して見劣りするポテンシャルではないのですが、この馬が台頭できるのは上りが38-9秒くらいかかるか、入りが38秒くらいゆったりしたレースに限られているので、そのどちらにもならなさそうな今回は厳しいと見ます。帝王賞でメンバー次第では…といったところでしょうか。

[5]⑥カジノフォンテン(張田)


 先ほどのミューチャリーがいっぱいに追われたのに対しこちらは馬なりでこのタイム。状態面の問題はなさそうです。

 あとはペース。前走の京成杯グランドマイラーズでは同じコースで前半3F36.9を刻んで逃げ切りました。但しこれは「地方ではこのペースでついてこられる馬はいないだろう」という自信の下に今回のテストのような形で走ったものと推察します。クビ差2着のタービランス自体も強い馬なので接戦だったこと自体は気にしなくてよいと思いますが、今回は同型もおり中央勢の突き上げもヤワではないため、惑わされずに自分のペースで行ってどこまで、というレースになるでしょう。

[6]⑦ドーヴァー(東原)

 ダートでは(0,0,0,5)。中央時代の1戦も含め1秒以上負けており、メンバーレベル以前に根本的にダートは合わないと見ます。

[6]⑧ワイドファラオ(福永)

 昨年はメンバーにもペースにも恵まれての逃げ切りでしたが、今年は同型も少なからずおり、前走もそうですが競り合う形になると脆さがある馬なので今回も楽な競馬は望めないでしょう。

[7]⑨メイショウオオゼキ(石崎)

 地元名古屋の自己条件でも2秒以上負ける現状では、ここでの通用可能性は見いだせないとしか言えません。

[7]⑩インティ(武豊)

 被されたり競りかけられると駄目な馬なのでこれまでは逃げて結果を残してきましたが、元来スタートは良い方ではなく前走のフェブラリーSでもゲートを失敗し後方から。それでも後方外を回して脚を伸ばし0.7差の6着に食い込んだあたり、力の衰えは見られないと考えてよさそうです。

 陣営は今回控える競馬を示唆しており、中間の調教では馬を前において追いかけさせる形で走らせてもいました。被されたり競りかけなければよいと考えれば、ソロっと後方から出していくコパノリッキー戦法で行く可能性も十分考えられ、前走ほど離されずに追走できれば間に合う可能性も十分に想定できます。

[8]⑪ソリストサンダー(戸崎)

 この馬の全5勝はダート1200mが2勝、1700mが3勝。1700mがあるコースはローカルで早めの動きだしが求められ、地方のコースには合っていると言えます。武蔵野Sの2着はありますが差し決着に恵まれてのもので、本来直線向いての決め手勝負では分が悪く前走の大敗も致し方ないものでした。ミューチャリーにすら先着できなかったのは負けすぎとも言えますし、本来なら先月のオアシスSに使う予定が除外でここへ参戦という過程からも万全というのは難しいですが、南関を知る戸崎Jに乗り替わりとくれば軽視はできないでしょう。

[8]⑫サンライズノヴァ(松若)

 左回りのマイルは大得意な馬ですが、前走(フェブラリーS=11着)が案外でした。いつもならレースの上りマイナス1秒くらいの末脚を使って追い込んでくるのですが、その前のチャンピオンズC(12着)を含めここ2戦はレースの上りと同じだけの時計しか出せておらず、かつての末脚が影を潜めています。

 何か原因があるのかと思いましたが、音無師は「今回は積極策で行く」と言及するのみで「これまでの戦法では間に合わない=近2戦の大敗は切れ味の衰え」を暗に認めているともとれるコメント。出していくと末が甘くなる馬で、大外枠の今回はかなり厳しい戦いを強いられるでしょう。


【予想】
◎タイムフライヤー
○インティ
▲ソリストサンダー
△カフェファラオ
△カジノフォンテン

 がっちりインを確保できそうなタイムフライヤーから入ります。差しの実力は未知数も実績上位のインティ、舞台変わりで前進見込めるソリストサンダーを上位に取り、ペースの不安のあるカフェファラオ、プレッシャーが増すカジノフォンテンは最悪馬券圏外まで想定して組み立てたいと思います。

