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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2023年11月26日日曜日

【11/26(日)予想】ジャパンCの全頭評価・京阪杯の注目馬

■東京12R/ジャパンカップ

[1]①リバティアイランド(川田)

中5週は既に阪神JF・オークスで経験済。特にオークスは桜花賞で絶体絶命の位置から差し切った異次元のパフォーマンスからの中5週+遠征を乗り切ったという点で高い評価ができるレースでした。古馬とは初対決ですが、ここは古馬牡馬と4kgのハンデ差のある舞台で逆転可能なことに加え、今の東京が「上りの絶対値が求められる舞台」である点も後押ししています。


上記は東京芝レースにおける上り1位の馬の成績(良馬場のみ)を集計したものですが、11月開催における成績は群を抜いて良く、近5年の通年成績も上回っています。上がり最速の馬は東京コースでは確実に上位に入ってくるので連対率・複勝率で見るとさほど大きな差はないですが、勝ち切れているパーセンテージが高いというのが大きいです。他にも上がりの使える馬は居ますが、ここは切れ味と軽斤量を最大限に活かせる舞台と言えるでしょう。

[1]②イクイノックス(ルメール)

前走の天皇賞では3番手追走で先行勢にプレッシャーをかけながら直線でアッサリ交わす横綱相撲。この馬より前にいたジャックドール、ガイアフォースが最後バタバタになっていたのに加え②③着が最後方待機の2頭だったことを見ても、近くにいた馬にとっては相当に脅威だったはずです。栗東滞在で完調とは言えなかった宝塚記念でも勝ち切っており、ここも中3週ではありますが週中のウッドに加え週末にも坂路で時計を出すなど体調面の不安なくやれている様子がうかがえ、能力発揮に不安はありません。

[2]③タイトルホルダー(横山和)

この馬のパフォーマンスの高さは「ラスト1000mで加速できる」という点にあります。通常、逃げ馬というのは離して逃げるか、引き付けて逃げてギリギリのところで二枚腰を発揮するかのどちらかなのですが、菊花賞を「60-63-60」という芸術的なラップで逃げ切ったようにこの馬はロングスパートができるため、後続が気付かないうち(=このペースで行かせるとまずいと気づいた人馬が早目に仕掛けだす前)に逃げ切り態勢に持ち込めるのがセールスポイントです。

とはいえ今回はパンサラッサがおり、自身がペースを作るレースにはならなさそう。そこでもう一つの武器が岡田牧雄氏を唸らせた「横山家の体内時計」です。

群れて走る中団以降の馬たちは周りを見て走っていればよいですが、恐らく明日はパンサラッサが大きなリードを取り、単独の2番手をこの馬が追走、そこからまた離れて3番手以下の集団、という馬群になると見られます。この時一番難しいのが、玉砕覚悟の逃げ馬を2番手から追いかけるタイトルホルダーの仕掛けタイミングですが、上記の通り早目にアクセルを踏める馬ですから恐らく3角手前あたりで加速して捕まえに行くでしょう。距離が長いと見られているパンサラッサを自ら捕まえに行くのは尋常に考えればリスクが大きく、人気2頭を含めて勝手に垂れてくれることを待ちたいのが本音でしょう。しかしその騎手心理にタイトルホルダーのチャンスが生まれるとすれば、垂れたパンサラッサを交わしてもそのはるか前にロンスパ得意のタイトルホルダーが居るという構図になるでしょう。やはり今週の東京は例年のJC週の通りインが活きており、一番コースバイアスの恩恵を受けられる可能性があるはずです。

[2]④スタッドリー(マーカンド)

良績は内回り、小回り、ローカルコースに集中しており東京では2度の重賞挑戦でいずれも1秒差以上の大敗。このメンバーでは恵まれようもなく。

[3]⑤ドウデュース(戸崎)

前走の天皇賞では急遽の乗り替わりの影響もあってか、終始折り合いを欠き自分のレースが出来ませんでした。ただ、そもそもジャックドールが飛ばし気味に逃げた中、馬群の中でレースをさせることに長けている戸崎Jを以てしても折り合えなかったというのは相当気性面が難しい馬だということが露見した格好で、今まで武豊Jが相当うまくやっていたのかもしれませんがいずれにしてもマイナスでしかなく、引き続きキレ勝負の東京で前走以上を見込むのは難しいでしょう。

[3]⑥フォワードアゲン(黛)

良績は右回りの小回りコースに集中しており、唯一左回りで勝った東京の未勝利戦は不良馬場。スピード勝負では分が悪いうえ、1年以上掲示板に入れていない現状では。

[4]⑦[外]イレジン(M.ヴェロン)

G1勝ちは小頭数のものと3100m戦。フランス国内でしか実績が無く、日本の高速馬場への対応は未知数で。

[4]⑧パンサラッサ(吉田豊)

当初は9月のアイルランドチャンピオンSを予定していましたが、繋靭帯炎の影響で復帰が伸びる形に。ギリギリまでチャンピオンズCとの両にらみであったことからも中間の状態面のジャッジにかなり慎重になっていたのが窺えますが、そもそも矢作師の話として「2400mは長いが、かといって日本のダートへの適性に不安もある」という難しい選択を迫られていたことも事実。玉砕覚悟で逃げるここは無事完走が第一目標でしょう。

[5]⑨ヴェラアズール(H.ドイル)

昨年のこのレースを勝って以降は小回り、ダート、内回り、重馬場と末脚を自慢の発揮できない舞台が続いており、久々に適条件に戻ってきたのは好材料です。

但し問題は直前で乗り替わりになったH.ドイルJ。


昨年の来日以降、とにかく逃げでしか成績を残せておらず中団以降からのレースでは壊滅的。この馬の鞍上を託すという意味では適任ではないでしょう。

[5]⑩ダノンベルーガ(モレイラ)

前走の天皇賞ではドウデュースの後ろにつけましたが、直線では思ったほど弾けず。陣営はもう少し長めの距離を走らせたい意向ですが、単純なスタミナどうこうというより現状では2000mのキレ勝負に対応できないというのが実情なのかもしれません。ここは距離は伸びるものの前回以上に切れ者が揃った印象で…

[6]⑪トラストケンシン(荻野極)

比較的後方待機勢に恵まれた昨年のJCで1.3差の⑬着。昨年比でメンバーも大幅に強化され、もう2年掲示板に載れていない現状では。

[6]⑫[地]チェスナットコート(田中学→田辺)

中央重賞で好戦していたのは5年前の話。前走のオールカマーの大敗を見ると現状芝でどうこうというレベルにはなく…

[7]⑬[地]クリノメガミエース(吉村)

勝ち星はダートの新馬戦と笠松の3歳戦のみ。一昨年の札幌2歳Sの内容を見れば芝のペースについていけるかどうかも怪しく、無事完走を祈るのみです。

[7]⑭ディープボンド(和田竜)

3角から手が動くような持久力比べでは押さえが必要ですが、ラスト3Fの勝負になると苦しいです。パンサラッサを早目に交わして無理やりそういう展開に持ち込むことも出来はするのでしょうが、強力な同型もいるだけに。

[7]⑮ショウナンバシット(M.デムーロ)

使える上りに限界があり、切れる脚を使えるのは緩いペースで溜めた時。にもかかわらず皐月賞以降は行けないのか行かないのか後方からのレースばかり。世代限定戦の重賞でもやれていない現状は。

[8]⑯インプレス(三浦)

一瞬の決め手を活かしたいタイプで、好走してきたのは緩く流れる長距離条件戦やイン突きで一瞬の脚に賭けた新潟記念③着のみ。優等生三浦Jにそういう乗り方を期待するのも難しく。

[8]⑰スターズオンアース(ビュイック)

オークスのパフォーマンスだけを比較すれば、馬群を縫って楽に抜け出したリバティアイランドより大外から差し切ったこの馬の方が上と考えることはできます。牡馬相手に②着と善戦した大阪杯も道中進路をカットされる不利や前残り展開のアヤで敗れたまでで、先行勢が上位を占める中で最も強いパフォーマンスでした。ただ今回は爪不安で天皇賞を回避し再仕上げというロスの中、この枠から理想の位置取りに収めるのは難易度が高いでしょう。

[8]⑱ウインエアフォルク(藤田菜)

東京コースは(0,0,0,6)。中央での2勝は何れもローカル2600m戦で後ろから行ってのもので、速い上りの使えることが求められる東京2400m戦では苦しいです。

<予想>
◎タイトルホルダー
○リバティアイランド
▲イクイノックス


■京都12R/京阪杯 エクセトラ

今年に入っての連勝中は何れも中団の外を取り、いつでも動ける態勢を確保していました。一方ここ2戦は馬群に押し込められ動きたいところで動けず、特に前走のスワンSは最内枠で馬場の悪いところを通らされたことも響きました。外枠を引けたのはプラスで、この中間は連勝時同様に逆時計にならずに追い切りを消化できているのも好材料。絶対的な中心馬が居ないメンバー構成でここまで人気を落とすのであれば。


2023年11月25日土曜日

【11/25(土)予想】ねらい目レース(東京2R・京都12R)

■東京2R エウロス

デビュー戦は杉原Jが跨り、最後インからいい脚を見せての⑤着と上々のデビュー戦でした。しかしここ2戦は馬群内で運ばせるのが下手な岩部Jが跨り、掛かる気性も考慮してか最後方から大外を回すロスの大きい競馬で④⑪着。流石に菅原明Jに手が替われば位置取りはまともになるはずで、新馬戦の距離に戻れば見直せます。

■京都12R スマートルシーダ

3走前の湯の川温泉特別の際も取り上げましたが、気のいいタイプで休み明けがねらい目という馬。気性のせいかいつも調教が逆時計になるので毎回人気しないのですが、その3走前はルメールJ騎乗で8番人気②着と好走しています。京都コースは初めてとなるものの良績は平坦コースに集中しており、Cコース替わりで先行タイプは俄然有利に。力量拮抗の混戦模様ですが、位置を取れる松山Jであれば期待大でしょう。

2023年11月19日日曜日

【11/19(日)予想】マイルCSの全頭評価

■京都11R/マイルチャンピオンシップ

[1]①ソウルラッシュ(モレイラ)

純粋な時計比べは苦手ですが、機動力に長け馬場も不問というタイプ。近10年の内京都開催で勝ち馬の最速の上りは2015年モーリスの33.1ですが、これは中間に12.5と極端に緩む区間があった分。次点のトーセンラー(2013年)が33.3で、安田記念や近3年の阪神開催が32秒台の末脚が必要な舞台だったことを考えれば「ここ数年のマイルG1で好走できていなかった馬にもチャンスがある」と考えられます。この馬自身古馬になってからは安定して33.5前後の末脚を毎回使えてはおり、あとは相手関係やペース的にそれで間に合うかというところが着順を左右している現状。ここはセルバーグが絶対ハナ宣言をしており中間が緩むことはまず無さそうで、レースの上がりが34秒台に突入することが見込まれるこの舞台なら台頭可能でしょう。

