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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2020年5月31日日曜日

【5/31(日)結果】

■東京11R ◎サリオス→2着 ○コントレイル→1着 ▲コルテジア→12着

内が伸びる馬場で内を走れれば当然に勝てるわけで。スタートが決まった時点でコントレイルの勝利はほぼ約束されたようなものでした。但し、坂上で一旦サリオスに差を詰められた瞬間に再び突き放すレースぶりからは、高速馬場の瞬発力勝負においては負けようがないほどの力量差を示したと言ってもいいでしょう。

サリオスも例年にすれば順当に二冠馬だったわけで…

■東京12R ◎ゴールドギア→5着

流石に17番手追走では届くはずもなく…直線内を突いた進路取りはともかく、道中ののんびり具合は三浦Jの意図を測りかねます。とはいえ1年以上準OPで善戦を続けていたこの馬らしい頑張りと言えばそれまでで、絶体絶命の位置からよく掲示板を確保したなとも言えます。

■京都10R ◎リバティハイツ→12着

戦前、陣営は位置取りが後ろになることを懸念しており「前走(阪神牝馬S)で出して行ったことが活きれば」というコメントを残していました。今回は距離短縮とはいえ前半のラップは阪神牝馬Sより遅く意図した通りの展開になると見られましたが、好発からズルズル下がり中団の後ろでレースを進める形に。ここ最近位置が取れなくなっていることを考えると、往時のダッシュ力を求めるのは難しくなってきているのかもしれません。

【5/31(日)予想】稀代の切れ者に真っ向勝負<日本ダービー サリオス>/軽ハンデで噛み合う<目黒記念ゴールドギア>/平坦なら前走以上<安土城Sリバティハイツ>


大きなレースほど、直近の傾向が色濃くオッズに反映されるものだなと前売りを見て感じました。やはり理由はなくとも1枠は押さえるという心理が、ある程度透けて見えます。競馬は賭け事であり、他者の支持するところが妥当か否かの判断が馬券的な勝ち負けに直結するゲームですから、他の馬にしてもそうですが「この売れ方が妥当なのか」はより一層吟味していきたいです。

【ラインナップ】
東京11R(日本ダービー)/12R(目黒記念)
京都10R(安土城S)


■東京11R

NHKマイルC組の活躍がそこそこあった頃はペースが速くなる傾向がありましたが、リオンリオンが玉砕覚悟の大逃げを打った昨年以外は落ち着いた流れが多く、16~18年は後傾ラップの瞬発力勝負で決着しています。今年は18頭中皐月賞を使った馬が13頭(うち直行は11頭)。今年の皐月賞は59.8-60.9と前傾ラップで運びましたが、キメラヴェリテが注文を付けて逃げた分で、2番手のウインカーネリアン以降の通過タイムは+0.5秒ほどでほぼほぼイーブンでしょうか。

なのでこれを差してきた馬をペースの恩恵と判断するのは危ないですが、一方でキメラヴェリテが3コーナーで失速し押し出された後前目で踏ん張った馬にも一定の評価ができるレースでした。人気どころで言えば前者はコントレイル、後者はサリオス。3着以下の着差を考えても、この2頭がこの舞台でどう走るかを考えるところから自分の始まりました。

本命は◎サリオスとしました。

ほぼ並ぶ間もなく交わされた前走を見れば、距離が伸びたからと言って逆転できるというほどではなさそうですが、注目したのは皐月賞でのコース取り。


上記は4コーナーでのコントレイル(白)及びサリオス(水色)のコース取り。外を回して馬場の良いところで加速をつけたコントレイルに対し、内に押し込められたサリオスは動くに動けず。約540kgの馬体でこの混雑を捌くこと自体がそもそも難しく、この後内が1頭分空いた瞬間に抜け出ますが、エンジンの温まったコントレイルにはわずかに及ばず。それでも0.1差に踏みとどまった点からもこの馬の能力の高さは疑いようがなく、良馬場の府中は持続力に長けたハーツクライの血が騒ぐ舞台と言えるでしょう。

コントレイルは対抗評価。上記見解からサリオスに逆転される可能性はあるものの、よほど後ろに居なければ坂上だけで前を交わせるだけの脚はある馬です。

三番手評価は▲コルテジア
皐月賞では内枠が災いし次々と前に割って入られ位置を下げる形に。ラップが緩んだ向こう正面でも内に押し込められ全く動けず。そして3,4角でも馬場の悪い内(上の写真では丁度サリオスの後ろ)を通らざるを得ずやむなく直線は内を選択。加えて直線向いたところではヴェルトライゼンデに進路をカットされまともに追えたのは300mにも満たないくらい。本来長くいい脚を使えるタイプなのですが自分の形に全く持ち込めず、それでも最後まで脚を使い7着と健闘を見せました。前目を進んだ4着のウインカーネリアンとは0.3差で、そのウインカーネリアンも直線では外に持ち出していたことを思えば、この差は逆転可能と見ます。陣営も前走で位置取りを下げてしまったのをかなり気にしており、中枠を引いた今回は「いつでも動ける位置」でレースをしたいとのこと。他馬より少し早めに動き出すようなレースが出来れば理想的。

前走前目からプリンシパルSを押し切った△ビターエンダーも位置取り次第で浮上可能と見ます。めぼしい逃げ馬がいない今回は単騎が叶いそうな△ウインカーネリアンも押さえ。弥生賞組のレベル的に微妙なところですが東京コースの適性を見込んで直行の△ワーケアまで。

◎12サリオス
○5コントレイル
▲10コルテジア
△3ワーケア、8ビターエンダー、18ウインカーネリアン

単勝12
馬連12-3,8,10,18
三連複12-5,10-3,5,8,10,18


■東京12R

スタート地点が正面スタンド前というのは変わらないのですが、100m伸びるだけで最初の先行争いでスピードに乗ってしまうため前半が速くなりがちで、かつスタート直後とゴール手前で坂を2回登るためスタート直後で脚を使うとお釣りが無くなります。なので2400mを先行して押し切っているようなタイプだと最後に止まる可能性が。後半でしっかり脚を使える馬、どちらかと言えばステイヤー向きの馬が好走するレースでもあり、イメージとしてはダイタクバートラムみたいなのが居れば迷わず本命にするのですが(古い)。

この相手関係と斤量なら狙いは立つと見て本命は◎ゴールドギアにします。

準OPにいた期間が長く、昨年には函館記念にも挑戦(11着)していましたが好走実績は中山と北海道が中心で、一瞬のキレで勝負するタイプの馬でした。しかしながら前走で東京の2400m戦を差し切って快勝。3角から進出し直線で前を捕らえる理想的なレースぶりで、5歳シーズンで馬がいい意味でズブくなってきているのかもしれませんが、これができるようになったのは大きいです。相手は強くなりますが斤量は最軽量の53kg。100mの延長は前を捕まえる立場のこの馬にとっては好都合で2500m自体も(0,0,2,0)と崩れていません。コース替わりで内が良いのは承知の上で、自分のレースに徹してくれればチャンスはあります。

超絶鞍上強化の○オセアグレイト、ここは試金石も勢いある▲キングオブコージも上位争い。コース実績ある△タイセイトレイル、△ノーブルマーズもノーマークにはできません。大穴で狙いたいのは△ミュゼエイリアン。勝ち星は1800m以下のみですが、2015年の菊花賞では0.9差8着の実績もあり距離自体の壁は無いはずです。8歳になっても先行力は健在で、前が落ち着く流れなら粘り込みの目も。

◎12ゴールドギア
○16オセアグレイト
▲5キングオブコージ
△1タイセイトレイル、2ノーブルマーズ、7ミュゼエイリアン

単勝12
馬連12-1,2,5,7,16
ワイド7-12
三連複12-16-1,2,5,7


■京都10R

阪神牝馬Sで0.4差6着と好戦した◎リバティハイツを中心視。昨年のこのレースではダイアトニックとタイム差無しの2着と走れており、距離短縮+平坦+OP特別の相手関係なら頭まで期待します。再び間隔を詰めて使ってきた○エントシャイデンもこの相手関係なら見直せますし、この距離合う▲ドナウデルタ、京都では崩れていない△ラセットまで押さえます。

1400mと言えばプールヴィル、ですが鞍上の藤岡康太Jは芝レースで108連敗中(2/15~5/29)。京都新聞杯の時にも取り上げましたが、今年は20勝を挙げているもののうち16勝がダート、芝での勝率はわずか2.6%と軸どころか紐で買うのも躊躇するレベル(一方でダートの勝率は10%を超えており信頼度はそれなりに高い)。元々勝ち味に遅いタイプではあるので連に絡む可能性は十分にあるのですが、ちょっとこの鞍上では掲示板も怪しいかもしれません。

◎11リバティハイツ
○4エントシャイデン
▲10ドナウデルタ
△5ラセット

単勝11
馬連11-4,5,10

2020年5月30日土曜日

【5/30(土)結果】

■東京11R ◎アディラート→3着

本来ならもう少しじっくり構えたいところでしたが、前が残る展開の中、結果的に出して行ったおかげで3着を確保できたと見るのが良さそうです。3角まではスムーズに運べましたし、三浦Jも最低限の仕事は果たせたと思います。

🎯複勝 2.4倍


■京都11R ◎デンタルバルーン→10着

スタートは良かったものの、二の足でビアンフェに取り付かれアッサリハナを譲ると前に入られブレーキをかける始末。
重賞で買うべき騎手ではなかった言うほかありません。

【5/30(土)予想】<欅Sアディラート/葵Sデンタルバルーン>

ダービーウィークですが、予想に時間がさけず特に今日はあまり自信が無いです…なので簡潔に。

欅ステークスは久々に外枠引いたアディラート。昨年のグリーンチャンネルCの再現と見ます。単複。

葵Sは「誰が逃げるのか」から考えたいですが、過去走で100%逃げているのはデンタルバルーンだけ。ハナにこだわらない馬も多く、この相手関係なら行ければ残せるでしょう。ワイド総流し。

2020年5月24日日曜日

【オークス回顧】あらゆる不利を跳ね返したデアリングタクト×松山弘平。もし「あの時」マジックキャッスルに割られていたら…



パドックでは発汗も見られテンションはギリギリ、馬体は減っては無いが増えてもない、本番を迎えるコンディションとしては必ずしも万全とまでは言えない状態。


そしてレースではガチガチの包囲網に遭い内に押し込められる苦しい位置取り。しかしながら松山Jは焦らず、直線で馬群がばらけることをじっと待っていました。


直線で外に持ち出す機会をうかがうも、同様の位置取りの馬も多く前とはかなり距離がありました。ここで、松山Jの好判断が閉じかけた女王への扉をこじ開けます。


①左上=斜め前にぽっかり1頭半分のポジションが。ここを取れるのはデアリングタクトとその内にいたマジックキャッスルの2頭。

②右上=2頭とも間髪入れずに飛び込むも…

③左下=わずかに機先を制したのはデアリングタクト。

④右下=デアリングタクトはそこから鋭く伸び前を捕らえる。一方マジックキャッスルは一旦内に振られたのち再度外に切り替えるも前が開かず。


マジックキャッスルはデアリングタクトの通ったコースを突いて伸び5着に食い込む健闘を見せました。勝ち馬とは0.4差、上り3Fは33.4をマーク。スムーズなら2着もあったかと思わせる脚勢でした。もしあのスペースに飛び込んでいたのがマジックキャッスルだったら…競馬にたらればは禁物ですが、たらればには次走以降のヒントがいっぱい詰まっています。

