Special Thanks

当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2025年10月26日日曜日

【10/26(日)予想】菊花賞の予想

■京都11R/菊花賞

<見解>

G1馬不在、そしてダービーからの直行馬もゼロとどの馬も距離適性を探りながらの臨戦過程となっています。こうなると道中のペースはあまり上がらなさそうで、2週目の向こう正面あたりからの持久力勝負と見ます。雨はさほどではないものの、柔らかくなった芝は午前中からかなり掘れており、跳びの大きいタイプにとってはややてこずる可能性も。

<予想>

ジョバンニ
前走の神戸新聞杯はインで詰まってしまい③着。とはいえこの馬にとって休み明けは叩きと割り切ってのもので、状態はここに向かって上昇できています。1週前にはウッドで50秒台をマークし皐月賞以来の出来にあり、走法的にもストライドの大きい方ではなく器用に立ち回れるのはこの舞台でプラス。3角から加速する差し勢はロスが大きく、脚を溜めて直線でしっかり伸びきれれば逆転まであってよい存在でしょう。

レッドバンデ
前走のセントライト記念は放馬のアクシデントがあったうえ、直線手前から狭いところに入ってしまい持ち味を出せずの③着でした。スパッと切れるタイプでない分稲城特別を勝った時のように伸び伸びと脚を使わせた方が良く、この舞台替わりと大外枠はプラスでしょう。輸送をこなせれば十分やれるはず。

エリキング
トビの大きいタイプでこの馬場はマイナスなのと、前走の神戸新聞杯で思いのほか動きすぎた分が不安でやや割引ましたが、外差しを決められる京都コースは向いています。ジョバンニ同様ここから逆算しての神戸新聞杯参戦で状態は前走以上。春は骨折明けで十分でなかったことを思えば、万全で挑める今回はまだオッズも甘いはず。

エネルジコ
中2か月はキャリア最短。青葉賞の勝ち方を見ても中距離馬という印象で道中のアップダウンがあるこの舞台が合うかは未知数ですが、キャリア4戦の伸びしろを評価して。

ショウヘイ
ダービー最先着も、イン先行で好走するのはダービーの「恵まれパターン」。神戸新聞杯の内容を見てもあれで押し切れなかったのでは距離が伸びてプラスのイメージはありません。好位につけてどこまで。

ヤマニンブークリエ
今の馬場状態を考えればインから小脚を使えるタイプにもチャンスが生まれると考えます。前走のセントライト記念の走りはまさにその作戦が嵌った形で、この枠を引いたからにはその再現があってもよいでしょう。

ミラージュナイト
札幌で連勝してきているのは地雷パターンなのですが、何れも中団から最速の上りでまとめており単なるスタミナタイプではないことを証明しています。上のマキシも中距離馬ですが、父がバゴに替わって持久力がプラスされれば面白い存在です。

2025年10月25日土曜日

【10/25(土)予想】アルテミスSの注目馬

■東京11R/アルテミスステークス ミツカネベネラ

前走の新馬戦は当時の④⑥⑨着が既に勝ち上がっているレベルの高い一戦。スタート一息から道中は先団の馬群の中でストレスをかけつつ掘れたインを通らせ、ゴール前外に出すと鋭い決め手で差し切る好内容。それでもまだフワフワしたところを残しており伸びしろを十分に感じさせるレースぶりで、モーリス産駒で距離も問題ないでしょう。1400mからの臨戦で人気はしないでしょうが、サウジアラビアRCを勝ったエコロアルバも同じパターン。決め手が問われる東京でなら人気上位勢とも差はないはずで。

2025年10月19日日曜日

【お知らせ】10月以降の予想記事について

10月より、予想プロセスの見直しを行うことといたしました。それに伴い、「G1レースの全頭評価」は当面お休みさせていただきます。 いつもご覧いただいている皆様には大変申し訳ございません。


お伝えすべきことは以上なのですが、以下、今回の判断に至った言い訳を少し書かせていただきます。


①自分にはデータを扱うのは100年早かった


今の予想スタイルは、コロナ前から契約しているデータラボの情報をTARGETで読み込んだ上で、レースレベルやコース・枠番との相性、経験してきたペース等定量定性双方の観点から狙いたい馬を絞り込み、オッズの観点も踏まえ推奨馬を決めるものです。