[1]②ビーアストニッシド(和田竜)


2019年産(現4歳世代)が最初のアメリカンペイトリオット産駒は「2歳>3歳>4歳」という成績の現状。仕上がりが早い一方で早期に稼いだ賞金に見合う成長を見せられておらず、この馬も多分に漏れず展開が嵌った2走前の安土城S以外はスプリングS以降掲示板にすら載れていません。適性はここにあるかと思いますが、この鞍上では巧妙に内を突くようなセコイ騎乗も期待できなさそうで。

[2]③ダノンスコーピオン(団野)

陣営が語る通り、右トモを気にしている様子で近走は成績もついてこず。右回り、坂の上り下りがある京都コースでは現状力を発揮するのは難しそうです。

[2]④エエヤン(M.デムーロ)

3勝は全て中山。その3戦いずれもが前半35秒以上を要する緩い流れのレースで、それを切ると(0,0,0,2)。かといってペースを鑑みて距離を延ばすと脚が使えず。この舞台では苦しいです。

[3]⑤ジャスティンカフェ(坂井)

毎回前週の金曜にしっかり負荷をかけたうえで最終追いに臨むスタイルですが、前回の毎日王冠は折り合い面も重視してか最終追いをソフトに。ただレースではいつもの爆発力が見られず⑦着に敗れてしまいました。距離自体はエプソムCでもこなせているだけに気持ちの問題なのか、陣営は今回あえて最終追いでも気持ちを乗せた追い切りにシフト。ただ個人的にそれ以上に気になるのはこれまでよかった頃は金曜→当週をウッド→ウッドでこなしていたところ坂路→ウッドとしている点。従前ほどびっしりやれなくなっている点を見ると心と体がフィットしていない様子がうかがえ、騎乗経験者も複数いるのにここに来てわざわざテン乗りの坂井Jというのも少々不可解。

[3]⑥ダノンザキッド(北村友)

能力はG1級ですがみなぎる気合が空回りするタイプで、今年も休み明けの中山記念で⑪着と大敗した後連戦となった大阪杯・QE2で③⑤と好走し、中7週で臨んだ宝塚記念は⑬着。休み明けでみなぎっている今回は見送りが妥当でしょう。

[4]⑦エルトンバローズ(西村淳)

前走の毎日王冠は苦手な左回りが懸念でしたが、ラチ沿いを走れたこともあってかスムーズで、後続の仕掛け遅れに助けられた分もあって勝ち切りました。右回り替わりはプラスでマイルにも適性はありますが、上位人気勢が本気で勝ちに来るレースをしていたらどうだったかというレースの結果を基に3番人気になってしまうのは少々押し上げられすぎかと…

[4]⑧ソーヴァリアント(池添)

メンタル面で難しい馬がリングバミとチークピーシーズで素直に走るように。前走の富士Sは初のマイル戦でしたが流れに対応し、直線では外に持ち出しての③着と格好は付けました。ただこのレース自体が最後外を回した馬による上位独占という決着で、ナミュール・レッドモンレーヴとの脚色の差は明らかでした。今回も同様のレースをするはずですが、大箱タイプの大型馬だけに前走以上のパフォーマンスというのは半信半疑です。

[5]⑨シュネルマイスター(ルメール)

持てる脚は一級品。前が開くか、時計勝負になるかというところで惜しいレースも多いですが、いつも自分の脚は使えています。3走前のマイラーズCでは新設コースで時計の速い芝コースで差しきっており、内に閉じ込められる不利がなければここも確実に差しては来るでしょう。ただ、どうしても脚質的に運の要素が強いと言う点では先週のブレイディヴェーグと同様で。

[5]⑩マテンロウオリオン(横山典)

溜めても古馬戦で差しきれるだけの脚はなく、かと言って位置を取りに行くと甘くなる現状。この枠ではインを立ち回るのも難しく。

[6]⑪セリフォス(川田)

前走の安田記念はレーンJが先行策を選択。折り合えてはいたものの外差し有利の馬場には抗えず②着に敗れましたが、あれだけの脚を使えるのであれば京都コースでは間に合ったはずで、今回シュネルマイスターとの比較で前を取れるのはプラス。ただし、あくまでもここは香港マイルへの壮行戦。叩いて良化という概念を好まない中内田厩舎には珍しく「何とか間に合った」という表現をしており、最終追い切り後の川l田Jのコメントも同様でした。力はあるので外せはしませんが、言い訳の立つ一戦であることもまた事実です。

[6]⑫レッドモンレーヴ(横山和)

最終追いを手控えるのは2走前の安田記念⑥着時と同様。エアグルーヴ牝系で左回りの大箱向きという特性からもここでは強調できません。

[7]⑬セルバーグ(松山)

前走の関屋記念は逃げたレースとしては初めて着外に沈む結果に。陣営は引き付ける逃げを打ったことが敗因とコメントしており、今回は後ろに脚を遣わせる狙いから遠慮なく飛ばしていくとのこと。京都は構造上中間が元々緩みにくく、必要以上に飛ばしてしまうと4角の下り坂もあり最後に止まってしまう懸念があります。同型こそ居ませんが二の脚の速いバスラットレオンを意識して飛ばしてしまうと3F目まで10秒台が続く消耗戦になる可能性すらあり、流石にこうなるとマイルでしか逃げきっていないこの馬には苦しいでしょう。

[7]⑭バスラットレオン(鮫島駿)

芝のレースを使うのは2月のサウジ①着以来。昨年ゴドルフィンマイルを勝って以来ダート参戦も増えましたが国内線では芳しくなく、やはり海外の土に近いダートでスピードを活かすのが合っており、本質的にダート馬というわけではないのでしょう。鍵を握るのは6走前の阪神C。3F目まで10秒台が続くスプリント戦に近いラップを先行し0.2差の④着しましたが、今回セルバーグが飛ばせばこのようなラップになることが想定されます。今回のメンバーで同様のラップを経験した馬はこの馬含め3頭(シュネルマイスター/スプリンターズS⑨着、マテンロウオリオン/スワンS⑦着)と少なく、しかも掲示板内に好走したのはバスラットレオンのみ。前走のJBC スプリントは空馬に邪魔されまともにレースができなったこともあり度外視して良く、セルバーグを深追いしすぎずに番手をスムーズに運べれば押しきりも。

[8]⑮イルーシヴパンサー(岩田望)

得意の左回りでも末脚を繰り出せなくなっている現状。立て直しに時間がかかっている様子で、ここも大望は難しく。

[8]⑯ナミュール(藤岡康)

前走の富士Sでは外差し有利展開も相まってきっちり差し切り。ただ元々左回りが得意なタイプで、この舞台代わりだけならまだしもムーアJが乗れなくなってしまったのは完全に想定外。一瞬の切れを活かしたいがゆえ本来の理想は内目の枠でもあり、藤岡康Jにとっては久々のG1チャンスとはいえ乗りこなすハードルは低くありません。

〈予想〉
◎バスラットレオン
◯ソウルラッシュ
▲シュネルマイスター
△セリフォス
△ナミュール
△エルトンバローズ

2023年11月18日土曜日

【11/18(土)予想】東スポ杯2歳Sの注目馬とねらい目レース(キビタキS・東京12R)

■東京11R/東京スポーツ杯2歳S ショウナンラプンタ

前走の新馬戦はコーナー4つの2000m戦で終始外を回らされた中で、スローペースをものともせず仕掛けられると一瞬で前を捉える強い内容。当時②着のサトノシュトラーセは次走で即勝ち上がり、2.0秒離された⑤着のリチャードバローズも次走②着と力を見せており、先行押し切りの勝ち上がりをしてきたメンバーが多い中勝ち方的にもメンバーレベル的にも高く評価できるものでした。ドスローになった時の懸念はありますが、早目に押し上げたいガイアメンテ×マーカンドJという組み合わせもおりヨーイドンのレースにはならなさそうで、脚の使いどころさえ間違えなければ好勝負できるはずです。


■福島11R/キビタキS ドーバーホーク

1200mでは(3,1,0,0)。前走の白秋Sでは久々に1400mを使われたうえ、苦手な高速戦で度外視できる敗戦でした。最終週+稍重のコンディションで福島芝1200mは1分10秒を切るか切らないかくらいの決着時計が予想され、この馬の好走ゾーンに該当する可能性が高く巻き返しは必至でしょう。


■東京12R エンデミズム

普通、デビューから①③②着と来ていて平場の条件戦でルメールJが乗ったら1倍台も覚悟しなければいけませんが、お昼の時点で単勝は6倍もついています。なぜならこのレースには桜花賞③着のペリファーニアがおり、こちらが断然の1番人気となっているためです。しかしながらご存じの通りペリファーニアは折り合いに不安のあるタイプで、上級戦の方がレースがしやすくむしろレベルの落ちる自己条件で制御がつくかという問題があります。しかも思い入れの深い血統のはずの横山武Jが乗らない(おそらくキャロットの意向で乗り替わり)という点でもマイナスで、ここは逆転の余地があると見ます。

2023年11月12日日曜日

【11/12(日)予想】エリザベス女王杯の全頭評価

■京都11R/エリザベス女王杯

[1]①ブレイディヴェーグ(ルメール)

4戦すべてで最速上りをマークしており、前走のローズSはスタート決まらなかったうえ3角で挟まれる不利もあった中32.9の脚を繰り出して②着。ほぼ直線だけでレースをしたものですから、京都2200mコースが合わないことは無いでしょう。ただこれまで十分な間隔を取られて使われてきたところ今回は最短の中7週での臨戦で、そのパフォーマンスの高さ故1戦1戦の消耗が激しいことは想像に難くなく体調面の不安が考えられます。おまけにこれまでの2勝が何れも東京という点からも見える通り器用さに欠けるうえ、取りこぼした2戦が何れも4/13番、5/17番と何れも内目のごちゃつく枠を引いてしまった時。最内の1番枠を引いてしまったのもマイナスで、ルメールJの手腕を以てしてもどこまでリカバリーできるかは展開や運の要素が大きく、軸として信頼に足るタイプではないでしょう。

[2]②ルージュエヴァイユ(松山)

