基本的に、興行的な観点からはG1レースを固めて開催するより分散させた方が売り上げ的には良いというデータが出ています。諸外国の競馬が生産者やオーナーの晴れ舞台であるのに対し、日本の競馬は戦時下の軍馬選抜・戦費捻出から財源としての国営賭博とその目的を変遷させてきた歴史的経緯からも、売り上げの最大化という側面が重要視されがちです。
それでも、生産界最大の栄誉としてJBCが位置付けられ、その存在感を年々大きくしている点は素晴らしく、一種の「お祭り」として同日開催のスタンスを変えないでいるのは立派なことです。頭数の関係から開催場が限られるのが残念なところですが、やはり日本においては我々ファンがどれだけ馬券で貢献できるかが興亡を握っているわけですから、積極的に応援したいレースの一つです。
【ラインナップ】
大井8R(JBCレディスクラシック)/16:30
大井9R(JBCスプリント)/17:20
門別9R(JBC2歳優駿)/17:50
大井10R(JBCクラシック)/18:30
■大井8R
矢作厩舎の躍進には2つのキーがあると思っています。1つは「使いながら仕上げる」ことの巧さ、もう一つは「馬の可能性を拡げるレース選択」です。モズアスコットなどに代表されるように、結果を出すことを前提とした連闘や中1週ローテの組み込みに積極的で、生涯獲得賞金の最大化の観点から特にクラブ馬にとっては有難い調教師であると言えます。やはり相対的に比較して束になった方が良い馬を買える可能性は高くなるわけですから、良質なクラブ馬が集まるのもまぁ頷ける話です。
レース選択についても然りで、実績のある馬でも伸び悩みの傾向が出たらスパッとダートを試す、等新味を求めることを躊躇しない姿勢が見て取れます。広尾のハナズレジェンドやパンサラッサといったOP馬も、実現こそしていませんが師はかねがねよりダート転戦プランを温めていると聞きます。
◎マルシュロレーヌも準OPでもう一歩(とはいえタイム差なしの2着もあり勝ち上がりは時間の問題と見られていましたが)というレースを続ける中で9月にダート転向。いきなり豪快な差し切りでOP入りを決めると、返す刀でレディスプレリュードも圧勝。マドラスチェックやプリンシアコメータといった実績馬を置き去りにする末脚を見せました。これはコンバートが成功したと見て良さそうで、初顔の相手も何頭かいますが頭は堅いでしょう。
相手には森泰斗Jを迎えたマドラスチェック、被されずに進めそうな枠を引いたローザノワール。あまり付かなさそうなので絞ります。
三連単13→2,14
■大井9R
絶好枠を引いたヒロシゲゴールドと何が何でも前に行きたいノブワイルドのテン争いを見ながら進めそうな◎ジャスティンから。ハナを叩かなくてもレース出来た前走を評価します。ここにマテラスカイ、モズスーパーフレアが絡めばハイペースは必至で、復帰後今一つとはいえ大井の勝ち方を知る戸崎Jを迎え態勢は万全と見ます。相手は差し勢と見ますが、中でもブルドックボスはここに向け仕上げられた出来の良さで、連覇があっても驚けないでしょう。
馬連11-14
■門別9R
現状ではJpn3なので北海道2歳優駿を改称したに過ぎないのですが、函館2歳Sで2着だったルーチェドーロの参戦により一定程度のレーティングは得られそうで将来的な格上げ(とはいえ全日本2歳優駿がこの後あるのであってもJpn2まででしょうが)に含みを持たせるメンバー構成ではあります。
但し勝ち方については中央勢にあまり強調できる馬はおらず、いずれも前目からそのまま流れ込むor押し切るタイプの勝ち上がりで相手関係で圧勝したという感じではあります。そもそも中央のこのカテゴリでダートのレースの絶対数が少ないため、1勝馬もポテンシャルを見込まれて人気することは多いのですが、昨年のタガノビューティーみたいに圧倒的な先行有利コースを差し切るくらいのインパクトがあるわけではないため過信は出来ませんし、それならば完成度で勝る地元道営勢を狙いたいです。
ここは陣営が手ごたえを感じている◎オタクインパクトを抜擢します。
JBCは国内の生産振興を目的とした賞であるため、出走条件として「父馬がJBC協会に種牡馬登録されていること」が定められています。通常、JRA競走馬として種牡馬及び繁殖牝馬としての用に供される場合はジャパン・スタッドブック・インターナショナルへ「繁殖登録」を行う必要がありますが、これとは別に種牡馬はJBC協会に登録を行うことで産駒がJBC競争に出走できるようになります。オタクインパクトの父はご存知ウインバリアシオンですが、JBC協会への登録が行われていいなかったため追加登録料(60万円)を支払ってここに参戦しており、陣営がやれる手ごたえを感じている証左でしょう。
先行押し切り型の馬が多い中で、この馬の2連勝の内容は好位~中団からマクリ加減に押し上げる強い内容。前走門別1800mで記録した1.54.8(重)のタイムはサンライズCの1.56.4(稍重)と比較しても遜色なく、数発のムチでぶっちぎったレースぶりからもこの距離は合っていそうです。
相手も同様のレースぶりで勝ち上がってきたサハラヴァンクールから。前走の門別1700m1.48.9(重)のタイムはブリーダーズGJの1.51.0(良)、サッポロクラシックCの1.49.4(重)にも匹敵するもの。逃げて勝ってきた馬たちが相手レベルの強化で時計対応を迫られる中、その対応力を既に示しているのは魅力です。人気は全くありませんが食い込む余地は十分と見ます。
単勝4
ワイド4-14
■大井10R
前走の圧勝によりサウジCがただの誤算だったことが明らかになった◎クリソベリルがここも崩れないと見ます。昨年のチャンピオンズCの勝ち方を考えても正直国内ではしばらく負けるシーンが想像できません。大井巧者の○オメガパフュームも昨年と同じローテーションで浦和で行われた昨年以上のパフォーマンスを出せれば2着は堅いでしょう。3着候補には妙味を狙ってデルマルーヴル、ノンコノユメ、ミューチャリー。
三連単5-1-10,11,13
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