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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2022年5月29日日曜日

【5/29(日)予想】日本ダービーの全頭評価とねらい目レース(清津峡特別、目黒記念)

■東京11R/東京優駿(日本ダービー)

[1]①アスクワイルドモア(岩田望)

前走の京都新聞杯は前半58.2といかにも中京2200らしい前傾戦になり、後方のインでじっと待機し直線で外に出して差し切り勝ち。理想的なレース運びでしたが、戦前の評価で述べた通り本来キレを殺される急坂は向いてないと見ており、ここがベストパフォーマンスではないと考えられる中でレコード勝ちするとは正直驚きました。その際に紹介したデータも語っている通り、キズナ産駒は「平坦な大箱」向きでありこの舞台替わりはプラス。距離に不安の少ないタイプがこの枠を取れたのも大きいです。

そもそもダービーが内枠有利と言われる所以は、距離経験の少ない馬同士の争いにおいて好位を立ち回れる確率が高いという点にあります。逆に内枠を引いても出遅れて引いてしまうようでは全く意味はありませんし、ワグネリアンのように外枠でもしっかり位置を取れれば勝てるわけです。今回はデシエルトが位置を取りに行くことは確実で、多少出が悪くても息子のためなら岩田康Jは勝負度外視でハナを叩くでしょう。デシエルトをビーアストニッシドとロードレゼル、アスク2騎が番手で追いかける形が理想で、そこに入れれば最もうまく脚を溜められそうな期待はあります。

もう一つ、この馬を推したい理由に「暑さ耐性」が挙げられます。

ダービー当日の府中市は最高気温31度と真夏日予想。メンバーの中でこの猛暑を経験したことのある馬は少なく、中でもアスクワイルドモアが未勝利戦を勝った昨年8/7の函館市はフェーン現象の影響で9時台から30度を超える暑さ(内陸部はまだしも海が近い函館で朝からここまで暑くなるのは稀です)で、推定31度前後の環境の中を走り切った経験があります。人間もそうですが熱中症というのは温度変化に適応できないことで起こるわけで、そもそもなるべく酷暑を避けて育成期を過ごしてきた競走馬にとって、その暑さを経験してないのであれば心身に不調をきたしてもおかしくはありません。幸いこの馬は真夏日に勝った経験があり、こうしたリスクが少ない点もポイントです。

[1]②セイウンハーデス(幸)

前走のプリンシパルSは向こう正面で掛かり気味に進出する馬が何頭かおり、3角からずっと11秒台を刻む先行勢受難の流れを苦にせず押し切りました。但しペース自体は59.9-59.1とさほど速いわけではなく、上位に来た馬は1勝クラスすらまともに勝っていない差し勢ばかり。まだ素質だけで走っている段階で、中2週での再輸送のハードルも低くはないでしょう。

[2]③アスクビクターモア(田辺)

前走の皐月賞では押し出され気味にハナに立ち⑤着。戦前に懸念として述べた通り、揉まれるよりは行ってしまった方がいいという判断ではありましたが結果的に馬場の悪いところを通らされてしまった分着を下げてしまいました。それは仕方ないにしても、勝ったレースはいずれも中山で最大でも13頭立て、しかも外枠で上手く立ち回れた分も大きく、キレ勝負の東京は不向きな懸念があります。

[2]④マテンロウレオ(横山和)

元々前走の皐月賞の時点で、中3週の再輸送にも拘らずだいぶ意欲的に追っており昆厩舎の勝負気配を感じていたのですが緩い馬場は合わずで⑫着。東京替わり、距離延長自体は見直せるものの流石にまだ3歳春のハーツクライ産駒がこの強行軍に耐えられるのかと言われると…

[3]⑤ピースオブエイト(藤岡佑)

前走の毎日杯は雨による馬場悪化が進む中でのレースで、伸びどころを掴みかねる馬が多い中で藤岡佑Jは冷静に進路を取りながら運び最後まで走り切らせました。素質だけで勝ったレースである一方で相手関係に恵まれたことは否定できず、例年のような好メンバーには程通いレベルであったことは認識する必要があるでしょう。

[3]⑥プラダリア(池添)

前走の青葉賞は内枠から壁を作り運べた分もあり快勝。但しレースの流れである前半58.9は暴走気味にハナに立ったディライトバローズの刻んだもので、単独2番手のロードレゼルで60秒、3番手集団のトップであったオウケンボルトで61秒くらいでしょう。スローの割にじっくり構え、人気のレヴァンジルをぴったりマークし抜け出したのは良かったですが、ロードレゼルがお行儀よく走り自分のペースを守れていたらもっと際どかったかもしれません。

青葉賞の見解で「前半が緩みラスト3Fの勝負になるトライアルの方が向いている」という話をしましたが、上記で語ったように見かけ上のペースは速かったですが実質的には61秒程度の前半でしっかり溜めを作れたというのが勝因でもありました。悪くない枠を引けはしましたが、メンタル面の課題も残す馬で中3週の再輸送、青葉賞の3倍以上の観衆でどうなるかは不安が大きいです。