2021年5月2日日曜日

【5/2(日)予想】

■阪神11R オーソリティ

 阪神開催への変更で考えるべきポイントは

 ①坂を2回上るタフなコース
 ②急なラップ変化に対応できるか
 ③変則開催の影響

と見ています。

 ①について、これは阪神に限った話ではないですがこのコースでは坂を2回上ります。


 例年このレースが行われる京都の場合坂があるのは3コーナーの手前ですが、阪神ではゴール前に急坂を配しているため、最後のトップスピードのタイミングで坂を上ることになります。3000mを走って高低差200mの坂さらに200m坂を上るとなると、スタミナもそうですがスピードの持久力も問われてきます。曰く、一瞬の切れよりは長く良い脚を使えるタイプ、東京などの大箱コースで善戦している馬は評価したいです。


 次に②ですが、これは同距離で行われた準OPである松籟Sのラップを基にした話です。


 初めてのコースなので探り探りのペースになるかと思いきや、序盤からそれなりに流れました。コースレイアウトでわかる通り、向こう正面の中ほどからスタートしてすぐ外回りの下り坂があるので、惰性で走っていてもある程度のペースになってしまいます。

 ゴール前の坂を上って1~2コーナーは径が小さいこともあり、ここで一気にペースが落ちます。長距離戦にはありがちなラップですが問題はここからで、向こう正面に出て次は内回りになるので、残り1200mの段階から一気にペースが上がります。そのまま下り坂に突入しますから、ほぼトップスピードに近いラップが5Fほど続きます。通常は前が止まりかねないのですが序盤のペースもあってか最後は皆脚が上がった様子で、勝ったディアスティマも直線では鞭1~2発程度で逃げ切っていました。

 この松籟S、正直条件馬にはかなりの酷なラップで、天皇賞のメンバーが揃ってもおそらくこれより厳しいラップになるとは考えにくいです(それで勝ったら本当に強いです)。特に「1.0秒以上の減速と加速が発生する」ラップに対応できている馬は、折り合い面と加速性能という点でこのコースを走り切る力を備えていると見ます。


 最後に③について。

 京都開催の天皇賞では外枠不利が定説で、向こう正面の中ほどからスタートするコース形態は阪神とさほど変わりません。ですが今年は開催スケジュールがそもそも例年と違っていて

(例年)京都→京都→阪神→阪神→[京都]
(今年)中京―→阪神―→阪神――[阪神]

 と、約2か月のインターバルを経た京都と連続12週開催の最終週の阪神とでは芝のコンディションがそもそも違うので、相対的な内枠有利は薄れていると見ます。外目の枠というだけで評価を下げる必要はなく、フラットに考えてよさそうです。


 で、◎を打ったオーソリティですが、①は東京芝2500mのアルゼンチン共和国杯で完勝(しかも骨折明け)。②はデビューの函館戦で経験済とあって、大外枠も③を考えれば割り引く要素ではないと見ています。

 有馬記念の敗戦で右回り不安説もありますがデビュー2連勝はいずれも右回りであり、当時は長休明け後の激走の反動に加え中6週はデビュー以来最短間隔で(NF天栄での)調整期間が足りなかった可能性が考えられます。川田Jはコンビ3戦目ですがオルフェーヴル産駒での複勝率は50%近くと抜群の安定感で、主役不在の今年のメンバーなら十分にチャンスありと見ます。

2021年5月1日土曜日

【5/1(土)予想】

■阪神10R アルティマリガーレ

 前走(武庫川S3着)は終始内に押し込められ、直線の入り口で行き場を失くし追い出しが遅れました。スムーズなら2着はあったうえ勝ったのはエアロロノア(マイラーズC5着)。このクラスを卒業するのは時間の問題で、団野J連続騎乗+真ん中枠を引いた今回は好戦必至でしょう。


■東京11R ワンデイモア

 この馬の素質を高く評価しているのは前回弥生賞の記事で述べた通りです。2走前のメンバーはその後3着のスルーセブンシーズと5着のレッドヴェロシティが次戦で勝ち上がり、2着のスペシャルドラマも2走後に勝ち上がりと水準以上のメンバーでした。このレース自体は差し決着ですが、3角から早めに前を潰しに行き後続も封じた内容は素質の高さを感じさせるものでした。


 前走は上記の通り道中の位置取りがほぼそのまま最終の入線順になるような展開で、差し損ねたダノンザキッド同様にこの馬にとっても流れが向きませんでした。母系を辿るとメジロ牧場の礎を築いた名繁殖のシエリルに行きつく血統で、距離は伸びた方が良いクチ。前走が実力と取られて人気落ちしている模様ですが、ここで再度見直す価値はあると見ます。