実は直前まで印を迷うくらい魅力を感じてはいたのですが、前走大敗後在厩調整で上り目に乏しいこと、それを物語る「最終追いが坂路」という調教過程からも手は出せませんでした。アーモンドアイやカレンブーケドールがそうであるように国枝厩舎は本気仕上げにはコース追いを使うのがセオリーで、マジックキャッスル自身もこれまで最終追いは全てコース(ウッドもしくはポリ)でした。坂路追いは負荷を抑えたいときに使う最終手段で、ギリギリの仕上げでは逆転は厳しいと見ておりました。ですがやはり高速馬場への適性は高いのと、母父シンボリクリスエスという血統背景からもこのコースではやれてもおかしくありません。勝ち上がりこそ早かったものの、まだまだ良くなる余地を感じさせるレースでした。

一方、デアリングタクトは絶体絶命の位置から最後の200mほどであっという間に前を捕らえる圧巻のレースぶり。テンションが上がることも、包まれることも、直線で行き場をなくすことも全て想定して印を割り引いたのですが、そんなこと関係なしに馬が強かったことに加え、上でも挙げましたが松山Jのとっさの判断が勝利へ導いたと言えるでしょう。こうしたプレーが出来ていることが今年の好調を裏付けていると思いますし、この大舞台、未知の距離それに応える馬の強さたるや。

競馬界に新たな名コンビ誕生、と言っていいでしょう。

【5/24(日)結果】


若干プラスで持ちこたえましたが、今週の収支の大部分はパラスアテナのおかげなので予想は大苦戦。

■新潟8R ◎タガノスカイハイ→1着

新潟や中京の芝1400mでよく走るダンシングチコを捕らえての1着。近走はどうしても末脚がダラッとしてしまう印象だったのですが、距離も直線もどっちも短い方が今のこの馬には合うようです。人気サイドの決着でしたが複勝2倍ついたのでまぁ満足。

🎯複勝 2.0倍

■東京10R ◎キルロード→9着

直線向いても後続の追い出しを待ってギリギリまで持ったまま。自分の競馬に持ち込み十分に見せ場を作りましたが最後に止まってしまったあたり、現状では1F長い印象です。

■東京11R ◎サンクテュエール→13着

道中の立ち回りは理想的でしたが、直線で外に出されても全く伸びず。加速がつかないのはともかく、ジリジリとさえ伸びない始末で、ほとんどすべての馬にとって距離が言い訳にならない舞台でこの結果では、力関係を見誤ったとしか言いようがありません。次走に誰が乗るのかでこの馬の立ち位置が自ずと見えてくるでしょう。

■京都10R ◎テーオーケインズ→6着

スタートであえて引き、砂を被らないように進めたのは良かったのですがあまりにも馬群が縦長になってしまいあの位置ではノーチャンス。最後はいい脚を使っているだけに、運が向きませんでした。

■京都11R ◎ヴィッセン→5着

難なくハナを切ったかに思えたエーティーラッセンでしたが、前半1000m60.1秒と速めの流れで前が早めに止まり、4角で押し出されたヴィッセンも最後は後続に呑まれる結果に。ハナを取りたい馬が複数おり相対的にペースが上がったことがこの馬には災いしました。

【5/24(日)予想】未知の距離には確かなエスコートを<オークス サンクテュエール>/短くなるのは距離だけじゃない<新潟8Rタガノスカイハイ>他



この写真も今見ると何とも複雑な気持ちに…

【ラインナップ】
新潟8R
東京10R(フリーウェイS)/11R(オークス)
京都10R(鳳雛S)/11R(烏丸S)

■新潟8R

このブログ最多登場(4回目)となる◎タガノスカイハイ。過去本命抜擢の3戦はいずれも小差ながら④⑥③着ともどかしい競馬。前回の振り返りで「使える脚が短いのでは?」という話をしましたが、陣営は距離に原因があると見て約2年ぶりに1400mを使うことにしました。

自分としては、距離よりも「直線の長さ」が変わる点に注目。内回りで短い直線でケリをつける展開になれば、この馬の持ち味が活きると見ます。ルーラーシップ産駒ということで引き続き非根幹距離でやれるのもベスト。

【本命】13タガノスカイハイ
複勝13

■東京10R

本場場入場の際に流れる「♪中央フリーウェイ(荒井由実)」が好きすぎるフリーウェイS。今年は現地で聴けないうえ、グリーンチャンネルの921ch(パドック・本場場入場中継)が放送休止中とあって、恐らく聞けるのは現地にいる関係者のみとなりそうです。

レースの方は最近5年で逃げ切りが3度。一昨年のノットフォーマルは18頭立ての11番人気と人気薄でも前目につける馬には警戒が必要です。現状の高速馬場を考えれば、前走中山の1200m戦で厳しい展開を逃げ切った◎キルロードは切れません。展開利を期待して頭まで。

【本命】5キルロード
単勝5

■東京11R

当然ですがほとんどの馬が距離未経験。唯一リリーピュアハートはゆりかもめ賞で経験がありますが、忘れな草賞で不覚を取るあたり相対的なスピードの問題で、馬自身の適性はここにあると思いますが大きな舞台での活躍はもう少し先かな?と見ています。

まずは対抗○デアリングタクト

前走は完全ノーマークでの勝利で自分の見る目のなさを呪いました。重馬場で最後までしっかり伸びたあたり、不良馬場の菊花賞を制した父エピファネイアを彷彿とさせる勝ちっぷりでした。距離はみんな同じであって、確かな末脚はこの舞台でも信頼できるでしょう。初輸送と内枠さえこなせれば引き続き争覇圏。

個人的には、当初「1週でも多く調整期間を取りたい」という意向からダービーへの参戦も検討していた経緯もあり、ただでさえ激走後の立て直しが難しいうえに初めての輸送という点、加えて陣営は控える競馬を志向しており、4角で馬群が密になりやすいオークスで内枠を引いてしまったことで立ち回りが難しくなる点を懸念材料として割り引きました。

この舞台で浮上見込めそうなのが▲ミヤマザクラです。

当初からオークスを志向され、札幌の芝2000mを勝った後いきなり京都2歳Sに参戦。マイラプソディの2着に健闘しましたが当時の完成度を思えば勝ちに等しい2着でした。ミスパスカリの子どもはスプリングSをはじめ1800~2000mで5勝したマウントロブソン、菊花賞3着のポポカテペトル、2400~2600mで3連勝し先日の阪神大賞典にも出走(8着)したボスジラ等、スタミナと持久力に優れたタイプが多く、この馬にとってキレが求められる1600mは必ずしも本職ではありませんでした。高速馬場への対応力がどうかですが、舞台替わりで上昇が見込める1頭として3番手の評価をしました。

ただ、個人的には福永Jのままなら本命で良かったと思っていました。乗り替わりの背景には、同じ藤原厩舎で牝馬クラシックを目指す2頭について「桜花賞はミヤマザクラ、オークスはリリーピュアハート」と福永Jが前々から決めていたことにあります。忘れな草賞で賞金加算できず、抽選待ちになってもこの馬を第一希望としていたことは、期待度の高さか単に「賞金加算できなかったことへの責任感」か…(ちなみにリリーピュアハートが除外になった場合はホウオウピースフルに騎乗予定だった)。

本命馬に関わることなので先に紹介しますが、この舞台を考えるにあたって「折り合えるか」を見極める一つのファクターはやはりジョッキー。以下は2019年以降の芝2000m以上のレースで、前走から「400m以上の距離延長」となった際の出走各騎手の成績です。


「長距離は騎手」と言われますが、日本競馬においては道中で折り合って脚を溜めて最後まで持たせることが求められます。当然距離が長くなればその難易度は増し、リーディング上位に登場するジョッキーはやはりこうした数字にも実力が表れてきます。少なくとも自分にはこれを見てスマイルカナを買う勇気はなかったです

ミヤマザクラの武豊Jも水準以上の数字で流石レジェンド、という感じですが、秀逸なのは上位2人の外国人騎手。人気するケースが多いにも拘らず単複回収率がいずれも100を超えているのですから、信頼度の高さが伺えます。ルメールJはこの条件で約7割も連に絡んでるという凄さ…

タイトルにも書きましたが、本命は◎サンクテュエールです。

前走は重馬場で参考外としたいところですが、直線で手ごたえをなくしかけたところから再度伸びて6着まで押し上げた能力はここでも引けを取らないと見ます。内枠を引いたデアリングタクトに対し、大外枠で自在に動けるのもプラス。確かなエスコート役に導かれ、初の2400mで雪辱と行きたいところです。

ちなみに13時時点で単勝は18.5倍。ルメールJの騎乗馬が10倍以上の単勝配当となること自体が珍しく、通年参戦が始まった2015年以降の876勝のうちわずか30回。それも年々少なくなり一昨年は3回(モズアスコットの安田記念等)、昨年は2回、今年はここまで1回というレアぶり。こんなチャンスは滅多にない?

【本命】18サンクテュエール
【対抗】4デアリングタクト
【単穴】10ミヤマザクラ
単勝18
馬連ボックス4,10,18
三連複4-10-18

■京都10R

テーオーケインズは前走で道中モロに砂を被り後退するも、直線だけで2着まで押し上げてきました。中間は藤岡佑Jが追いきりに騎乗し癖を把握。昇級組が未知数も軸は堅いと見ます。人気のダイメイコリーダミステリオーソに加えて新馬戦でパラスアテナを下したヴォートルエローまで。

【本命】3テーオーケインズ
【相手】6,11,15
馬連3-6,11,15

■京都11R

地元に帰った◎ヴィッセンから狙います。京都・阪神の成績(4,4,7,19)に対し遠征では(0,0,1,13)。加えて2400m以外では連対経験がないというわかりやすい戦歴の持ち主。9歳シーズンも衰えなく、上位争いが期待できます。差し効く馬場になった今なら○ミスマンマミーアの差し切りも。

【本命】3ヴィッセン
【対抗】6ミスマンマミーア
【押さえ】5,8,11,16
三連複3-6-5,8,11,16

2020年5月23日土曜日

パラスアテナ2連勝、この末脚は本物か



現役唯一の出資馬である広尾TCのパラスアテナ(牝3、高柳瑞厩舎)が、土曜東京のカーネーションカップ(3歳牝1勝クラス、芝1800m)に出走。中団待機から坂上で鋭く伸びて前を捕らえ、2連勝を飾りました。

前走(4月の未勝利戦)もそうでしたが、未曽有の緊急事態の中でもこうして開催を続けてくれるJRA及び開催にあたる皆様、騎手や厩舎関係者の皆様に感謝申し上げるとともに、広尾TCならびに会員の皆様と、喜びを分かち合いたいと思います。

レースはヤマニンプレシオサが飛ばし、前半1000mは58.8で通過。とはいえ2番手以降はタイムにして約1秒は離れており、先頭以外は平均~スローペースという感じ。個人的には、前目から馬場の良い内を確保して後続を封じる…というレースを想定していたのですが縦長の馬群となり外を回す形に。それでも坂上から満を持して追い出すと素軽い伸びを見せ、最後は上りを33.3でまとめ1着。重賞実績のあるセイウンヴィーナス、特別戦で掲示板に載ったシベール、カインドリー等小頭数ながらメンバーが揃った一戦を見事に制してくれました。

見ていて気になったのが、セイウンヴィーナスを交わした後再度手前を変えてゴール前で一伸びしていたこと。理想的なレースが出来たこともあり、抜き去ってからは手綱を緩める余裕ぶり。トビの大きい父ルーラーシップに似つかず「小脚の使えるタイプ」(高柳瑞師)ということもあり広いコースでのキレ勝負は不安でしたが、杞憂を吹き飛ばすパフォーマンスでした。

