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2020年5月2日土曜日

【5/3(日)予想】魂(たま)を取った覚悟を買う<天皇賞ダンビュライト>/差し切る程度の能力<晩春Sボーダーオブライフ>他


今週は戸崎Jが調教騎乗を再開。また一人、関東を支える役者が帰ってきました。

【ラインナップ】
東京10R(晩春S)
京都11R(天皇賞・春)

■東京10R

近走好走実績ある馬が多く接戦ですが、今回休み明けとなる◎ボーダーオブライフを狙います。ここ3戦は0.4差以内の惜しいレースが続いていますが、いずれも6着で見栄えはよくなく伊藤J騎乗となれば人気はしないはず。しかしながらこの馬は気が勝ったタイプで過去4勝のうち3勝が休み明け(前走からの間隔が2か月以上)といきなりやれる馬。頭数も手ごろで外差しが決まる状況ならここもチャンスです。前走溜める競馬で進境見せた○ミュージアムヒルが対抗一番手。

【本命】8ボーダーオブライフ
【対抗】11ミュージアムヒル
【押さえ】3,4,5,7
単勝8
馬連8-3,4,5,7,11
三連複8,11-3,4,5,7

■京都11R

ダイヤモンドSの際にも触れましたが、今の日本の競走体系上実質的に「長距離路線」は存在せず、中距離戦線の馬が総合力でもぎ取るケースが多いのが長距離重賞の常となっています。最近で言えばアルバートなんかが生粋のステイヤーとして浮かびますが、その前に活躍したトウカイトリックなども含め、3000m以上のレースを主戦場としている馬がG1を制した例は近年皆無と言って等しく、スタミナだけでは面倒を見切れないのがこの舞台でもあります。

さらに言えば、長距離戦でも施行される舞台やメンバーによって特性がかなり変わってきます。例えば春の天皇賞のステップとして挙げられる長距離重賞としてダイヤモンドSや阪神大賞典が挙げられますが、ダイヤモンドSは前回触れた通り「スローのヨーイドン」になるレースで、阪神大賞典もステイヤー志向の強い馬が多く集まることから道中はスローになりがちです。こうなると、スピードの絶対値より最後まで余力を残せるかといったスタミナや持久力が問われやすく、それらに長けた馬が好成績を収めます。

しかしながら、近20年まで広げてみてもこれらをステップとした馬の成績は

ダイヤモンドS(0,1,0,16)勝率0.0%/連対率5.9%/複勝率5.9%
阪神大賞典(6,5,11,88)勝率5.5%/連対率10.0%/複勝率20.0%

と振るわず。阪神大賞典も数字だけ見れば悪くは無さそうですが、例えば大阪杯のG1昇格前の数字を拾うと

産経大阪杯(5,3,2,25)勝率14.3%/連対率22.9%/複勝率28.6%

2000mのレースにも関わらずこちらの方がいい成績だったりします。これもやはり、求められる適性が天皇賞と定番ステップレースとでは異なるためと考えられます。実際、春の天皇賞の走破時計は年々早くなっており、2000年代に入る前は3分20秒前後の決着が多かったものの、01年のテイエムオペラオーが3.16.2、06年ディープインパクトが3.13.4、そして17年のキタサンブラックが3.12.5と10秒台前半の決着が当たり前となってきました。決着時計の高速化は馬にも中距離向きのスピードと末脚を求めるようになり、2000m以下の重賞で3着内実績のない馬の勝利は2012年のビートブラックが最後です。とりわけ直近10年では、過去に皐月賞や天皇賞での入着実績を有する馬が勝利しており、連覇したフェノーメノ等もその例に漏れません。昨年の覇者フィエールマンはそもそも走った数が少ないですが、ラジオNIKKEI賞2着の実績がありました。

これらを踏まえ、基本的には

・前走阪神大賞典、ダイヤモンドS組は(基本的に)軽視
・中距離重賞(できれば2000m以内のG1)実績

を軸に絞っていきたいです。

例によって前置きが長くなりましたが、本命は◎ダンビュライトとしました。

3歳時には皐月賞3着の実績、京都コースは4回走って全て掲示板内(きさらぎ賞③着、菊花賞⑤着、京都記念①着、京都大賞典②着)と好相性も光ります。今回は去勢明けの初戦となりますが、勝ちきれないものの元々の能力値自体は非常に高く、去勢後じっくり立て直しの時間を設け調教後馬体重も494kg(前走JCでは488kg)をキープ。いきなりやれるだけの素地はあると見ます。