ごちゃつくのを嫌ったり折り合いが難しかったりと気を遣って走らなければいけない馬で、4勝を挙げているとはいえ壁を作りたいタイプの戸崎Jとの相性は必ずしも良くないと考えます。ここ2戦は東京1800mの重賞でいずれもテン乗りの鞍上を迎え連続②着。ここでの手替わり自体は問題無いでしょうが、過去距離延長時は(0,0,0,3)と全く走れておらず、唯一の遠征経験も愛知杯で1.8差の⑫着大敗。内枠+距離延長でコーナー4つの京都コースというのは流石にマイナス要素が多すぎます。

[2]③ハーパー(川田)

牝馬3冠で④②③着と世代ナンバー2の地位を築きつつあります。この馬自身は好位から粘り強く脚を遣わせた方が良いタイプで、直線向いてから脚を遣わせるルメールJとの相性は良くなかったと考えますが地力と成長力で毎回好走を続けてきました。今回4戦ぶりに川田Jに手が戻るのはプラスで、本来の勝負根性を引き出せる騎乗ができるでしょう。ただ1週前にコースで一杯に追われていたここ3戦と違って、遠征も無いのに2週にわたって坂路で馬なり調整という点では前走以上は望みにくく。

[3]④ローゼライト(和田竜)

前走の新潟牝馬Sでは前半62.7と比較的ゆったり流れた中を先行したにもかかわらず、後方待機勢に交わされ③着。京都含む平坦コースは向いていますが切れる脚が無く、重賞で力比べとなると根本的に向いていないでしょう。

[3]⑤イズジョーノキセキ(岩田康)

府中牝馬Sを勝っての参戦だった昨年は主戦の岩田康Jが天皇賞でお行儀の悪いレースをして騎乗停止だったためルメールJが代役騎乗しましたが、内へのこだわり方が中途半端だったうえ雨の中馬場の悪いところを走らされてしまい⑩着大敗。手綱が戻った有馬記念では2番枠から④着に好走しており、乗り方ひとつでこのクラスでもやれる力は示しました。しかしその後は5戦の内4戦が2桁馬番、唯一1桁馬番を引けたのは距離不足のヴィクトリアマイルで、5番枠を引いた今回は久々に好走できる条件が整ったと言えます。特筆すべきはこの中間の動きで、1週前にウッドで速めをやり最終を坂路で仕上げるルーティーンは昨秋の好走時以来。その1週前のウッドでは4Fを51.5でまとめながら最後の2Fで11.4-11.3と極上のキレを披露。今日は終始低い気温でしたが、リニューアル効果か水が順調に抜けて良に回復。今日も降雨の心配はなさそうで、良馬場回復なら一発の期待は十分です。

[3]⑥ディヴィーナ(M.デムーロ)

母のヴィルシーナがそうであったように、駄目なときはトコトン駄目ですが良い時は連続して好走できるタイプです。特にデムーロJに手が替わってからは別馬のような好走を続けており④②②①着とついに重賞を制するまでに。調教での動きの良さは今に始まったことではありませんが、好位を取れるようになりスムーズなレースが出来ていることが好走に繋がっており、血統的にも2200mは守備範囲。今の勢いなら押さえる手も。

[4]⑦ジェラルディーナ(ムーア)

昨年のこのレースでは馬場の悪い内を避けてのコース取りも冴えての勝利でしたが、2走前の宝塚記念では早目に動いた中で唯一の掲示板となる④着。イクイノックス、スルーセブンシーズと0.2差と考えれば改めてG1級の力量を示したレースでした。ただ、この時にしても昨年連続好走したレースにしても阪神・中山と急坂コースでのもの。調教時計自体は出ているもののレースでは昨年ほどの終いのキレを見せられてなく、平坦の京都に替わる点はプラスでは無さそうで。

[5]⑧シンリョクカ(木幡初)

賞金がギリギリ1700万のオープン馬につき、「出たい」レースより「出られる」レースを優先せざるを得ない現状。前走の府中牝馬Sは終始落ち着きを欠き伸びきれずの⑩着で、馬体増自体は成長分も精神面に課題を残しました。オークス⑤着の実績はあれど最後の脚は他の上位勢とは差があり、同世代の体力比べでは相対優位も古馬も含むとまだパワー不足と言った現状です。

[5]⑨アートハウス(坂井)

骨折明けで8か月ぶりの実戦。この中間はウッドで負荷をかけられており、元々体質的に続けて使えないタイプで気性的にも久々は苦にしませんが、この距離延長に対応できるかが鍵です。母からのゆかりのある血統にもかかわらず川田Jがこちらに乗らないという点でも割引は必要で。

[6]⑩ククナ(浜中)

キレはするものの使える脚が一瞬で、だらっと流れる長距離の条件戦か、小回り平坦でインを突く七夕賞のようなレースが得意です。この枠は必ずしも良いとはいえず、外回りコースに替わるのもプラスではなく。

[6]⑪ライラック(戸崎)

以前は気性面の問題から後方待機のレースをせざるを得ず、故に最後に前が止まる急坂コースや重馬場で良績を残していました。しかしながら前走の府中牝馬Sでは5番手を追走し最後も良い脚を見せ③着。これまでと違った姿を見せました。精神面の成長もそうですが、しっかり馬群の中で我慢をさせられる戸崎Jと手が合っていたとも言えます。連続好走できないタイプなのは気がかりですが、1週前に49.6-11.8と抜群の動きを披露。出来なら十分に勝負になってよく、噛み合えば昨年以上も。

[7]⑫ゴールドエクリプス(岩田望)

斤量的にだいぶ恵まれたはずの重賞2戦でいずれも0.6差をつけられ④③着。使える脚の限界も見えた格好で、京都コースは合ってはいますが過去距離延長ローテで(0,0,0,2)といずれも結果を出せていない点からもここでの強調は難しいです。

[7]⑬サリエラ(マーカンド)

前走の新潟記念は挫石明けの復調途上で、ゲートの駐立も怪しくスタートが決まらず⑦着。サロミナ一族らしく揉まれるのもマイナスだったはずで、ルメールJが馬の不調時に見せる「馬群に突っ込ませる形で促していったレースぶり」からも完全に参考外の一戦でした。立て直された今回、外枠を引けたこともあり当然見直しは必要ですが、過去最終調教で(3,0,0,0)となっている「最終が南Wで3頭併せ」ではなかった点(しかも外を回されたククナに後れを取っている)、また積極先行タイプのマーカンドJが溜めるレースができるのかという点で、持てる能力は認めてもここで全開を望むのはまだハードルが高いと見ます。

[8]⑭マリアエレーナ(三浦)

前走のオールカマーではタイトルホルダー、ゼッフィーロにタイム差なしの④着。外枠ながら割とラチに近い位置を取れたことも幸いし、この馬が得意とするしっかり壁を作ってのレースが出来ました。相手関係からはここも期待は出来ますが、圧倒的に遠征競馬の経験が少ない三浦Jが引き続き跨るという点と、本来暑い方が調子の上がるタイプで気温の低下はパフォーマンスにプラスでない分、引き続きの外枠のハンデを跳ね返せるかは不透明です。

[8]⑮ビッグリボン(西村淳)

ルーラーシップ産駒らしく馬場が渋ると力の出せないタイプで、重馬場で行われた前走の京都大賞典は度外視できる敗戦でした。ただこの馬の場合牝馬同士の中距離戦でスタミナを活かしての好走が得意で、上級戦で求められるキレに欠ける分平坦の福島牝馬Sでは伸びきれず②着と取りこぼしています。インが壊滅している状況ならまだ外を回ってのバテ合いで何とかなりますが、そこまでではない現状では恵まれる可能性は低いです。

<予想>
◎イズジョーノキセキ
○ライラック
▲ジェラルディーナ
△サリエラ
△ハーパー
△ディヴィーナ
△ブレイディヴェーグ

2023年11月11日土曜日

【11/11(土)予想】武蔵野S・デイリー杯2歳Sの注目馬

■東京11R/東京中日スポーツ杯武蔵野S タガノビューティー

全6勝のうち4勝を東京で挙げているコース巧者。最近は惜しいレースが続いていますが、左回りのマイルで負けているのはレモンポップ、ギルデッドミラー、デシエルトなどG1馬もしくは無事ならG1に手が届いていたはずの馬ばかり。その他G3クラスのメンバーとは僅差の接戦を続けており、前走の南部杯にしてもJBCスプリントを制したイグナイターから0.2差の④着。位置取りの差を考えれば互角の戦いだったと言ってよいでしょう。人気の中心は3歳馬ですが、近年はダート戦線の層が厚く歴戦の古馬が力を示すケースが続いており、3歳馬の上位入着は2017年②着のサンライズソアまで遡ります。それ以前もノンコノユメ、ゴールドドリーム、ベストウォーリア等G1クラスの勝ち馬ばかり。ここで古馬を逆転するハードルは高く、上級戦で好走しているこの馬に人気の妙。


■京都11R/デイリー杯2歳S カンティアーモ

京都開催のデイリー杯は近3年の阪神開催にもまして速い上りが求められ、2013~19年の7年間で実に5回が「上り上位3頭で③着内独占」という極端な結果に。かといって後方有利とは限らず、後ろにいるにしても前につけるにしても速い上りが求められるのは同様です。こうなると位置取りやペースによる展開有利は望みにくく、純粋に力のある馬が上位に来るレースと考えた方が良いでしょう。

カンティアーモの前走は下した馬の内③④着が次走で勝ち上がり、②⑤着馬も次走②着を確保しているレベルの高いメンバーで、同斤量の牡馬との混合戦で勝ち上がったのも評価できます。ここは牝馬が1kg貰いとなる舞台で、人気上位でもオッズが割れるなら十分妙味です。

2023年11月5日日曜日

【11/5(日)予想】アルゼンチン共和国杯・みやこSの注目馬

■東京11R/アルゼンチン共和国杯 アーティット

東京芝2500mで行われるレースはあまり多くなく、稀に条件戦が組まれることもありますが基本的にはダービーデーの目黒記念とこのレースの年間2鞍のみ。故にペースはメンバーに大きく左右され、先行争いが早々に決着(=ハロン11秒台以下の区間が5.5F目までで終わる)すれば後半5Fにわたって11秒台が続くロンスパ戦に、逆に先行争いが長く(=7.5F目以降まで11秒台区間が続く)なれば直線向いてからの3Fが勝負になります。アフリカンゴールドは行き切れないと良さが出ない一方、ディアスティマは番手からもレースができるので今年は恐らく前者、先行争いは早々に決着し後半5Fにわたって速いラップが刻める馬の台頭が期待できそうです。