位置取りにこだわらずペース判断の上進めた鞍上の好騎乗が大きいことはもとより、「自在性があり、追って伸びる馬。能力がありそう」(武豊J)と言わせしめたポテンシャルには、もはや個人的な事情抜きで高い理想を期待してしまいます。今後について師は「無理をせず、成長に合わせて使いたい」とのことで一休みが濃厚。テンションが高くなりやすい馬で休み明けの今日もパドックはギリギリ持ちこたえていた程度でしたから、リフレッシュと成長を促していくことになりそうです。馬格を考えると今後もしばらくは同世代とのレースにしてあげた方が良さそうで、個人的にはラジオNIKKEI賞を思い描いていましたが、秋の楽しみを育てるのも悪くありません。

募集額1,600万のパラスアテナはこの勝利で、獲得本賞金を1,800万としてくれました。もちろん進上金などを加味すれば一口馬主の収支としてはマイナスですが、孝行な馬ですホント。心身のリフレッシュに努め、さらなる成長を期待したいです。お疲れ様、そして本当にありがとうございました。

【5/23(土)結果】

■東京11R ◎ゴーフォザサミット→7着

現状の馬場を考えれば位置取りが後ろ過ぎました。個人的にはマイネルハニーを行かせて2,3番手程度かと思っていましたが、内を突いた各馬が伸びを見せる一方中団から外を回し最後は脚色が同じに。難しい馬とは言え、位置取り、コース取りともに裏目だった印象。ただ最後の3Fが34.2の脚しか使えてない点を踏まえると、現状この相手関係でも厳しいのかもしれません。

■京都11R ◎ロードレガリス→10着


何せ中央のダートで負けるのはこれが初めてなので、明確な敗因を推し量るのは難しいのですが…

やはり過去レースを見ていると、武豊JにしろシュタルケJにしろ馬を外に持っていこうという意識が見える騎乗でした。スタートが悪いのは元々なので仕方ないにしろ、内に入れるのではなく外に出せるタイミングを伺いながら、勝負所は外を回して上がるというレースを繰り返していました。初勝利となった大井の一般戦もVODで見ましたが、馬群に入れようとするとあからさまに頭を上げており、4角で外に出すと見違えるような伸び。今日も後方に置かれ1頭だけになったタイミングから脚を伸ばしていましたが、流石にG1級メンバーが揃うここでは前半のロスを取り返すには至らず…

池添Jが何を思って乗ったのかは不明ですが、もしこれで次走人気が落ちるならチャンスと見ます。

【5/23(土)予想】王者の隙を突いて戴冠へ<平安Sロードレガリス>/このクラスなら差ない<メイSゴーフォザサミット>

【ラインナップ】
東京11R(メイステークス)
京都11R(平安ステークス)

■東京11R

実績馬、人気馬には勝ちきれなかったり状態面微妙な馬が居たりでなかなか手の出し方が難しいレース。このクラスに入れば上位争い可能な◎ゴーフォザサミットから狙います。前走はこの馬が走れない重馬場で参考外、前々走も差し決着を前々で運んで先行勢で唯一掲示板(4着)に残したもので評価できるレースでした。頭数も手ごろなOP特別、得意の東京コースなら前進期待です。

【本命】9ゴーフォザサミット
【相手】4,6,7,8,11
単勝9
馬連9-4,6,7,8,11

■京都11R

オメガパフュームゴールドドリームと帝王賞を見据えた実績馬も出走。とはいえゴールドドリームはそもそも昨年末引退しようとしていた馬で、オメガパフュームも3着だった昨年同様59kgでの出走。ここでの順調度を考えますと「飛んでもおかしくない」と考えるのがベターと考えます。

実績では王者2騎に譲るも、目下の充実度を買いたいのは◎ロードレガリスです。

特に強調したいのは前走のアルデバランS(1着)。京都のダート1900mは正面スタンド前をいっぱいに使っての先行争いとなるため、この距離カテゴリのダート戦では珍しく道中ずっと12秒台となることがしばしば。同レースも最も緩んだのはスタートから4.5F目(700-900m区間)の12.8。そこから徐々に加速するというレースで、前目にいる馬にとっては切れ味に加えて末脚の持久力も問われます。これを道中5~6番手で進み、3コーナーから進出すると最後はスワーヴアラミスとのマッチレースを制し6連勝(中央では4連勝)。そのスワーヴアラミスがマーチSを制したことも考えれば、引き続き56kgで挑めるここは重賞制覇のチャンスと見ます。

とはいえ、上記で挙げた2頭も含め実績的には何が来てもおかしくない状況で、マーチSを制したスワーヴアラミス、同コースを含む3連勝とこちらも勢いに乗るマグナレガーロを押さえます。穴はミツバ。持久力勝負は得意なクチで、つい1年前には川崎記念を制した通り実力は折り紙付き。早めに動く自分の形のレースが出来ればここでも食い込む余地はあると見ます。

【本命】2ロードレガリス
【相手】5,7,9,10,12
三連複2-5,7,9,10,12

2020年5月17日日曜日

「特別登録に出資馬が居る」というワクワク感。


さて、日曜の競馬が終われば翌週に向けて動き出すわけで、今週はそそくさと振り返りを終えて特別登録をチェック。現役唯一の出資馬パラスアテナが土曜東京のカーネーションC(3歳牝馬1勝クラス・東京芝1800m)に予定通り登録してきました。当初、新潟(早苗賞)と両にらみとの説もありましたが、新潟が登録22/16頭に対し東京は12頭。スンナリ出られそうです。


前走勝利後リフレッシュ放牧に出され、先週帰厩ののちウッド、坂路で追いきりを消化。1週前はウッドで伴Jが跨り馬なりで52.9-12.1。同じく馬なりで併せたソーラーフレア(3勝クラス)を0.4追いかけ0.2先着という上々の内容で、期待が高まります。

なお、高柳瑞師のコメントによれば過去3戦騎乗の吉田兄弟は新潟の予定につき、鞍上は武豊Jに依頼中とのこと。メンバーを見渡しましたがかち合う馬はいなさそうで、特段支障は無いと見られます。いやはや…

【想定】
エレガントチャーム 横山典
オムニプレゼンス  レーン
カインドリー    石橋脩
カトゥルスフェリス ルメール
サナチャン     武士沢
シベール      三浦
スパングルドスター M.デムーロ
セイウンヴィーナス 野中
パラスアテナ    武豊
ペルラネーラ    戸崎
ヤマニンプレシオサ 江田照
ラキャラントシス (北村宏)

こんなところでしょうか?オムニプレゼンスは津村JアウトでゴドルフィンですからレーンJ、もしくは田辺Jかと。ラキャラントシスは横山武・津村両Jがアウトのため100%推測ですが、厩舎のコネクション的には北村宏Jあたりと見られます(オークスでフィオリキアリが抽選通るかにもよりますが)。

それにしても、出資馬が特別登録に名を連ねているってのはこんなに気分が高揚するものなんですね…まずは無事に!

【5/17(日)結果】

■東京11R ◎セラピア→取消 ○アーモンドアイ→1着 ▲プリモシーン→8着


アーモンドアイとプリモシーンの位置取り、普通逆やろ。

この時点でもう勝つなと思いましたが、坂上から軽く促すとサウンドキアラをノーステッキでアッサリ突き放すレースぶり。あれで上りタイムは脅威の32.9。調教かよ。

とはいえ、サウンドキアラも好調そのままに自分のパフォーマンスをしてくれましたし、ノームコアも終いを伸ばして3着。逃げたトロワゼトワルが4着になっていることからも、相対的には前有利の流れを差し込んできたのは真に強い証拠です。余計に「セラピアが居たらどうなっていただろう」と思ってしまいました。

プリモシーンについてはスタートの失敗が全て。レーンJはこういうことが多いので、後ろから行ってはいけないレースでは危ないです。▲にした自分のチョイスの問題です。


■東京12R ◎グランソヴァール→4着

どうも最後は脚が上がっているようで、使える脚が長くないように見えます。理想を言えば春待月賞のように、団子状態の馬群で最後に一脚使ってまとめて差し切るようなレースが理想なのでしょう。


■京都11R ◎ダイメイフジ→14着

入りの3Fが33.8というハイペース。控えましたがそこからいい脚を使えるタイプではないだけに直線では見せ場なく後退。今日はサクセスエナジーが居たことが災いしましたが、手薄なメンバーで先行できればもう一発あるでしょう。


今週はちょいマイナス。
来週パラスアテナが返してくれるからへーきへーき(どっちの意味で?

【5/17(日)予想】真の「じゃじゃ馬」は…<ヴィクトリアMセラピア>/OP入りして主戦を待つ<BSイレブン賞グランソヴァール>他



レーンのパンツに「D.レーン」って書いてるのほんとすこ

【ラインアップ】
東京11R(ヴィクトリアマイル)/12R(BSイレブン賞)
京都11R(栗東S)

・東京11R

2008年にこのレースを制したエイジアンウインズの娘・メジェールスーが出走。「メジェール」はナイジェリアの公用語であるイボ語で「じゃじゃ馬」という意味なんだそうです(本義は「クレイジー」に近いようですが…)。という書き出しですが、前走で◎抜擢した阪神牝馬Sでは距離の壁を感じさせる負け方でちょっとここでは手が出せないと見ています。

このレースは1にも2にもアーモンドアイの取捨を決めないと始まらないところ。個人的には「消せないが、全幅の信頼は置けない」という判断です。予想以上のスピードで回復が進んでいる今日の東京の馬場状態ではよもやの取りこぼしもあると見ています。

元々そんなにスタートが良いタイプではなく、直線向いてからエンジンをかけて差し切ることを身上としている同馬にとって厄介なのは「前が飛ばして止まらない」展開です。事実、デビューの新潟戦は芝1400mの内回りでこの馬が差し切るのには明らかに直線の長さが足りませんでした。結果、ニシノウララを捕らえられず2着。昨年の安田記念もスタートで致命的な不利を受け位置を上げられず。32.4の末脚を繰り出しながら3着に敗れたこと自体は仕方ないとはいえ、アエロリットがぐいぐい引っ張るハイペースで直線入った時点でも縦長馬群で前とはかなりの差があり、アーモンドアイのような絶対的な能力を持つ馬でもこのような展開になってしまっては流石に…という話です。

有馬記念は1週目のスタンドで明らかに掛かってしまいガス欠。元々コーナーから加速しなければいけない中山コースも不向きですし、安田記念とはメンバーレベルが断然違いますので、今回同じような不利があっても勝ててしまうかもしれません。そのくらい現時点での能力は抜けていると見てよいでしょう。しかしながら、ペースについてはコントラチェック・トロワゼトワルと「ハイペースを逃げ切った経験」のある2頭の参戦により高速化が避けられず、懸念材料が残る形に。これでも馬場が渋ったままなら時計も相対的に抑えられ能力で押し切るかと思いましたが、ここまで晴れては良馬場不可避。天気も込みで印は○としました。

本命は◎セラピアとします。

前走(難波S1着)が成長を感じさせるとともに、まさに「じゃじゃ馬」というレースぶりでした。スタートから掛かり通しで600mほど頭を上げながらなんとか2番手で抑え、4角で先頭に立つとノーステッキで快勝。入りの3Fが35.3にも関わらず上りが33.7という出色の末脚、これを掛かりながらノーステッキでやってのけるところに、オルフェーヴルの血を感じます。相当苦労したであろうデムーロJの手腕も光りましたし、できればこっちに乗って先週の再現をしてほしかったのですが…