これは一見、データを基に冷静に判断しているかのように見えますが、実際には「自分が導きたい結論にとって都合の良いデータを紹介し、そうでないものを見ない」というやり方に陥ってしまっていたと反省しています。


例えば、自分が良くやる「この馬は外枠を引けばいつも来る」みたいな推奨も、それ自体は正しいのですが、その時に内枠を引いていた人気馬が内枠巧者だったらどうでしょうか。

本来、データを基に客観的に判断するというのは、同じレースに出る全ての馬に対し同様の検証をかけたうえで比較検討をするものです。ですが、自分の場合は「人気馬にとって有利なデータ」から目を背け「人気薄or自分が推奨したい馬にとって有利なデータ」のみを見て推奨判断をしていたわけで、正しいデータの扱い方とは言えないものでした。

100歩譲ってそれを正当化できるとしたら「今のこのコースは外有利だから」等「他の要素との掛け合わせでその判断に至る」ケースがそれですが、そういった検証もなしにチェリーピックしているに過ぎない自分の予想は「データに基づいているから主観的でない」という言い訳をしたいだけのものになっていました。


自分のこういう性格は昔からで、データラボに金を払うことによってそれを少しでも矯正できればと思って続けていたのですが、結局は「一撃大穴を当てて楽に元を取りたい」ことが優先事項になってしまい、それらしいデータを選り好みするのみに終始してしまいました。こうした思考を根本から改めない限り、時間とお金を浪費するばかりか余計に的中から遠のいてしまうと考えました。


丁度、年初に仕事でビジネススクールを受講する機会がありました。そこで学んだのは、データを用いた事業上の判断を行う際に「根拠とすべきデータを示すこと」に加え「採用に至らなかった案について、なぜボツとなったのかをデータで示すこと」の重要性でした。本来、ここまでやって初めて「データを使えた」と言える話で、果たして競馬予想において自分はそうできているか?胸に問いかける機会になりました。



②穴狙いを続けても、結局は勝てていない現状


自分は他の馬券購入者と比べても、必ずしも予算が多い方ではないと自覚しています。故に、元手の限られるプレイヤーが人並みに結果を残すためには、人並みに人気馬を買っても意味がなく、他の人が気づかない着眼点を見つけ、それを切り口に組み立てていくことが肝要だと信じ続けてきました。


近年、予想家の中にも「期待値」の考え方を持ち出す人が増えてきましたが、自分の考え方もこれに近いものです。例えば、スプリンターズSで言うならば、「日本最強スプリンターとの呼び声高いサトノレーヴが単勝で2倍もつく」と考えるか「去年のこのレースで大敗しているサトノレーヴは過剰人気」と考えるかで、馬券アプローチは大きく変わってきます。


1番人気の複勝率は約7割と言われており、3回に1回は3着内を外します。それを考えればサトノレーヴの敗戦も決して不思議ではなく、そういう意味ではここから入らなかった予想自体は「当たり」と言えるものでした。しかし最も肝心なのは「では誰が来るのか」を正しく導くことです。足下の回収率は80%に届かず、これだけ手間をかけても成果につながっていないというのは、①でも触れた通り自分のプロセスに問題があると言わざるを得ません。



③「データの民主化」による情報格差の縮小


少し前までは一部のコアなファンだけのものであったデータアナライズも、JRAの熱心なプロモーションもあり今やすっかり普及した感があります。特にコロナ禍を経て在宅競馬が一般化してからは、「以前であれば明らかに人気しなかったであろう妙味馬のオッズ低下」や「締切直前の大量投票」が特に目立つようになりました。極端な例ですが、直前まで90倍ほどだった単勝オッズが締め切り間際で28倍になった事象もありました(3/8 阪神8Rのプロテア、しかも①着)。最後の1分まで動く時代、そもそもオッズを予想ファクターに組み込む(想定人気との乖離を基に推奨する)ことの是非が揺らぐ時代になっています。


スプリンターズSにしても同様で、自分の◎だったペアポルックスは重賞実績が無いのに単勝52倍、重賞実績複数、海外G1でも好走歴のあったウインカーネリアンが50倍というオッズに。年齢や枠順、高速決着への対応など不安要素は少なくなかっただけに敬遠されるのは理解できるのですが、結果的にはスタートを決めて押し切ったウインカーネリアンに対しペアポルックスはスタート失敗し見せ場なく終了。今の日本競馬において人気格差を生むのはデータではなく、人の思い込みや感情であることが如実に表れた結果でもありました。


