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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2021年12月30日木曜日

【2021年の収支報告】

【2021年】
的中:59/240R(24.5%)
※本命抜擢馬の確定着順が3着以内となったレースを「的中」としています。

単勝回収率:115.0%
複勝回収率:70.7%

【本命抜擢馬と結果の一覧】(クリックで拡大します)


 的中率はほとんど変わらずでしたが、昨年は9月以降単勝10倍以上の①着が無かったのに対し今年は比較的コンスタントに中穴を的中できた分単勝でプラスに持って行けたのが大きかったです。しかし複勝回収率が昨年以下と酷くて…特に最近は人気馬を抜擢してことごとく4着以下に敗れるというレースが多く、実績馬を素直に信頼しない悪い癖が出ています。有馬記念の◎が2年連続でそこそこ人気どころを抜擢して④着ってのは悔しいの一言。こういう天邪鬼な考えを少しでも改めながら、来年こそは複勝回収率80%を達成します。

 ちなみに実際に自分が買った馬券の年間収支がこちら。


 何と初めて年間で回収率100%を超えられました!!!

 自慢になっちゃうので申し訳ないですがこれは素直に嬉しいです。元々予算がごくごく少額ですし、控除率を考慮して80%を上回れば御の字だと考えてやっているので自分でも上出来以上の馬券成績でした。

 個人的に良かったと思っているのが、年間で万馬券を3回しか獲っていないこと(京王杯SC・新潟記念の馬連と宝塚記念の3連単)。昔は年間で10~20回ほど獲っていてもトータル収支はマイナスと効率が悪く、今年は連系を買う頻度を減らし単複で地味にプラスを狙っていく戦略を取った結果でもありました。一発デカいので収支を動かすのではなく、比較的コンスタントに的中を続けられたことでこの数字であれば来年もそう大きくやり方を変える必要はないかとも思っています。

 とはいえ、プラス幅は8,000円ちょっとですから30万円を年利2.5%くらいで運用していたようなものです。時間と手間を考えれば金融商品に手を出した方がよっぽど効率は良さそうですが、毎週末の考察とその答え合わせを楽しむプロセスがコロナ禍で自分の中で定着したというのもあります。

 何より競馬の世界はその結果を構成するファクターが常に変わり続けるギャンブルで、馬、人、コース、参加者の属性や傾向等様々な要因が絡み合いながらオッズと結果が出来上がるわけです。ここ1~2年他の公営競技にも参加してみたのですが、どうも自分はJKAと仲が悪いらしくボートも含めまったくもって当たりません。「着順を当てる」という目的は一緒なものの、やはり構成要素の根本が違うだけに同じようには行きません。当面は引き続き馬中心になりそうです。


 今年も毎週お付き合いいただき、ありがとうございました。

2021年12月28日火曜日

【12/28(火)】ホープフルSの予想とねらい目レース(YJS中山1)

■中山11R マテンロウレオ

 この馬に関しては陣営の並々ならぬ期待が感じられます。元々昆厩舎は2歳戦は手堅く攻めるタイプで、勝ち上がっても自己条件が基本です。これまで昆厩舎で新馬勝ちした40頭のうち、1勝馬の立場で2歳G1に挑戦したのは2例しかなく、関東に遠征したパターンとなると2006年のローレルゲレイロが朝日杯(当時中山開催)で②着したのが唯一です。但しローレルゲレイロの場合1勝馬とはいえ重賞連対実績がありれっきとしたオープン馬としての挑戦でした。

 マテンロウレオは新馬勝ちのあと京都2歳Sを使う予定でしたが歩様が乱れ自重した経緯がありますが、そもそも重賞に進ませるローテが昆厩舎としては異例な上、そこをスキップしてG1に出すというのも更に異例。中間も2週続けて古馬と併せ馬を消化し、最終追いでは一杯に追われるレッドレビンを突き放す余裕ぶり。しっかり負荷をかけていることも含め、師の本気度が伝わってきます。

 その追切に2週とも跨った横山典J。この秋は栗東に滞在し昆厩舎の馬を中心に騎乗を続けています。御存知の通り横山典Jの騎乗は「馬が第一」。望みがなければ無理に追いませんし、危ない騎乗もしないタイプ。それがこのマテンロウレオの新馬戦では、馬群の中で折り合わせ直線では前が狭くなるところを強引に割って勝利。パトロールを見れば一目瞭然ですが、並以上のメンタルの持ち主でも躊躇するようなスペースにねじ込んでいます。キッチリ戒告ももらっており、新馬戦でここまでして勝たせる騎乗をするのは異例と言って良いでしょう。

 レース自体も芝2000mで前半が63.0秒という新馬戦らしいペースで、Aコース開催4週目にして外差し勢の強襲を抑え内を突いて勝った点も評価できます。怯まないメンタルは大きな武器で、人気上位勢がパッとしないこのメンバーなら一発あっても、と思います。


■中山7R ヤップヤップヤップ

 ヤングジョッキーズシリーズというのは半分が地方競馬の騎手、しかも若手で形成されることから動き出しが早くなりやすく、上がりがかかる傾向があります。昨年のスカーフェイスや3年前のプレシャスブルーなど、ここを勝ち上がったのはやはり上がりがかかる時に走れる馬が多いです。

 ヤップヤップヤップが⑤着した5走前の函館戦は、当時の②③④⑥⑦着が既に勝ち上がり済というなかなかのレベルでした。このレースは全体の上がりが37.3秒かかり、切れる脚を持たないこの馬でも間に合ったという格好でした。それ以降の4戦は上がりが35秒台以下で出番ナシ。メンバー的にかなり微妙な相手関係で、5走前の内容を考えれば佐賀の天才・飛田Jを迎えたここでなら十分に台頭できると見ます。

2021年12月26日日曜日

【12/26(日)予想】有馬記念の全頭評価とねらい目レース(りんくうS)

■中山11R

[1]①ペルシアンナイト(C.デムーロ)

 昨年の有馬記念0.6差⑦着はメンバーを考えれば健闘の部類ですが、前半が62.2とペースが緩みマイラーでも一瞬のキレでどうにかなる流れになったことが大きかったです。何故かこの馬は最近スタートで不利を受けることが多く、今年の6走のうち実に5走でスタート後両隣の馬に進路を阻まれています。それでも横山武Jがしっかり促して位置を取った札幌記念と頭数が落ち着いたチャレンジCでは③着と善戦しましたが位置を落とすと苦戦しており、ただでさえスタートに一抹の不安を残すクリスチャンJが鞍上であるうえ、パンサラッサが57~8秒のペースで逃げることは濃厚。タフさが要求される流れにあっては台頭は難しいと見ます。