[4]⑦オニャンコポン(菅原明)

前走の皐月賞は1角手前でイクイノックスにカットインされ位置を下げる不利もあり⑥着。とはいえあの程度の不利は頻繁に起こりえるレベルで、終始馬場の良い外を通ってこの結果はやはり一線級とは差を感じざるを得ない結果となりました。そもそもエイシンフラッシュ産駒は現3歳まで含めて458頭が登録されていますが、重賞を勝ったのはこの馬だけ。上級戦にからっきし弱い傾向があるうえ、早枯れ傾向のあるヴィクトワールピサを母父に持つ血統背景からは3歳以降にパフォーマンスを伸ばす絵は描きにくいです。それゆえに800万円(税別)という手ごろな価格で購入できたわけですが、このオーナーの相馬眼と強運にはただただ恐れ入るばかりです。

[4]⑧ビーアストニッシド(和田竜)

前走の皐月賞は同型にポジションを譲る形にもなり、内不利のコンディションもあって⑪着。今回は前走時に指摘した調教を手控える様子もなく状態は上がっていますが、元々1600~2000mを主戦場としている馬でここはかなり我慢させて走る必要があり、気分良く先行と行かないあたりがどう出るでしょうか。共同通信杯も渋った馬場に助けられた側面があり、良馬場の決め手比べとなると厳しいでしょう。

[5]⑨ジャスティンパレス(M.デムーロ)

前走の皐月賞では伸びあがるようなスタートで後方から。外を回して⑨着まで押し上げてはきましたが、やはり使える上りに限界のあるタイプで最後は流すようにゴール。中山であの位置になっては厳しかったです。この中間も前走同様に1週前に速い時計を出し最終は持ったまま。それでも3頭併せの真ん中で脚色優勢で併入ですから十分でしょう。半兄アイアンバローズは2400mで3勝しており血統の裏付けも問題なし。スタートがカギですがそこを克服しさえすればチャンスはあるでしょう。

[5]⑩マテンロウオリオン(横山典)

いわゆる「マツクニローテ」。前走のNHKマイルCでは外差し馬場を冷静に運んでの②着確保でしたが、その際にも述べた通りここ3戦は鞍上のコース取りに助けられての善戦というのが大きかったです。但しそれができるのはこの馬の適性範囲だからこその話で、厩舎の先達であるディープスカイのようにマツクニローテで結果を残した馬はもとよりローレルゲレイロ(07年⑬着)でさえ2走前に皐月賞を使っての臨戦でしたが、この馬はそもそも2000m以上は未経験。再度の外差しがハマるにしてもスタミナの裏付けを持つ馬も多い中でダイワメジャー産駒にここでどこまで期待できるかと言われると…

[6]⑪ジャスティンロック(戸崎)

皐月賞の本馬場入場でフジテレビの青嶋アナが「長距離砲」と形容していましたがまさにそれが相応しく、2勝を阪神で挙げている点からも坂下からの加速を使って脚を使う形が合っています。ただ気になるのがその2戦含め好走歴はいずれもスローペースで頭数が落ち着いたレース。相手関係に恵まれた側面もあり、良い脚は持っているのですが流石にこの舞台では溜め切れるだけのペースにはなりにくそうで。

[6]⑫ダノンベルーガ(川田)

前走の皐月賞は懸念が当たり、ジオグリフに終始蓋をされ外に出そうにも出せない厳しい展開。位置的に早めに脚を使わざるを得ない中、最後まで見せ場を作った内容は評価できるものでした。元々予定になかった皐月賞参戦でいろいろな憶測を呼びましたが、この馬の能力の高さを証明するには十分な内容だったと言えるでしょう。

問題はそこからここにお釣りを残せたか。陣営もそれはわかっていたはずですが、堀師のコメントでは「基礎体力など全体的に底上げができた」という何とも評価しにくい言い回し。一方1週前追い切りの川田Jは「変わらずに来られていることが何より」と言及しており、暗に上積みは無いことを認めています。どうも引っかかるのが、輸送も無いのに最終が軽めの前提であったこと、そしてそこに川田Jが居ないこと(囲み取材のコメントも無し)。ゴドルフィンと並び川田JがVIP待遇で付き合うダノックスの馬にしてはこんな扱いか?というのが正直な感想です。

東京向きの長く良い脚を持っていることは共同通信杯で証明済で、外差しに回れば当時後塵を拝した馬たちとの逆転も可能と見ますが、状態面で本当に皐月賞を上回れるのか?という点が拭い切れずで…

[7]⑬ドウデュース(武豊)

前走の皐月賞は控えるレースを見せて③着、武豊Jは位置を取りに行っていれば…というコメントでしたがあくまで結果論で、出していけば末を失くしていたかもしれないことを考えればあの位置からこの馬本来のレースは出来たと思います。個人的には2000mまではペースが緩めばマイラーでも伍せるかとは思いますが、流石に2400mとなると能力の絶対値が高くないと克服は難しいでしょう。但し調教では1週前にウッドで50.0-11.2と抜群の動きをマーク。叩き3戦目、調教はソフトも実戦を重ね良くなっていることは明らかで、出来の良さで選ぶならアリでしょう。