他の人の裏をかいていたつもりが、同じ手法を続けるあまりいつの間にか他の人と同じ結論に陥ってしまっていたというオチ。パリミュチュエル方式のギャンブルである以上、自分も常に新たなアプローチを考え続けなければいけないと感じています。



<今後について>


つらつら書きましたが、結局は


「買った馬より人気薄に勝たれたら悔しい」


という自分の心の弱さが穴狙いを増幅させ「買った穴馬は来なかったけど、人気サイドの決着だったから仕方ない」と自分を慰めてきたことが全てだと思っています。また、TARGETではリアルタイムでオッズが動くことから、その数字に一喜一憂していた部分もありました。


今後はこれまでの予想プロセスを一旦リセットし、現実のオッズやデータに縛られない形で、的中とユニークさを追求していきたいと思っています。

変わらぬお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。


【10/19(日)予想】秋華賞の予想

■京都11R/秋華賞

<見解>
近年のG1はいかに余裕を持ったローテで臨めるかがカギとなっている中、今回オークスからの直行はわずか2頭。裏を返せば、遠征経験やコース、賞金など本番前に一戦挟まざるを得ない馬が多いというのがこの路線の実情で、よく言えば混戦、悪く言えばトップクラスのレベルもさほど高くないということが言えます。その直行の2頭も、3歳以降全く結果を出せてないブラウンラチェットとオークス大敗のエンブロイダリーという組み合わせ。軸にできるほどの信頼は置きにくく、どこからでも入れるレースと考えます。

<予想>

ダノンフェアレディ

跳びが大きくじっくりとスピードに乗せたいタイプ。4走前のエルフィンSはスタートで大きく外に逃避するロスがあっての⑤着、3走前の忘れな草賞は雨馬場で④着、前走の紫苑Sは3角から坂下までインに閉じ込められ何もできずの③着と、何れも敗れた理由はハッキリしています。走法的に雨馬場は向かず良馬場は歓迎で、下り坂から直線平坦の京都コースは2走前に勝った小倉に近いこともポイントです。春の勢力を逆転できるとしたら、まともな勝負付けが済んでいないこの馬でしょう。

○カムニャック

賞金的にも問題ないのになぜかローズSを使っての参戦。おそらくは右回りの適性を試したかったのでしょうが、4角で接触がありながら完勝した内容は評価できます。その分中間を手控えているのは仕方のないところ。本質的には大箱コースが向いておりここは立ち回りが難しいですが、外枠を引けたのもかえって好都合。

▲エンブロイダリー

オークスは折り合いを欠いた分で、アドマイヤマーズ産駒という点からも距離は1800mまでのような気もしますがルメールJ継続騎乗なら見直してもよいでしょう。

△セナスタイル

前走のローズSは超Hペースにも乗じての③着確保でしたが、そもそもそれまでの2戦で超スローペースしか経験していない中でいきなりあの激流で結果を出せるあたりはポテンシャルの高さを感じます。気持ちの面への配慮もあってか中間岩田康Jが跨っていないのは気がかりですが、夏を越しての上昇度という点では一番と言える存在で。

△マピュース

古馬相手に重賞を勝っているのはこの馬だけ。力量は上位で、明らかにマイルを志向して使われてきた中でいきなり2000mはどうかとは思いますが、横山武Jがジョスランではなくこちらに乗るという重みを考えて押さえます。

△エリカエクスプレス

前に行きたい馬に武豊Jが乗るとなれば押さえないわけにはいきません。母父ガリレオという血統背景からは短距離馬ではなく、気性面がその出世を阻んでいるとするなら変わるのは今回かも。

△テレサ

ローズSは激流を見ながらの②着。ペースが落ち着く今回はどう収めるかが課題で、どちらかというと最後にタフさを求められる前走のような流れと急坂コースが向いているタイプ。血統背景からも条件は前走の方が良かったと思えるだけにやや割引も、このメンバーなら。

2025年10月18日土曜日

【10/18(土)予想】富士Sの注目馬とねらい目レース(東京7R)