とはいえ、初コンビとなる田辺Jもかつての安定感を取り戻しつつあり、東京芝1600mの騎乗成績(2019年以降、下図)では関東トップ。平均人気の差を考えれば非常に良く乗っていると言えるでしょう。


理論上、32秒台の脚をもつアーモンドアイを差し切るには31秒台の切れ者でないと無理で、そうなると先行して速い上り脚を使えるかがポイントです。難波Sのあった2回阪神で芝1800m戦は6鞍ありましたが、レースの前半3F及び後半3Fが最も速いのがこのレースでした。サトノインプレッサが勝った毎日杯でさえ35.4-36.2で、これより速く入って3秒近く速い上りを使っているのですから、時計への適応力もさることながら「前目でいい脚を使える」可能性を持っている1頭と言えるでしょう。

鍵は輸送。デビュー2戦目でフローラSに出走した際は輸送の影響が指摘されましたが、心身ともに成長し掛かっても抑えて勝てるようになった今なら克服可能と見ています。中間は坂路で「前に馬を置いて最後に抜き去る」調教を2週連続で敢行。陣営は逃げられないパターンも想定しており、この稽古が実を結ぶ結果となれば…離れた外をアーモンドアイに差されることはあっても、上位に食い込む期待は出来そうです。

▲はプリモシーンとします。
「リピーターレース」と呼ばれるヴィクトリアMですが、先週のNHKマイルCの際も紹介した通り3角手前から下り坂があるため道中のペースが緩みにくく、牝馬限定戦の多くが「道中で一旦緩んで決め手勝負」であるのと比例してこの手のレースへの適性を持った馬が限られることから繰り返しの台頭が目立つ、という理由もあります。昨年2着というだけでも十分なのですが、2走前の東京新聞杯でも2F目以降ずっと11秒台を刻む展開を5,6番手から運び直線で外に持ち出し差し切った強い内容。デムーロJも福永Jも居る上昨年の勝ち馬ノームコアも居るのにレーンJを配したように陣営の本気度も高く、良い枠も引けたここは万全の競馬で力を出し切ってくれるでしょう。

以下、勢い目立つ△サウンドキアラ、昨年の覇者△ノームコアを押えに。
ノームコアの横山典Jは、関東の騎手でありながら東京芝1600mで47連敗中、1年7か月間勝ち星がありません。東京コース全体で見ても最近の勝ち星は中距離以上に偏っています。一方、中山や京都ではマイルでもそれなりに勝てているあたり、長くいい脚を使わせることが相対的に苦手になっていると見られます。先日のウラヌスチャームや少し前のリオンリオン、ムイトオブリガード等ペース判断が求められる局面では馬の力を引き出す騎乗を見せており、こういった部分で若手に勝ることが印象的な活躍に繋がっているのでしょう。今回は正直切っても良いと思いましたが、仮に「2,3番手につけて最後に一脚使う競馬」もしくは「渾身のポツンでアーモンドアイが前を掃除した後の着狙い」だと台頭余地もあるでしょう。前走高松宮記念を使ったというのも一つのサインかもしれません。

いい馬ばかりな上、アーモンドアイの参戦で相手も絞らなければ儲からず、今回ラヴズオンリーユーは無印としました。オークスや忘れな草賞は牝馬戦らしく中間が緩んでの瞬発力勝負。今回の舞台では追走できるかが疑問な上、兄リアルスティール同様に適性は1800m以上にあると見ています。

加えて気になるのが調教過程。デムーロJは栗東拠点のため最終追いに乗れたはずなのに、最終(木曜)追いは所属の坂井J。この点矢作師は「先週の時点で(デムーロJは)いい感触をつかんだと言ってくれた。実際陣営としては仕上げに苦労しているのが本音だが、それならば鞍上にはいい感触のまま本番に乗ってほしいと思った」という趣旨の発言をしていましたが、普通最後にかけて「もっと良くする」ために行うのが最終追いなわけで…

この尋常とは言えない過程に自分は2つの可能性を見ています。

①矢作師の言った通りの意図である場合
→最終追いを以てしてもちゃんと仕上げられるかに不安がある、これに尽きるでしょう。実際この馬の仕上げに関して「順調に来れたのはオークスくらい」とも語っており、名牝リスグラシューを育てた矢作師を以てしてもこんなにも手を焼く馬だというのは分かる気がします。実際オークス時点でもかなり粗削りな勝ち方でしたし、それでカレンブーケドールを差すんですから力はあるのでしょうが。

②矢作師が別の意図を以てデムーロJを乗せなかった?
→「そもそも矢作師はデムーロJを信頼していない」可能性があると考えています。

例えば、ルメールJがドバイ遠征で元々乗れない予定だった高松宮記念でモズアスコットの騎乗を任されましたが、坂路での最終追いで50.2の好時計を出し満足げの鞍上に対し、「51秒くらいで来いと言ったのに」と不満を隠さなかったトレーナー。

そもそも厩舎に初めてG1勝利をもたらした功労者(2010年短期免許で来日中に朝日杯FSをグランプリボスで制覇)にも関わらず「G1での勝負強さがあるイメージ」と語るにとどまり、両者の関係性がそこまでではないことを感じました。実際、今年の騎乗依頼はその高松宮記念と前年のJCで代打騎乗した経験のあるタイセイトレイルのメトロポリタンSの2鞍のみで、しかも後者は移動制限があったため騎乗経験のある騎手に頼んだという側面があり積極的に乗せたとは思えません。

ラヴズオンリーユーでさえデムーロJが乗ったのは3戦目の忘れな草賞からで、デビュー戦はルメールJで勝っています。元々オークスではルメールJに先約があった(騎乗停止で結局乗れませんでしたが)のに加え、折しも「ルメール1強」に対する(判官びいき込みの)不平が渦巻いていた昨年の春先。空前の10,000口募集を行いバックには比べ物にならない会員数が居るDMMサイドとしても、ここで乗り替わりというのはどう考えても反発を招くだけという意図もあったことでしょう。で、オークスで結果を残した以上このコンビをDMMの象徴とすべく、恐らく何があってもこれからもこの馬はデムーロJで行くでしょう。厩舎サイドの意図に関わらず。

こうした背景を考えますと「デムーロJに乗せたいと思ってない矢作師」「ラヴズオンリーユーに乗りたいデムーロJ」「ラヴズオンリーユーにデムーロJを乗せてほしいオーナーサイド」の思惑は空中分解寸前で、それが異例ともいえる「最終追いに乗せない」判断を招いたのだと思います。当然デムーロJとしては結果で応えるしかないのですが、馬自身の適性もここには合ってないと考えますし、勝てる力はありますが今回は消しでいいかと。

【本命】9セラピア
【対抗】12アーモンドアイ
【単穴】5プリモシーン
【連下】16,18
単勝9
馬連9-5,12,16,18
ワイド9-5,12,16,18
三連複5,9,12-5,9,12-5,9,12,16,18


■東京12R

既にお昼の時点で砂が舞う程度に乾いており、追い込み一辺倒では届かなくなってくると見ます。前走掛かって勝負にならなかった◎グランソヴァールの反撃です。主戦の戸崎Jも復帰するとあって、OP入りを決めて復帰を待ちたいところです。前走で2番手からの競馬と新境地を見せた○リトルモンスターを相手筆頭に。

【本命】7グランソヴァール
【対抗】9リトルモンスター
【押さえ】4,6,10,11
馬連7-6,9
三連複7,9-4,6,10,11


■京都11R

ダイメイフジは前走は距離延長が裏目だったと見ます。芝の頃もOPではマイル実績無く、1400mはつい昨秋にオーロCで0.3差に踏ん張ったようにこの馬の守備範囲。京都も馬場回復進んでいますが、重~よくて稍重程度を見込んでおり、スピードで位置取れるこの馬の出番があっていいと見ます。

【本命】4ダイメイフジ
【相手】1,3,5,6,7,9,15
単勝4
馬連4-1,3,5,6,7,9,15

2020年5月16日土曜日

【5/16(土)結果】

■東京10R ◎アントリューズ→5着

予想通り誰もハナを主張しない流れの中、瞬発力勝負では分が悪いと早めの進出。直線半ばまでよく伸びましたが、キレで勝る他の馬にもう一歩及ばずの5着。ただ個人的には誰も行かなかった時点でこうなることも覚悟していましたし、引き続き人気しないようなら相手関係次第でまだまだ妙味十分と見ています。馬が強いのがいつバレるか、競馬、特に条件戦や世代限定戦はそこを読むギャンブルという側面もあるので。

■東京11R ◎エントシャイデン→9着 ○セイウンコウセイ→6着

稍重の発表でしたが恐らくは重に近いレベルまで悪化していたのでしょう。前目につけた馬がそのまま流れ込む展開に。エントシャイデンは明らかに伸びを欠きましたが、ディープ産駒がここまでキレを削がれては致し方ありません(上位3頭は全てロードカナロア産駒)。

セイウンコウセイですが、内田Jにあそこからハナを取れというのは無理難題です。それをやると掛かってパニックになりかねません。ですがこの馬が0.3差の6着に残しているというのが今日の東京の芝。これを覚えておくことが明日に向けて大事になるでしょう。

ダノンスマッシュは完全に騎手で勝たせたようなものですね。あるいはコパノキッキングのように戦法縛りがあってそれが解けたおかげなのか。いずれにせよこの馬の潜在能力の高さを再認識する結果となりました。一方でタワーオブロンドンには厳しい馬場。この敗戦は致し方ありません。ここから距離を伸ばすようには見えないので、次またスプリント戦に出てくれば好勝負必至でしょう。但し良馬場で。

■京都11R ◎バイオスパーク→2着

直線半ばではもう勝った気でいました…

あれを差し返すんですから、現状ベステンダンクには1800mの方が息入っていいのかもしれませんし、やはり力のある馬だということを見せてくれる結果になりました。バイオスパークにしても、戦前指摘した通りスパッと切れるところがある分使える脚に限りがあるので、今日のように発馬を五分に決めて内々で脚を溜められれば理想的です。今日は鞍上も勝ったと思ったでしょうし、ただただ相手の粘りを称えるしかありません…

🎯ワイド 28.7倍&8.7倍

【5/16(土)予想】狙いすました連闘<京王杯SCエントシャイデン>/不運続きの馬柱<湘南Sアントリューズ>他


東京は昼前より雨。丁度昨年のNHKマイルカップの週を思い出すような天気になりました。あの週は日曜に晴れて外側から回復が進み、外を回ったアドマイヤマーズとケイデンスコールのワンツー。今日どれだけ降るかと明日どこから回復するか、当然ながら見極める必要がありそうです。

【ラインナップ】
東京10R(湘南S)/11R(京王杯スプリングカップ)
京都11R(都大路S)

■東京10R

良いメンバーが揃い混戦ですが、相対的に人気落ちるであろう◎アントリューズの狙い時と見ます。この馬は最近とにかくついてなく、3走前は内有利展開を外から追い込んで4着、2走前はスタートで1完歩半は後手を踏み直線もまともに追えず5着、そして前走は水しぶきの上がる不良馬場で11着と敗因はハッキリしています。4走前には紅葉Sでレッドヴェイロン(1着、キャピタルS2着)、モズダディー(2着、次走勝ち上がり)とタイム差なしの3着と走れており、本来ならばこのクラスで上位の存在。相手を幅広くとる必要こそありますが、この混戦なら十分元は取れそうです。