[1]②パンサラッサ(菱田)

 これまではハロン12.0秒のペースで走りきれるかどうかが結果を左右していましたが、前走でHペース逃げに転じアッサリ。元々引き付けて良さが出るタイプでもなく、2番手、3番手が2桁着順に沈んでいることからも気分良く行けるかどうかが鍵となりそうです。

 今回も前走同様のHペース逃げを宣言。他先行勢もハナを譲る構えで自分の形には持ち込めそうです。しかし某媒体でタイトルホルダーの戦法について、生産者である岡田スタッドの代表・岡田牧雄氏が「5F60秒のペースで行き、2週目の向こう正面から進出。4角では最低でも5馬身は離して後続を待て」という指示を横山和Jに出していることを紹介。こうなると力づくでも早めに来られてしまう上、キセキもスタートが決まらなければそれより早く捲りに出る可能性もあります。近走充実とはいえ中山では(0,0,0,4)と走れておらず、二度の坂越えも試練と見られます。

[2]③モズベッロ(池添)

 状態アップに時間を要していましたが、今回は2週連続で坂路で51秒台をマークするなど本来の動きを取り戻しつつあります。折り合いに苦労するところがあり、昨年の有馬記念ではスタートの遅れと道中のスローペースで競馬にならず田辺Jも最後は申し訳程度のムチのみで完全に流していたので参考外。今回はそれよりは速い流れになりそうなことから折り合いはつくと見ます。但し重馬場巧者のこの馬がG1クラスでやれるためには重・不良と他馬のパフォーマンスに大きなマイナスが出そうなコンディションになる必要があり、再度雨が降れば話は別ですが稍重程度ではアシストには少し足りないかと見ます。

[2]④メロディーレーン(岩田望)

 中間は格下の2歳馬を相手に併せ馬を消化するのみで、最終の坂路の時計も平凡以下。ステイヤーズSならまだしも古馬一線級と伍するにはもう二回りはレベルアップしてもらわないと…

[3]⑤ディープボンド(和田竜)

 フォワ賞勝ちが物語る通り持久力に秀でたタイプで、日本でも大箱コースか長距離に良績が集中。年始の金杯で⑫着に敗れたのは3~4角で押し込められ直線も前が詰まったことがありますが、昨年の皐月賞でも3角で手ごたえを失くし⑩着。進路を確保できたときにスパッと伸びられないことがウィークポイントであるわけで、このコース、この枠では能力全開とまでは難しいかと。

[3]⑥ウインキートス(丹内)

 前走のエリザベス女王杯の際の見解が下記。

 気になるのは騎手も厩舎も「関西慣れ」していない点。丹内Jは年間で数えるほどしか阪神に乗っておらず、通算でも(1,2,6,99)と実績は無いに等しいレベル。送り出す宗像師も関西で重賞を勝ったのは03年鳴尾記念のウインブレイズまで遡り、バランスオブゲームやフェイムゲームといった重賞の常連でも関西遠征では結果を残せていない厩舎です。ウインキートス自身も初の遠征、初の56kgと超えるべきハードルは多く、相手も盤石でない中チャンスがあるのは確かですがこのフォーメーションで阪神のG1となるとベストパフォーマンスを出すのは難しいと見ています。

 結果は0.7差の⑩着で、道中やや折り合いを欠くシーンがあったとはいえ馬場の悪い内に押し込められたでもなく進路が塞がったわけでもないのに同じような位置にいたステラリアはおろか馬体を併せたイズジョーノキセキにも競り負けるのは物足りないパフォーマンスでした。

 そこから好走歴のある中山に戻るにはよいのですが、テンの速い馬が揃い3番手以内を取れるかは怪しく、仮に押して前につけたとしても今度はお釣りが残りません。内枠有利でもない現状では恵まれる可能性も低いかと。

[4]⑦クロノジェネシス(ルメール)

 実績は言うまでも無く、間隔を空けた方が良いタイプでもあり5歳の暮れにしてまだ17戦目。引退レースとはいえ枯れるにはまだ早いです。ただやはり調教の動きを見ていると「本調子にない」という斎藤崇師のコメントはブラフではなさそうです。

 最終追いの相手はヒンドゥタイムズ。実は前走の中日新聞杯で◎を打つ予定だったのですが、本来良い時ならクロノジェネシスと併せて先着するくらい調教掛けする馬がやっと併入、というレベルだったので状態不安を疑い消しました。結果はご存知の通りの⑦着で、本来寒い方が動ける馬なのにまだ調子が上がり切っていないことを伺わせました。

 そのヒンドゥタイムズと併せたCWでの追い切りは、ヒンドゥタイムズ側が幾度も後ろを振り返りクロノジェネシスを待つような仕草。本来アッサリ抜いて行かれることを想定していたと考えれば、陣営の思ったほどにクロノジェネシス側の調子が上がっていないことを伺わせます。実際、宝塚記念の前は1週前に50秒で乗れていたのに今回はこの最終追いの51.8が4Fのベスト。中間ルメールJが一度もコンタクトを取っていない点も気がかりで、マイナスイメージを持たれないようにする狙いもあるのかもしれません。

 とはいえ、正直このメンバーでは多少の出来落ちがあっても格好はつけなければならず、何かに足下を掬われる可能性はあっても上位に踏みとどまれるレベルの馬とは見ています。

[4]⑧ユーキャンスマイル(藤岡佑)

 得意なはずの東京で秋2戦とも見せ場なし。G1のペースについていけていないのが実情で、不得手中山替わりでパフォーマンスを上げる期待はしにくいです。

[5]⑨ステラヴェローチェ(M.デムーロ)

 「バゴっぽくないバゴ産駒」であり末脚を活かせるタイプにつき後ろからのレースが続いていますが、本来は位置を取りに行っても良い馬です。前走の菊花賞は距離不安もあり後ろからのレースになりましたがそれでは間に合わない展開で、それでも3角から動いて④着まで押し上げたのは地力の証明でした。