■東京11R/富士ステークス ウォーターリヒト

昨年のこのレースの予想でも触れた通り、とにかく末脚を使う馬が好走するレースです。今年は上位人気の各馬が明らかなたたき台という臨戦過程で、しかも似たような位置取りの馬ばかり。それならば外差し勢を狙うべきと見て、本来であれば昨年の覇者であるジュンブロッサムを推奨すべきところですが陣営のトーンは上がらず。戸崎Jがシャンパンカラーに乗ることも含めここに向けたトーンは高くないと見られ、それならばこの枠からでも外差しを公言しているウォーターリヒトを狙います。2走前の安田記念は流石に前も止まらずの⑨着。前走の中京記念はスタートで躓いた上前の馬の決着になった分の⑦着。何れも敗因は明らかで、得意コースに戻って巻き返しは可能と見ます。


■東京7R アサクサヴィーナス

脚の使いどころが難しく、気性面の問題もありギリギリまで壁を作って運びたいタイプです。現状では1600mは折り合えず1200mは忙しいという状況でこの距離と枠はベスト。インが活きている開催3週目であれば好位でじっとして直線で間を割っての戦法も通用するはずで、現級通用の実績は十分で再度の好走期待。

2025年10月13日月曜日

【10/13(月・祝)地方競馬予想】マイルCS南部杯の注目馬

■盛岡12R/マイルチャンピオンシップ南部杯 リメイク

盛岡1600mコースは長い引き込み線を走るコース形状もあり、非常に時計が出やすい条件です。一昨年のレモンポップが1.33.8、4年前のアルクトスが1.32.7と芝かと思うような勝ち時計。これらは何れも稍重ですが、良馬場でも2019年のサンライズノヴァが1.34.2で走っています。逆に不良馬場で行われた3年前のカフェファラオは1.34.6、4年前のアルクトスは1.35.2と必ずしも馬場の恩恵を受けるとは限らず、このレースの特性として時計が出ると言えそうです。

このコースはコーナー径がきついうえ4角は下り坂。したがって加速がつくところで後ろや外目を回っていると遠心力で外に振られてしまうため、できれば好位のインを取って下り坂を抑えて下りたいところ。これが中距離戦であれば早目にふかしていくタイプにとって有利なわけですが、長いバックストレッチを走ってさらにコーナーで加速がついてしまうというのはスピードのない馬にとっては厳しい舞台です。加えて、下半期のダート短距離G1はこれとJBCスプリントくらいのため、1200~1400mを主戦場としてきたようなスピード自慢も集まりやすいというメンバー面の影響もあって道中が緩みにくいのもあります。ゆえにスタミナだけのタイプは厳しく、よりスプリント寄りの適性が求められるレースと言えます。過去、ヒロシゲゴールドやレディバグなど1200mで実績のある馬がたびたび穴を開けているのもその証左でしょう(裏を返せば、こことチャンピオンズCを連覇したレモンポップは化け物だったということです)。

リメイクは2年ぶりの国内参戦。マイルは2022年のユニコーンS⑥着があるのみですが、春の2戦の鞍上(川田・デットーリ)からも距離延長の進言があったとのことで、2連覇していたコリアスプリントではなくここに照準を合わせての参戦。スピードは実績的にも申し分ないもののラニ産駒で距離自体はこなせてもおかしくはなく、最内枠から立ち回れる今回はシャマルの後ろで好位のインを確保するのは容易なはず。今の臨戦過程を考えれば船橋1000mで行われるJBCスプリントには向かわない公算が大きく、ここで結果を出しておきたいところです。

以下、リピーターレースであることも加味してスピード勝負に強い○ペプチドナイル。▲シャマルは13勝のうち坂のあるコースで勝ったのは1勝(阪神)のみと不安がありやや割引。あとは帝王賞を自重し久々の△サンライズジパング、昨年のフェブラリーSの二の舞の懸念はあれど川田Jが乗りに来た△ウィルソンテソーロ、御家本Jを確保しわざわざ毎日王冠を蹴ってまでここに出てきた意欲を買って△シックスペンス。地方勢では衰えの見えるイグナイター、古馬相手に通用していないミックファイアよりも一瞬の決め手に魅力ある△エコロクラージュの紛れに警戒。