ニシノカツナリ、ヴィッテルスバッハ、アガラス、ピースワンパラディと上位クラスの好走歴ある馬はもちろん、底を見せていないフォルコメンも上位にマーク。あとは逃げ馬が見当たらないメンバー構成なだけにもしもの時のワールドヘリテージまで。

【本命】9アントリューズ
【相手】3,4,5,6,8,10
単勝9
ワイド9-3,4,5,6,8,10


■東京11R

2002年のNHKマイルCを制したテレグノシスは、1400mで行われる京王杯SCを翌2003年に、1800mで行われる毎日王冠を2004年にそれぞれ制しています。これが示す通り、東京の1400・1800mはマイラーのスピードが求められるコースと言え、1400mではスプリント型が、また1800mでは中距離馬が苦戦するケースが見られます。



その謎はコース形態から読み解くことができます。
向こう正面の後半に上り坂があり、1400mのスタート地点は出るとすぐに坂を上るためテンのスピードで勝負してきたスプリンターにとっては苦しく、最後に捕まってしまいます。一方で1800mのスタート地点は1,2コーナーの中間地点で、ここは下り坂から始まるためテンにスピードが出やすく、普段道中ゆっくり行って直線で勝負していた中距離馬がついて行けず位置を落としたり、追走に脚を使ってお釣りが無くなるケースが発生します。

今回のレースにもスプリント戦線からの転戦組が何頭かいますが、本質的に「マイル適性」を持っているかで見極める必要があると考えています。そしてそれ以前に、先週の繰り返しにはなりますが「それなりの位置から終いを使える」この東京に求められる適性を軸に組み立てたいです。

近走のレースぶりに進境見える◎エントシャイデンを本命とします。
昨年は長らくスランプ?クラスの壁?に悩まされてきましたが、川又Jを配したここ2戦は好位~中団からいい脚を使って3着、2着。OPでは相対的に位置取りが後ろになることが多く33秒台前半の脚を使っても届かない、というレースが続いていましたが、前走の谷川岳Sは16頭立ての7番手を進み、直線で狭くなるシーンがありながら33.0の脚を使って2着に来るなど、走りに自在性が出てきた点に進境が伺えます。

加えて連闘での参戦は矢作厩舎の得意戦法。個人的には中5週の先週が叩きでここが本番と思っていただけに2着に来たのが逆に意外でしたが、この好調ぶり+手ごろな頭数+人気勢に死角ありとくればここはチャンスでしょう。

雨が降り続く前提で、相手筆頭は○セイウンコウセイです。
この馬はハナさえ切れれば(4,3,1,1)。唯一着外だったのはブリンカーが効きすぎて大暴走したシルクロードS(15着)で、上記のうち1400mでも(2,1,0,0)と結果を残しています。今年も着は良くないですがシルクロードSは0.2差の⑤着(58kg)、高松宮記念は0.4差7着と着差ほど負けていません。距離延長、ハナを主張するメンバーもいなさそうなここは自分の形に持ち込んでの好走が期待できます。

渋った馬場は良くないとはいえ、最低限の走りはしている▲タワーオブロンドン。この馬は本質的に1200mは短く、かといって1600mは長いというブラックホークキャラ。この馬の能力を最も発揮できるのは広いコースの1400mで、馬場の不安こそあれ着に食い込む力は十分にあると見ます。こちらも良馬場が理想だった△ステルヴィオ、母父ジャングルポケットでこのコース替わりは歓迎の△ライラックカラーを押えます。

上述の理由から、マイル実績のないダノンスマッシュ、近走の好走歴は1400m以下に集中しているレッドアンシェル、あとは位置取りが後ろになりそうなグルーヴィット等は今回省きました。近走調子の良さが光るストーミーシーも押さえる予定でしたが、坂路で締めていたここ2走と違って最終追いがウッドというのが気がかり。往時の水準には至っていないと判断し、馬券は見送りました。

【本命】11エントシャイデン
【対抗】9セイウンコウセイ
【押さえ】6,10,12
単勝11
ワイド11-6,9,10,12
三連複9,11-6,10,12


■京都11R

前走スタートの不利に泣いた◎バイオスパークに再度の期待。その前走(大阪城S)で0.1差だったサトノアーサーが人気の中心となっていますが、斤量差こそ3kg→1kgに縮まるものの当時もスムーズなら際どい勝負になっていたはずで、じわじわ伸びるサトノアーサーとスパッと切れるバイオスパークなら今回はこちらに分があると見てもよさそうです。

京都も例によって朝から雨で読みが難しく、相手はそのサトノアーサー含め幅広く。

【本命】7バイオスパーク
【相手】1,3,6,8,9,10,12,14

2020年5月10日日曜日

【5/10(日)結果】



いつもはG1当たってもショボい配当しかないので、G1勝ってスッキリプラ確という経験は恐らくトーセンジョーダンの勝った天皇賞の時くらいまで遡る気がします…その日はその足で行った某声優のライブで友達にチケ代と飲み代を奢ってアッサリ無くなりましたが。

■新潟11R ◎インビジブルレイズ→5着

4角からいい形で上がっていったものの、ペースも落ち着き前目にいた馬も止まらず残り200m辺りでは完全に呑まれていました。それでも最後まで脚を伸ばして5着とこの馬のレースは出来ていましたので、ペースに泣かされたことが全てと言えそうです。

勝ったトーセンスーリヤはアトミックフォースを見ながらの理想的な運び。前が垂れて1頭だけになることもなく、ギリギリまで併せ馬の形を取れたことも勝因でしょう。驚いたのは3着だったプレシャスブルー。これまでの好走歴は中山や札幌など一瞬の切れ味で勝負するレースが多く、長くいい脚を使っての好走は新境地を拓いたと言えるでしょう。

■東京11R ◎ラウダシオン→1着

スタートで2番手につけた時は何かの間違いかと思いました…

5分に出てスッと2番手へ。この時点で自分は「あ、これガチでルメール負かしに行ってるな」と感じゾクゾクしました。そう、まさしく今日のデムーロJのそれはアドマイヤマーズがグランアレグリアに勝った朝日杯と去年のこのレースを観ているようでした。つかず離れずの追走でレシステンシアを射程に捕らえ、直線でも坂上まで追い出しを待ちキッチリ抜け出す強い勝ち方。馬場や風の影響も踏まえ外からは来ないと踏んだ鞍上の好判断もありますが、レシステンシアが自分の流れに持ち込もうとしながらそれを唯一差してきたわけですから、府中マイルへの適性はトップスピードとその持続力に長けたこの馬の方が上だった、ということだと思います。手前味噌で恐縮ですが、この辺りの見解はバッチリ嵌ったと感じます。

勝ちタイムの1.32.5は昨年のアドマイヤマーズに0.1秒及ばないものの、2番手を進んだ馬の勝ちタイムとしてはアエロリット、ジョーカプチーノに次ぐ上位の水準。前半3F34.1というタイムについては、最後の直線でフローラSばりの南風が吹いていたことから向正面で追い風が吹いておりさして早くない、という話もありますが、発走地点の黄旗は少なくともゲートが開く時点ではたなびいておらず、その関連は不透明な部分があります。ただ、アエロリットが勝った2017年ですら前半は34.5でしたし、逃げたのがボンセルヴィーソだったことを考えてもこれより速いラップを刻んでいることが緩いとは言い切れなさそうです。いずれにせよ、勝ったラウダシオンはもとより自らペースを作り2着のレシステンシアについても実力を認める必要があると考えます。

ラウダシオンのマイル適性については調教師も再三「ギリギリだと思う」と語っていましたし、事実大崩れしたのは唯一のマイル戦(朝日杯FS8着)でしたからこの馬柱で強気になれないのは馬券を買う側も同じでしょうが、予想の段階で述べたように「クラシックからの転戦組も増えている」こともあり、王道路線に求められるスピードの持久力を持った馬も相対的に多くなったことから一介のスピードタイプよりその持続力を兼ね備えた、ある程度前目で運べて脚を使える馬の台頭は今後もこのレースのトレンドになるでしょう。

▲のギルデッドミラーが3着と健闘。結果的にもう一列前でレースが出来れば…と思わせる善戦ではありましたが、脚を溜めて好位から爆発させる作戦は福永Jの狙い通りだったでしょう。同様にタイセイビジョンもスムーズさを欠きながら脚を伸ばし4着に健闘。タートルボウル産駒がここを勝つイメージが湧かず無印でしたが、府中で重賞勝ちのある馬を今更血統で消したのは悪手でした。

○のシャインガーネットは6着。前半の流れが赤松賞と違った分最後はキレ負けする格好になりましたが、この手の馬は相手関係や条件が変わればポテンシャルを発揮できるはずで、牝馬限定戦などじっくり行ってキレを発揮するタイプのレースでは再度注目です。穴で抜擢の△ハーモニーマゼランは3角で行きたがる素ぶりもあり、自分の競馬が出来ませんでした。次走で1400mに出るなら要注目です。

🎯単勝 29.6倍
🎯馬連 42.0倍
🎯ワイド 15.7倍&62.4倍

【5/10(日)予想】逃げ馬の上りではない<NHKマイルCラウダシオン>/「ついていける強み」が光る<新潟大賞典インビジブルレイズ>

【ラインナップ】
新潟11R(新潟大賞典)
東京11R(NHKマイルC)

■新潟11R

新潟芝2000mコースはよく東京と類似しているように思われがちですが、半分正解で半分間違いというのが個人的な見解です。直線向いてからの加速が求められる東京に対し、3コーナーから下り坂になっている新潟は600mの直線に加えてその前からの加速について行けるかが求められ、すなわち「後半1000mで加速しながら勝てるか」が問われます。

ここに強いと見た◎インビジブルレイズを本命とします。
2連勝中ですが、2走前のサンタクロースSも前走の白富士Sもラスト5F目から加速が始まっており、後半にいい脚を使って勝っています。特筆すべきはその位置取り。サンタクロースSのコーナー通過順は【9-9-4-4】と、速くなるタイミング(1000m通過時点)で加速して進出を開始できている点が好印象で、白富士Sでも【7-7-5】と4角で位置取りを上げて勝っています。このように、位置が取れて最後まで11秒台の末脚をキープできる馬はここでは外せないと見ます。

最後まで◎を迷いましたが、○はケイデンスコールとしました。
新潟に強いのは言うまでもなく、前走もサートゥルナーリアが異次元だっただけで本来ならば前残りの競馬を後ろから行っての0.9差7着なら悲観する内容ではありません。個人的には中谷Jが外にこだわり過ぎなければもう少し着は拾えたかと思うのですが…

そんな中谷Jを何故ここで抜擢するのか。インビジブルレイズの項で「後半5Fから加速できる馬」の話をしましたが、これは騎手にも同じことが言えると思います。和田Jほどではないにしろ、長くいい脚を引き出すタイプの騎手もいれば、一瞬の切れ味を引き出すのに長けた騎手もいます。そこで、後半1000mの加速が求められやすい「東京・新潟・京都・阪神の芝中距離戦」での戦績を探りました。但し、このレースの好走条件である「長くいい脚を使える」という条件を突き詰めたいので後方待機及び小頭数の戦績は除いています。

※検索条件
 ・2018年以降
 ・東京・新潟・京都・阪神
 ・芝1800~2400m
 ・14頭以上
 ・3角&4角で9番手以内

インビジブルレイズの吉田隼Jを含め上位3人は勝率・連対率・複勝率全てで全体平均を上回ります。複勝率でソートすると4番手に中谷Jが居ますが、母数が少ないので参考にはなりません。しかしながらその下の各位の成績もあまり強調できるものではなく…即ち「21年間一度も重賞勝ってないからといって相対的に腕がないとは言い切れない」という話です(それでもそれなりに騎乗数あってやれてない鮫島駿J、松若J、岩田望J、内田J、石川Jは買うの躊躇するレベルですが)。