[7]⑭デシエルト(岩田康)

前走の皐月賞では馬場入り時点からかなりカリカリしており、スタートも決まらず⑯着大敗。輸送の影響も含み置く必要がありますが、パドックから地上を通って馬場入りできる皐月賞でさえああなるのであれば、距離延長に加え地下馬道を通り大観衆が見つめるスタンド前での発走は明らかにマイナスでしょう。但し、陣営も行き切らないと良さが出ないことは理解しているうえアスクワイルドモアの項で述べた通り鞍上も今回はラビットも辞さないはず。ベテラン勢の中でも中央でしか乗ってない人と違い、岩田康Jはあからさまに馬と喧嘩をしててもちゃんとペースは守らせるタイプにつき無茶はしないでしょうが、まだまだ精神面での成長が(人馬共に)待たれる現状です。

[7]⑮ジオグリフ(福永)

前走の皐月賞ではスタートを決め好位の外を確保。毎年そうですが皐月賞は馬場の良い外を回れた方が良く、その上でしっかり折り合えたのが大きかったです。やはりこの辺りはテン乗りでも流石は福永J。但しノドの不安と付き合いながらレースに使っている以上、鼻出血持ちと一緒でいつ何があってもおかしくありません。実力は認めても明確な欠陥が明らかになっている以上、身銭を切ってギャンブルしている身としては軸としては適切ではないというのが本音です。

[8]⑯キラーアビリティ(横山武)

前走の皐月賞はスタートが決まらずの⑬着でしたが、元々調教の時点から出来を疑問視していたのでさもありなん、という感じの敗戦ではありました。今回の調教もジェラルディーナを外から先行したものの馬なりの相手に並ばれる内容で物足りなさは残ります。加えて前に壁を作って進みたいタイプにつき、この枠をどうこなすかが難しく。

[8]⑰ロードレゼル(レーン)

前走の青葉賞では川田Jが「教えることがいっぱいある」と評した通り、向こう正面まではディライトバローズにお付き合いする格好で11秒台のラップを追走。その分最後は脚が上がりましたが、追い出しをギリギリまで我慢したのが奏功し何とか連を確保。地力の高さは見せてくれました。但しその折り合い難のロードレゼルにレーンJというのは「混ぜるな危険」レベル。短期免許という身分故好き勝手にぶっ放すことはしないかと思いますが、デシエルトを不用意に突いて自滅ペースに持ち込む懸念が。

[8]⑱イクイノックス(ルメール)

5か月ぶりだった前走の皐月賞を叩いて調教の動きも一段と良化。その皐月賞では行きたがる面こそ見せましたが、それなりにペースが流れたこともあり何とか折り合って運べました。個人的には最悪「ダービーの権利が取れれば御の字」と見ていた舞台につき軽視していましたが、上りのかかる中山であれだけやれたのですから陣営がダービーに俄然色気を持つのも当然でしょう。

ただ、先に述べた通り折り合い面は慎重にならざるを得ず、木村師も距離については「伸びてプラスになるとは思っていない」と言及しています。果たして東スポ杯の末脚は有り余る能力の証左なのか、それとも高い距離適性故なのか…父キタサンブラックももとを正せばその父はブラックタイドで、2000mを超えると(0,0,0,3)。本質的にはマイル~2000mが主戦場の血統でしょう。

<予想>
◎アスクワイルドモア
○イクイノックス
▲ダノンベルーガ
△ジオクリフ
△ジャスティンパレス
△ドウデュース


■新潟10R/清津峡特別 スズカフェラリー

ここ3戦はダートを使われましたが、上りのかかる展開が向いているとはいえ脚質的に置かれてしまうため流石にダートでシンガリ一気のハマり待ちはしんどいものがありました。4戦ぶりに芝に戻しますが元々現級では②③着があり流れ一つで通用してもおかしくなく、前走逃げた馬や1000mを使われた馬が何頭かいるメンバー構成のうえ時計も掛かるコンディション。スムーズに運べれば一発も。


■東京12R/目黒記念 マイネルウィルトス

昨年のアルゼンチン共和国杯でオーソリティの②着。ご存じのとおりオーソリティは同レースを連覇しておりこのコースが大得意で、その後ジャパンCでもコントレイルの②着。シャフリヤールに先着したのですから東京2400~2500mでは現役最強クラスと言えるでしょう。そのオーソリティに食らいつかんとしてのレースは十分評価でき、このメンバーの中に入れば引けは取りません。

2022年5月28日土曜日

【5/28(土)予想】葵Sの注目馬とねらい目レース(新潟8)