今回のメンバーで「後半5Fずっと11秒台のレースを勝った経験のある馬」はゼッフィーロとアーティットの2頭。ともに春の目黒記念に出走しそれぞれ③⑩着でしたが、後方を回し差し有利展開に乗じたゼッフィーロに対し向こう正面でセファーラジエルに交わされ早目に動かざるを得なくなったアーティットは自分のレースが出来ませんでした。前走のケフェウスSにしてもマテンロウスカイがハイペースで飛ばす中を単独3番手で追走する難しい展開で、先行勢で唯一掲示板に残ったのは健闘の部類と言え、自分のタイミングで発進が出来れば巻き返せる余地はあります。この中間は意欲的に追われ状態は前走以上、改めて期待できる舞台です。


■京都11R/みやこS タイセイドレフォン

前走の太秦Sは後方待機組が上位を占めた一方で、終始先団に取りつき0.2差の②着に踏ん張りました。平坦コースは(2,2,0,1)と得意にしており、加えて良馬場で1桁枠順を引ければ(3,4,0,2)でオール掲示板。好走要件が2つ揃ったここは順当に上位争いでしょう。

2023年11月4日土曜日

【11/4(土)予想】京王杯2歳S・ファンタジーSの注目馬

■東京11R/京王杯2歳ステークス アスクワンタイム

2歳戦の内、1400mで施行される重賞は今週の2重賞のみですが東京で行われる京王杯はスピード勝負の色合いが濃く、前走から距離延長で臨んできた馬が好成績を収めています。

同距離(4,2,3,41)勝率8.0/複勝率18.0
距離短縮(1,3,3,26)勝率3.0/複勝率21.2
距離延長(5,5,4,39)勝率9.4/複勝率26.4

中でも優秀なのは小倉2歳S組で、過去11頭が出走し(3,1,2,5)。今回該当は勝ったアスクワンタイムと②着だったミルテンベルクですが、瞬発力勝負になる東京でならより後ろから脚を使えるアスクワンタイムが引き続き有利と見ます。全兄ファンタジストもこのレースを制しており兄弟制覇の期待大でしょう。


■京都11R/KBS京都賞ファンタジーS ピューロマジック

同じ1400mの2歳重賞でも、京王杯と違いこちらは距離短縮組が有利です。

同距離(1,4,3,36)勝率2.3/複勝率18.2
距離短縮(3,3,2,13)勝率14.3/複勝率38.1
距離延長(3,0,2,23)勝率10.7/複勝率17.9

但し、前走でこれを超える距離を使ってきた馬というのはそもそも多くなく、今回のメンバーではヒヒーン、テラメリタ、ワイドラトゥールの3頭のみ。回収率の観点で見れば短縮組が単回69/複回79なのに対し延長組が単回378/複回167と圧倒。馬券妙味を考えれば「激走しそうな距離延長組」を狙うのが近道と言えるでしょう。距離延長=前走芝1200mを使っているとなるとほぼほぼ小倉か北海道に限られるのですが、うち「北海道開催で前走0.6以上千切って勝ってきた馬」は(1,0,1,0)と2例とも好走(17年ベルーガ①着、15年ブランボヌール③着)していました。

それに唯一該当するピューロマジックの前走は、先行勢で唯一荒れた内側を通りながら直線では後ろを振り返る余裕を見せ1.7差の圧勝。馬場が良くなるにつれパフォーマンスを上げている点からも今の京都の馬場は向いており、母メジェルダも15年のこのレースで②着。1400m迄なら守備範囲と見ます。

2023年11月3日金曜日

【11/3(金・祝)予想】JBC4競走の注目馬

■門別11R/JBC2歳優駿 サンライズジパング

2歳戦の早期化が進む一方で、供給が追い付いていないこともあり多くのレースは10頭以下、地方や中央の1勝クラス戦では5~6頭というレースも珍しくはありません。一方このレースは来月の全日本2歳優駿に繋がるステップとして、中央馬VS道営馬の構図となり多くの馬が集まります。前身の北海道2歳優駿の時代を含めた近5年で見ると、それまでに10頭立て以上のレース経験が無かった馬では2018年のミヤケの③着が最高。中央馬にしろ地方(道営)馬にしろ、多頭数の経験がある馬を優先して買いたいレースです。

実質的に中央勢VS道営勢というレースですが、道営勢で人気が予想されるサンライズC組の2頭は何れも9頭以下の小頭数戦しか経験が無く、いきなりの多頭数戦は少々不安。となると中央勢を上に見たいところではあるものの、フォーエバーヤングは矢作厩舎でダートの新馬戦を勝った馬は次走(0,2,0,9)とほぼ壊滅状態の中強くは推しにくく、折り合えない育成の武幸四郎厩舎の2頭はこの距離でどうか、芝の小頭数戦しか勝っていないモアリジットも未知数となれば、大外枠でもサンライズジパングとなるでしょう。当時下したアンモシエラは次走ですぐ勝ち上がりとレースレベルも決して低くなく、4角で膨れたようにまだ若さを見せつつも勝ち切った内容は十分に評価できます。1週前にはウッドで51.4-11.7の好時計でノットゥルノに先着するなど状態も問題なく、軸として信頼。


■大井9R/JBCレディスクラシック ラブラブパイロ

レースクラッシャー・テリオスベルの参戦で一筋縄ではいかなさそうなメンバー構成。人気が予想されるアイコンテーラーを含め、JRA勢の多くは前から行きたい馬ばかりでテリオスベルが行き切った後で3角あたりから動こうとすれば大井の重い砂に消耗する可能性が高いです。唯一アーテルアストレアは控えてレースが出来ますが、菱田J→武豊Jと相次いで怪我で乗れなくなり、運悪く騎乗経験ある騎手全員がアメリカ、門別、先約で乗れずテン乗りのデムーロJに乗り替わり。ベストは左回りでもありここでのパフォーマンスが未知数なだけに、地方馬にもチャンスある舞台と見ます。牝馬大将格はもちろんフェブラリーS⑥着のスピーディキックですが、元々使える脚が一瞬で好位からひと脚というタイプにつき、先行馬が下がってくるのをどう交わすかという課題もあります。

それならば近走で強い競馬が光るラブラブパイロの一発に期待する手はないでしょうか。4走前のベガ賞(B2B3)では37.1の脚を繰り出して1.8差の圧勝でしたが、このレースは向こう正面から先頭に立ってなお最後まで伸び続けたという強い内容。そもそも37.1という上り自体大井では稀にみるレベルの切れ味で、それを1600mのレースで出しているのですから今の充実ぶりは本物でしょう。2走前に2000m戦を勝っており距離も問題なく、馬込みを嫌うタイプですから外枠を引けたのも好材料。基本前に行った時しか好走できない西J(サルサレイアに騎乗)からテン乗りとは言え今節人気薄での好走が目立つ藤田Jに乗り替わりはプラスと見てよく、前半上手く押さえが効けば末脚で台頭余地あると見ます。


■大井10R/JBCスプリント リメイク

ドンフランキーが居ない以上、この条件では不動の軸です。他の馬もリメイク未満のメンバーの交流重賞で力量の限界を露呈している馬ばかりで、「地元じゃ負け知らず」状態の上がり馬も見当たりません。


■大井11R/JBCクラシック ケイアイパープル

コーナー4つ以上の舞台で早めのスパートからタフな勝負に持ち込むのが身上で、砂の入れ替えでタフになった今の大井の馬場はこの馬に味方するはずです。ウィルソンテソーロの位置取りが鍵ですが、これまでは中団から自然にこぼれてくる先行勢を受け止めればよかったのに対しケイアイパープルのような脚の使い方をされると厄介なはずです。メイショウハリオ、テーオーケインズの実績馬も次を見据えたレースでもあり早目に動くことは無いはずで、ワンチャンを狙う他の馬がそれらの動きを待つような展開になればあれよあれよの好走も。

2023年10月29日日曜日

【10/29(日)予想】天皇賞の全頭評価とねらい目レース(秋嶺S)

■東京11R/天皇賞(秋)

[1]①ノースブリッジ(岩田康)

前走のオールカマーでは半ば強引にインの3番手を取りに行くも、直線で伸びを欠き0.5差⑦着。+12kgで自己最高の500kgという馬体重を見れば決してメイチの仕上げでは無かったでしょうが、春にAJCCを勝った舞台で、先行争いで押し込んだガイアフォースにさえ先着できなかったパフォーマンスはこの馬の現状でしょう。時計勝負に巻き込まれるこの舞台に替わるのもプラスではなく。

[2]②エヒト(横山和)

一瞬の脚を上手く活かすタイプで、良績は内回りやローカルコースに集中しています。長くいい脚を使えることが求められる東京向きではないうえ、11頭立てのここは1頭交わして10着を確保すればそれだけで440万円~の出走奨励金が手に入る舞台。森師の狙いは明らかで、後方インで垂れ待ちでしょう(ただ今回のメンバーはそれすらも難しそうではありますが…)。

[3]③ドウデュース(武豊)

昨年のダービーでイクイノックスを封じましたが、朝日杯FSを制した経歴からも本来ベストは2000m前後でしょう。2走前の京都記念も格下相手とは言え良化途上の中内有利展開を1頭だけ大外を回しての楽勝。春のドバイターフを取り消して以来のレースですが、中間は2週前、1週前とウッドで併せ馬を消化し負荷をかけられており体調面に問題は無さそう。最後の3Fで速い脚を使い続けられるタイプで、あとはダービーの時のようにイクイノックスより前で追い出せれば好勝負は必至でしょう。

[4]④ダノンベルーガ(モレイラ)

前走の札幌記念はここに向けての叩きの意味合いが強く、良化途上の出来の中で特殊な馬場コンディションもあり④着に終わりました。この中間は昨年の皐月賞・ダービーの時のように50秒を切るまでは行かないものの、1週前にウッドで50.0-11.2の動きを披露。陣営は香港を見据えているとのことですが、過去連戦で結果を残せていない点からもまずはここで恰好をつけることが先決のはずで、距離・舞台共に絶好のここは押さえは必要でしょう。

[5]⑤ガイアフォース(西村淳)

前走のオールカマーではスタート直後にインを取りに来たノースブリッジに進路をカットされるなど、道中スムーズさを欠き⑤着。元々道中からスピードに乗って押し切るタイプのレースが身上で自分のタイミングで行けないと難しいのに加え、セントライト記念を勝っているとはいえ急坂を2回上る中山のレイアウトも必ずしも合っているとは言えませんでした。やはり本領を発揮したのは3走前のマイラーズCであり2走前の安田記念で、ワンターンで平坦or緩い坂でスピードに乗れるコースが合っていることを証明しました。今回は距離こそ違えどほぼワンターンのコース設定で、最後の3Fにわたって11秒台前半クラスの末脚が求められる天皇賞のレース傾向を踏まえれば、位置を取ったうえで長くスピードに乗ったレースができるこの馬のチャンスも十分に考えられます。今回、デビュー以来初めてウッドで時計を出しており状態は文句なし。鞍上も前々からのレースを公言しており、2強が互いをけん制しあう展開になれば前で利を得る可能性も。