あくまで競馬は「指定された条件で着順を競う」ゲームであり「相対的に強ければよい」のであって、この枠順ならギベオンを通せんぼする心配もないわけですから中谷Jだからと言って買わないのは危険と判断します。

以下、「騎手が良くても馬が…」枠からエアウィンザー、その逆パターンからギベオンブラヴァスアトミックフォースを押さえます。あとは上述の適性には合致しませんが、先行馬を見ながら進めそうなトーセンスーリヤを一枚。加えて前走で大変お世話になった広尾のドゥオーモ。直近の好走は小倉で上りの掛かる展開につき、今回求められる適性は未知数。とはいえ、そもそも前走が初めての重賞で経験がないだけであり、本質的にはディープ産駒でリファールの4*4持ちと瞬発力が求められる展開がこなせない背景でもなく、53kgなら切るのは危険と見ています。

カツジは最後の2Fで加速するレースでは好成績なのですが、今回のように長く脚を使わされるレースは不向きと見ています。事情が事情だけに仕方ないですが、松山Jが乗らない時はこの馬の買い時ではないとも思いますので。あとはレッドガラン、ダイワキャグニーは騎手で消しました。そもそもインビジブルレイズに白富士Sで負けているのにそこから上昇する要素も見当たらず…

【本命】4インビジブルレイズ
【対抗】15ケイデンスコール
【押さえ】2,3,7,9,11,12
馬連4-2,3,7,9,11,12,15
三連複4,15-2,3,7,9,11,12

■東京11R

クラシックを目指していた馬の路線変更も多く、そういう馬は早くから賞金を積んでいますから出走自体は容易なものの、2歳時からパフォーマンスを上げられていなかったりすると危険な人気馬になりがちです。一方で、そういった馬には良血馬も多くブランドもあることから、ハナから短距離路線を歩み重賞で好走していても人気になりにくい馬が居ることもまた事実です。今回はこのゾーンに該当するであろう馬から入ろうと思います。

かれこれ小倉2歳Sから6戦連続の本命となる◎ラウダシオン。もみじSやクロッカスSでは有難い的中を頂きましたが、そのクロッカスSのパフォーマンスが出色だった、というのが推奨の理由です。


上記は今年の1回開催での東京芝1400m戦のラップタイムです。
ここで言いたいのは、別に夏目さんばりのラップ理論でもなんでもなく、最も上りが優秀だったのがクロッカスSという点です。前半が落ち着いた分後半で速くなるのは当たり前ですが、このレースでラウダシオンは逃げ切っており「クロッカスSのラップ=ラウダシオンの刻んだラップ」と考えれば、いくら前半楽だったとはいえラスト3Fが33.5というのは一端の逃げ馬の出せるラップではありません。ちなみに表中上から3列目、古馬2勝クラスも逃げ切り(ブルスクーロ)で決着したレースでしたが最初の3Fも最後の3Fもラウダシオンの方が上回っています。

「前走1400mを使った馬は来ない」とか「デムーロJは出遅れが怖い」等の理由もあり人気は無いですが、たまたまクロッカスSは勝ちに行く競馬をして最善の判断として前に行っただけでこの馬自身は逃げる必要はありません。距離に関しては陣営もギリギリであることを認めていますが、クロッカスSの「テンよし、中よし、終いよし」の走り方、そしてリアルインパクト産駒はこのコースの成績も良いことから、他のコースはともかく東京のマイルには適性が高いと見ています。

相手には牝馬から○シャインガーネットを抜擢。赤松賞は良いメンバーが揃った中でも早めの押上げから33.6の脚で快勝。この舞台への適性は高く戦績的には格下でも十分渡り合えると判断します。同枠の▲ギルデッドミラーも福永Jへの手替わりで末脚が活きると見ます。

今年2戦は物足りないパフォーマンスも、額面通り走れば当然に上位のレシステンシア、不利がありながらニュージーランドTを制したルフトシュトロームを押えに。穴の期待はハーモニーマゼラン。クロッカスSで4番手追走から最速となる33.4の上りで2着に来ており、前目のインを取れれば一発あるかも…です。

【本命】11ラウダシオン
【対抗】5シャインガーネット
【単穴】6ギルデッドミラー
【押さえ】3,10,14
単勝11
馬連11-3,5,610,14
ワイド11-3,5,6,10,14

2020年5月9日土曜日

【5/9(土)結果】

■新潟8R ◎タガノスカイハイ→3着

いい形で上がってきましたが、ゴール前で止まってしまいました。本来3着なら十分なのですが、この馬は使える脚が短いのか最後は上位勢から離されての入線。小倉戦でも同様の負け方をしており、勝ちきるには展開や枠順に恵まれないと難しそうです。内で脚を溜めるとか…

■新潟9R ◎ホウオウトゥルース→11着

スタートから促すも前に進まず。休養明けで中身が出来ていなかったかもしれません。ただ、次の10Rでも菅原明J騎乗のリッチクレマチス(7着)を買っていたのですが、小倉1200でハナを切れていた馬がよもやの後方から。馬と人どちらに原因があるかはしばらく見ていく必要がありそうです。

■東京10R ◎バレリオ→2着

今の東京は3分どころが伸びるようで、上手く立ち回れたこともありましたがいい伸びを見せてくれました。津村Jもこれを活かしてビターエンダーを勝利に導きましたし、頼もしいジョッキーになってきました。

なお、馬券はウラヌスチャームが逃げた時点で負けを覚悟しました。

■京都11R ◎アドマイヤビルゴ→4着

頭がない可能性は指摘していましたが、まさか複勝圏内にも入れないとは…

デビュー戦:芝1800で1000m通過62.6秒を2番手から1着
若葉S:芝2000で1000m通過59.9を3番手から1着
京都新聞杯:芝2200で1000m通過58.3を4番手追走から4着

メンバーが強くなるごとに流れもタイトになっていくことは当たり前ですし、今日も4番手と言っても前からは距離を取っていましたからこの馬自身が急かされたというほどではなさそうです。レースでは4角で前との差を詰めここから突き抜けるかに見えましたが、実はこのレースのラップが

12.4-10.3-11.8-11.9-11.9-12.5-12.7-12.0-12.5-11.7-12.0

という刻み方をしているのが気になりました。本来、京都外回り2200mは3角からジワリと加速しラスト2F目まで加速が続くのが常なのですが、このレースでは4角にあたるラスト3F目に減速しています。ここでしっかり前に取り付いたまでは良かったのですが、結局この時前にいた3頭はここで掃除され、一緒に上がったファルコニアも伸びきれず、この後ろにいたディープボンド・マンオブスピリットが1・2着という結果に。前走のパフォーマンスを思えば突き抜けるかとさえ思いましたが、結局ファルコニアと同じだけの脚しか使えませんでした。

距離が長かったのでは?という見方もあり、答えは分かりませんが、レースを振り返るとラスト1Fで止まっているので確かにそれもさもありなん、という感想です。加えて今日のペースでも折り合いに苦労していたとのことで、今後は2000m以内の起用を想定して立て直していくのが最善ではないでしょうか。利一氏亡き今、権利を継いだ後妻の旬子氏は各馬の権利を大塚亮一氏(ワールドプレミア等の馬主)へ譲渡を進めているとのことで、この馬で何としてもダービーを、というエゴも無いでしょうし。

しかしながら、ディープボンドは走る毎に強くなっているようなイメージです。戦ってきた相手を見ても決して強調できるほどではないのですが、相手が強くなっても好位からの競馬を続け、持ち味の勝負強さを磨いてきた成果がここに結実したと言えるでしょう。呑まれそうな手応えから粘り強く追い続けられる和田Jというのも手が合っていて、去年のロジャーバローズにも似通ったものを感じます。ダービーの惑星とまで考えてみてもいいかもしれません。

🎯ワイド 6.0倍

【5/9(土)予想】馬はええ、人は…<京都新聞杯アドマイヤビルゴ>/大敗後の妙味<メトロポリタンSバレリオ>/新潟D18は合う<新潟9Rホウオウトゥルース>他


今週から新潟が開幕。暖冬と開催繰り下げ(夏場の2場開催に伴う1回小倉の日程追加)のおかげで芝の生育は良いとのことですが、ここでの痛み方が夏の開催を左右すると言えます。今年は特にローカル開催で週末に狙ったように雨に降られることが多く、期間中の天候にも気を払いたいです。

【ラインナップ】
新潟8R/9R
東京10R(メトロポリタンS)
京都11R(京都新聞杯)

■新潟8R

前走見所あったミトロジーカナロアガール、再転入初戦のホウオウヒミコが人気の中心になりそうですが、まだ見限れないと見ているのが◎タガノスカイハイです。前走の推奨の際にも触れましたが1800mは得意な距離で、前走は強い雨でどんどん悪くなる馬場を後方から攻めたものでノーチャンス。某所で触れられていましたがタイム的には同日の3歳未勝利戦と比べて相当見劣りするもので、開催中の悪化の進行を覗わせるコンディションでした。現級上位の実力はあると見て引き続き推奨です。

怖いのはサンライズルーク。現級では結果が出ていませんが、前走マイルでハナを切れているこの馬がここは逃げ候補。ギリギリまで可愛がってもらえるような展開になれば残り目が合っても。

【本命】12タガノスカイハイ
【相手】4,6,9,10,13
単勝12,13
馬連12-4,6,9,10,13
ワイド12-13

■新潟9R

朝日杯FSの予想記事で紹介しましたが、新潟ダート1800mコースは圧倒的に前有利で、3番手以内に居られることが勝利への近道です。ローカル開催のダート下級条件は地方競馬よろしく位置取り合戦になるので近走の通過順位は似通ったようなものが多いのですが、その中でも主導権を握れそうな◎ホウオウトゥルースを狙います。

菅原明Jは現状まだ2kg減(△)ですが、ケガで勝利数が少ないだけで既に1kg減(☆)の岩田望、斎藤、団野といった同期にも引けを取らない良い騎乗を見せてくれています。腕の差の小さい中での1kgのアドバンテージは前に行きたい馬にとっては有難く、人気が割れているここは単複で堅実に増やしたいと思います。

【本命】10ホウオウトゥルース
単勝10
複勝10

■東京10R

前走は長距離戦で掛かっておしまいだった◎バレリオの巻き返しに期待です。有力馬も多く小頭数なので相手は絞りたいですが、1頭選ぶならサトノクロニクル。先週の坂路の追い切りが良く、福永Jが主戦のアフリカンゴールドではなくこちらに乗るという点も、勝負気配を感じさせます。

【本命】5バレリオ
【相手】7
ワイド5-7

■京都11R

ダービー出走に向けては連対が最低条件。◎アドマイヤビルゴの狙いも当然賞金加算ですが、あくまでダービーを勝つことから逆算すればここでしっかりと走っておつりが残らないようにすることは成長途上のこの馬にとって難しく、かといって余裕をかまして3着以下ではシャレになりません。とはいえ、前走はキメラヴェリテが恵まれたペースで残すかと思ったところをあっという間に抜き去った圧巻のパフォーマンス。普通に走れば連を外すことは考えにくく、出し抜けを食らわされるよりかは届かなくとも2着を確保できればOKですから、自ずと後ろから行くことになるでしょう。

ここで自分が懸念しているのが、藤岡康Jってどうなの?という点です。


上記は2020年の騎乗成績。全てにおいてダートの方が圧倒的に良く、松籟Sのトーセンカンビーナ以来芝では85連敗中。この3か月近くの期間は小倉や中京などローカルでの騎乗も多く相対的に良い馬に当たるケースもそれなりにあったはずなのですが、1番人気馬(0,1,1,4)も含めここのところ芝では乗れていないのが現状です。

勿論、馬の能力は抜けているので本番はともかくここではヘマはしないはずですが、じっくり溜めて不覚を取る可能性も多分にあると考えています。よって、「2着になっても当たる」ように買うことでリスクヘッジとしたいです。相手はスプリングSも大きく負けてないファルコニアと前目で粘り込めるディープボンド。縦目まで押さえます。

【本命】8アドマイヤビルゴ
【相手】6,10
馬連8-6,10
ワイド6-10

2020年5月5日火曜日

【5/5(火)かしわ記念予想】


交流競走(とは)

何も地元勢まで自粛することないやろ、と思ってしまいますが、ここまでメンバーが揃ってしまっては「不要不急の出走」を控えたくなる気持ちもわかります。吉原Jも来られないし(?)

