[1]①モンドデラモーレ(戸崎)
3走前の札幌2歳Sは向こう正面で先に出てしまった分後ろの目標にされ④着。2走前のジュニアCはスローペースでファンダムの後ろから追いかけて②着、前走のファルコンSは大外枠からのスタートで道中何度か寄られて外に張るロスもありながらの②着と、何れも中身のあるレースをしています。特にジュニアCで好戦したファンダムは(個人的には)ダービーに出てもいい勝負になると踏んでいる存在で、それに迫った内容は評価してよいでしょう。久々に1桁枠番を引けた今回は好位のインから直線で外に出すレースができるはずで、我慢させられる戸崎Jへの手替わりは要注意。
[1]②ショウナンザナドゥ(池添)
前走の桜花賞は柔らかい馬場の影響もあって⑩着。ミスエーニョの仔らしいといえばそれまでですが、そもそもが脚の遣いどころの難しいタイプで東京替わりはプラスでないうえ、大味な競馬の方が向いているだけにこの枠も難しいです。
[2]③チェルビアット(ディー)
桜花賞は後方待機組に展開が向いた中でも⑥着。リンクスティップがまくった時に進路をカットされたシーンはありましたが、ではそれが無ければそこからずっと伸びて勝ち負けだったか?というとそうは見えず。フィリーズレビューの勝ち方を見ても33秒台で長く伸びることが求められる東京は向いていないと見られるだけに。
[2]④ヤンキーバローズ(岩田望)
前走のファルコンSは後方のインから直線入り口で外に進路を切り替え差し切り勝ち。父親ならあそこでインにこだわって詰まることが想定されるだけに、ここら辺は中央の芝レースに上手く順応していると言えます。裏を返せば鞍上が相当上手く乗った分届いたとも言え、ここから1Fの延長、なおかつごまかしの利かない東京となると上昇は?
[3]⑤ランスオブカオス(吉村誠)
昨年の金杯の時にも触れた「東京が苦手なシルバーステート産駒」というのは継続していて、いまだに函館と東京だけ異常に成績が悪いです。
出走数の7割が芝レースなので上記は芝のみ抽出しての比較ですが、全場で唯一複勝率2割以下に沈んでいるのが東京。産駒の出走履歴を見ると、どうやら使える上りに限界のあるタイプが多く600mを伸び続ける適性のない馬が多いことが原因とみられます。前目で脚を遣えるタイプで阪神外回りも勝っているだけにこの舞台が合わないとは言い切れませんが、血統面からは割り引きたい存在です。
[3]⑥イミグラントソング(ルメール)
前走のNZTはアドマイヤズームを射程にドンピシャの仕掛けで差し切り。ただ石川Jも語る通りいかにも中山向きという反応の良さとキレがある一方、東京でそれをやろうとすると直線半ばまで前を射程に入れられる位置で構える必要があります。4走前の未勝利戦がまさにそういう勝ち方でラスト400mだけ加速すればよいレースだったのに対し、2走前の1勝クラス戦はラストの3Fがずっと11秒台前半で流れ取りこぼしています。流石にG1の流れでそんなやわなレースになることは期待しにくく、よほど位置取りがうまくいった上で馬群がばらけるなどすれば浮上の目も。
[4]⑦トータルクラリティ(北村友)
朝日杯FS以降は気持ちの問題がモロに出るようになり結果につながらず。初ブリンカーが刺激になればというところですが、勝った新潟2歳Sにしても伸び返したというより相手が垂れた結果の押し切りといった方が良さそうで、ここで強調できるレベルにはないのではないかという見立てです。
[4]⑧アドマイヤズーム(川田)
母ダイワズームは初勝利に7戦を要し、3歳の春にようやく勝ち上がった後そこから500万下、スイートピーSと3連勝でオークスに駒を進めた(⑪着)経歴の持ち主。この馬自身も新馬戦を取りこぼした後で未勝利→朝日杯FSと連勝するなど叩き良化型のDNAを受け継いでいる模様で、前走のNZTも明らかな叩きと割り切ることができるでしょう。正直最後の3Fの加速の仕方だけを見ればイミグラントソングと大差なく、東京の600mを目いっぱい走り切るのが向いているようには見えません。それでも父モーリス、母父ハーツクライという晩成血統にして現時点でのパフォーマンスの高さは出色で、戦歴以上のポテンシャルを秘めた存在と考えればここも有力視。
[5]⑨マイネルチケット(横山武)
東京での2戦は稍重馬場で速い上がりが求められなかった分の③②着。ダノンバラード産駒が33秒台の上り勝負に対応できるとは思えず…
[5]⑩マジックサンズ(武豊)
前走の皐月賞は4角から早目の進出で見せ場たっぷりの⑥着。骨折休養明けでも折り合い面の進境が感じられ、止まったのは距離と急坂の分と考えれば舞台は好転します。一方で当時の皐月賞は内前がほぼ総崩れという展開でそこに乗じた点は否めず、デビュー2連勝は何れも平坦で直線の短い函館・札幌だったことを考えれば600mを伸びきる走りに向いているかどうかは懐疑的です。コナブリュワーズの子供は早枯れ傾向も見て取れ、骨折期間を挟んだこの間の成長度も?