[6]⑥ジャスティンパレス(横山武)

器用な立ち回りができるタイプではなく、前走の宝塚記念も道中位置取りを落としてしまい③着。それでも3歳時の皐月賞や有馬記念で見せ場を作れなかったことを考えれば成長を感じるレースで、ワンターンの大箱に替わることはプラス。遠征競馬ではなかなか結果を残せていませんが、スピードを持続させられる能力は菊花賞・春の天皇賞で証明済で、あとはコースを知る鞍上がどう導くか。地力では引けは取りません。

[6]⑦イクイノックス(ルメール)

前走の宝塚記念は必ずしも完調とは言えないコンディションの中で、後方から運んでタイム差なしの勝利。②着のスルーセブンシーズは直線で不利を受け切り替えたロスがあってのもので、相手がスムーズならどうだったかというのはありましたがその後スルーセブンシーズは凱旋門賞で④着。改めて世界レベルの水準を示したレースであったことが証明されましたし、今回は時計の出方も昨年の天皇賞や有馬記念の時に近く体調も問題なし。32秒台の脚も持っているだけに、少なくとも実力勝負でこのコースで複勝圏内を外す姿は考えられません。あるとすれば、皐月賞・ダービーの時のように前にいる馬を捉えきれなかったパターンで、敵はドウデュース一択と狙い撃ちした時に他の誰かにやられる可能性くらいでしょうか。

[7]⑧ヒシイグアス(松山)

この中間はいつになく熱心に負荷をかけられていますが、堀厩舎のこのやり方は動きに納得がいっていない時の調整です。最終追いもタイムは出ていましたが、外を通ったダノンベルーガに手応えで劣る内容。タイプ的にも中山や阪神内回りなどで一瞬の脚を活かしたいクチで、ワンターンの瞬発力勝負では分が悪く。

[7]⑨プログノーシス(川田)

前走の札幌記念の価値をどう見るかで評価が分かれますが、現状としては春の金鯱賞のパフォーマンスが参考に。上がりの掛かる中京で33.9の脚で外から差し切った内容は、G2クラスでは一歩抜けた力を示したといってよいでしょう。折り合いに難がありペースが流れるのは好材料で、同じようなレーススタイルのイクイノックス、ドウデュースに混ざってどこまでやれるか、試金石の一戦でしょう。

[8]⑩ジャックドール(藤岡佑)

昨年の天皇賞はパンサラッサを行かせたのは良いとしても、離れた3番手集団につけて最後は瞬発力勝負に巻き込まれ④着。いきなりよそ行きの競馬をした藤岡佑Jへの批判が殺到したことは記憶に新しいですが、今回はそれ以来の騎乗。このコースは得意ではありますが今回はノースブリッジの出方も気にする必要がありますし、速いラップを維持出来るガイアフォースの仕掛けに耐えたうえで後ろの人気馬を待つというのは見た目以上に大変なレースなはずで。

[8]⑪アドマイヤハダル(菅原明)

前走の毎日王冠は溜めに溜めて上がり最速の33.1の脚を繰り出し④着。これだけ見れば距離が伸びてチャンスがあるかに見えますが、流れがきつくなる本番で前回以上に溜められる保証はなく、善戦が続いているとはいえもう2年半勝てていない点から成長力という点でも疑問の現状では。

<予想>
◎ガイアフォース
○ドウデュース
▲イクイノックス
△プログノーシス
△ジャスティンパレス
△ダノンベルーガ


■東京12R/秋嶺S レーヴリアン

左回りに良績が集中しており、1400mだとやや甘くなる面がありベストはこの条件です。毎年9~11月の涼しい時期が合う馬でもあり同時期は(3,3,0,1)でオール掲示板。1週前に速めをやり直前を流すのは毎回のパターンで、その中でも坂路でいずれも加速ラップを踏めているのも好調の証。得意条件のここは好勝負必至です。


2023年10月28日土曜日

【10/28(土)予想】アルテミスS・スワンSの注目馬

■東京11R/アルテミスS ライトバック

G3格付けを得た14年以降、良馬場で行われた8回の内上がり最速の馬は(6,2,0,0)。一にも二にも末脚がモノを言うレースになっています。逆に上がり最速でなかったにもかかわらず勝ったのは16年のリスグラシューと20年のソダシで、先行策で勝てるのは歴史的名牝クラスというわけです。ここはチェルヴィニアが番手から抜け出すレースをしに来るでしょうが、これに出し抜けを食らわせられる存在を考えた時に浮上するのが新潟の新馬戦を32.8の末脚で差し切ったライトバックです。

その新馬戦はスタートで寄れて後方から。終始後方馬群の中で我慢させるレースをさせ、直線でも進路を確保したのは内回りとの合流点を過ぎた300m少々の地点。そこから鋭く伸びたレースぶりは評価してよく、また前走で1800mを経験しているのも好材料。過去10年で距離短縮馬は(5,1,3,20)で勝率17.2%/複勝率31.0%で同距離(勝率6.7%/複勝率22.7%)・距離延長(勝率0.0%/複勝率10.0%)よりも結果の出るローテーションとなっており、大箱の末脚比べならここでも引けは取らないはずで。


■京都11R/MBS賞スワンステークス インダストリア

この馬は爆発力がある一方ダラっと脚を使ってしまうところがあり、理想としては3走前のダービー卿CTのようにギリギリまで追い出しを我慢する競馬が向いています。馬群でレースできる戸崎Jとは手が合っていましたが、ここ2戦の手綱を取ったルメールJはストレスフリーで伸び伸びと脚を使わせる競馬が得意なタイプ。エプソムCは馬場の影響があったとしても前走の京成杯AHのように外を回って進出するような優等生競馬をされてしまい、結果として末脚不発に終わりました。

で、今回はテン乗り丸山Jが宮田厩舎の2頭(新馬戦とスワンS)に乗るためだけに京都遠征。サンデーRの覚えのいい同騎手ですが、騎乗スタイルは「詰まり上等の馬群突っ込み」が特徴です。芝でもダートでも安易に外に出そうとせず馬群をこじ開けるレースができるタイプですが、それだけに末脚の絶対値の高い社台系の有力馬で取りこぼすシーンも少なくありません。ただ今回のインダストリアに限って言えば、詰まって脚が溜まり最後に進路が出来た瞬間に一気に伸びてこられるタイプですから丸山Jと手が合う可能性は高く、ここは名コンビ誕生の瞬間が見られるかもしれません。

2023年10月22日日曜日

【10/22(日)予想】菊花賞の全頭評価とねらい目レース(妙高特別)

■京都11R/菊花賞

[1]①トップナイフ(横山典)

クラシック2走は折り合い面を重視してか後方から運びましたが、元々切れる脚を持っていないだけにこの馬の上がりでは追いつくことができませんでした。前走の札幌記念はスタートはソロっと出すも雨上がりで他の馬が避けるラチ沿いを通ってショートカット、ほぼほぼコーナーワークだけで先頭に立ちましたが最後はプログノーシスに突き放されての②着に敗れました。元々位置取り不問で結果を出してきた馬であり、気分良く走れさえすればキレの問われない舞台なら好走可能なポテンシャルを有してはいますが、一気の距離延長となる今回は皐月賞・ダービー同様の後ろポツンが想定されるだけに、皐月賞でも0.9差⑦着が限界だったことを踏まえれば平坦の京都で捕まえられるかは半信半疑で。

[1]②ウインオーディン(三浦)

2走前の阿賀野川特別はハイペースで折り合いがつき、まくりが決まりやすい展開にも乗じて②着を確保しましたが、前走のセントライト記念では序盤収めるのに苦労しほぼ何も出来ずの⑥着。3000m戦で前走(60.1)以上のハイペースになることは考えにくく、序盤で消耗する懸念が大きいです。

[2]③シーズンリッチ(角田河)

折り合いに難があり、これまでの2勝は何れもワンターンでのもの。前走の神戸新聞杯も序盤から口を割って競馬にならずの⑩着で、距離短縮局面で狙いたい馬につき。

[2]④ダノントルネード(西村淳)

前走の日本海Sは積極策で運ぶも追ってから案外で、デビュー以来最低の1.1差⑪着。ドスローで溜めに溜めて直線向いてから脚を使うレースでは結果を残せていますが、ペースが流れたりなし崩し的に脚を使うレースは向いておらず、ここもコーナーからの仕掛けが必要な舞台につき。

[3]⑤パクスオトマニカ(田辺)

ダービーは最後バッタリ止まってしまい⑬着でしたが、控えても味のないタイプにつき前に行くしか戦法はないでしょう。但しヴィクトワールピサ産駒は長距離実績が皆無で、2600m以上では(0,0,0,4)。ここでどうにかするのは難しそうで。

[3]⑥リビアングラス(坂井)

2013年以降の京都開催で2度複穴を輩出している阿賀野川特別の勝ち馬。その前走は前半58.9というかなりのハイラップを逃げ切る強い内容でした。実はデータが取れる1986年以降で、「芝2200m以上のレースで前半58秒台以下で逃げ切った」例はこのレースを含めたったの4例(減量騎手騎乗を除く)しかなく

1998/7/12 宝塚記念 阪神芝2200m サイレンススズカ 58南井 58.6
2004/9/19 セントライト記念 中山芝2200m コスモバルク 56五十嵐冬 58.8
2007/12/1 美浦特別(3歳上1000万下) 中山芝2500m ネヴァキングダム 55ペリエ 58.3
2023/8/20 阿賀野川特別(3歳上2勝C) 新潟芝2200m リビアングラス 55吉田豊 58.9

と歴史的名馬にも匹敵する好タイムでありました。長い距離のレースは騎手がスタミナを意識してかスローになりがちで本来の力が見えにくい展開が多く、今よりもペース意識が低かった一昔前はステイヤーズSなどの長距離戦はさながら高齢馬の同窓会でありました。逆を言えば、長い距離のレースでもそれなりのスピードで走り切れるということは本質的な強さの証でもあり、これが先行勢が上位を占める決着であったなら馬場に恵まれたという見方もできますがそうではなく、実際このレースは②着以下はまくりか追い込みの馬ばかりで、序盤に先手を取った馬はことごとく沈んでいます。本来後方勢が有利になる展開で逃げ切った価値は大きく、強気に乗れれば十分にチャンスはあるでしょう。

[4]⑦タスティエーラ(モレイラ)