 スロー想定ならば差し届かない懸念もありますが、平均以上で流れるとなると最後までバテずに脚を伸ばせる持久力が求められます。かと言って中山ではジリ脚タイプでも駄目で、「それなりの持久力とそれなりのキレ」が求められるこの舞台は、バゴの持久力とディープのキレを程よく受け継いだこの馬には絶好と言えるでしょう。人気上位に状態不安がある中、中8週以上なら(2,1,1,0)と走れているのも好材料で、最終追いでデムーロJが馬なりで済ませるのも状態の良さを感じ取っている証拠。自在に運べる分、不安要素の最も少ない実力馬と考えます。

[5]⑩エフフォーリア(横山武)

 ヴィクトワールピサのように「東京2400mは走れなくても中山2500mは走れる」ケースはあり得ます。エフフォーリアもダービーでは最後止まってしまいましたが、元々レースセンスと立ち回りの良さが身上でそこに強気に乗れる横山武Jのスタイルが合致した結果今の成績がある、と言えるでしょう。皐月賞の勝ちっぷりが示す通り、中山向きの機動力という意味では文句のつけようがありません。

 本来エピファネイアは加減速が苦手なタイプで、一度中盤で緩んだ後再度ギアを上げるというレースができないため国内ラストランとなった有馬では⑤着と取りこぼしていました。半弟のルペルカーリアがセントライト記念で沈んだのもその点と無関係とは言い切れず、現にエフフォーリアも道中で13秒台の区間のあった百日草特別ではパフォーマンスを落とし(勝ったものの重賞で通用していないレインフロムヘヴンに0.2差)、ダービーでも取りこぼしています。その点今回はパンサラッサが淀みなく運ぶうえ、タイトルホルダーやキセキが控えているとなると緩む区間は無さそうで、中山2500mでもこの弱点が相殺される可能性は高いです。

 あとは状態。入厩時に頓挫がありCWでの早めが1本少ない調整過程で、陣営も横山武Jも「天皇賞ほどではない」と口を揃えています。それでも2週続けて終いは11秒台で上々の動きを見せ、態勢は整ったと見てよさそうです。言うまでも無くコントレイル、グランアレグリアを破った天皇賞の内容は現役最強レベルで、そこまでに至らなくともこのメンバーなら…とは見ます。

[6]⑪アリストテレス(武豊)

 2走前の京都大賞典で最後の1Fが13秒かかるこの馬向きの流れになりながらマカヒキに差された時点で、現状G1で勝負できるレベルではないと判断しています。前走のジャパンカップは決して得意条件ではないうえ積極先に出ての⑨着なので着差ほど悲観することはないですが、モズスーパーフレア級にならない限りは基本的に管理馬を逃がすことに否定的な音無師があれを許したとなると、裏を返せばああでもしない限り勝機は見いだせないと捉えられている証拠でもあります。このメンバーでは打ち手も少なく、自身のレースに徹してどこまで、という舞台でしょう。

[6]⑫シャドウディーヴァ(横山典)

 中山では1800mを3回走って④①⑤。距離は今なら持つでしょうが、右回りだと内にモタれる面があり、実際過去中山での3走は2番、1番、5番という内目の枠でラチを頼りに走れた側面がありました。この枠でどううまくやるかですが、鞍上の横山典Jは中山のG1では丸6年馬券になっておらず(最後に複勝圏内に入ったのは15年の有馬記念、北村宏Jの代打でキタサンブラック③着)、マツリダゴッホが勝った時のように内がガラ空きにでもなれば。

[7]⑬アカイイト(幸)

 前走のエリザベス女王杯は前に行きたい馬が揃った結果、前半59.0秒のハイペースで流れ牝馬としては長距離の部類に入る2200m戦でバテる馬が続出。結果的に馬場の良い外目をスムーズに回ったこの馬が勝ちましたが、4,5着の顔ぶれを見ても展開利を味方につけた結果と見るべきでしょう。再度同じ流れになる可能性はありますが、流石に今回は牡馬相手で二度の坂越えは楽ではなく。

[7]⑭アサマノイタズラ(田辺)

 皐月賞で見せたように掛かるところがあり、しっかり折り合わせられた2走前のセントライト記念では展開利も味方につけ快勝。初コンビとなった田辺Jも差しを得意とする騎手でありこの起用が嵌った面もありました。

 前走の菊花賞は距離延長+初の関西遠征に加え、ヴィクトワールピサ産駒に3000mは流石に長すぎました。得意の中山に戻り距離短縮、しかもペースは流れそうと来ればセントライト記念の再現があっても驚けません。当時破ったソーヴァリアントはチャレンジCを完勝しましたがここに出ればそれなりに人気になったはずで、あの一戦だけで評価はできませんが少なくともこのメンバーなら噛み合った時に突っ込んでくる可能性は否定できません。

[8]⑮キセキ(松山)

 陣営は「出られなければ腹をくくる」としており、ゲートが決まらなければ前走同様のまくりに出るでしょう。元々角居厩舎の解散とともに引退の予定がありましたが、昨年の有馬記念が「不完全燃焼だった(下河辺牧場談)」こともありもう1年やることになったという背景。とすれば、昨年のような中途半端な進出ではオーナーサイドは納得しないということで、今年は惨敗しようが捲ってハナを取り切るレースをしてくるでしょう。スローペースを見越して結果的にそうなるのならともかく、決め打ちで捲られては前に居る馬にとってはたまったものではありませんし、そもそも前に2頭はいる想定でこれらを捲るとなると最後の1000mでかなりの脚を使うことになるので…

[8]⑯タイトルホルダー(横山和)

 結果的に前走前の横山武Jの弱気な発言はブラフだったわけで、詳細なレースプランが既に共有されており結果その通りになったという図式でした。

 パンサラッサの項で述べた通り今回も牧雄氏は「横山家の体内時計」を信じ詳細な作戦を鞍上に伝えていますが、プラン通りに運ぶなら今回は57~8秒で運ぶパンサラッサを自力で捕まえに行く必要があります。想定より早く前が止まれば大いにチャンスはありますが、1周目より2周目で加速しなければならないとなると14秒台に落とす余裕のあった菊花賞とはワケが違います。皐月賞の内容を考えればここでも有力候補ではありますが、不確定要素が大きく軸では狙いにくい舞台です。

 なお参考までに、過去重賞で「横山家同士での乗り替わり(横山和Jがデビューした2010年以降)」は(1,2,0,17)で単回26、複回44。3度の連対は全て父親に乗り替わったケースであり、兄弟間、および父→息子の乗り替わりで馬券に絡んだ例はありません。