[6]⑪パンジャタワー(松山)
昨日のエプソムCの上位3頭は2000mの勝ち鞍のある馬が揃う結果に。ワンターンなのでマイル寄りのスピードが必要なのに加えその距離を走り切れるスタミナの裏付けも必要なレースでした。パンジャタワーは朝日杯の止まり方を見る限り距離は1400mまでが限界と見られ、外差しが嵌った時の複穴候補までか。
[6]⑫マピュース(田辺)
前走の桜花賞では前が止まった展開にも乗じて④着。とはいえインをうまく立ち回ったうえ稍重馬場も味方した形。最後方から大外を回したリンクスティップとは着差以上の力量差があると考えるべきで、前走でも指摘した通り高速決着への対応力も未知数です。
[7]⑬ミニトランザット(鮫島駿)
新馬戦は逃げ切り、京成杯とチャーチルダウンズCは後方からしまいを活かして③着。2走前のきさらぎ賞でいいところなく⑧着と敗れた際鮫島駿Jは「馬混みで競馬(を経験)していなかったのが響いたのか…」とのコメント。姉のイフェイオンも好位外につけて被されないレースをした方が力を出せるタイプで、もまれずに運べるかどうかがカギになると言えるでしょう。この枠であれば好位外のレースができるのが理想ですが、馬も鞍上もスタートがアテにならないタイプなだけに…
[7]⑭ティラトーレ(木幡巧)
自分で決める脚が無く、牝馬限定戦で先行力と体力を活かして粘りこむタイプ。末脚も求められるこの舞台では?
[7]⑮アルテヴェローチェ(佐々木)
折り合いの難しさを抱えながらも最後は自分の脚を遣えており、前残り展開にも泣いた朝日杯FS⑤着以外はオール連対。締まった流れの方がレースしやすいタイプで、4走前のサウジアラビアロイヤルCを見る限りは直線の長い東京も向くはず。あとは速い上がりが使えるかがカギなだけに、なるだけいい位置でレースをさせてあげられれば。
[8]⑯サトノカルナバル(レーン)
正直共同通信杯の走りを見る限りは距離が伸びてよいタイプには見えず、外差しでしまいに賭けるという戦法ができる馬でもなさそう。鞍上が鞍上だけに押さえる必要はあるとは思いますが…
[8]⑰ヴーレヴー(浜中)
前走の桜花賞は最内を引いたこの馬に向かないコンディションや展開にもなり⑧着。割り引く敗戦ではないと考えますが、それでも2走前のエルフィンSが4F48秒とかなり落ち着いたラップの2番手から押し切ったまでとなるとここでのスピード不足は否めません。
[8]⑱コートアリシアン(菅原明)
トータルクラリティの項でも述べましたが、長く脚を遣えるタイプではなく一瞬のキレで決めたいところ。それだけに前走のNZTは中山コースも向いた格好で、再び末脚全開の東京に戻るのはマイナスでしょう。
<予想>
◎モンドデラモーレ
○アルテベローチェ
▲アドマイヤズーム
△マジックサンズ
△ランスオブカオス
△マピュース
△パンジャタワー
△ミニトランザット