結果的に皐月賞はソラを使った分の②着で、前にも横にも馬を置いて理想的に追い出せたダービーのパフォーマンスが本来のこの馬の強さだったといえます。それだけに真ん中の枠を引けたのは好材料で、状態面から前哨戦を自重した経緯はあるとはいえこの中間は2週連続でウッドで軽快な動きを見せており、ここに向けての仕上がりに問題は無さそうです。

問題は菊花賞が「ぶっつけ本番は来ない」レースだということ。過去10年の勝ち馬の内最も間隔が空いていたのは18年勝ち馬のフィエールマンが辿ったラジオNIKKEI賞からのローテで「中10週」。そもそもダービーからの直行は1例(21年ディープモンスター⑯→⑤着)だけで、どちらかと言えば菊花賞の前哨戦は「賞金が足りないので権利が欲しい」か「距離が問題ないか確認したい」という意図での参戦が多く、この馬自身の能力に問題が無ければ直行ローテ自体は問題視しなくても良いでしょう。仮にそれが理由で人気が落ちているのであればむしろ買いという考え方も。

[4]⑧サヴォーナ(池添)

位置を取る競馬にチェンジして取り口が安定しており、前走の神戸新聞杯も緩い流れで②着に踏ん張りました。但しトライアルで他馬の仕掛けがギリギリになった分もあり、ここは早めに動かざるを得ないレースになることが見込まれるだけに。

[5]⑨ノッキングポイント(北村宏)

前走の新潟記念では広いコースのワンターン、得意の左回りで能力全開と言った走り。コーナー6つの右回りに替わるのはプラスではなく、モーリス産駒も出世した馬の大半は短中距離馬という現状につき。

[5]⑩マイネルラウレア(岩田望)

若駒S後頓挫があり、春2冠は十分とは言えない態勢で⑭⑤着。坂路オンリーの調整過程には攻め切れないもどかしさも滲んでいましたが、復帰してからは前走の神戸新聞杯も含めウッドでの追い切りを再開。状態は良い頃に戻りつつあります。但し気になるのが、2連勝していたころは最終の坂路で加速ラップを踏めていたところ、前走も今回も逆時計になっている点。完調とまでは言えないのか、気持ちの問題なのかは何とも言えませんが、まだ諸手を挙げて買える段階には至っていないと見ます。

[5]⑪サトノグランツ(川田)

前走の神戸新聞杯の時も十分に負荷をかけられての臨戦で勝ち切りましたが、今回も1週前にウッドで3頭併せの真ん中、直前は坂路で52秒台をマークするなど、2走前のダービーより3走前の京都新聞杯に近い調整過程。その京都新聞杯も、前走の神戸新聞杯同様に絶体絶命と思われた位置から馬群をこじ開けての差し切り勝ち。これが出来るのが川田Jの強みであり、理想はもう少し内目かもしれませんがコーナー6つで立ち回りを要求される舞台は得意とするはず。3歳秋に旬を迎えたサトノダイヤモンド産駒らしく、ここでの成長に期待する手は十分にあるでしょう。

[6]⑫ハーツコンチェルト(松山)

前走の神戸新聞杯ではやはり右回りを克服できず⑤着。ダービー時にも述べた通り母ナスノシベリウスの子たちはゆったりローテで結果を出してきており、休み明けという言い訳は通用しなかったはずです。引き続きの右回り+相手強化では手を出しづらく。

[7]⑬ナイトインロンドン(和田竜)

前走の神戸新聞杯はパドックから入れ込み気味で、レースでも直線失速し⑪着。これまで好走は輸送距離の少ない関東圏か滞在で臨める札幌に限られ、輸送をこなす京都で平常心で臨めるかはハードルが高いです。

[7]⑭ソールオリエンス(横山武)

前走のセントライト記念自体は安全策で外を回した分の②着で、勝ったレーベンスティールとは枠も通ったコースも違いました。距離が延びる本番を見据え、気持ちを入れ過ぎないレースをしたと見るべきでここに向けての準備として減点材料ではないでしょう。ただ、ダービーでタスティエーラを目標に進んでおきながら最後差し切れなかった点を踏まえれば、少なくともこの馬の末脚が他より頭一つ抜けているというわけではないことはハッキリしたと思います。距離を考えればあまり最初からポジションは取りたくないですが、かといって控えると間に合わない懸念があり、難しいかじ取りを迫られる舞台ではあります。

[8]⑮ファントムシーフ(武豊)

皐月賞、ダービーで言及した通りなし崩し的に加速するのではなく直線向いての加速が得意な大箱向きタイプです。ハービンジャー産駒なので距離は良いでしょうが、下り坂からの加速が課題につきこの外枠はロスが大きい懸念が。

[8]⑯ショウナンバシット(M.デムーロ)

皐月賞は渋った馬場のわりにペースが速く、後方のインを進み最後はタスティエーラと併せ馬に持ち込むシーンも見せての⑤着と健闘しました。ただダービーはスタートから全く進んでいかず、ほぼ流れ込むだけの⑯着。陣営曰く連戦+輸送続きの疲労を原因に挙げており、-12kgという馬体にもそれは現れていました。前走の神戸新聞杯も夏負けの影響でダービー後の立て直しに時間がかかり、良化途上の中で0.4差⑦着。ただスローの前有利展開で4角10番手から33.2の上がりを使って差を詰めており、状態面も踏まえれば一概に悲観する内容ではありませんでした。ひと叩きされた今回、状態は格段にアップしておりウッドでの最終追いで馬なりで50.9-11.6をマーク。最終でここまで時計が出るのは7走前の未勝利戦時以来で、それも当時は3頭併せの内で強めに追ってのもの。絶対的な上がり勝負では分が悪く、本来なし崩し的に脚を使うレースが向いているタイプで、この枠はどうかも今度こそちゃんと位置を取れれば巻き返しは可能なはずです。

[8]⑰ドゥレッツァ(ルメール)

稍重馬場で取りこぼした新馬戦以降4連勝。連勝中は何れも上がり最速の脚を使えており、良馬場でこそというタイプでしょう。この中間もウッドで好時計を連発しており今の調子と勢いなら同世代戦でなら通用してもおかしくはないですが、2走前と3走前はスローの前付けで勝っておりそれなりにペースが流れるここは後方からのレースになりそうで、そこから届くかどうかは未知数です。

<予想>
◎リビアングラス
○サトノグランツ
▲タスティエーラ
△ソールオリエンス
△ショウナンバシット
△トップナイフ
△ドゥレッツァ
△ファントムシーフ


■新潟10R/妙高特別 オーガスタスカイ

外目の枠を引けることの多い幸運も手伝ってかこのコースは(2,0,1,0)と得意にしており、2走前の新潟戦は不良馬場で先行押し切りと今日の馬場も合っています。おまけに富田Jは今年このコースで(4,1,2,4)と勝ちまくっており、単回289/複回201と妙味も十分。コース実績ある馬が多く人気がばらけそうなのも好都合で、ここはチャンスでしょう。

2023年10月21日土曜日

【10/21(土)予想】富士Sの注目馬とねらい目レース(北陸S)

■東京11R/富士ステークス ダノンタッチダウン

来年2月で定年を迎える安田隆師。春は体調が整わない中で最後のクラシックに間に合わせようと皐月賞に無理遣いしシンガリ負け、続くNHKマイルCもプール+坂路という軽い調整しかできない中で後方有利展開を中団から脚を伸ばし④着に健闘。十分に間隔を取られたこの中間はコースも併用ししっかりと負荷をかけられており、良馬場であればこの馬の末脚を存分に発揮できそうです。現3歳世代はエルトンバローズが毎日王冠で大金星を挙げるなど古馬と伍せるレベルにあると見られ、シャンパンカラーも不在のここなら十分に台頭可能です。


■新潟11R/北陸S オタルエバー

石橋脩Jはこのコースにおける近3年の成績が(3,1,3,9)。勝率18.8%、複勝率43.8%と優秀な上単回146/複回213と馬券的にも頼れる存在です。オタルエバー自身も2歳時には新潟2歳Sでセリフォスと0.3差の③着に好走するなど当地実績(1,0,1,0)で、平坦コースをスピードに乗って走るのが得意なタイプ。前走の佐世保Sで前半32.8という激流を経験したことで行き脚もつくはずで押し切り濃厚と見ます。

2023年10月15日日曜日

【10/15(日)予想】秋華賞の全頭評価

■京都11R/秋華賞

[1]①フェステスバント(酒井)

スロー逃げでしか結果を残せておらず、2000mも未経験。前走で控えて勝ったこともありここも無理にハナは主張しない見通しで、特段の切れ味も見せられていない現状では浮上する要素が見当たりません。

[1]②ハーパー(ルメール)

クイーンC~桜花賞の頃は馬体維持が難しかったりマイルの流れについていけなかったりと未完成ながら①④着と順応し、オークスでも大差をつけられたものの自分のレースに徹して②着。ルメールJは相手に関わらず冷静な判断ができる騎手で、一か八かの騎乗をするタイプではなくこういった力量差のある相手が居てもしっかりと着を拾ってきます。内枠、内回りで立ち回りの不器用さが露見する懸念はありますが、ハーツクライ産駒の成長力を加味すればここでも十分善戦可能でしょう。

[2]③マラキナイア(池添)

控える競馬にチェンジしてから戦績が安定。チューリップ賞でも先行有利の流れの中で0.3差まで迫っており、世代の中では屈指の切れ味を見せています。但しこれまでのキャリアは全てワンターンの1800m以下。母は現役時代マイル専だったカウアイレーンで、ジャスタウェイ産駒のこの馬にコーナー4つの2000mをこなせというのは現時点では酷かもしれません。

[2]④コナコースト(鮫島駿)

前走のオークスではスタートで隣の馬にぶつけられたのもあり、位置を取れず⑦着。桜花賞では早目の流れを2番手から進め、リバティアイランドには屈したものの最後に競りかけてきたペリファーニアを差し返すなど父譲りの勝負根性を見せており、やはり好位を取ってこその馬です。京都開催の秋華賞は最後の3Fだけの勝負になることは無く、直線の短さもあって残り800m、すなわち3コーナーくらいからじわっと加速できるかが鍵となります。切れ味勝負に持ち込まれると厳しいこの馬にとっては脚質的にも合う舞台で、内目の枠を引けた今回も桜花賞のとき同様に好位のインを確保できれば通用してよく、猛時計を連発している中間の動きからももう1段階の成長が見込めそうです。

[3]⑤ドゥーラ(斎藤)

オークスはリバティアイランドが突き抜けた後のズブズブの差し有利展開に乗じての③着確保でしたが、前走のクイーンSは得意のまくり戦法が嵌っての①着。札幌はコース長に対しコーナー径が大きく、まくってもロスの少ない形態をしておりこの馬の脚質に合っています。奇しくも京都内回りもまくり前提のコースレイアウトで、もう少し外枠を引きたかったのが本音でしょうが上手く捌ければここでも再度チャンスありでしょう。