<予想>
◎ステラヴェローチェ
○エフフォーリア
▲クロノジェネシス
△アサマノイタズラ
△タイトルホルダー
△シャドウディーヴァ


■阪神11R ロードラズライト

 阪神ダート1200mはOP級以上の挙行が少なく参考になるかは微妙なところもありますが、馬券の期待値としては「逃げ<先行」という構図が見て取れます。


 勝率・連対率・複勝率いずれも逃げ馬が上回っているのですが番手追走の馬にもチャンスがあり、サンプル数の違いを考えればこの回収率はかなり特徴的と言えます。

 今回は被されたくないエアアルマスとロイヤルパールスが内枠に入ってしまったため、気合をつけて出していくと見られます。特にエアアルマスの鮫島駿Jは逃げたいときは何が何でも、というタイプで(そのあとはお察し)、これに中井Jが応戦するとオーバーペースの懸念があり3番手以下の馬にチャンスが回ってくると見ます。

 ロードラズライトの前走は同じコースで行われた大スポ杯。大外16番枠から鮫島駿Jが出ムチを入れて先行し0.4差⑤着に残りましたが序盤で相当脚を使ったうえにコースロスも大きく、番手以下の馬がこぞって脱落した中唯一掲示板に残したのは評価できる内容でした。今回は枠順も好転し隊列もスンナリ決まりそうで、斤量も3kg軽くなるここは追走にも苦労しないでしょう。日曜に強く追って直前軽めという調整は浅見厩舎の通常パターン。状態面の不安も見られず狙いは立つはずです。

2021年12月25日土曜日

【12/25(土)予想】阪神Cの注目馬とねらい目レース(グレイトフルS)

■阪神11R ラヴィングアンサー

 OP昇級後1200mを3勝しているものの、この馬の最高のパフォーマンスは1400m、昨年の京王杯SCと考えます。掲示板に入った5頭のうち4頭は4角の1~4番手で、唯一この馬だけが11番手の外から末脚を伸ばして0.3差④着に食い込みました。この時勝ったダノンスマッシュはこののちG1を2勝し、結果的に重賞8勝という名スプリンターになったことを思えば不適距離とは言えそこに肉薄した内容は評価して良いと見ています。

 1400m戦は昨年8月の朱鷺Sで0.3差⑧着した時以来ですが、平坦の新潟より坂があり上りのかかる阪神コースの方が向いています。加えて外差し優位が進む今の阪神で、1200mからの距離延長で挑む馬や前目を取りたい馬が少なくなく、わかっていてもペースは速くなりそう。岩田望Jは差してこそのジョッキーで、重賞を勝つチャンスがあるとすれば意外とこういうタイプの馬の騎乗時かもしれません。


■中山11R ロードトゥフェイム

 マツリダゴッホ産駒らしく全3勝が中山。前走は菊花賞参戦で流石に壁は厚かったですが、自己条件で53kgで出られるここはチャンスです。今回は久々に菅原明Jに手が戻りますが、この馬の手綱を取ってきた3騎手の中山芝1800m以上(=コーナー4回以上、2018年以降)の成績はだいぶ開きがあります。


 「とりあえず行ってあとは何とか持たせる」だけの騎手ではワンターンの1600m以下はどうにかなっても、加減速を適切に行う必要のあるコーナー4回以上のコースでは成績差が出てしまうという格好。負傷休業中の木幡巧Jはともかく、丹内Jは中山にいて空いているのに乗せられなかったというのが陣営の答えでしょう(兄ほどではないにせよ岡田スタッドも比較的丹内Jを乗せる傾向が強いにも拘らず)。上位人気は必至ですが、菊花賞の着順の差でこちらの方が妙味は高いと見ます。

2021年12月19日日曜日

【12/19(日)予想】朝日杯FSの予想&ねらい目レース(寒椿賞、ディセンバーS、御影S)

■阪神11R ヴィアドロローサ

 前走の京王杯2歳Sではスタート直後に隣の馬がヨレた影響を大きく受けて後方からのレースを強いられ、道中は荒れた最内を進み直線も進路を探しながら追いにくい中33.5の脚を使い⑧着まで押し上げました。レース自体が前に居た馬同士の決着だったことを考えれば仕方ない展開で、最後まで脚を使っていた点から距離延長にも対応できました。加藤征師が「スタートの不利が無ければ勝てていた」といつもの調子で語れば、手綱を取った横山武Jも「あれが無ければ勝負になった」と同調。当時③着のラブリイユアアイズが先週の阪神JFで②着したことを考えれば京王杯組は不当に評価が低いと思いますし、デビュー2連勝で完成度の高さも証明済み。この舞台でも伍せる力は持っていると見ます。

 ホープフルSが出来てからというもの、このレースには距離適性の短い馬が多く集まるようになり、スピードが求められるようになりました。


 事実阪神に移行した2014年から3年間は1分34~35秒台の決着だったのが、2017年にホープフルSがG1に昇格し距離適性の長めの馬が別路線に行くようになったことで1分33秒台の決着が常態化。スピードを活かせる馬が台頭するようになり、昨年は1600m以上で勝ち星のなかったグレナディアガーズが1分32秒3の2歳レコードで勝利。特にここ2年は前半半マイルが45秒台と流れており、そのスピードについていけないと難しいレースになりつつあります。一昨年の②着馬タイセイビジョンは前半45秒台で流れた函館2歳Sの②着馬、③着グランレイも1400mの未勝利戦を勝っての参戦でした。

 今回のメンバーで4F45秒台のレースを経験しているのはヴィアドロローサとカジュフェイスの2頭だけ。カジュフェイスも押さえますが逃げでしか勝っていないことを踏まえれば、前走で戦法の幅を見せたヴィアドロローサを上位に取りたいです。


■中京10R スマートプレジール

 ダート1200mの新馬戦を0.8差で圧勝したのち挑んだ前走のファンタジーSではシンガリ負け。芝がダメだったという見方もありますが、3,4コーナーで外に逃避するようなシーンがあり必要以上に負けた側面もあります。新馬戦の危なげない走りからすれば現状ダートの左回りがベストであり、現級で3着以内の経験のある馬がいないここなら巻き返せると見ます。


■中山11R サトノクロニクル

 過去何度か言及していますが、藤井Jのスイートスポットは「芝の14,18」です。


 相変わらずこの距離条件では高い回収率を挙げており、サトノクロニクル自身も元々重賞で3度の②着がある実力馬。行きたい馬もおり外差し傾向の出ている今の中山で、この相手関係なら久々にチャンスありと見ます。


