「G1レースの全頭評価」を復活いたします!
従前通り、自分の予想の軸である「過去レースに基づく分析」の難しい2歳戦、障害競走を除くG1レースにおける全頭評価を復活させられる運びとなりました。秋のG1シーズン、相変わりませぬお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
■中山11R/スプリンターズステークス
[1]①レッドモンレーヴ(酒井)
高松宮記念は激流からの急坂で本質的に1400m以上に適性のある馬が活躍する舞台で、力が抜けていたサトノレーヴには及ばなかったもののその適性の高さで②着まで食い込んできました。スタートから流れが速く純粋なスプリント能力が問われる中山1200mコースでは追走力に疑問があるうえ、ここに来て怪しかったゲートが一気に悪くなってしまったのも懸念材料で。
[1]②アイサンサン(幸)
愛知杯は前を取り切りインの好位を進んだことが勝因。ヴィクトリアマイルを使った後元々は中京記念を目指していたところ、中間今一つ仕上がり切らずここに切り替えてきたという経緯もあり本質的には1400m~1600mの馬。高松宮記念に出てくれば話は別ですが、この舞台ではさすがに追走が厳しいでしょう。
[2]③ママコチャ(武豊)
3年前の覇者。暑い時期の方が調子が上がる馬につき、夏場を調整に充てられるこのレースは得意とするところです。この馬の良さは速い流れを折り合って脚を使える点にあり、前走のセントウルSでも前半32.8の流れから33.4の脚を使い③着と、インを通ったとはいえ上々の内容でした。年齢で割り引く必要はなく、あとはきれいな馬場が理想なタイプだけに掘れやすいインの芝に対応できるか。
[2]④ジューンブレア(坂井)
昨年あわやの場面を作った②着馬。スピードで押し切るタイプだけにこの舞台は向いていますが、昨年は函館SS→CBC賞→本番と順調に使えてきた中での好走で今回は高松宮記念以来の休み明け。その高松宮記念は鞍上の武豊J曰く「息遣いが本物でなかった」との評で⑰着大敗。ここに向けて陣営は「追うたびによくなっている」と語るものの、最終追い時点でまだ+16kgと絞り切れていない感は否めず。
[3]⑤サウンドモリアーナ(吉田隼)
キーンランドCではパンジャタワー、ウインカーネリアンらを下し重賞初制覇。2走前の北九州記念は重馬場に泣いての⑥着でしたが、時計の速い馬場の方が向いているタイプで中山も4戦前の船橋Sを勝っており問題なし。馬場の悪化が無ければ注意したい存在です。
[3]⑥ワールズエンド(津村)
安田記念②着も当時の1200m通過タイムが1.07.4。本質的にはスピードタイプで、先行して押し切る形はこのコースに向いています。ただこの中間で大きく体を増やし、調教後の時点で+20kgという馬体重を考えると狙いは次かもしれません。
[4]⑦ペアポルックス(岩田康)
オーシャンSは華麗なるイン突きが決まっての重賞勝利。ハイペースでも脚を使えることを証明した一方で、開幕デーだった当時と違い今回はインがボロボロの最終日。脚を溜めるには腹を括る必要がありますがこの馬場では難しく、早目の展開で馬群がばらけた時に捌いてこられるか。
[4]⑧エーティーマクフィ(富田)
しまい一辺倒のレースぶりから芝に転戦後は好位差しが板についてきた格好で、昨年の京阪杯は力の要る芝をものともせず前半32秒台のハイペースを差し切り。急坂対応が鍵も力の要る芝+ハイペースという舞台設定はプラスで、渋化馬場も問題なくスムーズなら台頭可能。
[5]⑨スターアニス(ルメール)
エピセアロームの仔という血統背景からクラシックでは評価を下げてきましたが、流石に2400mは長すぎたにしてもマイルまでであれば十分に通用することを証明する春の結果となりました。距離短縮は当然歓迎のクチも流石に32秒台の入りは未経験であるうえ、あくまで同世代の牝馬同士のG1を2つ勝っているという現段階において古馬G1でいきなり1番人気というのは買われすぎで、中間時点で+8kgとなるとここに向けてビルドアップした様子も無いだけに、486kgでのデビューから成長が無いとなると古馬相手にどこまで。
