[1]①リラエンブレム(浜中)
前走の毎日杯は直線で全く反応せずの⑦着。陣営も不可解な負けと語るほかないレースでしたが、過去2走は道中前に馬を置いて走れていたのに対し、馬群に入れられず前が開いた状態で走っていたことが一因と考えられます。勝った新馬戦とシンザン記念では前が開くと馬が自分でわかっているかのように加速しており、前向きな気性面もあり道中でしっかり我慢させられるかがポイントになる馬といえるでしょう。そういった意味ではこの枠は絶好。好位のインでファウストラーゼンのまくりの直撃を回避することが出来ればチャンスはあるでしょう。
[1]②ショウヘイ(ルメール)
前走の京都新聞杯はドスローを2番手から押し切った内容。再度スローペースが見込まれるとはいえ、調教負荷も前走以下という臨戦過程では強くは推せず。
[2]③エリキング(川田)
骨折明けを一度使われたとはいえまだ良化はスロー。勝ってきた3戦は何れも10頭立て以下のレースで、不器用な面を残す中この内枠も痛いです。
[2]④ドラゴンブースト(丹内)
2走前の京成杯は位置取りで着を拾ったまで。前走の皐月賞でも全く見せ場を作れず、瞬発力勝負に距離延長と条件はさらに悪くなるだけに。
[3]⑤レディネス(横山典)
2走前の弥生賞は渋った馬場も合わず⑧着。前走のプリンシパルSで一変したように、きれいな馬場で走らせれば相当な末脚を持っています。スワーヴリチャード産駒でもあり左回りの方がパフォーマンスを出せるはずで、前走のように内を突いて伸びてこられる点も強み。まくりで中盤からレースが動く展開になり内が開けば昨年のダノンデサイルの再現も。
[3]⑥ファンダム(北村宏)
3連勝中。前走の毎日杯はガルダイアが逃げ切らんとする流れを次元違いの末脚で差し切り、持てるエンジンは世代でもトップといえるでしょう。一方で気性面が課題で、行きたい馬も見当たらない今回は相当苦労するはず。天栄なら本来ここでルメールJの出番となるところ、デビューから手綱を取る北村宏Jが継続騎乗してきた点にもその懸念が見て取れます。その鞍上も新馬戦後「短いところが合っている」と語っており、辻師も中間は距離不安を吐露。にもかかわらずNHKマイルCではなくここに来たのは、オーナーサイドの意向もあるでしょうが続けて使うことが難しく都度リフレッシュを入れざるを得ない気性面に起因する選択と見られます。折り合いを保てれば最後は脚を遣って来られるだけに、ギリギリまでテンションを見極めて取捨をしたい馬です。
[4]⑦ミュージアムマイル(レーン)
前走の皐月賞は先に動いたクロワデュノールをうまく目標にしたレースで快勝。確かにマイルが短いというのは事実でしょうが、朝日杯のレースぶりを見るにズブさがあり、新馬戦・弥生賞と幸Jで取りこぼしたように日本人には動かし切れないタイプに見えます。その点今回はレーンJに乗り替わることから再度末脚全開の期待は持てますが、皐月賞で着順を上げたのはスタミナ面というより1600mではエンジンがかかりにくかったからということが考えられます。皐月賞の上り34.1という時計はメンバー4番手で、必ずしも脚を長く使うタイプではなく「使える脚が短く点火に時間がかかり、マイルではそれが間に合わない」馬だからこそ「マイル並みのスピードで流れる2000m戦」を勝つことができたと考えられます。長い直線、なおかつ道中からレースが動いて仕掛けどころが難しくなると、やはり長く脚を遣えるタイプの方が有利になるはずで。
[4]⑧エムズ(戸崎)
京都新聞杯ではショウヘイの後ろからつけての②着。前にいた勝ち馬と同じだけの脚しか使えなかった点を見ても上りに限界のあるタイプで、瞬発力勝負の東京では分が悪いです。おそらく戸崎Jもそれがわかっているので積極的なレースをするはずで、ファウストラーゼンの目標にされる点からも難しい立ち回りが要求されます。
[5]⑨ジョバンニ(松山)
前走の皐月賞では向こう正面で挟まれるシーンがありながらも盛り返し④着。立ち回りで着を拾えるメリットを最大限に活かしたレースでした。舞台が変わって広い東京ではそうはいかないのと、長く脚を遣うレースも向いていないだけに。
[5]⑩トッピボーン(岩田望)