■中京11R/葵S トップキャスト

中京開催初回となった昨年は牝馬が③着までを独占。当時の中京も今年同様に内が荒れ始め外差し傾向を伺わせていたにも拘らず、上位3頭の4角通過順位はそれぞれ2,7,4番手。このコースはスタートしてすぐ下り坂に入りそれが4角まで続くため前傾戦になるのは間違いないのですが、一方で差し追い込み勢がスピードをつけたいところで下り坂になってしまうことでコースロスが大きくなり、結果として距離ロス+4角までで速い脚を使った分最後に垂れることの方が作用として大きくなり、内目から好発を決めて4角を持ったまま迎えられるような馬の方が好走しやすい、ということが考えられます。

加えて上位3頭のうちの2頭(レイハリア、オールアットワンス)は前走で同じ1200mを使っていました。当時同じ臨戦過程の馬は5頭出走しており、そのうちの2頭が①③着とローテーションとして高い信頼度が伺えます。前走距離として最も多いのはファルコンSなども行われる1400mですが、ほとんどの場合前半が33秒台後半~34秒台前半程度に落ち着くため、33秒台前半が想定される葵Sでついていけない、という事態が発生します。

となると、狙いたいのは内目から好位を取れ、前走速い流れを経験した1200mからの臨戦組。これに合致するトップキャストのねらい目があるでしょう。かなりの気まぐれで気分良く行ければ強く、芝1800mの新馬戦で60.2-48.3という古馬条件クラス級の時計で逃げ切り。続く札幌2歳Sも同じようなラップを刻み⑤着でしたが、勝ったのがジオグリフで②着がアスクワイルドモアですから仕方ありません。その後の2戦は行き切れず、前走は1200m戦にして33.3-35.4とかなりの前傾戦をブービー人気で逃げ切り。接戦を演じた②~⑤着馬が次走でいずれも掲示板を確保していることからも決して恵まれたわけではなく、差し勢の追撃を完封したレース内容はこの馬の力量を示すものと言えるでしょう。

唯一気になるのは春菜賞で終始右に張らんとしていたところ。左回りが合わない可能性もありますが、そもそも東京戦で唯一の長距離輸送であったことも大敗の原因と考えられます。関西圏に戻っていつも通りに走れれば、ここで十分やれるはずです。


■新潟8R スイーツビュッフェ

休み休み使われ続け、6歳牝馬にしてこれがまだ15戦目と馬体は元気。前走の中京戦では前半35.8というかなりのスローペースを4角11番手から追い込みましたが、直線でごちゃついた分間に合わずの④着でした。このレースの③⑦⑧着馬は次走で即勝ち上がり。今回は若手騎手限定戦でもあり動き出しは早くなることが予想され、こうなれば最後の最後に差し届く期待が持てるでしょう。複勝厚めに。

2022年5月22日日曜日

【5/22(日)予想】優駿牝馬(オークス)の注目馬

■東京11R/優駿牝馬(オークス) プレサージュリフト

 まず、全馬が初距離というこのレースを考える上では力量差もさることながら当週の馬場状態を注視する必要があります。序盤に雨の中使われた今開催。ペースが落ち着いても逃げ馬が残すことは難しく、かといって内を突いて差してくる馬もいることから「内も外も差し有利」という考えができるでしょう。

 そのうえで展開ですが、基本的に牝馬がこの距離を走ることは稀で、よほど自信があるか制御が効かなくなるとかでもない限り積極的にペースを引き上げる馬は出てきません。スローで中盤あたりから駆け引きが始まるパターンが多く、昨年のユーバーレーベンも向こう正面から外にポジションを取りに行っていたことも記憶に新しいでしょう。

 但し、今年に関してはペースを乱しそうな要素が2つあります。

 1つはこの距離に比較的自信を持って乗ってくるであろうパーソナルハイ×吉田豊J。元々小倉芝2000mの未勝利戦を大差で圧勝した頃から長めの適性を見出されてきた馬で、パンサラッサの快挙以来矢作師も同騎手への信頼を強めた感があります。ただ冒頭で述べた通り逃げ馬がなかなか残せていないコンディションにつき、いつもの戦法でどこまで、というところでしょう。

 もう1つはテン乗りの横山典Jが騎乗するホウオウバニラの存在です。この馬は元々折り合い面の不安があり、前走のフローラSでも向こう正面に出るあたりで行きたがってしまい⑦着。しまいも脚は使っているものの、前半で消耗した分伸びきれませんでした。その前走は横山和Jが騎乗していましたが、ではこれが父親に乗り替わってどうなるかと言われると「ぶっ放す危険性がある」という話です。

 元々横山典Jは「馬の気持ちを優先する」騎乗スタイルであり、ポツンにしても馬群から離して落ち着けるための作戦であると語っています。逆を言えば、結果的に掛かってしまった際はあえてそこで押さえつけることはせず行かせるタイプで(ex.富士Sのシーズンズギフト)、今回距離延長で速い逃げ馬もいないとなると制御が効かない可能性が高く、ペースを乱す懸念があります。こうなるとパーソナルハイにしても無駄に絡まれてしまいやりにくくなるばかりか、もしそれによってホウオウバニラが大逃げのような格好になってしまったら中団以降で追走する組も早めに動き出さざるを得ません。

