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2020年3月6日金曜日

土曜の中山はヒューイットソンより笹川を買いたい、これだけの理由

今週の中央競馬は、今回が初免許となる南アフリカの若手、ライル・ヒューイットソンJの話題で持ちきりです。弱冠22歳にして早くも当地のG16勝、そして香港での騎乗経験もある(活躍したとは言ってない)点、何よりノーザンFのバックアップに恵まれ良い馬が集まりそう等、早くも話題に事欠かない状態となっています。

昨春、ダミアン・レーンJが初めて日本の地を踏んだ際にも、最初は様子見ムードが漂っていましたが、来日して2日目に早くも4勝の固め打ち、3日目となる4/29には新潟に転戦し、メールドグラースで新潟大賞典を制するなど日本のファンと関係者のハートをガッチリ射抜き、のちに大活躍を収めたことは言うに及びません。

唯一違うのは、レーンJの初日(4/27)は全6鞍のうち単勝10倍未満の馬が1頭のみ。ヒューイットソンJは土曜日に中山で7鞍に騎乗しますが、恐らく3~4頭は10倍未満、1番人気に推されるレースもあるかもしれません。昨今の「カタカナ競馬」の流れから過剰人気のきらいもありますが、バックアップ体制を考えれば初日は様子見のうえ、どこまでやれるかで買い方を判断しても良いとは思います。流石にこのメンバーで箸にも棒にも引っかからないようでは、ローカルドサ回りしか小銭稼ぎの手段が無くなってしまいますので…

と、ここで書きたいのは彼ではなくもう一人明日中山に参戦する、大井の笹川翼Jについてです。あまり表明したことはありませんが、自分が今南関で一番推しているジョッキーと言っても過言ではありません。


【出典】地方競馬全国協会(NAR)

新潟県出身の笹川Jは1994年生まれの25歳。デビューからの7年で800勝以上を挙げ、2015年から4年連続で年間100勝を達成、昨年は南関東リーディング3位となる175勝を挙げています。

※ちなみに1位の森泰斗J(船橋)は360勝、2位の矢野貴之J(大井)も270勝とこの2人が突き抜けており勝利数自体はだいぶ水をあけられていますが、勝率(騎乗数不問)でも南関所属騎手全体の9位に入っており、まずまずの数字と言えます。

近年頭角を現しつつある若手と言えますが、ここまでJRAでの騎乗成績は(0,2,1,36)と勝ち星なし。今回は昨年3月以来の参戦で、オーシャンSのナリタスターワン(船橋)をはじめ計8鞍に騎乗します。

上位人気が見込まれる馬も1~2頭いますが、殆どは人気が無さそうです。馬自身の能力からして厳しいパターンが多勢を占めますが、ヒューイットソンJをはじめ人気どころと迷うようなことがあれば、あえて笹川Jに賭けてみたいと思えるポイントをいくつか取り上げます。


①「追える」タフネスさ

地方競馬の馬は2~3歳の若駒を除けばほとんどは「中央での通用見通しが立たない」馬です(南関東はまだレベルの高い方ですが)。追っても進んでいかない、そもそものスピードの絶対値が高くない馬が多く、また最後の直線だけで前をまとめて交わせるだけの末脚の持ち主というのも稀な存在です。

それゆえ、地方競馬のレースではスタートしてからの位置取りがとても重要で、逃げるかある程度の好位につけるかのレースが出来なければほぼノーチャンス。自ずから、ジョッキーには馬を動かすための「追う技術」そして「ズブい馬でも動かせるタフさ」が要求されます。

笹川Jに限った話ではありませんが、地方競馬出身のジョッキーはこの点で中央のジョッキーと圧倒的な経験・力量の差が出てきます。促せばすぐに動きノーステッキで勝てることもザラにある中央の芝馬と比べれば、その難易度は歴然です。事実、安藤勝、岩田、内田博、戸崎各ジョッキーのように、移籍後にリーディング獲得ないしは上位に入る活躍を見せた地方競馬の騎手が多く存在することからも、こうしたバックグラウンドの違いが好成績を生む要因の一つにあると自分は考えます。

笹川Jの場合、タフネスさが騎乗数にも表れています。
昨年の騎乗数は1461回。年間の開催数が多い南関東とはいえ、この数は森泰斗Jの1669回に次ぐ多さ。厩舎所属の若手であることを考えれば、その合間に調教をつける等の「仕事」もあるわけで、かなりのハードスケジュールであることが見て取れます。


②前付けできる積極性

https://www.nicovideo.jp/watch/sm34396848

上記は一昨年の東京大賞典の年に自分が現地で観戦したレースで、正面スタンドのゲート付近で観ていました。笹川J騎乗のセンプレフォールは当時5番人気でしたが、出ムチをくれる積極策でハナに立つと直線でもリードを保ち1着となりました。

普段中央競馬しか観ていなかった自分にとって、出ムチ=注文を付けたい馬の最後の手段という認識しかなく、「逃げろ」という指示を出された若手がスタート悪くて焦って鞭をふるい直線で失速するパターンを多く見てきたため、ここも沈むのかと思いきやまさかの逃げ切り。その後もしばらく見ていましたが、ゲートからの積極性はかなりのものでこれ以外にも出ムチをくれてまで逃げようとするパターンを多く見てきました。

この辺りは主観によるところもありますが、例えば中山や新潟のダートではチンタラ後方を走っていては間に合いません。特に下級条件なら突き抜けて強い馬でもない限り、なおのこと位置取りがモノを言います。地方競馬の騎手にとって、中山のダートは比較的与しやすい舞台なのかもしれません。


③過剰人気しなさそう

中央で目立った実績も無く、大レースではリーディング上位勢に加え御神本Jや吉原J等の陰に隠れている笹川J。強いて言えば昨年の日本テレビ盃でノンコノユメに騎乗(2着)したことはありますが、それも目立つほどのトピックではなく恐らく「ネームで売れる」という状態にはまだないと思います。

それゆえ、例えば同じ力量の馬が2頭いたとして、ヒューイットソンJとの二者択一だったらどちらを取るか?恐らく大多数のファンはヒューイットソンJを選ぶでしょう。しかし、少なくとも実力がはっきりしていない段階で決め打ちするほどの実績の持ち主とは私には思えず、それならばケースによっては笹川Jを選んだ方が期待値は高いのではないか?と考えています。


で、結局何が言いたいのか?

狙い目は明日の8R(1勝クラス、D2400m)の◎オーマオです。
近走実績も似たような馬が多く、恐らく人気はルメールJのスコルピウスでしょう。しかしこの馬、タイムだけ見れば近2走は1秒前後の差で負けており、着差ほどの実力を感じないうえ他の馬との力量差もさほどないと見ます。ダート2400という条件も合っており、馬柱だけで人気しないのであればこの馬のチャンスと見ます。

果たして、笹川Jにとって記念すべき1日となるのか?テレビの向こうから応援したいと思います。

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