■阪神12R ファシネートゼット

 このコースで2勝しており、叩き4戦目となりますが使われながら内容も良くなっています。前走の銀嶺Sは先行馬の目標にされる厳しい内容を粘り込んで0.4差⑥着。斤量が2kg減となる上内目の枠を引け、人気どころが外に集中したことも手伝い自分のレースが出来そうな今回は走り時でしょう。

2021年12月18日土曜日

【12/18(土)予想】ターコイズSの予想

■中山11R スマートリアン

 前走の府中牝馬Sでは距離延長で行きたがる面を見せたうえ、道中は荒れた内を通らされ直線でも早めに仕掛けざるを得ない展開で⑥着。むしろ0.5差はよく踏ん張った方でした。距離短縮ローテでは(3,1,0,0)で、京成杯AHで0.1差④着した内容からも中山マイルも問題なし。加えて今回は池添Jに手が戻るわけで、オルフェーヴルに代表されるようにステイゴールド血族のイメージですが芝でキズナ産駒のキレを引き出すことにかけては抜群の成績を誇ります。


 上記は今回出走する騎手の芝でのキズナ産駒騎乗時の成績。前任者の三浦Jと比較してもそうですが、複勝率55%で複回230というのは驚異的(この平均人気で単回複回100超えのルメールJも凄い)。この馬騎乗時も(2,1,0,0)であるように手が合っており、相手関係も前走とさほど変わらないと来ればここは順当に上位争いと見ます。

2021年12月12日日曜日

【12/12(日)予想】カペラSの全頭評価とねらい目レース(阪神JF、阪神12)

■中山11R

[1]①リュウノユキナ(石橋脩)

 6歳シーズンになり取り口が安定。1200mでは6戦し4勝2着2回とパーフェクトに走れています。前走のJBCスプリントは良績のない1400m(この馬の好走は1300m以下のみ)で距離自体は度外視できますが、この馬よりも内を突いたレッドルゼルやサンライズノヴァに差された上同様に1400mが向いているわけではないモジアナフレイバーに外から差されたのは流石に負けすぎで、一連の出来からはやや落ちているのかな?という印象はぬぐえません。

[1]②ゲンパチフォルツァ(武藤)

 今年の3歳ダート戦線はかなり低レベルという話は何度かさせていただきましたが、この馬もご多分に漏れず春先の世代限定戦を勝ち上がってきたクチ。ここ2戦は古馬の壁に跳ね返されている印象で、コース相性はよくとも相手関係的には強調しにくく。

[2]③アポロビビ(吉田豊)

 全5勝すべてがこのコースでのもの。ただここ2戦はテンの速さに戸惑っている様子で、前走のながつきSも0.3差⑨着とはいえ本来得意なはずの上りのかかる展開をモノにできず。3走前の千葉S①着時のように1分11秒台で足りるようなレースが理想で、時計対応に課題を残します。

[2]④ダンシングプリンス(三浦)

 8か月ぶりの実戦。中間の坂路の時計は50秒、51秒をマークしていたここ2戦に比べるとかなり見劣りする現状で、馬体も530kg前後となるとこれはまだ仕上がり切っていないと考えた方が良さそうで…

[3]⑤デュアリスト(戸崎)

 連を外した2戦はいずれも前半3Fが34秒を切るペース。中央で勝った3戦はいずれも前半3Fが35.0秒以上。ペース的に恵まれにくそうなここでは。

[3]⑥スマートダンディー(大野)

 1200mは初挑戦。この馬の最高のパフォーマンスはやはり阪神ダート1400m戦時で、距離短縮で控えることはできても1200mのペースで溜めを作るのは難しいでしょう。

[4]⑦ミッキーワイルド(田中勝)

 前走の霜月Sでは直線半ばまで進路が出来ない中最後のひと脚で③着を確保しました。ロスなく運べはしましたが恵まれたわけではなく、人気薄でしたが復調を印象付ける好走でした。但し溜めを作れない1200mでは良績が無く、適鞍が無い以上仕方ないですがこの舞台でパフォーマンスを上げる期待は持ちにくく。

[4]⑧ロイヤルパールス(宮崎)

 中1週以下だと(4,1,1,5)で中2週以上だと(1,1,1,28)。出脚がつくかが鍵で間隔を詰めて使ってきた方が反応が良くなるタイプにつき、中5週と間隔のあいたここでは強調しにくいです。

[5]⑨オメガレインボー(岩田康)

 前走の武蔵野S時に「暑いと走り、涼しいと今一つ」という特徴を挙げましたが結果的には③着を確保しました。但し満足に追えなかったエアスピネルにも差されてしまうあたり気温の低下とともにパフォーマンスが下がっていると見ることが出来そうで、さらに気温が下がるこの舞台、初の1200mとなると実績ほどには信頼しにくいです。

[5]⑩ヨシオ(勝浦)

 かつては先行策で好成績を残してきましたが、ここ最近は行けなくなっており末脚に賭けて展開待ち、というレースが続いています。ここまで75戦を消化した戦歴にも表れている通り、使われながら調子を上げるタイプでここはいったん様子見の一戦になりそうです。

[6]⑪メイショウテンスイ(江田照)

 1400m戦で好位につけるレースで安定した成績だったのが昨年の秋。砂を被れずに運べればこのクラスでもやれる素地はありますがそれでも1400mで掲示板が精一杯という現状で、阪神・東京の1400mとは明らかに適性の違う中山1200mでは買い要素は見出しにくく。

[6]⑫ミスズグランドオー(田辺)

 3歳馬ですが3月に1勝クラスを勝ち上がった後は4か月の放牧に出され、古馬を相手に勝ち上がり。この馬は直前の調教負荷と成績がリンクする傾向にあり

前走:併せ一杯…①着
2走前:併せ馬なり…②着
3走前:併せ馬なり…②着
4走前:併せ一杯(+金曜にも併せ)…①着

という状況。今回も1日、4日と併せ馬で一杯、最終も併せ馬で強めに追われ十分に負荷をかけられている状況につきパフォーマンスを上げられる調整過程と見ます。

 前走は2番手から直線余裕で抜け出し、大勢が決してからのステッキ1発で0.4差突き放す強い競馬。ハナを切る必要は無く外目の好位を取れそうなここはいきなり通用の目があっても。