 全馬が初距離という状況において先行受難、しかも早目に脚を使わされる流れとなると、必然的に後方待機組にチャンスが生まれます。今回その位置取りと持てる末脚に合致するのはプレサージュリフトと踏みました。2走前のクイーンCで33.5の末脚で大外一気を決めており、速い上りが求められる東京への適性は証明済。前走の桜花賞も自分の脚は使えており、単に内前有利の展開でどうしようも無かったレースでした。追い込み勢が血統や過去レースにおいて折り合い面の不安を露呈する中、ハービンジャー産駒のこの馬は中間の攻めも強化できており精神面を含めた進境が伺えます。元々やることは1つなのでこの枠は歓迎のクチですし、スタンド前発走で最後から2番目の枠入れも好材料。輸送のない東京に替わって前進が最も見込める馬と言えるでしょう。


2022年5月21日土曜日

【5/21(土)予想】平安Sの注目馬とねらい目レース(メイS、高尾特別)

■中京11R/平安S スワーヴアラミス

 先月のアンタレスS同様にケイアイパープルが出てくるため、中盤から12秒前後のタフなラップを踏まされることになりそうです。雨予報ですがにわか雨程度につき良馬場は維持されそうで、中京ダート1900mの形態上最初の直線部分が長くスピードに乗りやすい先行勢が最後に止まることから差し勢の台頭できる流れが見込めます。

 人気の中心であろうテーオーケインズは、実は最後の1Fが13秒台になるレースでは(0,2,0,1)と取りこぼしています。ここは「タフな差し馬」の出番がやってくると見て、2走前の東海Sよりもさらに流れが向きそうなスワーヴアラミスから。


■東京10R/高尾特別 スエーニョブランコ

 キャリア15戦目にして初めて芝を使いますが、これまでの戦績が(2,2,0,10)となっているうちダートの重・不良で(2,1,0,1)。500kgに迫る好馬体ですが、やはり牝馬らしくスピードの活きる流れで台頭してきたタイプでやや荒れてきた今の東京芝は試すにはもってこいでしょう。着がまとまっているカフェサンドリヨンが人気しそうですが、スエーニョブランコも牝馬劣勢のダートにあって牡馬混合戦で2度の②着がありクラスに目途はついている状況。ここ先物買いで狙いたいです。


■東京11R/メイS ソッサスブレイ

 前走の中山記念の時に紹介した通り、上級戦でからっきしでも相手関係が楽になるOP・リステッドで好走するキャラクター。内が荒れている今の東京なら馬群はばらけそうで、小頭数でペースが落ち着くのも歓迎材料。左回りも関越Sで③着があり問題なく、直線で外に出して粘れれば三度の好走も。


2022年5月14日土曜日

【5/14(土)・15(日)予想お休みします】

 この週末、実家に帰省するため予想はお休みさせていただきます。

 ヴィクトリアマイルは面白いメンバーですね。純粋に興行として楽しみたいと思います。

2022年5月8日日曜日

【5/8(日)予想】NHKマイルCの全頭評価とねらい目レース(湘南S、駿風S)

■東京11R/NHKマイルC

[1]①マテンロウオリオン(横山典)

勝った2走前のシンザン記念にしろ、②着した前走のニュージーランドTにしろ、鞍上のコース取りが抜群に上手かったという勝利でした。いずれのレースも現代においてG1レースにつながる施行条件ではなくなっており、この成績で人気するのは危険と見ています。鞍上の手腕に期待、という声もありますが、隣の息子の邪魔をするような騎乗はしないはずですしそうなると中団のインでじっとするしかなく、垂れてくる先行勢をどう捌くかも難しいところです。

[1]②ソネットフレーズ(横山武)

脚部不安で桜花賞を断念し再調整。追い切りが軽めなのはテンションに配慮してのものですが、それでもウッドで51-11秒台でやれていますから動ける体制にはあるでしょう。とはいえ格下馬に後れを取る内容はやや物足りずで、調教後馬体重もデイリー杯から+8kgという程度で大きくビルドアップした様子も無さそうです。スムーズに良いポジションを取れれば一脚は使えるものの、この枠と頭数では発馬をしっかり決める必要があり。

[2]③ソリタリオ(鮫島駿)

速い上りを使える馬でないため前目から押し切りたいタイプなのですが、ここ2戦は発馬から進んでいかず。前走のスプリングSは馬場が渋っていた分とも言えそうですが、2走前のシンザン記念は良馬場でも道中後れを取っており、ここに来ての成長力にはやや疑問符が。

[2]④セリフォス(福永)

前走の朝日杯FSではスタート後に両隣の馬に挟まれエキサイト。その分もあってか最後は坂で脚が上がってしまいました。ドウデュースに交わされダノンスコーピオンにも迫られた点を考えれば、これら2頭が急坂を苦にしないのに対しセリフォス自身は新潟2歳Sで見せたように速い上りで決める強さを持っていると言えます。中間の調教も坂路とウッドの併用でしっかり負荷をかけられ、いかにも中内田厩舎の休み明けという仕上げで抜かりはないでしょう。