今開催の船橋は、元々直線が長いので差しは決まりますがパサパサのダートで内枠有利の傾向が出ています。とはいえ、船橋競馬場の砂厚は9~10cmと中央(9cm)とほぼ一緒。深い砂に脚を取られ…という心配をする必要がそんなに無いのと、盛岡や高知など深い砂でやれるから船橋も…とは限らないわけです。したがって、元高知トップクラスのナンヨーオボロヅキの出番は厳しそう。

では残る中央勢6頭の取捨ですが、「位置取り」にかかってくると思われます。

間違いなく先行するのはワイドファラオとアルクトス。アルクトスに至っては山口オーナーが「競馬しやすい位置に入った」と言及しており、恐らくワイドファラオを見ながら運べる点を意識しているものと思われます。前走はハナを競って共倒れでしたが、頭数も落ち着いた今回は無理せず1,2番手を取れるでしょうし、さほどオーバーペースにはならないと思います。

3番手グループを形成するのは恐らくサンライズノヴァ。久々で折り合いたいルヴァンスレーヴもこの辺りでしょう。あとはこちらも折り合いに気を付けたいモズアスコットがその後ろ、ナンヨーオボロヅキも追走力からこの辺りになりそうで、前走末脚に賭けて台頭したケイティブレイブはシンガリ追走を予測します。頭数が前走の半分以下になりますし、内枠を引けたわけでもないので無理に競る必要は無いでしょうし、何より前走あれで結果を出したのにその学びをフイにする騎乗を長岡Jがかましてくるとは思えません。

【向う正面の隊列予想】
  3  7 5
  1  6 2 4
3角=======2角

さて、こうなると船橋特有のスパイラルカーブを味方につけられるのは前にいる馬と内を掬ってこられる馬ではないでしょうか。1,3がどこまで頑張れるかと、昨年苦杯をなめた武豊Jがしっかり前付けして内を突けるか。これが肝になりそうです。但し1つだけ申し上げておきますが、ルヴァンスレーヴとモズアスコットが能力値通りに走ったらすべてが終わります。

アルクトス

南部杯ではサンライズノヴァに競り負け、フェブラリーでは先行争いに巻き込まれ共倒れと2戦いいところがなく人気を落としていますが、左回りのマイルはこの馬の主戦場。元々先行して粘り込むというよりは直線でもう一脚を使って勝ってきたタイプで、今の船橋コースに求められる条件に最も合致すると思われます。

そもそも南部杯は砂厚12cmという深いコース設定と相手が吉原寛人という国内屈指の名手だった分負けたと思っているので、その力関係はここでは逆転する可能性まであると思っています。

サンライズノヴァ

名手吉原Jを背に南部杯を制覇。元々左回りのマイルにこだわって使いたいのはこの馬も同じですが、賞金の関係でこれまでは出られず意外にもかしわ記念は初の参戦となります。戸崎Jを背に3連勝していたころのイメージで直線一気型と見られがちですが、気性難が緩和され最近は積極策でも結果が出るように。武豊Jはこのレース近5年で2勝2着1回。勝ち方を知る鞍上を背にもう一丁と行きたいところです。

ワイドファラオ

先ほども触れた通り、今回はスンナリ先行できそうなメンバー構成。ユニコーンSの勝ち馬ですが元々立ち回りの巧さで重賞を勝ってきたタイプで、船橋も苦にはしないでしょう。但しテレ玉杯オーヴァルスプリントの内容を見るに、本来なら中央重賞では一歩足りないくらいの馬で距離も本質的には1400mがベストなはず。直線の長さも考慮して、1枚割り引きました。

モズアスコット

高松宮記念で◎にして大敗したから腹いせで下げているのではなく、機動力が求められる船橋コースは単純に向いていないと思っています。本来直線向いて\よっしゃ行くぞー!/ってなるコースが得意で、東京マイルや京都での好走もそのあたりの気質に起因すると見ています。外差しが決まりやすいコンディションならいざ知らず、今の船橋でそれは悪手ですし、馬のやる気を削がない騎乗をと考えれば馬群に突っ込ませることもしたくないはず。かといって出していけばかかる懸念があるし…とりあえず引っかかってレースを壊すことだけはしてほしくないですが、本来参戦予定がなかったうえ懸念材料ありまくりの今回は強気にはなれませんでした。

ルヴァンスレーヴ

この1年半の間に成長していれば良いのですが、使えなかったということは良くて前走並みという程度を想定しなければなりません。調整過程も強気になれる程度ではなく、まともに走れば当然勝ち負けですが、1年半休んでいた馬が単勝1倍台というのは自分は踏み込めません。

ケイティブレイブ

人気サイドの1頭ですが、7頭立てということも考慮し今回は外します。

先ほど触れましたが恐らく後方待機で末を活かすだろうと考えています。ですがそれに関して言えば、そもそも前走は先行争いが激化したため結果的に差し勢が台頭する流れだったということ、また昨年の浦和記念についても有利な最内枠で当日急遽御神本Jに乗り替わったというラッキーがあって勝ったと思っています(個人的には、スミヨンJのままならあの日は負けていたかと)。

そして今回最後方待機すると何が起こるか。
東京に比べて船橋の直線が短い、そんなことは長岡Jだってわかります。それならばと3コーナーから進出するでしょう。ナンヨーオボロヅキを交わし、モズアスコットに迫り、さぁ直線!となったところで大きく外に膨らむ図が目に浮かびます。お隣にあった船橋オートかよって。

これでうまく内を突ければよいのですが、残念ながらそれが出来るなら長岡Jは今頃こんな立場にないはずで、コース経験という点も踏まえて今回は静観します。

【本命】3アルクトス
【対抗】6サンライズノヴァ
【単穴】1ワイドファラオ
【連下】5,7

馬連3-1,6
三連複3-1,5,6,7

2020年5月4日月曜日

【5/3(日)結果】


土日で的中ゼロ。先週の2万勝ちが吹っ飛ぶ寸前で、昨日は失意に暮れておりました。

■東京10R ◎ボーダーオブライフ→8着

恐らくは前に行けという指示だったのでしょうが、前半3Fは34.6とハイペース。これで結局後方勢の台頭を許したのでは、ちぐはぐなレースだったと言わざるを得ません。それでも直線半ばまでは見せ場を作り最後も0.4差に踏ん張っており、力負けではなかったことがせめてもの救い。いつも着差の割に負けておらず人気の盲点となりやすい馬で、引き続き狙う目はありそうです。

■京都11R ◎ダンビュライト→9着

キセキが無難にスタートを決めたにもかかわらず控えたことで、1週目のスタンド前まではハナを切る展開に。見た目にも流れは緩く、堪えきれなくなったキセキが1角から進出してからは2番手を追走。4角までは理想的な流れでしたが、直線向いてからが案外。勝ちタイムも3分16秒台と平凡で、特に前がやりあうこともなかったですしこのまま残れるかと期待しましたが…

前が崩れるなら後ろが台頭して当然なのですが、4角から押し上げたフィエールマンはハナ差の辛勝。一方で離れた3番手を追走していたスティッフェリオがあわやの2着と大健闘。展開の一貫性というよりかは、気難しさ故気持ちよく走らせないといけないルーラーシップ産駒が素直にそうした結果呑まれてしまったという考え方の方がしっくりきそうですが、「何に」呑まれたのかを考える必要がありそうです。


一説としては、スタート地点が向かい風(右下の黄旗が2角に向かってたなびいている)で先行勢に厳しい流れになったことは挙げられるかもしれません。当日の天気予報では「南西の風5m」とのことでした。


京都競馬場は北東から南西に向かって伸びる形状で、上図の地図で言えば左上がスタンド、右下が向こう正面となり、南西の風(地図上左下から右上に向かって吹く風)はまさしく向こう正面で向かい風を受けるコンディション。予報が本当なら5mはかなりの風速で、影響がないとは言い切れません。ここら辺のことはボートレースをやってる方ならお詳しいのでしょうが、「丸亀の夜は向かい風」程度の知識しかない自分にはここまで読むことは出来ませんでした。

勿論これがどこまで影響したかはわかりません。離れた3番手を追走していたスティッフェリオもそれなりに風を受けていたはずで、その健闘とリンクするとは言い切れません。一方で、1周目で口を割らんとしていたミッキースワロー、モズベッロと言った差し馬が崩れずに走り切っているあたりある程度の恩恵があったという見方も出来そうです。

あるいは、レースの直前に急に降り出した雨の影響という見方もあります。年明けの8週連続開催のダメージを引きずる京都は特に内側の芝が悪く、降雨の影響をもろに受けやすいコンディションでもあります。とはいえ、天候発表が変わらない程度の雨がどこまで馬場変化をもたらすかはこれも未知数です。

道中が緩んだ分瞬発力で面倒見れる状態になったことが、ミッキースワローやユーキャンスマイルの台頭をもたらしたと言えるでしょうが、一方でフィエールマンは辛勝、先行2騎は直線で後退と、展開との整合性がつかないレースでした。素直に評価できるのは上位2騎で、それ以外はこれが実力なのか、力が出せなかったのか、分析が必要そうです。

2020年5月2日土曜日

【5/3(日)予想】魂(たま)を取った覚悟を買う<天皇賞ダンビュライト>/差し切る程度の能力<晩春Sボーダーオブライフ>他


今週は戸崎Jが調教騎乗を再開。また一人、関東を支える役者が帰ってきました。

【ラインナップ】
東京10R(晩春S)
京都11R(天皇賞・春)

■東京10R

近走好走実績ある馬が多く接戦ですが、今回休み明けとなる◎ボーダーオブライフを狙います。ここ3戦は0.4差以内の惜しいレースが続いていますが、いずれも6着で見栄えはよくなく伊藤J騎乗となれば人気はしないはず。しかしながらこの馬は気が勝ったタイプで過去4勝のうち3勝が休み明け(前走からの間隔が2か月以上)といきなりやれる馬。頭数も手ごろで外差しが決まる状況ならここもチャンスです。前走溜める競馬で進境見せた○ミュージアムヒルが対抗一番手。