[7]⑬トウカイエトワール(石川)

 このコースで(3,0,1,0)とよく走っており、前走のNST賞はスタートから前が狭くなりポジションを取れずで参考外。但し休み明けは(0,0,1,3)で使いながら仕上げてくるタイプ。転厩初戦ということもあり本領発揮は次以降と見ます。

[7]⑭ディサーニング(横山武)

 去勢後は取り口が安定し、1200mで②①④①着。気性的にも休み明けは苦にしないタイプで、1週前には南のウッドで50.7-11.6の好時計をマーク。軽いダートもプラスでいきなりがあっても。

[8]⑮ミッキーブリランテ(菅原明)

 切れるタイプではないのでダートが合う可能性はあり、芝を走る距離の長い外枠も好都合。加えてこの馬自身も休み明けより使われて調子を上げる傾向にあり、中1週の続戦となるここはローテーション的には狙いたい局面です。

[8]⑯モズスーパーフレア(松若)

 ダートは過去2回JBCスプリントで走ったのみで、それが④③着だからと言って適性を評価できる内容かと言われると微妙なところです。そもそも前走は自分の形に持ち込みながらさらに内を2頭に掬われて0.7差ですから完敗と言ってよい内容で、それをダートに求めるのか距離に求めるのかは判断が分かれますが、ただでさえ斤量が1kg増えるこの舞台で枠だけで人気するようでは少々危険かと。

<予想>
◎ミスズグランドオー


■阪神11R ナムラクレア

 前走のファンタジーSは行きたがるのをなだめながらのレースで、ウォーターナビレラとの0.1差は折り合いひとつで逆転可能と見ます。今回は中間追い切り時にメンコを装着し敏感な面をカバー。そのかいあってか最終の坂路では52.2-11.6と2歳馬離れした好時計をマーク。元々小倉2歳Sでも控えて勝っているだけに今回も控えて運びたいクチで、外差し優勢の今の阪神のコンディションに加え、距離適性が短めな馬の多いこの舞台は機動力も重要。代打騎乗からチャンスをつかんだ浜中Jが連続騎乗となれば、人気馬が外枠に集中したこの構成で中を割って一矢報いるシーンに期待です。


■阪神12R カムカム

 人気上位は皆先行タイプ。その中心と目されるのはもちろんレモンポップですが、休養中に当時戦った馬たちの評価はダダ下がり。前走のカトレア賞で下したタケルペガサスはなぜか日本馬が良く走るUAEダービーで④着に入ったものの、鳳雛Sでは牝馬ウェルドーンに完敗。そのウェルドーンはご存知の通りJDDでキャッスルトップにすら勝てずで、ラペルーズやゲンパチフォルツァ同様早い時期に勝ち上がった馬は皆振るわないのが現状です。

 昨日の中日新聞杯のように人気薄が先行すると「どうせ垂れるだろう」と見られて仕掛けが遅くなる傾向にありますが、上位人気が先行するとその逆でそのまま行かせてはマズいという心理から仕掛けは早くなりがちです。但しカムカムは展開に合わせて動き出しを変えることが出来ないタイプの馬で、ペースがどうなろうと後方からじっくり運ぶしかなく最後に前が止まるかどうかで成績が変わります。その点を踏まえれば今回は早めに動き出した各馬の脚が止まる坂上でグングン脚を伸ばす展開が期待でき、上位台頭のチャンスと見ています。

2021年12月11日土曜日

【12/11(土)予想】中日新聞杯の注目馬とねらい目レース(境港特別、師走S)

■中京11R ショウナンバルディ

 前走のケフェウスSは控える競馬で全く良さが出ず⑧着。この馬は前につけられて前半が62秒程度の緩いペースになった時に力を出せるタイプで、コーナー4つに坂登り2回の中京2000mは本来この馬の得意条件です。岩田康Jが乗った時に行き切らないレースばかりなのが気がかりですが、前走までは連戦で使い詰めの影響もありリフレッシュした今回は直前も一杯に負荷をかけられており力は出せる態勢にあると見ます。めぼしい先行馬が見当たらないここでなら、ひきつけて逃げても最後まで持たせる期待は高いです。


■阪神10R モイ

 小柄な馬体を活かした立ち回りが身上で、その分詰まりと表裏一体というリスクを併せ持ちます。頭数は少ない方がありがたく、9頭以下のレースでは④②④着でいずれも0.4差以内に纏めています。16頭立ての前走・三陸特別も追えるスペースが出来ずまともに鞭を入れたのは最後の150m程度でしたが0.3差④着と善戦しており、勝ち切るまでは難しくともこのメンバーなら3着内は十二分にあっても。


■中山11R レピアーウィット

 マーチSの際に取り上げた通り、この馬のような大型馬に強い石橋脩Jに手が戻るのは好材料。元々揉まれたくないタイプで器用さも無いため、内枠・小回り・中枠と不利条件が続いたここ3戦は度外視できます。今回は15番枠な上、隣の大外はゲート難が定着してしまったバレッティにつきほぼ間違いなく被されずに運べそうです。57kgでも2勝しており、このメンバー唯一の古馬ダート重賞勝ちを有し実績も断然。1週前の抜群の動きからも状態に不安は無く、買わない理由は見当たりません。

2021年12月5日日曜日

【12/5(日)予想】チャンピオンズカップの全頭評価とねらい目レース(中京8、ギャラクシーS)

■中京11R

[1]①ソダシ(吉田隼)

 適性や枠の話は他の方にお任せするとして、自分がこの馬を買わない理由は「ゲート難が表れ始めている」ことに尽きます。母ブチコはゲート難により引退に追い込まれた経緯があり、この馬も前走ゲート内で前歯をぶつけて出血しているように、段々と気性的な危うさが顔を覗かせている現状です。そこに初ダートで最内枠、よりによって隣は逃げたい馬となると、かなりの確率で後手を踏む可能性がありそれ自体が不利となってしまいます。

[1]②カジノフォンテン(M.デムーロ)

 中央初参戦。交流G1の2勝はいずれも左回りで、カジノドライヴ産駒もこのコース自体はよく走れています。但しこの馬個体で考えた時に坂のあるコースへの対応力は不透明で、母ジーナフォンテンも中央在籍時の唯一の入着は新潟芝でのもの。先行馬の多いメンバー構成を考えても恵まれにくい展開になりそうで。