ただ唯一アキレス腱になるとすれば、その中内田厩舎の促成栽培の弊害でしょうか。

ノーザンファームの方針もあるのでしょうがこの厩舎はとにかく早期勝ち上がりを期して初戦から仕上げてくる傾向が強く、開業6年で2歳新馬戦を実に29勝もしています(うち芝25勝)。但しそれらの馬で後にG1を勝ったのはダノンプレミアムの朝日杯FSだけで、2歳時の実績で人気が先行しがちですが3歳以降の上級戦ではそれを裏切るケースが多いです。



上記は中内田厩舎で2歳新馬戦を勝った馬の年齢別・クラス別の成績です。すべてのカテゴリにおいて人気が先行しているうえ、上級戦で特に落ち込みが激しいです(重賞は2歳のものが多い)。世代限定戦の続く3歳春まではアドバンテージを保てるのでここはまだ切るタイミングではないですが、2歳時の実績に引っ張られて人気する以上、3歳以降の取捨は慎重に考える必要があるでしょう。

[3]⑤キングエルメス(坂井)

2走前の京王杯2歳Sの内容が秀逸で、直線立ち上がったところで先頭に立ち最後の3Fが34.1というかなりの上がり勝負をそのまま押し切りました。逃げ馬を交わしたラスト3Fの区間が11.0とかなり速いラップで、強気に乗ってそこで脚を使ったうえで勝ち切れたのですから東京向きのスピードとキレを持っていると言えるでしょう。

前走のアーリントンCは骨折休養明けにも関わらず好発を決め③着と好走。賞金が足りているので当然照準はここに合わせたうえでの仕上げで、100%とまではいかずとも1回使っての良化は確実。東京はまだインが活きているうえ、先行勢自体は多いものの皆ハナに立つタイプではなく、けん制しあってのミドルペースになれば強気に乗れるこの馬のチャンスは十分にあると見ます。

[3]⑥トウシンマカオ(戸崎)

キングエルメスと同じ京王杯2歳Sで②着、2走前のクロッカスSで2番手からラスト33.1の脚を使い押し切りとこのコースへの適性は高いです。マイル自体も新馬戦で経験済で、上りのかかる阪神・中京では今ひとつも東京に戻れば巻き返しの目はあるでしょう。

[4]⑦タイセイディバイン(松若)

初勝利は2000mで挙げるもここ2戦距離を詰めて重賞で連続②着。上りのかかるコース・展開をうまく味方につけての好走でしたが、好位で立ち回れるのがセールスポイントにつき今回もこの枠から上手くポジションを取れれば一脚は使えそうで。

[4]⑧アルーリングウェイ(藤岡佑)

2走前にエルフィンSを勝ったとはいえ、桜花賞の時に取り上げた通りメンツ的にも内容的にも強調できるものではないうえ、前走の桜花賞も絶好位にいながら前が空いても全く伸びず。0.2差とはいえ物足りないレースぶりで、牡馬も加わってくるこの舞台では。

[5]⑨ダンテスヴュー(吉田隼)

前走の皐月賞で指摘した通り、溜めても切れないため上がりのかかる中京で好走したものの一線級相手のレースでは限界がありました。陣営は距離に敗因を求め初めてマイルを試しますが、2歳時のパフォーマンスを更新できていない現状では。

[5]⑩カワキタレブリー(菅原明)

2走前の白梅賞はスローを2番手から押し切ったのみの内容で、4走前のデイリー杯2歳Sにしても小頭数でペースが落ち着いた区間で上手く脚を使った鞍上の好プレーの賜物。多頭数、上級戦での通用根拠は現状では見出せません。

[6]⑪インダストリア(レーン)

弥生賞では1角でスムーズさを欠き折り合えず⑤着。その点も考えると距離短縮で折り合い面の不安が軽減できるのはプラスで、未勝利戦の内容と2走前のジュニアC①着から考えるとキレを活かせる東京のマイルは最適な舞台の可能性すらあります。テン乗りのレーンJが折り合えるかはポイントですが、能力全開なら通用の目はあるでしょう。

[6]⑫セイクリッド(菊沢)

初戦が重のダートで追い込んで③着→2戦目に良のダートでまくり上げて①着という戦績からも、現状では上りのかかった方が良いタイプでしょう。そもそも芝を走れるのかすら未知数の現状では手を出しにくく。

[7]⑬ジャングロ(武豊)

3連勝中も上手く番組を選んできた感があり、4走前のベゴニア賞の内容からも最後の3Fの速さが求められる東京コースは本質的に合わないでしょう。単騎の逃げが決まってよほどかわいがられでもしない限りは。

[7]⑭フォラブリューテ(大野)