去年の覇者○フィエールマンですが、やはり外せないと見ます。
あえて対抗としたのは、もはや言いがかりレベルですが「連戦の疲労」の懸念です。凱旋門賞は言うに及ばず、有馬記念もアーモンドアイを負かしに行く正攻法の競馬で4着と健闘しており、その疲労度はいかほどかと勘ぐってしまいます。元々続けて使えない馬なのでぶっつけは予定通りですが、走ってもおかしくないし走らない理由があるとしたらそこか…という減点法に近い考えで対抗です。

今回の惑星として抜擢したいのが▲ミライヘノツバサです。

\お前ダイヤモンドS組来ない言うてたやん/

はい、そうなのですがさっきのデータの中で唯一②着が1回ありまして、15年のフェイムゲームです。この馬がG1で掲示板に乗ったのはこの時だけなんですが、実はこの年勝ったダイヤモンドSというのが例年と少し違って「後半7Fもの間12.5以下のラップが続く」レースだったんです。だいたいの年ではダイヤモンドSは直線向いてからの最後の3Fで11秒台を刻み続けるような末脚勝負で道中は13秒台後半もザラではないくらいなんですが、2015年のダイヤモンドSは

13.2-11.6-12.7-12.8-11.6-12.6-13.0-14.4-13.2-12.6-12.3-12.5-12.2-12.0-11.4-11.8 -12.0

とかなりギアが入るのが早かった模様で、さながら東京や京都の2400m戦とかにありそうなラップとなっていました。これを差し切ったフェイムゲームは本番の天皇賞でも2着に入った、というわけです。なおこの翌年も同じローテで出たのですが、例年通りのラスト3Fの勝負となり2着、本番は8着に敗れています。

過去10年でこれと同じく「後半で7F以上12.5以下のラップが続いた」ダイヤモンドSは2010年(13.5-12.0-12.3-12.7-12.5-12.8-12.8-13.3-13.0-12.3-12.5-12.4-12.5-12.1-11.2-12.1-12.6)。この年の覇者フォゲッタブルは6着に敗れましたが、ゲートで出遅れ道中でリカバリーを図ったものの末をなくすという1年前にフェブラリーSで見た光景。敗因はハッキリしていました。

そんな観点で今年のダイヤモンドSのラップを見ると…

13.2-12.0-12.1-12.6-12.7-12.5-12.5-12.4-12.3-11.7-12.1-12.3-12.2-12.5-12.4-12.7-13.0

何と一番最初と最後以外12秒台で、うち12.5以下が10Fにわたって続くというかなりのタフな流れ。ヌルっと行って最後だけシュッと伸びる、では太刀打ちできないペースでした。これを差してきたミライヘノツバサとメイショウテンゲンは、例年のダイヤモンドS組と同様に評価しては痛い目に遭う可能性があります。とはいえ、脚質的に後方待機を強いられるメイショウテンゲンはここでは不利と考えます。一方のミライヘノツバサは元々AJCC3着、日経賞2着の実績がありますが、いずれも前目から粘り込んでのもので本質的には差し馬ではないうえ、後半3Fの勝負になると脆いですが上記実績のように道中から加速するタイプのレースの方が向いていると言えます。これだけ見るとダイヤモンドSで好走したのが不思議な適性なのですが、先に述べた通りラップの妙がこの馬にチャンスをもたらし、なおかつ天皇賞で求められる適性を証明したわけです。世間的にはフロック視も止む無しの激走ですが、今回のメンバーならそこそこ重い印を打っても恥ずかしくないのではと考えます。

キセキはダンビュライトと同じルーラーシップ産駒ですが、同産駒には気性に何かしらの問題を持っている馬が多いです。産駒獲得賞金1位・2位の今回の2頭もそうですが、馬込みでやる気をなくすアディラートや気分良く逃げられてナンボのリオンリオン、ダンツキャッスル等、父親同様一癖ある馬が多いことが挙げられます。あと、晩年まで出遅れ癖が治らなかった父に同じく、一度やる気を失くすとしばらく走らない(悪癖を繰り返す)ことも多く、この馬に関してはそのループに入ってしまっている可能性が考えられます。

それでもラボーナのように去勢で成功したりと何かきっかけを作れればよいのですが、角居師の選択は「ユタカクリニックに一任」。その割には直前追い切りにも乗ってなかったりするので、名手の双肩にはかつてないプレッシャーがかかっていると言わざるを得ません。もちろんそれで成果が出る可能性もありますので切れはしませんが、かといって心中する勇気は自分にはありません。事実菊花賞の時も買えなかったし。

阪神大賞典覇者ユーキャンスマイルも1枚押さえ。直線向いてズドンのタイプなのでこのレース向きではないですが、昨年以上は見込めると見ます。

【本命】4ダンビュライト
【対抗】14フィエールマン
【単穴】9ミライヘノツバサ
【押さえ】7,8
単勝4
馬連BOX4,9,14
三連複4,9,14-4,9,14-4,7,8,9,14

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