[2]③サンライズノヴァ(松若)

 今なら距離自体はこなせるかとは思いますが、良績はマイル以下のワンターンに集中しておりこの舞台自体がそもそも合わないと見るべきでしょう。

[2]④インティ(武豊)

 このコースでは(2,0,2,1)。唯一の着外は苦手としている不良馬場でのもので、乾いたダートならキッチリ走ってきます。ただここ数戦気になるのが、ゲートが開いたときに伸びあがるような仕草を見せる点。それもありかしわ記念・南部杯では控える競馬で③⑤着と着をまとめていますが、いずれも実質的には5~6頭立てのレースであり能力の絶対値的にこのくらいの着順にならないとおかしいという話でもあります。再度内枠を引いた今回、スタートが決まらないことにはここ2年のようなレースは望みにくく。

[3]⑤エアスピネル(藤岡康)

 距離短縮ローテでは(2,3,1,0)とキッチリ走れている一方距離延長時は(0,0,2,6)。適鞍が無いので仕方ないですが、ローテーションからして買えるタイミングではないということ、加えてムーアJを手配していたにもかかわらず急遽乗れなくなり止む無く藤岡康Jがテン乗りという背景も手を出し辛く。

[3]⑥テーオーケインズ(松山)

 JBCクラシックでは④着に敗れましたが、4角で外を取ったミューチャリー・オメガパフュームのワンツーに対し内に潜ったチュウワウィザードとこの馬は馬場差で後れを取った格好で、悲観する内容ではありませんでした。3歳春までは砂被りを嫌う側面もありましたが、ここに来て馬の後ろでもレースができるようになったのは成長で、好位を取りたいタイプにつき自在性を活かせる戦法を取りやすくなったことが好成績につながっていると推察されます。

 一方で、近年のこのレースはレース自体の上りが36秒前後かそれを切るくらいになることが多く、勝ち馬には軒並み35秒台~36秒前半の上りが求められています。この馬が36秒台前半の末脚を使ったのは3回あるのですが、平坦の京都、坂が緩く直線の長い東京とスローペースになった阪神でのもので、中京コースでは2回走って1400m戦の36.7が最高。このレースはテンよし・中よし・終いよしの総合力が問われ、良馬場でよどみなく流れかつ上りを求められる展開では一抹の不安が残ります。

[4]⑦サンライズホープ(幸)

 前走のシリウスSの勝ち時計の1.57.4は、中京ダ1900mの良馬場としては史上2番目に早い時計でした。1番は昨年の白川郷Sでハギノアレグリアスがマークした1.56.3ですが、このレースはまるでスペースシャトルの打ち上げかの如く前が次々と入れ替わる展開で、中団待機していたこの馬が好時計で差し切ったもの。3着以下は1秒以上離されたレースにつき少々特殊な時計で、サンライズホープの上記の時計は2番手から押し切ったレースで十分に評価できます。

 そもそもシリウスSの舞台である中京ダート1900mコース自体が、テンが速くなりやすく先行馬にとって不利なレイアウトですがそれを勝ったという時点で高く評価でき、同じくホームストレッチ一杯に先行争いが繰り広げられる阪神ダート2000mでも4走前に勝っているように自分のポジションを取れれば簡単には崩れません。勝ち方が地味な故人気しにくいですが枠と相手関係から今回も2~3番手が取れそうで、乾いた馬場で内前有利のセオリーならば残り目は大きいと見ています。

[4]⑧スワーヴアラミス(松田)

 前走のみやこSは直線でなぜか馬のいるところに突っ込む謎采配もありましたが、スタートが決まらず後手を踏んだのもあり終始窮屈なレースになってしまいました。6走前の平安Sのようにそれなりに周りも流れるレースになると現状では苦しく、ここも位置を取るのは厳しいと見ます。

[5]⑨オーヴェルニュ(福永)

 間隔を詰めると良くないタイプではありますが、前走のみやこSは陣営もここを意識しての叩きであることを明言しており、中身が出来ていないという感じの失速の仕方で⑫着。そもそも米国遠征で福永・川田の両ジョッキーが居ない中で使う時点で本気度の違いは明白でした。中京では3戦3勝でここに向けての仕上げも順調そのものですが、自らが速い上りを使えるタイプではないため逃げ馬が止まるような高速馬場で良績を残してきました。3走前の平安Sでは重馬場+前が止まりやすい中京1900mで余計に圧勝した側面もあり、1800mで良馬場となるとそこまでのパフォーマンスは期待できないでしょう。

[5]⑩ケイティブレイブ(内田博)

 美浦転厩後4戦目で陣営は状態の良さをアピールしていますが、良かったころの好走歴自体が平坦コースに集中しており坂のある中京に変わることはプラスではありません。前走金沢で行われたJBCクラシックでも流れ込むだけのレースで、このメンバーでも足りるとは言い切れず。

[6]⑪アナザートゥルース(坂井)

 前走のみやこSは気温低下によりコンディションが上向いた分もあり逃げて見せ場たっぷりの③着でした。向こう正面でエクスパートランが捲ってきた時に2番手以降の各馬が速めに動き出したこともあり差し決着になりましたが、その中で唯一手綱を動かさなかったのがアナザートゥルースの松山J。好発から行き切り、直線向いてもギリギリまで追い出しを待った分残た格好で先行勢総崩れの流れの中で残したことは価値は高いですが、ラップ自体は前半にしっかり緩んでおり鞍上の好判断も込みでの結果と評価すべきでしょう。逃げなくてもレースのできるタイプとは言え前走のように流れが向くとは言い切れず、先行勢も強力なここでは。

[6]⑫クリンチャー(川田)

 左回りでは芝も含めて(0,0,0,4)。現状の賞金では東京大賞典に出られないためやむなくここに向かってきたと推察されますが、それだけに賞金加算をもくろんでの参戦だったはずの前走・みやこSで⑥着に敗れたのは不可解でした。アナザートゥルースの項で述べた通り早めに動き出す展開になった分苦しかったのはありますが、この馬の場合そのような持久力勝負をモノにしてきたクチなだけにもう少し残せるかと思っていました。中央の相手関係では少しずつ苦しくなっている現状を伺わせ、左回り替わりとなると強調はしにくいかと。

[7]⑬チュウワウィザード(戸崎)