前走の桜花賞はゲート内でガチャガチャしている時にスタートを切られ後手を踏み⑭着、3走前のアルテミスSはスタート後の接触もあり掛かり通しで⑤着と、2回の敗戦はいずれも訳アリのものでした。但し2走前の紅梅S①着は前傾戦をうまく立ち回って差し切っただけのもので評価としては高くなく、評価の対象は4走前の新馬戦①着です。新馬戦らしい落ち着いた流れで前残りになりがちなところ、直線で33.0の上がりを使って0.7差をつけた強い内容。当時負かした馬の中には桜花賞⑥着のパーソナルハイもおり、ここと1.4差と考えればキレ勝負の東京に替わってスムーズでさえあれば台頭の余地はあるでしょう。

[7]⑮オタルエバー(横山和)

気持ちの問題からハナを切るレースが続いていましたが、前走のファルコンSではハミを変えた効果もあり控えてひと脚を使い③着と進境を見せました。2歳時のパフォーマンスを考えればここでもやれておかしくはないですが、追い切りは飛ばしてしまいがバタバタになるなどまだ本調子ではない様子で、再度距離延長となるローテもプラスではなく。

[8]⑯プルパレイ(M.デムーロ)

デムーロJ曰く朝日杯FSの頃から気難しさを見せるようになり、一度機嫌を損ねてしまうとレース中は一切鞍上のいうことを聞かなくなるという話。たまたま出遅れたクロッカスSで追い込む競馬をさせたら予想以上に良いレースをしたとのことで、ここも無理せず控えそうです。1週前には重いウッドで49.9-11.4と抜群の動きを見せており体調は問題なし。この枠なだけに出遅れると厳しいですが、スタートが決まりさえすればここも好走は可能でしょう。

[8]⑰ステルナティーア(池添)

爪の不安を抱えながらの調整で、前走⑪着に敗れたチューリップ賞から比べても中間の状態は上がっていることが見て取れます。木村厩舎ですので在厩時の調整よりは放牧先でちゃんとやれたかがポイントですが、ノドの不安を抱えながら皐月賞を勝ったジオクリフ同様帰厩後直ぐに時計を出せており、最終で併せ馬を消化するパターンも時計の本数もほぼ同じ。新潟の新馬戦の内容を考えればキレが求められる東京替わりはプラスで、この枠をうまく捌けさえすれば。

[8]⑱ダノンスコーピオン(川田)

前走のアーリントンCの際に取り上げた通り、距離というよりは上りが掛かったほうが力を出せるタイプと見ています。本番のここより前走の阪神マイルの方が力を出せたという結果ゆえ、ここでパフォーマンスを上げられるかとなると懐疑的です。

<予想>
◎キングエルメス
○インダストリア
▲トウシンマカオ
△プルパレイ
△セリフォス
△ダノンスコーピオン
△タイセイディバイン
△ステルナティーア
△フォラブリューテ


■東京9R/湘南S ルペルカーリア

昨年の京都新聞杯で掛かりながら逃げて②着と能力はある馬なのですが、気性面の問題に加えブレーキを使いながら走ることのできないタイプにつき大箱のワンターンが理想です。前走の飛鳥Sは1800mでも掛かってしまい最後にお釣りを失くしましたが、さらに距離が詰まり東京のマイルは合う舞台でしょう。加えて二度の連対はいずれも左回りで、両親が東京で高いパフォーマンスを見せたことからも初コースもプラスの期待で。


■新潟10R/駿風S サンラモンバレー

2走前の巌流島特別の時に推奨したのですが、根拠として「最後の1Fが掛かる小倉は合っている」といったものの実際のレースでは「11.5-10.4-10.9-11.3-12.0-11.2」とゴールに向かって加速するラップになってしまい全く見せ場なく⑬着に敗れました。新潟の直線1000mであればそのようなラップにはまずなりませんし、この距離では後手を踏むため外枠を引けたのも好材料。千直の相手関係なら通用してよいはずです。

2022年5月7日土曜日

【5/7(土)予想】京都新聞杯の全頭評価とねらい目レース(新潟12)

■中京11R/京都新聞杯

[1]①メイショウラナキラ(秋山真)

前走の1勝クラス戦は逃げて60.6のラップを刻みながら、後半5Fはずっと11秒台という見た目以上にタフな流れで突き放しての快勝。3走前のこぶし賞のように極端に速い上りを求められるレースになると脆いですが、上りのかかる中京であれば持ち味を活かせるでしょう。但しドゥラメンテ産駒らしく気性がかなり前向きなのと、距離は伸びてプラスとは言えない分どうか。

[2]②リカンカブール(藤岡康)

前走の未勝利戦は小倉らしく、向こう正面から加速が始まったところを最後の最後で前が止まって差し切れたもの。2走前の阪神では⑥着しているように、坂のあるコースで同じ芸当ができるかと言われると?