[3]⑥リバティアイランド(川田)

オークスを勝った後は休養に充てられ、当時466kgだった馬体重は調教後時点で490kgとビルドアップ。仮に成長が無かったとしてもこの世代では抜けた存在ですが、型通り成長しているのであればその力量を疑う余地はないでしょう。京都2000mは決して向いているコースではありませんが、桜花賞も絶体絶命の位置から差し切ったように、300mあればこの馬のエンジンなら間に合うはずで。

[4]⑦マスクトディーヴァ(岩田望)

前走のローズSでは自身の持ち時計を4秒以上も短縮するレコード勝ち。過去2勝は何れも渋った馬場で、良馬場のスピード比べにおいてここまでのポテンシャルがあるとは正直思いませんでした。祖母ビハインドザマスクから受け継がれる極上の末脚を発揮したレースでしたが、その祖母は前哨戦を走り切った後の本番でパフォーマンスを落とす傾向にあり重賞は3勝したもののついにG1には手が届きませんでした。デビュー以来最短の中3週で臨む今回、パフォーマンスを上げる期待は持ちにくいです。

[4]⑧モリアーナ(横山典)

前走の紫苑Sは1完歩目で内に寄れてミタマと接触したこともあり、無理せず最後方からの競馬を選択。トライアルですからペースが速くなることは予想できましたが、想定以上に馬場の回復が速く4番手を進んだヒップホップソウルも②着だったことを思えば一概にハイペースとは言えず、直線も何度か進路を切り替えるロスがあっての差し切りですから必ずしも恵まれただけの勝利では無いでしょう。少なくとも、距離は伸びて正解でした。

ただ、陣営コメントで「前走は帰厩後3週間で仕上げる必要があり、今回は5週間(中4週)で余裕があった」と語られていましたがこれは逆で、武藤厩舎では少数派に属するノーザンファーム生産馬ゆえ前走時は天栄で充実した夏休みを過ごせたことも好走の要因だったはずです。阪神JFで大敗した時のように輸送でテンションが上がる面もあり、それがひと夏を経てどこまで解消したかは不透明。コース形態、前走でかなり強い競馬をした反動も含め、ここはオッズほどの妙味がある場面ではないと見ます。

[5]⑨ミシシッピテソーロ(石川)

前走の紫苑Sでは初の2000mに対応し掲示板を確保しましたが、控えた馬が展開利を得る流れの中で末脚にも特に見どころは無く、成長を見せられたレースとは言えませんでした。良績も左回りに集中しており、インを取れれば話は別ですが右回り・内回りで見せ場を作る期待は薄いです。

[5]⑩グランベルナデット(松山)

前走の紫苑Sは確かにハイペースで外を回らされた分はありましたが、それより前にいたヒップホップソウルが0.1差の②着に踏みとどまったことを考えれば案外というレースでした。過去2勝は何れも4角2番手以内の強気のレースをしたときで、本番を見据え控えさせたことも敗因の一つと思われます。陣営は「リズム重視のレース」をさせる方針で、前々で運ばせられれば一変の可能性も。

[6]⑪キタウイング(江田照)

前走のクイーンSはスタートで挟まれ制御不能になったうえ、直線ではイズジョーノキセキに進路を塞がれる不利もあり⑧着。全く競馬にならなかった一戦で参考外と見てよいでしょう。この中間は小島茂厩舎お得意の栗東滞在を敢行しましたが、元々調教は地味なタイプとは言え直前の坂路では最後の1Fで止まってしまうなど、桜花賞や阪神JFと比べても良い内容とは言えず。距離に目途を立てたとも言い切れない現状でどこまで。

[6]⑫ドゥアイズ(西村淳)

オークス以来の一戦ですが、2週前にはCWで50.9-11.5の好時計をマーク。4Fが51秒を切ってくるのは阪神JF③着時以来の良い動きで、直前を手控えたのはテンションに配慮してのもので問題なし。距離短縮となる今回まともなレースが出来れば巻き返しの余地も。

[7]⑬ラヴェル(坂井)

前走のローズSは元々苦手な右回りのうえ、終始包まれスムーズさを欠いての⑭着。距離延長となるここは多少は位置取りも改善するでしょうが、不利もあったとはいえ全く伸びなかった前走を見ると現状右回りでは過度な期待はかけられないでしょう。

[7]⑭コンクシェル(幸)

前走のローズSは控えさせた結果スムーズさを欠き⑫着大敗。母ザナの子供は気持ちの難しい面があり、2つ上の全姉マリーナは短距離専門、1つ上のシンシアウィッシュも気分良く行けないと脆い馬で、コンクシェル自身も夏の連勝は逃げてのもの、アネモネS②着も最後方からという思い切ったレースが向いています。陣営はハナにはこだわらない姿勢を見せていますが、逃げを好まないモレイラJと違い昨日の太秦Sでメイクアリープを逃がすなど臨機応変な騎乗の出来る幸Jに乗り替わったことで、その場の判断で行かせてしまうことも考えられます。上記で挙げた姉たちは道悪巧者で、昨日の雨がどこまで残るかは見通しにくいですがリニューアルでかなり改善されたとはいえ淀川のそばという立地を考えれば劇的に水はけがよくなることは考えにくく、重たい馬場で気分良く行かせればよもやの一発も。

[7]⑮ヒップホップソウル(横山武)

前走の紫苑Sは先行馬が残せない早目の流れの中を最後まで踏ん張り、見せ場十分の②着。リズムよく運べれば強い馬ですが、ダンシングキイ一族らしく気難しい面があり今回初の中4週+初の関西遠征と超えるべきハードルは多いです。

[8]⑯ピピオラ(藤岡康)

阪神・中京で見せ場なく、京都・東京・小倉で3連勝と平坦コースでひと脚というタイプです。内回りコース向きの機動力を持っており、自分のポジションが取れればチャンスはあるでしょうが流石にこのメンバーでは好位を取りたい馬が多く、枠的にも苦戦は免れないでしょう。

[8]⑰ソレイユヴィータ(武豊)

平坦コースで(3,1,0,0)という馬でコース替わりはプラスですが、内枠を引くかスローペースで恵まれないと好走は難しく、この枠とメンバーでは力試しの意味合いが強いです。

[8]⑱エミュー(M.デムーロ)

前走の紫苑Sは得意の急坂コースに後方有利展開とこの馬の走る条件だったはずでしたが見せ場なく⑨着。平坦コースに替わるここでは前進期待は薄いです。

<予想>
◎コンクシェル
○リバティアイランド
▲コナコースト
△ハーパー
△ドゥアイズ
△ドゥーラ
△グランベルナデット

2023年10月14日土曜日

【10/14(土)予想】府中牝馬Sの注目馬とねらい目レース(阪神9R)

■東京11R/アイルランドトロフィー府中牝馬S アンドヴァラナウト

エアグルーヴ牝系らしく左回りが得意で、昨年のこのレースも③着に好走しています。折り合い面からも壁を作りたいタイプで中枠も好材料。マイルだと忙しい一方距離が伸びて良いタイプでもなく、この東京1800mは狙いすました条件で見直し必要でしょう。


■阪神9R シゲルローズマリー

折り合いの難しい馬で、距離短縮時は①①③着とパーフェクトに走れています。外枠を引いたのは少々懸念ではありますが、ワンターンの距離1400mであれば上手く内に入れられるかと…

2023年10月9日月曜日

【10/9(月・祝)地方競馬予想】南部杯の予想

■盛岡12R/マイルチャンピオンシップ南部杯 イグナイター

盛岡ダート1600mコースは2コーナー奥の長い引き込み線からスタートするワンターン。砂質も軽く地方としては割とスピードタイプの馬場が特徴で、過去5年の勝ち馬を見ても1800m以上の中距離馬より1600m以下の短距離~マイル適性を見せている馬が好走しています(昨年②③着のヘリオス・シャマル、一昨年②着のヒロシゲゴールドなど)。加えて、最後の直線で内に押し込められずに運べる「外3番手」くらいのポジションを取れるかが鍵となり、よっぽど内からワープするのが上手い騎手が居れば話は別ですが理想は「1400m以下にも実績のある外枠の先行馬」を狙いたいところです。近3年のフェブラリーSを独占しているレモンポップ・カフェファラオは揃って内枠で、前者はUAE遠征が案外で輸送がどうかで、後者は立ち回りが難しいうえテン乗りの高松Jと不確定要素が大きく、ジオグリフも本来距離はもっとあった方が良いタイプでワンターンのマイルで好走できる絵は描きにくいです。

そんな中この推奨条件にぴったり合致するのがイグナイター。世間的にはマイルは長いと思われていますが短距離馬でも好走できるのがこの南部杯で、昨年も0.2差の④着と健闘しました。中枠の短距離馬が前を取れば砂(泥?)を被らずに運べそうで、夕方から降る雨で脚抜きの良い馬場になればよりプラス。あえて敵なしの園田の重賞を叩いて中2週で挑む点もぶっつけの昨年より良い臨戦で、紛れ無しのスピード勝負になる1200mのJBCスプリントより実はこちらの方がこの馬にとっては勝機と見ます。

【10/9(月・祝)予想】京都大賞典の注目馬とねらい目レース(グリーンチャンネルC)

■京都11R/京都大賞典 ヒンドゥタイムズ

小倉大賞典を勝って以降は展開の向かないレースが続いており、3走前の大阪杯・2走前の鳴尾記念・前走の七夕賞と内前有利を外を回して追い込む競馬で⑯⑦⑦着。京都は開幕週ながら差しの効くコンディションで、昨日のオパールSも逃げ切ったメイショウゲンセンに続いたのは4角10番手以下から追い込んできた2頭でした。ようやくこの馬の脚質が向きそうなレース条件になったといえ、平坦コースで(2,2,1,2)という戦績からも昨年④着だった阪神から京都開催に戻るのはプラス。馬場もよくて稍重、という程度で極端なキレ勝負にはならなさそうで、3角くらいから動き出す展開で最後前が止まれば一発も。


■東京11R/グリーンチャンネルC ハセドン

末脚の爆発力は誰もが知るところですが、いかんせん消耗が激しいタイプで詰めて使えません。それだけに3か月半ぶりのここはいきなりやれる態勢にあり、脚抜きの良い馬場は3走前のバレンタインS①着で適応済。前走のようにコーナー4つの舞台は得意でなく、ワンターン、広い東京コースで巻き返し可能と見ます。