<予想>
◎リメイク
○ペプチドナイル
▲シャマル
△サンライズジパング
△ウィルソンテソーロ
△シックスペンス
△エコロクラージュ

【10/13(月・祝)予想】スワンSの注目馬とねらい目レース

※南部杯の予想は別途掲載いたします。

■京都11R/MBS賞スワンステークス ソーダズリング

調教の動きがリンクするタイプで、ちぐはぐな時は坂路で逆時計となるところ今回は加速ラップを踏んで登坂。攻め掛けするタイプではあるものの、全体時計を52.2でまとめた上で14.9-13.4-12.0-11.9と伸び続けた最終追いの内容は合格点。前走のヴィクトリアマイルは距離が長かった分で、実績ある1400mに戻ってインから捌ければ見直せるはず。

■東京11R/オクトーバーS ウインエーデル

2走前の大阪城Sでも推奨しましたが、当時は外枠で壁を作れずダラっとした走りになってしまい⑬着のブービー。前走の府中牝馬S(6月)も出遅れで最後方からの運びとなりノーチャンス。昨年のユートピアSのように五分のスタートで壁を作れれば直線は伸びてくる脚を持っており、東京なら流れやすい1800mより2000mの方が追走も楽になるでしょう。キレ自体はここに入っても遜色なく展開一つで。

■東京12R ヒルビリーエレジー

4走前、2走前のように左回りで内枠を引いたときが好走タイミングですが、要は「好位のインを取れるかどうか」にかかっています。今回のメンバーを見渡すと前に行きたい馬はせいぜいバルサミコくらいで、出遅れが無ければポジションは楽に取れそうなだけにこの枠でも問題ないと見ます。

■京都12R ミルミナーヴァ

1戦おきにスタート成功/失敗を繰り返す馬で、2走前のようにスタートを決めて流れに乗れれば掲示板内に入れる実力は見せています。今回はスタートを決める番のはずで(1,2,0,1)と良績のある京都に戻って一発。

2025年10月12日日曜日

【10/12(日)予想】アイルランドTの注目馬とねらい目レース

■東京11R/アイルランドトロフィー アンリーロード

3歳春に同舞台のカーネーションCを勝利。当時はインを進んだ馬たちが上位を占め、アリスヴェリテが折り合って運んだ勝ちパターンを外からまとめて差し切ったもので価値の高い内容でした。この時のようにギリギリまで馬群で我慢させられるレースが出来れば強く、前走の阿武隈Sもインから壁を作って直線で開けたところを伸びるという理想的な展開ではありました。ただその前走は夏バテ気味でまともに追い切りもできず、終始馬場の悪いところを進まされ良好な芝の上を走れたのは正味最後の100m程度というレース。着差以上に強いレースだったと言え、涼しくなり攻めも大幅強化で臨める今回は明らかに前走以上。レコード決着のローズSで④着した実績もあり牝馬重賞なら手が届くはずで、上手くインに入れられさえすれば。


■京都6R ランツフート

前走の英彦山特別はデムーロJが未勝利戦の成功体験にこだわりすぎたきらいもあり、2600m戦でまくって末を失くし⑦着。距離を詰めてじっくり運べば芝でもやれないことは無いと見ます。

2025年10月11日土曜日

【10/11(土)予想】サウジアラビアRCの注目馬とねらい目レース(京都12R)

■東京11R/サウジアラビアロイヤルカップ ゾロアストロ

前走で降したジーネキングがいかに強い馬かという話は先日の札幌2歳Sの記事の中で触れさせていただきました。その前走は前半が49.5と息の入るペースになり、最後はジーネキングとこの馬とのマッチレースに。直線で再加速し33.4の上りで逃げ切ろうとするジーネキングに対しノーステッキながら32.9の脚で差し切ったゾロアストロ。③着以下に大差をつけたレースぶりも含め、見た目以上のパフォーマンスだったと言えるでしょう。ジーネキングが強いという立場をとる人間としてはこの馬を買わないわけにはいきません。


■京都12R サンライズブレイク

2走前の中京戦が好内容。スタート一息もうまく被されない位置で追走し、②着争いの一角に加わるレースぶり。逆に前走は好位追走も途中で被されてしまい馬がやる気を失くしたようで、近走のちぐはぐさを考えればここは無理せず外目を回してくる戦法を採ってくることでしょう。先行~好位タイプが揃ったここは嵌る可能性。