[5]⑩レイピア(横山武)
今年の高松宮記念含め、スタートで後手を踏んだ昨年のキーンランドC以外はすべて掲示板を確保している安定株。スピードタイプでスムーズに追走が叶えばここでもやれるはずですが、気になるのが鞍上の横山武Jが今月乗れていない点。7月11勝、8月12勝と来ていた中今月は昨日までで5勝にとどまり、前目につけられないと見せ場なく敗れるレースが増えているように見えます。鞍上も馬もスタート次第というところ。
[6]⑪ルガル(鮫島駿)
一昨年の勝ち馬。春から海外を転戦しUAE、イギリスでスプリントG1を2戦しての帰国緒戦となります。結果こそ伴いませんでした(アルクォーツスプリントは惜しい②着)が何れも60、59.5kgという重い斤量を背負ってのレースを経験し、ここに58kgで戻ってくるのは国内組にはないアドバンテージです。中間の追切は馬場の悪い週が続きタイムこそ目立ちませんでしたが、1週前に重めの坂路で54.3-12.4のラップを減速せずにマークしており力のあるところを見せる内容。正攻法のスピードタイプなだけに、自身が目標にされるよりも明確なペースメーカーが居た方がレースはしやすく、ピューロマジックなど実績ある逃げ馬と一緒に走れる今回は再度チャンスあっても。
[6]⑫ブラックチャリス(浜中)
フェアリーSで坂を上がってくる時の力強い脚を見れば、本質的には1400~1600mが良いように映ります。時計の掛かる芝が向くとはいえ流石に1200mの実績としては見劣るだけに。
[7]⑬パンジャタワー(松山)
4頭のお手馬の中から松山Jが選んだのがこの馬。NHKマイルCを勝っているとはいえ、どこまでも伸び続けるというよりはひと脚で決めたいタイプだけに本質的には1400mまでと見ています。しかしながら本来そのくらいの適性の馬が活躍できるはずの高松宮記念でウインカーネリアンとの競り合いに敗れ④着となった内容からすると、逆に1200mではペースが速く脚が溜まらないのかもしれません。初の輸送や急坂も鍵で、外差し展開となった時にどこまで来られるか。
[7]⑭ウインカーネリアン(三浦)
昨年は高速馬場も味方にジューンブレアとのマッチレースを制した格好でしたが、その再現を狙うならピューロマジックより外に行きたかったというのが本音でしょう。今年は被されそうで去年のように楽な展開には持ち込め無さそうで、馬場の悪いところを前の馬たちに走らせたうえで地力でどこまで…というレースになるでしょうか。
[8]⑮フリッカージャブ(西村淳)
2走前の北九州記念が13頭立ての12番枠から押し切っての勝利。当時も雨が降る重馬場だったことを考えれば、馬場の良いところをスムーズに運べそうな今回も外枠は僥倖と言えます。32秒台の入りも4回走って3勝と得意にしており、前走のセントウルSもピューロマジックを追いかける形で最後まで脚を使い1.06.9のタイムで勝利。スプリント適性の高さに疑いようはなく、ピューロマジックが変に折り合って押し出されるなどの形にさえならなければ。
[8]⑯ピューロマジック(岩田望)
押さえが利くかどうかは精神面の問題が大きく、これまでは滞在競馬や暑熱対策期間で装鞍所集合からレースまでの時間が短く、パドック周回も短縮されるなどストレス要因が減っていた分が大きかったです。それだけに前走のセントウルSでは通常通りの装鞍所集合スケジュールとなり、なおかつ結果の出ていない坂コースで不安視されましたが結果的に②着を確保。精神面での成長を伺わせる内容でした。今回は過去結果の出ていない中山遠征で、G1でファンの前を通って馬場入場するなどのシチュエーションに耐えられるかの試金石。
<最終結論>
◎ルガル
○エーティーマクフィ
▲フリッカージャブ
△ママコチャ
△スターアニス
△パンジャタワー
△サウンドモリアーナ
△ペアポルックス
例年の高速馬場よりは少し時計がかかり、かつ力もいる芝コース。ここは斤量経験を考慮し上位評価勢の中からルガルを◎抜擢します。相手にはダート時代に58kgで勝っているエーティーマクフィ、初斤量となるフリッカージャブは3番手までとしました。