※南部杯は後程更新します。

2023年10月8日日曜日

【10/8(日)予想】毎日王冠の注目馬

■東京11R/毎日王冠 ノースザワールド

昨日から開幕した秋の東京開催。猛暑の影響で芝の生育は非常に良く、びっしりと生えそろった芝コースで騙しなしの瞬発力勝負が繰り広げられました。メインのゴンバデカーブースはわかりやすいですが、芝で行われた9Rのtvk賞も4F通過が49.2というスローペースながら前に行った馬が残せない決着になったことからも、どこにいようが末脚の使えない馬は通用しないというコンディションです。かといって後ろ有利なのかと言われれば必ずしもそうではなく、前にいてもそれなりの脚を持っていれば残せはするわけです。

人気上位の3頭は何れも後ろから行く馬たちですが、3頭とも東京コースで32秒台の脚で勝った実績を有しており、ここで好走する資格は十分と言えます。しかしながら、何れもここが目イチというはずはなく、ソングラインに至っては中3週でBCマイルに遠征する前提ですからここはあくまで本番で折り合わせるための試走という意味合いが強いです。そういった意味では他2頭も含めて無理をせず直線向いてからの脚でどこまで、というレースをすることが想定され、それでも大半の馬たちは交わせるでしょうが唯一ここで残せる可能性があると考えるのがノースザワールドです。

相手なりに好走できるタイプで、前に目標を置いてレースができるのが理想です。3走前のスピカSは離し逃げを打ったテーオーシリウスの2番手を追走し、重馬場で参考程度ではありますが当時⑤着だったローシャムパークに0.6差をつけての快勝。前走のメイSはスタートでアオって先手を取れなかった分の⑦着で参考外。11走前の須磨特別ではスローペースでもない中33.2の脚を使って差し切ったように持てるポテンシャルは高く、バビットがハナを主張して2番手を確保できればじっくり構える人気馬に一泡吹かせられる可能性は十分でしょう。

2023年10月7日土曜日

【10/7(土)予想お休みします】

息子の運動会のため、予想お休みいたします。

好天にも恵まれ絶好の競…運動会日和ですね。全b、いや全員の無事完走を祈ります。

2023年10月1日日曜日

【10/1(日)予想】スプリンターズSの全頭評価

■中山11R/スプリンターズS

[1]①ナムラクレア(浜中)

前走のキーンランドCでは直前の大雨で芝が掘れるコンディションで外目を回り完勝。本来は時計勝負に強いタイプですが、タフな馬場でも結果を残せたのは収穫でしょう。ただこの馬の場合連戦でパフォーマンスを落とすことが課題で、昨年は北九州記念③着から中5週で⑤着。内有利馬場でインに入れなかったりマークしていたメイケイエールが早々と失速したりとツキもありませんでしたが、それ以前にもファンタジーS②着→阪神JF⑤着と中4週で勝ち切れておらず、ここもタフな前走を勝ってからの上積みというのは厳しそうです。枠の利で押さえは必要でしょうが、本来1番人気になる存在なのかと言われると…?

[1]②テイエムスパーダ(富田)

行けなかったことが課題でしたが、前走のセントウルSではノーマークの逃げが叶い久々の勝利。但しこの馬自身は決してゲートが上手いわけではなく、昨年のこのレースでも両隣に出負けして無理やりハナを取り切っての⑮着でしかなく、行きたい馬も居るこのメンバーでは自分の形に持ち込むのは難しそうです。

[2]③ピクシーナイト(戸崎)

いつもは50秒台で坂路を駆け上がってくるはずのこの馬が、中2週とは言えこの中間は時計は54.2-12.1の1本だけ。勝った一昨年も同じローテ、同じ調整過程でしたが当時の方が52.1-12.5と時計水準は二回りは上で、短距離に参戦するきっかけであったはずの気性の荒さもここに来て鳴りを潜めているとなると、本来の血統背景からしてそろそろマイルあたりに回帰すべきタイミングなのかもしれません。

[2]④ナランフレグ(丸田)

昨年③着も前傾戦+内有利展開で上手く後方から馬群を縫い止まったほかの馬を交わしてのもの。ここ2戦は距離マイル+直前の大雨の特殊馬場という理由はあれどキャリアで初めて1秒を超える着差で負けており、これまでコンスタントに末脚を使えていたことを考えれば好走に注文がつく現状は好ましくはありません。但し、元々遠征の苦手な宗像厩舎なだけにホームの中山に戻ってきた点はプラスで、すべてがうまく運んだ時の③着候補には。

[3]⑤ウインマーベル(松山)

前走のキーンランドCはスタートで挟まれ引かざるを得ず、高松宮記念でも苦労した道悪にも泣かされ大敗。そもそも中間に挫石もあって追い不足だった点も災いしました。その点今回は中間も順調に時計を出せてはいますが最終追いは一杯の割には全体時計は平凡で、かつこの馬の本来の調整スタイルはウッドと坂路の併用だけに、先週まで坂路が使えなかったことを思えば前回よりはマシだとしてもどこまで状態が戻っているかは未知数です。

[3]⑥ママコチャ(川田)

掛かる面があり距離を短縮しながらごまかしごまかしやってきている現状で、前走は初の1200m戦で前半32.9という未経験のハイペースでしたがそれでも掛かって②着。今回はハナを切りたい馬が2頭おり前半が速くなる分には歓迎で、自分で勝ちに行けるタイプではないですが「乱ペースでも残せるスピード」を持っている存在としてここでやれても不思議はありません。

[4]⑦オールアットワンス(石川)

スピード自体は短距離戦で通用するものを持っていますが、アイビスSD2勝という実績が示す通り最後に他の馬が止まってくれる展開にならないとなかなか浮上できず。復帰後はテンに行けておらず、そもそも好位を取れていた5走前の京阪杯でも見せ場を作れなかったことを考えればトラックコースに必要な瞬発力は不足しているようです。

[4]⑧メイケイエール(池添)

抑えの利かない気性というのはレース中の折り合いもさることながら、一戦一戦を全力で走ってしまうが故にお釣りを残せないということにも繋がります。昨年はセントウルSを圧勝し、いよいよG1獲りかと期待されましたが結果は12着。香港スプリントは主戦の池添Jが急遽乗れなくなるハプニングがあり5着。間隔を空けて使われた高松宮記念は大雨でスピードを活かせず⑫着とちぐはぐですが、適切に間隔が取られかつスピードの活きる馬場になれば本来の力は一級品です。最近は調教でも抑えが効かないことが問題でしたが今回は1週前、最終と何れもウッド4Fに留めながらも加速ラップで上がれており、内からも外からも行きたい馬が居るここは上手く壁も作れそう。ようやくG1でまともに期待できる体制が整ったと見ます。

なお、09:30時点で単勝は4番人気ですが恐らく応援馬券が大量に売れているせいで、馬単①着総流しベースでは6番人気、複勝では8番人気という状況。年齢的にもこれが最後のG1チャンスと思われ、買い方も考えて攻めたいところです。

[5]⑨アグリ(横山典)

前走のセントウルSではこれまでと一転控える競馬に打って出て、高速決着にも対応し②着。1400m未満では勝ち鞍が無く時計勝負には不安があっただけに、ここに来てのスプリント適性の発揮は流石安田隆厩舎といったところでしょう。馬場が渋ると取りこぼしていただけに良馬場予想は好材料ですが、中2週での中山遠征に加えて最終追いで最後の1Fが最速にならなかったのはやや懸念すべきポイントでしょう。

[5]⑩マッドクール(坂井)

前走のCBC賞では陣営曰く熱中症のような状態になったとのことで、⑨着大敗もやむ無しでしょう。但しそれ以上に気になるのは最終追いで、ラスト2Fで制御不能のような状態になり右に寄れてフィニッシュ。ラップも逆時計で良い頃の刻み方ではなく、ここに来て脆さを見せつつあるのは不安です。

加えて、数は少ないながらもダークエンジェル産駒の傾向として3歳時が成績のピークであるという点が挙げられます。


上記はダークエンジェル産駒の年齢別成績ですが、3歳はサンプルが多いながら抜群の成績でベタ買いで儲かるレベルなのに対し4歳がガクッと成績が落ちます。5歳は一見よく見えますが、シュバルツカイザーの2勝+ホウオウエンジェルの複穴(11番人気③着、8番人気③着)で分母の少なさ故よく見えているのみです。成長力に問題があるのか、はたまた4歳に踊り場があるだけなのか現時点では判断がつきませんが、いずれにしても4歳のダークエンジェル産駒は手を出しにくいタイミングであるとは言えるでしょう。

[6]⑪ジュビリーヘッド(北村友)

良績は北海道や春の中山など、比較的時計を求められない条件に集中。開幕週の函館SSで外からキミワクイーンに差されて②着だったことを考えれば、現状ではここに入っての力不足は否めません。

[6]⑫ドルチェモア(西村淳)

気難しさが顔をのぞかせており、前走のセントウルSもスタートでごちゃついて戦意喪失する現状。そもそも勝った朝日杯FSのレベルも疑問符ですが、このメンタルでは大外枠でも引かない限り難しいでしょう。

[7]⑬ジャスパークローネ(団野)

好走するにはハナを切ることが絶対条件で、テイエムスパーダはゲートが上手いわけではないのでハナ自体はすんなり叩けるでしょう。但しそこからテイエムスパーダが無理やりハナを取り返してきた時が厄介で、控えて味が無いことはわかっているだけにそこで張ってしまうと乱ペースに巻き込まれる懸念が。

[7]⑭エイシンスポッター(角田河)

今回に限って言えばテイエムスパーダとジャスパークローネがともに譲らず先手を主張する可能性があり、そうなると乱ペース+早仕掛け(直近で逃げ切りを許している2騎を行かせてはまずいと後続が早目に捕まえに行く展開)で最後の1Fがかなり掛かる展開も考えられます。鞍上がそこまで我慢できるかは判断難しいですが、自分の乗り方に徹した時には怖い存在です。但し最終追いで追走しておきながら加速ラップを踏めていなかったのはいつもと異なる点で、現状の出来でどこまで。

[8]⑮キミワクイーン(横山武)

走破時計は2走前の函館SSを勝った1.08.2が最高。陣営も坂を不安視しており、高速決着が見込まれる秋の中山という意味でも本質的には向いていないでしょう。

[8]⑯モズメイメイ(武豊)

前走の北九州記念は前半32.9のペースについていけず⑩着。本質的に短いところは合ってはいますが、このメンバーかつ大外で見せ場を作るまでは厳しいでしょう。

<予想>
◎メイケイエール
○ママコチャ
▲ナムラクレア
△アグリ
△エイシンスポッター
△ウインマーベル
△ナランフレグ