2025年10月5日日曜日

【10/5(日)予想】毎日王冠・京都大賞典の注目馬

■東京11R/毎日王冠 シルトホルン

昨年のこのレースはインで終始詰まって何もできずの⑤着。このコースでは昨年のエプソムC②着、今年もジューンSを勝っており最も得意とするところです。今回はサトノシャイニングがハナをうかがう構えを見せており、そこにホウオウビスケッツが蓋をすればまずオーバーペースにはならないでしょう。こうなると前にいてひと脚使える馬が有利で、ギアチェンジが苦手なホウオウビスケッツ、気性面のもろさを抱えるサトノシャイニングよりも前付けでひと脚というタイプのシルトホルンの台頭余地は十分でしょう。


■京都11R/京都大賞典 ヴェルミセル

ビュッと切れるタイプではなく、前走の札幌日経OPのように道中にギアチェンジが求められるレースは得意ではありませんでした。放牧先では筋肉が落ちていたとのことで、遠征も向いていなかった様子。そこから立て直して地元戦に向け調整は順調。1週前にはウッドでしまい2F11.2-11.2という好ラップを刻み、元々本数はいらないタイプだけに当週は調整程度で問題なし。昨年冬場に2連勝→ダイヤモンドSで③着したように涼しい時期の方が良く、適度に時計の掛かる馬場コンディションも好都合。エリザベス女王杯への道を開くためにもここはぜひ賞金加算したいところです。

2025年10月4日土曜日

【10/4(土)予想】グリーンチャンネルC・オパールSの注目馬とねらい目レース(東京6R)

■東京11R/グリーンチャンネルカップ バトゥーキ

東京では(1,2,0,1)。前走のアハルテケSは落雷の影響で発走が16時10分になり、待ち時間が長かったことが影響したという陣営談。脚質的に脚抜きの良い馬場も向いてなく、良馬場想定で迎えられそうな今回は見直せる番です。


■京都11R/オパールS タマモブラックタイ

先行出来てもダラっと流れ込むようなレースが続いており、陣営はこのタイミングでの脚質転換を敢行。中間の追い切りはしまいを伸ばす形で十分に動けており、開幕週+重馬場で内前に馬が殺到すれば外目をスムーズに伸びてこられそうなこの馬の出番があっても。


■東京6R スプランドゥール

これまで中央のレースではすべて柴田大Jが騎乗。再転入後は僅差のレースを続けており、現状ではしまいを活かせる東京が向いているようです。人気の中心になりそうなピコテンダーは②③着の多いタイプで、こういう馬に対し勝ち切れるのは決め手のあるタイプ。3kg減の石神道Jに手替わりでもう一押しが効けば。

2025年9月28日日曜日

【9/28(日)予想】スプリンターズSの全頭評価とねらい目レース(ポートアイランドS)

■中山11R/スプリンターズステークス

[1]①ピューロマジック(松山)

前回のレースぶりに味をしめたのか、それともここに来て精神面が大人になったのか、陣営は控える競馬を示唆しています。この馬自身への評価は後で述べるとして、このレースのペースが結果にどのように関わるのかを考えたいと思います。

<前後半のペースと上位3頭の4角通過順>
24年 32.1-34.9(前傾2.8) ③⑥⑫
23年 33.3-34.7(前傾1.4) ②④⑦
22年 32.7-35.1(前傾2.4) ②⑨⑫
21年 33.3-33.8(前傾0.5) ②④⑤
20年 32.8-35.5(前傾2.7) ⑮④⑯

前半ラップが32秒台を刻むような超ハイペースになると流石に4角2桁番手の馬でも届きますが、基本的には中団までにいないと厳しいレースになっています。近年はこの馬然りモズスーパーフレア然りといったハイペースを刻むタイプの逃げ馬がペースメイクしてきましたが、今年のメンバーでハナを主張しそうなのは大外枠のウインカーネリアンくらい。それもビュンビュン飛ばすというタイプでもなく、単騎で行かせれば33秒台の前半になることはほぼ間違いなさそうです。

ではそうなったときに控えたピューロマジックがうまく脚を使えるのかと言われると、個人的には非常に懐疑的です。そもそも前走自体がこれまで折り合いを欠いてきたこの馬にとって「禁じ手」とも言える千直への参戦で、テイエムスパーダなど相対的に速い馬が多く折り合いに苦労しなかった恩恵が大きすぎました。過去10年で距離延長で臨んだ馬は(0,0,0,3)という相性の悪さもさることながら、もまれ弱さから逃げ戦法を取り続けてきた(前走にしても千直で馬が外に密集する中真ん中を通ってストレスフリーだった)経緯からしても「何が何でも控えろ」となってしまうとスムーズにいかない懸念が。

