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2020年10月5日月曜日

予想と応援が重なった時、競馬ってこんなにも面白いんだと思った


 一口馬主に限らず、競走馬そのものとの関りを持つ立場になるとジレンマとなってくるのが「予想と応援」の区別だと自分は思います。

 基本的に自分は「予想と応援は区別すべき」と考えます。

 例えば、自身の出資する競走馬がレースで走るとして、応援する気持ちは自然と湧いて出るもので、これは「絶対比較」でその馬が自分自身にとって大切な存在だからこその普通の感情です。一方で、勝負は相対比較なので、どんなに願っても思うような結果にならないことは当然にあり得ますし、その方が多いはずです。

 勿論、自分の選択が誤りだったと認めたくはないものですし、負けた原因を探して切り替えていくことが大事ですから、人は敗因を探し、それに向き合い、また前を向いて行くわけです。そして、自分の出資馬が競馬新聞で印が薄かったり、パドックで褒められなかったり、予想家の買い目に入っていなかったりすると「見る目ないな」と思いながら「見てろよ、結果で見返してやるからな」と内なる闘志をメラメラと燃やすわけです。

 但し、これも競馬というギャンブルの性質上仕方のないことで、物事には優劣があり優先順位が存在し、リソースには限りがあります。皆自分の愛馬が可愛いのは当たり前。それを相対比較で取り上げられなかったからと言っていちいち文句を言うようでは心臓がいくつあっても足りませんし、そうなるとパドック解説も予想も出来なくなってしまいます。

 自分は出資馬の出走するレースは基本的に予想を上げません。それは「予想と応援」を区別する自信がないから。仮に力量的に疑いようのない本命と客観視されていたとしても、出資者という利害関係がある以上純度100%の「予想」とは言い切れないわけで、せいぜい友人の出資馬を苦戦覚悟で本命に抜擢することがあるくらいです。


 話は変わりますが、今年一番嬉しかった的中がNHKマイルC。


 ラウダシオンは友人の出資馬で、自分に一口の世界に飛び込むきっかけを与えてくれた方の一人です(知り合ったのは既に解散した某アイドルグループのライブ会場でしたが)。

 新馬戦の頃から買い続け、もみじSやクロッカスSでは有難い勝利をもたらしてくれました。一方で、朝日杯FSでは苦杯を味わい、ファルコンS2着を経て挑んだここは距離不安も指摘され単勝29.6倍の9番人気。騎乗経験のある福永・武豊・ルメールJはそれぞれ別の馬に騎乗し、初コンビとなるデムーロJとのコンタクトにも注目が集まる一戦でした。

 当たったから言うわけではありませんが、当初◎を打ったのは応援の気持ちが8割でした。朝日杯の後ルメールJが距離の限界について言及しており、陣営もトーンが上がり切らない中でのマイルG1参戦で、この距離延長にポジティブな意見を持つことは難しい情勢でした。クロッカスSも、開幕週で頭数が落ち着いた中武豊Jの果敢な先行策が奏功した、という見方が強く、距離実績のあるレシステンシアなどに人気が集まるのは仕方のないところでした。

 ですが、応援とはいえ自分の財産の一部を賭すわけですから、何か合理的な理由はないかと考え調べていたところクロッカスSのタイムが優秀であることを発見。この時は、自分がコロンブスにでもなったかのような、自分しか知り得ない何かを見つけたような嬉しさがありました。結局レースでは先行策でマトモにレシステンシアを負かしに行った堂々たる勝ちっぷり。自宅でわめき過ぎて1歳の息子も泣き出す始末。

 とはいえ、縁故のある馬でなかったならそうやってポジティブな要素を見出そうと必死になっていなかったかもしれません。最初の動機は応援でしたが、結果的には自分なりの根拠を持った予想をも兼ねることとなり、「予想と応援が重なって勝つとこんなにも嬉しくなれるんだ」と感じたことを今も覚えています。


 今度は自分の出資馬でも、あっと驚く大金星を見せてもらいたいものです。その時が、そう遠くないことを信じて。

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