【本命】8ボーダーオブライフ
【対抗】11ミュージアムヒル
【押さえ】3,4,5,7
単勝8
馬連8-3,4,5,7,11
三連複8,11-3,4,5,7

■京都11R

ダイヤモンドSの際にも触れましたが、今の日本の競走体系上実質的に「長距離路線」は存在せず、中距離戦線の馬が総合力でもぎ取るケースが多いのが長距離重賞の常となっています。最近で言えばアルバートなんかが生粋のステイヤーとして浮かびますが、その前に活躍したトウカイトリックなども含め、3000m以上のレースを主戦場としている馬がG1を制した例は近年皆無と言って等しく、スタミナだけでは面倒を見切れないのがこの舞台でもあります。

さらに言えば、長距離戦でも施行される舞台やメンバーによって特性がかなり変わってきます。例えば春の天皇賞のステップとして挙げられる長距離重賞としてダイヤモンドSや阪神大賞典が挙げられますが、ダイヤモンドSは前回触れた通り「スローのヨーイドン」になるレースで、阪神大賞典もステイヤー志向の強い馬が多く集まることから道中はスローになりがちです。こうなると、スピードの絶対値より最後まで余力を残せるかといったスタミナや持久力が問われやすく、それらに長けた馬が好成績を収めます。

しかしながら、近20年まで広げてみてもこれらをステップとした馬の成績は

ダイヤモンドS(0,1,0,16)勝率0.0%/連対率5.9%/複勝率5.9%
阪神大賞典(6,5,11,88)勝率5.5%/連対率10.0%/複勝率20.0%

と振るわず。阪神大賞典も数字だけ見れば悪くは無さそうですが、例えば大阪杯のG1昇格前の数字を拾うと

産経大阪杯(5,3,2,25)勝率14.3%/連対率22.9%/複勝率28.6%

2000mのレースにも関わらずこちらの方がいい成績だったりします。これもやはり、求められる適性が天皇賞と定番ステップレースとでは異なるためと考えられます。実際、春の天皇賞の走破時計は年々早くなっており、2000年代に入る前は3分20秒前後の決着が多かったものの、01年のテイエムオペラオーが3.16.2、06年ディープインパクトが3.13.4、そして17年のキタサンブラックが3.12.5と10秒台前半の決着が当たり前となってきました。決着時計の高速化は馬にも中距離向きのスピードと末脚を求めるようになり、2000m以下の重賞で3着内実績のない馬の勝利は2012年のビートブラックが最後です。とりわけ直近10年では、過去に皐月賞や天皇賞での入着実績を有する馬が勝利しており、連覇したフェノーメノ等もその例に漏れません。昨年の覇者フィエールマンはそもそも走った数が少ないですが、ラジオNIKKEI賞2着の実績がありました。

これらを踏まえ、基本的には

・前走阪神大賞典、ダイヤモンドS組は(基本的に)軽視
・中距離重賞(できれば2000m以内のG1)実績

を軸に絞っていきたいです。

例によって前置きが長くなりましたが、本命は◎ダンビュライトとしました。

3歳時には皐月賞3着の実績、京都コースは4回走って全て掲示板内(きさらぎ賞③着、菊花賞⑤着、京都記念①着、京都大賞典②着)と好相性も光ります。今回は去勢明けの初戦となりますが、勝ちきれないものの元々の能力値自体は非常に高く、去勢後じっくり立て直しの時間を設け調教後馬体重も494kg(前走JCでは488kg)をキープ。いきなりやれるだけの素地はあると見ます。

去年の覇者○フィエールマンですが、やはり外せないと見ます。
あえて対抗としたのは、もはや言いがかりレベルですが「連戦の疲労」の懸念です。凱旋門賞は言うに及ばず、有馬記念もアーモンドアイを負かしに行く正攻法の競馬で4着と健闘しており、その疲労度はいかほどかと勘ぐってしまいます。元々続けて使えない馬なのでぶっつけは予定通りですが、走ってもおかしくないし走らない理由があるとしたらそこか…という減点法に近い考えで対抗です。

今回の惑星として抜擢したいのが▲ミライヘノツバサです。

\お前ダイヤモンドS組来ない言うてたやん/

はい、そうなのですがさっきのデータの中で唯一②着が1回ありまして、15年のフェイムゲームです。この馬がG1で掲示板に乗ったのはこの時だけなんですが、実はこの年勝ったダイヤモンドSというのが例年と少し違って「後半7Fもの間12.5以下のラップが続く」レースだったんです。だいたいの年ではダイヤモンドSは直線向いてからの最後の3Fで11秒台を刻み続けるような末脚勝負で道中は13秒台後半もザラではないくらいなんですが、2015年のダイヤモンドSは

13.2-11.6-12.7-12.8-11.6-12.6-13.0-14.4-13.2-12.6-12.3-12.5-12.2-12.0-11.4-11.8 -12.0

とかなりギアが入るのが早かった模様で、さながら東京や京都の2400m戦とかにありそうなラップとなっていました。これを差し切ったフェイムゲームは本番の天皇賞でも2着に入った、というわけです。なおこの翌年も同じローテで出たのですが、例年通りのラスト3Fの勝負となり2着、本番は8着に敗れています。

過去10年でこれと同じく「後半で7F以上12.5以下のラップが続いた」ダイヤモンドSは2010年(13.5-12.0-12.3-12.7-12.5-12.8-12.8-13.3-13.0-12.3-12.5-12.4-12.5-12.1-11.2-12.1-12.6)。この年の覇者フォゲッタブルは6着に敗れましたが、ゲートで出遅れ道中でリカバリーを図ったものの末をなくすという1年前にフェブラリーSで見た光景。敗因はハッキリしていました。

そんな観点で今年のダイヤモンドSのラップを見ると…

13.2-12.0-12.1-12.6-12.7-12.5-12.5-12.4-12.3-11.7-12.1-12.3-12.2-12.5-12.4-12.7-13.0

何と一番最初と最後以外12秒台で、うち12.5以下が10Fにわたって続くというかなりのタフな流れ。ヌルっと行って最後だけシュッと伸びる、では太刀打ちできないペースでした。これを差してきたミライヘノツバサとメイショウテンゲンは、例年のダイヤモンドS組と同様に評価しては痛い目に遭う可能性があります。とはいえ、脚質的に後方待機を強いられるメイショウテンゲンはここでは不利と考えます。一方のミライヘノツバサは元々AJCC3着、日経賞2着の実績がありますが、いずれも前目から粘り込んでのもので本質的には差し馬ではないうえ、後半3Fの勝負になると脆いですが上記実績のように道中から加速するタイプのレースの方が向いていると言えます。これだけ見るとダイヤモンドSで好走したのが不思議な適性なのですが、先に述べた通りラップの妙がこの馬にチャンスをもたらし、なおかつ天皇賞で求められる適性を証明したわけです。世間的にはフロック視も止む無しの激走ですが、今回のメンバーならそこそこ重い印を打っても恥ずかしくないのではと考えます。

キセキはダンビュライトと同じルーラーシップ産駒ですが、同産駒には気性に何かしらの問題を持っている馬が多いです。産駒獲得賞金1位・2位の今回の2頭もそうですが、馬込みでやる気をなくすアディラートや気分良く逃げられてナンボのリオンリオン、ダンツキャッスル等、父親同様一癖ある馬が多いことが挙げられます。あと、晩年まで出遅れ癖が治らなかった父に同じく、一度やる気を失くすとしばらく走らない(悪癖を繰り返す)ことも多く、この馬に関してはそのループに入ってしまっている可能性が考えられます。

それでもラボーナのように去勢で成功したりと何かきっかけを作れればよいのですが、角居師の選択は「ユタカクリニックに一任」。その割には直前追い切りにも乗ってなかったりするので、名手の双肩にはかつてないプレッシャーがかかっていると言わざるを得ません。もちろんそれで成果が出る可能性もありますので切れはしませんが、かといって心中する勇気は自分にはありません。事実菊花賞の時も買えなかったし。

阪神大賞典覇者ユーキャンスマイルも1枚押さえ。直線向いてズドンのタイプなのでこのレース向きではないですが、昨年以上は見込めると見ます。

【本命】4ダンビュライト
【対抗】14フィエールマン
【単穴】9ミライヘノツバサ
【押さえ】7,8
単勝4
馬連BOX4,9,14
三連複4,9,14-4,9,14-4,7,8,9,14

【5/2(土)結果】

■東京7R ◎ニルカンタテソーロ→5着

テンが緩い分持ってくれるかと思いましたが、最後の伸び方を見ると1F長かったかもしれません。

■東京11R ◎ブルーミングスカイ→4着

内に押し込められてしまい直線を向くまで何もできなかった分後方待機勢の台頭を許す形となりましたが、あの状況の中でこの馬の最大限のレースは出来たと思います。

【5/2(土)予想】勝負は3角から<青葉賞ブルーミングスカイ>/短縮組より延長組<東京7Rニルカンタテソーロ>


青葉賞と言えば過去最多4勝を挙げる藤沢和雄厩舎の得意レースとして知られ「藤沢ダービー」の異名もとるくらい。しかしながら今年はその藤沢厩舎の馬が居ません。

【ラインナップ】
東京7R/11R(青葉賞)

■東京7R

人気の中心はアイスシェルフですが、前走は楽な手応えで抜け出しながら最後の100mほどで脚が上がってしまったような負け方で額面ほどの評価はしにくいレースぶりでした。札幌1500mで新馬勝ちしたように一瞬の脚を活かすタイプで、本来なら中山等に出てくれば与しやすいことでしょう。

本命は◎ニルカンタテソーロ。ここ2戦が中山1200mを使って追い込んでの2着。距離も替わり直線勝負が求められるここは頭まで期待できそうです。適性あれば初ダートのアミークスも通用可能、相手に加えます。

【本命】6ニルカンタテソーロ
【相手】1,7,11,12,13
単勝6
馬連6-1,7,11,12,13

■東京11R

リオンリオンというわかりやすい逃げ馬の居た昨年こそ流れましたが、例年は前半1000mが61秒ほどかかる緩い流れ。先週のフローラSと違い距離経験ある馬も一定数おり、後方勢が差し込むとなると直線の500mだけでは間に合わず、おおよそ3コーナーあたりからアクセルが踏めるタイプが理想です。とはいえ今回は18頭のフルゲート。急加速で前に取り付くと言うよりはじわじわラップを上げて直線で捉えきるようなイメージでしょうか。

本命は◎ブルーミングスカイとしました。今年が最後の青葉賞となる角居厩舎の人気のない方。
2勝目を挙げた梅花賞が前半61.8からラスト5Fでじわじわ加速するラップを直線で差し切ってのもの。初勝利を挙げた小倉の未勝利戦では道中早めにスパートされ一瞬置かれましたが、長くいい脚を使って差し返したように持続型の末脚が使える馬であり、本番はどうあれこの舞台は十分戦えるはずです。

対抗は○ダノンセレスタです。初勝利に5戦かかりましたが奥のあるハーツクライ産駒。前走は初の2400m戦でやはりここも後半6Fが加速するラップ。バルトリに敗れた新馬戦(2着)が示す通り一瞬の脚では見劣るものの、今回のような加速の仕方はこの馬にぴったりと見ます。

他、実績馬はやや人気先行の感もありますが、過去戦ってきた相手を思えば▲オーソリティには印を回さずにはいられません。以下キャリア浅いフィリオアレグロ、距離実績あるアイアンバローズディアマンミノルフライライクバードを押さえます。あとは久々にスロー逃げに持ち込めそうなロールオブサンダーも1枚。

【本命】4ブルーミングスカイ
【対抗】10ダノンセレスタ
【押さえ】1,3,5,9,13,15
単勝4
馬連4-1,3,5,9,10,13,15
三連複4,10-1,3,5,9,13,15