[1]②ヨシノイースター(内田博)

勝ち切れているのは1分8秒台の決着の時のみ。重賞であと一歩という内容からは最高峰の舞台で強調はしにくく。

[2]③ダノンマッキンリー(横山典)

前走のチェアマンズスプリントプライズは⑬着大敗も鼻出血で参考外。ただ元々がオンとオフの切り替えの難しいタイプで、マイルではかかり1200mでは「オフ」のタイミングを作ることができないという課題があります。重賞2勝が何れも1400mというのは偶然ではなく、スプリント並みのペースとマイル同様のメリハリが求められるカテゴリというのがこの馬に合っていると見ることができ、ワンペースになりやすい中山1200mでは。

[2]④ママコチャ(岩田望)

前走のセントウルSは496kgと、一昨年にこのレースを勝った490kgと比べればまだ皮1枚分厚い感じの中時計にも対応し②着。以前は気持ちが前向きすぎてやむなく距離短縮せざるを得なかった馬が、ここに来て落ち着きを見せ連戦が可能になっているのは成長と見ることができるでしょう。前目から速い脚を使えるのが身上で、今回極端なハイペースにならなさそうな中でこの枠を引けたのは好材料。早仕掛けのきらいがある岩田望Jという点に一抹の不安はありますが、溜めて末脚を使わせるタイプでもないだけに遅れずについていければ今年も上位候補。

[3]⑤カンチェンジュンガ(坂井)

前走のセントウルSはカルチャーデイとテイエムスパーダが前半33.0のハイラップを演出。ママコチャ、トウシンマカオが明らかな叩きという仕上げの中外差しでの勝利は一見恵まれたようにも見えますが、直線では一瞬追い出しを待たされる場面もあった中で馬群を割って伸びており、この馬よりもスムーズに外に進路を取れたティニアが⑧着だったことも考えれば展開利とは言い切れない勝利でした。ただ、昇級後は位置を取ると脚が鈍る面があり、必然的に後方からのレースを強いられている現状。今回の想定ペースを考えればこの馬の位置取りでは厳しいと言わざるを得ません。

[3]⑥ナムラクレア(ルメール)

1回1回全力で走るタイプで、陣営もその対策として昨年の阪神Cからは3か月間隔での臨戦を続けています。このレースも4年連続の参戦で⑤③③着としていますが、過去3年は何れも中4週ないしは中5週でのレースでした。臨戦を工夫し挑む今年はその過去3年ほどにはハイペースにならなさそうな想定で、道中置かれ加減になるこの馬にとってはペースが向きそうな期待が。

[4]⑦サトノレーヴ(モレイラ)

高松宮記念を制した後はチェアマンズスプリントプライズ、QE2ジュビリーS(英国)を転戦し何れも②着。特に今スプリント界では世界最高峰とも言える香港の地で、13連勝中のカーインライジングの②着した香港での走りは日本代表ともいえるパフォーマンス。そもそも来年の免許に影響するので余計に制裁点を稼ぎたくないモレイラJがわざわざ1か月だけ来日(期間中のG1はここだけ)して乗りに来るくらいには力が入っているという見方もでき、中山コース自体も昨年の春雷Sで1.07.1の好タイムで勝利しており問題なし。昨年は超が付くハイペースで物理的に間に合いませんでしたが、33秒台の前半で入れば十分間に合うはずで。

[4]⑧ペアポルックス(松若)

このコースでは①②着。そのいずれもが1.07.2で先頭ないしは2番手で走り切ってのもので、高速決着は得意とするところです。きれいな馬場で走れるかが鍵で、キャリアでも着外に敗れている3度は何れも渋った馬場か最終の荒れ馬場かという戦歴。今回の中山は良馬場想定で問題なく、葵Sでピューロマジックの②着しているように前半のハイペースも経験済。自分で行くかウインカーネリアンを行かせるかはその時の判断でしょうが、いずれにしても自ら1分7秒台前半で走り切れる走力を持っているという点ではここに入っても十分に通用するはずで。

[5]⑨ドロップオブライト(丹内)