[3]③アスクワイルドモア(岩田望)

北海道で(1,3,0,0)のあとホープフルS⑩着、きさらぎ賞④着。きさらぎ賞上位勢は次走パッとせずその相手に敗れた現状では強調しにくいうえ、下図の産駒成績が示す通り本質的には「平坦な大箱」向きのキズナ産駒故中京コースも決して合っているとは言い切れずで。


[4]④ストップザタイム(古川吉)

前走の未勝利戦は中京芝2000mにしては珍しく前半が60.9と流れました(重賞でも62秒くらいになるのが普通)。直線の急坂がある分こうなると先行馬にとっては厳しく、必然的に差し有利の展開となり恵まれた部類の勝利でここでの協調材料には乏しいです。

[5]⑤ミスターホワイト(吉田隼)

初芝の前走で圧勝を見せましたが、阪神内回りの2000mで前半が61.5と緩んだ上に馬場が渋ったのも奏功した形。上にはチェスナットコートが居ますが、2代母のネガノからはペイシャネガノ、タイガーインディといった「逃げるとしぶといダート馬」が多く出ている牝系。先々は良くなってきそうな馬ですが、芝の良馬場でいきなり重賞となると未知数な部分も多く。

[5]⑥アップデート(浜中)

チグハグな競馬だった新馬戦を叩かれたのち、ここ2戦はしまいにしっかり脚を使って①③着。但し上のリスペクトが東京に良績の集中するタイプで、この馬も上がり勝負の方が良さが出そうでキレの削がれる中京は合わない可能性も。

[6]⑦リアド(川田)

前走の毎日杯では手応えの割に伸びきれず⑤着。渋った馬場も影響したように思われ、新馬戦のパフォーマンスからもディープインパクト産駒らしくキレの活かせる良馬場の方が良いタイプでしょう。母タイタンクイーンの子供はストロングタイタン、ミラアイトーン、ギルデッドミラー等短めの距離で好走してきたタイプが多く、中京2200mという条件自体は合わないでしょうがこのメンバーならしまいだけで面倒見られる可能性もあるでしょう。

[6]⑦ショウナンアデイブ(池添)

詰めの甘いところがあり勝ち切れない分、今回ブリンカーをして臨んでくる点は変わり身が期待できます。どんなペースの競馬でも着を落とさずにやれており、前走の若葉Sは渋った馬場で参考外。3歳限定戦のメンツであれば見限れません。

[7]⑨ボルドグフーシュ(松田)

スクリーンヒーロー産駒らしくクラシックディスタンスに適性のあるタイプで、距離を伸ばした前走のゆきやなぎ賞では後傾戦をほぼ最後方から差し切った強いレースでした。スパッと切れない一方、坂があっても最後まで伸びてこられるのは阪神や中京コースに向いており、中京でも前有利の2000mよりは2200~2400mの方が走れそうです。スワーヴアラミスをはじめこの手の馬の扱いに慣れている松田J継続なら。

[7]⑩ブラックブロッサム(レーン)

前走の大寒桜賞で現にこのコースを勝っており、メンバーレベルに疑問はあれど2番手から後続を突き放した内容も圧巻の一言。中間も2週連続で古馬OP馬を相手に先着するなど、状態にも問題はありません。

ただ1点気になるのは、レーンJが中京で乗るのは今日が初めてということ。芝2200mコースはスタート後の直線が長く先行馬にとってはハイペースの罠と戦わなければいけず、加えて最後の坂で止まらないよう追い出すタイミングを考える必要もあります。今日このコースで実施されるのは京都新聞杯のみで、本番前にコースを経験する機会もありません。これほどのジョッキーに何をいまさら、とも思いつつ、馬にもコースにも初騎乗となると低いハードルではありません。

[8]⑪ヴェローナシチー(酒井)

若葉賞②着も皐月賞を自重し、ここで改めて賞金加算を狙って立て直されてきました。初勝利を挙げた4走前の未勝利戦も5か月半ぶりの実戦を勝ち切っており、休み明けの方がパフォーマンスを上げられる期待があります。2200mもすみれSで経験があり強気に乗れる点はプラスで、実を取りに来たローテーションが奏功する可能性は十分にありそうです。

[8]⑫ポットボレット(福永)

先行してかつ速い上りを使える馬で、もしプリンシパルSに出ていたら間違いなく本命にしていたでしょうが…テンの流れやすい中京コースにあって前半60秒台の流れを経験したことがない点は不安ですが、ジャスタウェイ産駒でありスピード面は問題ないでしょう。あとは同型馬との兼ね合いと上りのかかるコースを克服できるか。

<予想>
◎ボルドグフーシュ
○ヴェローナシチー
▲ポッドボレット
△リアド
△ブラックブロッサム
△メイショウラナキラ
△ショウナンアデイブ


■新潟12R リーゼントフラム

中央では未勝利も、前走の福島戦では距離を詰めて⑤着と前進を見せました。ダート1150mコースはスタート地点が芝で、平坦コースにつき極端な前傾戦になることから直線競馬との相性は良いと見ています。将来有望なミスターホワイトの騎乗を諦めてまで(しかも日曜は東京なのに)新潟に参戦する坂井Jへの手替わりで、矢作厩舎お得意の間隔を詰めたローテーション。開幕週なら内側もそれなりにやれるはずで。