前走の京都新聞杯では折り合えず④着。それでも最速の脚を遣って追い込んでいるだけに力はあるのでしょうが、勝った2戦は何れも前が止まる展開を味方につけたものでありました。さらに距離が延びるここは運びが難しいのと、そうした難しさを抱え、かつ松島家の馬にもかかわらず武豊Jが選ばなかったというのも引っ掛かる点で。
[6]⑪ニシノエージェント(津村)
前走の皐月賞は前が止まる展開にもかかわらず見せ場を作れずの⑬着。京成杯のレベルを考えても、距離が伸びてよいタイプには見えずで。
[6]⑫カラマティアノス(池添)
前走の皐月賞では馬群の中で難しいレースにもなり⑩着。勝ち切ってきたのは1桁頭数の少頭数戦という経歴からはごちゃつかない方が走れそうなのですが、前走でも指摘したようにトップスピードに入ると寄れる癖があり、特に直線ではラチ沿いを走らせたいという矛盾。末脚比べの東京は明らかに前走より舞台が悪くなる(だから皐月賞で◎を打ったのですが)うえ、少頭数でばらける展開にならないと好走できないとなれば、自ずからクラシックでの健闘は期待できません。
[7]⑬クロワデュノール(北村友)
前走の皐月賞ではファウストラーゼンのまくりを受けてスムーズさを欠き、前崩れで早目に先頭に押し出されたところをミュージアムマイルに計ったように差されて②着。勝ちに行った分、また目標にされた分の敗戦であり、持てるエンジンの違いは2歳時の3戦で証明済み。成長力の懸念は残るも、他路線組がパッとしない現状では改めて好走が期待できるはずで。
[7]⑭ホウオウアートマン(田辺)
ここ2戦は特殊なコンディションの中で健闘。青葉賞0.3差⑥着に1勝クラス勝ちと目下の充実度は窺えますが、その前走にしても前半62秒の流れから35.0の末脚で押し切ったレースとなると流石にスピード不足は否めず。明日まで雨が残るようなら話は別ですが、そもそも前日これだけ降っても稍重にしかならない府中の水はけを考えると厳しそうで。
[7]⑮ファウストラーゼン(M.デムーロ)
前走の皐月賞ではまくり切った後の抵抗をかわせず⑮着。やることが決まっている馬なので鞍上どうこうでは無いとは思いつつも、上級戦での経験が少ない杉原Jからの手替わりは致し方のないところ。ただ、この舞台ではまくり切ったとてそこから脚を遣う距離が長すぎるうえ、使える上りに限界のあるタイプでは後続を封じるのは相当難しいだけに。
[8]⑯ファイアンクランツ(佐々木)
キング・モレイラ両Jを以てしても伸び負けてしまったここ3戦を見るに、控えても使える脚に限界があるタイプのよう。実際勝ち切った新馬戦は札幌の重馬場で、タフさや体力を活かした消耗戦でこそ力を発揮できるはずです。行儀よく流れるレースになると厳しいものの、逆に今回乱ペースが見込まれることはこの馬にとって吉兆となる可能性も。
[8]⑰マスカレードボール(坂井)
皐月賞では1角の入りでごちゃつくなど道中スムーズにいかない中で直線だけで③着と力を見せました。前走は陣営が散々泣いていただけに舞台替わりのここは見え見えの人気する局面で、テンションに気を使うタイプで地下馬道の懸念や距離の不安はあれど、ここまで東京では明らかに違う走りを見せているだけに、コーナー4つを克服すれば走ってきても。
[8]⑱サトノシャイニング(武豊)
前走の皐月賞では1コーナーの入りでぶつけられるなど不利があった中、直線向いてからの脚は流石という内容の⑤着。コーナーでもたつくところがあり広い東京コース替わりはプラスで、前走からさらに1段階攻め馬を強化できているのも好材料。距離適性よりも絶対能力が問われる舞台でなら、皐月賞からの前進も可能でしょう。
<予想>
◎リラエンブレム
○レディネス
▲マスカレードボール
△クロワデュノール
△サトノシャイニング
△ファイアンクランツ
△ミュージアムマイル
△ファンダム
■東京12R/目黒記念 マキシ
前走は脚を取られる馬場、2走前はスタートの失敗と敗因が明らか。目黒記念はスタート直後に坂を登ることもあってか最初の4Fが50秒近くかかるレースでもあり、スローで前付けして速い脚を遣える性能はこのレースに向いています。輸送減りするタイプですが4走前の六社Sは-12kgと体を減らしながらも勝利しており、中間攻めすぎなかったのもそれを見越してと考えられます。今の東京の芝は3分どころあたりを避けて通るコンディションですがラチ沿いは生きており、他が外に散ってコースロスを避けて走れれば。