 昨年のこのレースでは強豪相手に完勝と言えるレースぶり。その前が大井で2戦連続で③着に敗れていたことを考えても、左回りでこその馬と評価できるでしょう。今年もJBCクラシックを叩いての参戦ですが、テーオーケインズの項で述べた通り着差はコース取りの差であり中身のあるレースでした。

 ただその昨年は最終が坂路で併せ馬を消化していたのに対し今年は単走。追い切りの映像を見る限りでは終始右に張っている様子で、まっすぐ走れていた昨年との比較でも状態が前年以上には見えないのが正直なところです。メンバー差を考えればここでも上位争いは必至でしょうが、現状の出来でどこまで、というレースになりそうです。

[7]⑭ダノンファラオ(横山武)

 前走のJBCクラシックは押し出されての逃げで1.9差の⑦着と大敗を喫しましたが、金沢ではご法度とされるラチ沿いを進んでのもの。カジノフォンテンに押し込められたのもありますが道中の位置取りからして単に鞍上が金沢を知らなかっただけと見られ度外視できるでしょう。但しこの馬の良績は左回りと平坦コースに集中しており、左回り替わりは良いものの急坂のある中京は必ずしもプラスとは言えずで。

[8]⑮メイショウハリオ(浜中)

 脚質的に嵌り待ちにならざるを得ず、前走のみやこSも結果的には嵌りましたが、内枠でスタート後窮屈になりそうなタイミングにも浜中Jは引かずにポジションを主張し中団から運びました。3角から追っていた割には最後ようやく届いた、という印象で、中京1900mや阪神2000mでパフォーマンスを上げるタイプと見ます。同じくみやこSで差して上位に食い込んだ中では④着だったプリティーチャンスが先日のクイーン賞で1.2差③着。流れを利しての好走という見方は否定できずでここでも恵まれないことには。

[8]⑯カフェファラオ(ルメール)

 気性的な問題故ペースは流れてほしいですし揉まれないのがベスト。そういう意味ではこの大外枠自体は歓迎ですが、前半3Fが36秒を切るようなペースでないとストレスが溜まってしまいます。強い馬が揃い決着タイムも速かった昨年でさえ36.5という入りで、今年がそれ以上になる期待は薄いです。そもそもその昨年も1角でちゃんと外に持ち出せておきながら不発だったことを考えれば大外枠の効果も限定的と見られ、あとはブリンカーでどこまで変われるか…でしょうか。

<予想>
◎サンライズホープ
○テーオーケインズ
▲チュウワウィザード
△オーヴェルニュ
△カフェファラオ


■中京8R ラフダイヤモンド

 3走前の中京芝2000m戦⑥着がなかなかの内容。牝馬限定戦ながらそれなりにメンバーが揃っており、当時の②,④着馬も既に勝ち上がり済。4角5番手以内の馬が3着までを占める展開で大外18番枠のスタートから脚を伸ばして1.0差まで押し上げてきました。前走はダート、2走前は平坦の新潟で、3走前だけ走れればここでも通用の目はあります。

 中京芝2200mはスタート位置が4角方向に200mズレるだけですが、坂下からのスタートになる上最初の直線が長くなるため先行勢がバテやすく特に下級条件では差しが利くようにもなり得ます。逃げたい馬もおりペースは平均程度が見込まれ、混戦になれば位置取りひとつで食い込みあっても。


■阪神11R バティスティーニ

 このコースで良馬場なら③②②着。いずれもOPでの成績で、特に2走前・3走前は逃げ切り決着を追い込んでの②着と相性の良さを見せています。今回もメイショウウズマサが行き切りそうな構成ですが、積極策で開花したケイアイターコイズをはじめ位置を取りたい馬は多く、最後に前が止まれば今度こそ差し切れるでしょう。


2021年12月4日土曜日

【12/4(土)予想】ステイヤーズS・チャレンジCの予想とねらい目レース(阪神12)

■中山11R アイアンバローズ

 5か月の休み明けを叩かれ3戦目。2走前の京都大賞典は+18kgもあってかポジションを取れずで、前走のアルゼンチン共和国杯はそこから-6kgと多少絞れてはきたものの、本質的に末脚比べは合わずで東京ではキレ負けの格好。3走前の緑風S①着時のように道中からじりじりとラップが上がるレースの方が得意で舞台適性も見込め、斤量増も57kgで2勝しており不安はありません。重賞勝ち馬が1頭しかいないというメンバー構成も近2走からすると大幅に恵まれるわけで、ここでなら足りる存在と見ます。


■阪神11R カツジ

 中間に障害練習を行い試験にも合格。2000m級のレースに使うのは昨年の新潟大賞典以来1年半ぶりで、短距離中心に使われてきたこともあり3000m前後の障害競走に使う上での足慣らし的な側面が強いと見られていますが、私はその見解には懐疑的な立場です。そもそも障害練習自体がトモの強化や集中力アップと言った副次的な効果で平地での成績改善を狙って行われることが少なくなく、「調教が試験を兼ねる」ことも珍しくありません。たまたま飛ばしてみたらセンスがあり平地力もある馬なので受かっただけの可能性もあり、障害試験に合格したという事実だけを以てここが叩きと見るのは早計だと考えます。

 しかも今回は岩田康Jを鞍上に迎えます。ご存知の通りこの馬に岩田康Jが乗ったのは、8走前のスワンS①着と4走前の函館SS0.1差⑤着の2度。極端な競馬で馬のやる気を引き出し好走に導いており、もし本当に今回「とりあえず無事に回ってきてほしい」という意図での参戦ならば、もっと安全に回ってこられる騎手にお願いするはずでしょう。

 この馬は母父ホワイトマズルが強く出ており、極端なレースをさせたり距離を変えるなどして目先を変えることでパフォーマンスを取り戻してきました。ここ最近は短距離で追い込むレースをさせていましたが、Bコース替わりの初日でめぼしい逃げ馬も居ない今回、一気の距離延長で今回は前目につけることが考えられ、小頭数で内回りと恵まれうる要素も十分で一発の警戒が必要な舞台と見ます。


■阪神12R アラゴネーゼ

 前走からブリンカーを装着。おかげで行きっぷりは改善されましたが内枠で押し込められてしまい道中頭を上げるシーンが。それでも直線に向いてからは伸びなおすところを見せ、スムーズなら掲示板はあったレースでした。前走で掲示板に載ったのが3頭しかおらず力量は拮抗気味で、人気どころが外に集中したのも好都合。発馬を決めて被されない位置を取れれば見せ場は十分に作れるはずで。