前走の京成杯AHはインを通ったもの勝ちのレース。最内を突いたホウオウラスカーズはすべてがうまくいった結果であり、内枠から先行して②着したこの馬にとっては運が無かったというべき内容でした。しかしながらここまで5勝全てが1200mという馬がこのタイミングでマイルを走り連対するとなると、6歳を迎え距離適性は伸びてきていると考えるのが自然でしょう。再度激流のスプリント戦に参戦するとなると位置取りを落とすのは必至で、それでもまだ得意とする左回り×内枠であれば評価の目もありますが…

[5]⑩ラッキースワイネス(リョン)

G1を4勝、23年シーズンには6連勝を記録するなど香港スプリント界のトッププレイヤーの1頭。昨春の故障で休養が長引き、約1年ぶりに復帰してからは⑥④②着と叩かれつつ良化を示しています。日本の高速決着に対応できるかが鍵ですが、前走のハンデ戦でさえカーインライジングの②着と、普段から戦っている相手が違います。能力の素地だけで言えば香港組はやはり1枚上の評価をしなければなりません。

[6]⑪トウシンマカオ(横山武)

器用なタイプではないものの、昨年のこのレースでは内枠からうまく動いての②着。大箱コースか極端な枠が向いているだけに中山でこの中枠は微妙なところですが、どこからでも末脚を使えるのが強み。本質的には右回りの方が良く、高松宮記念からもう一歩上積みがあるとすればここでも有力候補でしょう。

[6]⑫ヤマニンアルリフラ(団野)

2走前の北九州記念は3F通過32.5という超が付くハイペースで、前が止まったところを差してのもの。このメンバーではなかなか前は止まってくれませんでしょうし、芝では平坦コースでしか勝ち星がないのも気になるところ。ここは試金石という位置づけでしょう。

[7]⑬ジューンブレア(武豊)

過去7回の掲示板内は何れも1桁馬番or千直の2桁馬番。内目を通れるかどうかが好走のカギとなる馬で、この枠からだといい位置を取ろうにも脚を使ってしまう懸念が。

[7]⑭カピリナ(戸崎)

この馬もまた勝ち切れているのは1桁馬番の時。前走の函館スプリントSにしても、ジューンブレアがインを開けなければ勝ち筋はありませんでした。この枠からの立ち回りが鍵となるだけに。

[8]⑮ルガル(川田)

前走急遽の乗り替わりでコンビを組んだだけの川田Jがこの秋、ママコチャを蹴ってこの馬とのコンビ継続を決断。西村淳Jが復帰したにもかかわらずです。それだけ鞍上も手ごたえを感じている現れでしょう。昨年のこのレースはピューロマジックの超Hペース逃げを番手で追いかけ、抜け出すタイミングもドンピシャという勝利でした。ただ骨折明けという臨戦過程を考えればそのパフォーマンスは額面以上で、高松宮記念では2年連続で凡走しているように本質的にはスピード比べで能力を発揮できる馬。香港より時計の出やすい中山に帰れば見直せるはずです。

[8]⑯ウインカーネリアン(三浦)

自分で決める脚が無いので短い距離で押し切った方が良いという現状。8歳でも衰えはなくスプリント戦でもハナを切れるだけのスピードはありますが、1分7秒台前半の決着は未経験なだけにこの枠から脚を使って前についたとて残せるかは未知数で。

<予想>
◎ペアポルックス
○サトノレーヴ
▲ルガル
△ラッキースワイネス
△トウシンマカオ
△ナムラクレア
△ママコチャ


■阪神11R/ポートアイランドステークス トゥデイイズザデイ

8番枠を引いたときは①②着。2走前のジューンSが理想的な内容で、外枠からスムーズに先行ししぶとさを見せました。前走はスタートでいけなかったのが全てで、再度得意な外枠を引いた今回は見直せる番です。

2025年9月27日土曜日

【9/27(土)予想】シリウスSの注目馬とねらい目レース(中山6R)

■阪神11R/シリウスステークス ルクスフロンティア

2走前の平安Sでも推奨しましたが、その根拠はこの馬の内枠特性でした(ダートで6番枠以内なら連対率100%)。残念ながら⑩着となりましたが、稍重の馬場にして前半4Fが50秒近くかかるスローペースで出番がありませんでした。それ以前に、最近の岩田康Jはインにこだわるあまり位置取りを疎かにしがちで、流石に4角14番手では勝負になりませんから、その騎乗ぶりもマッチしなかったと見るべきでしょう。ここは再度内枠を引け相性の良い武豊Jに戻っての一戦で、近走大敗続きで人気が落ち着くなら。


■中山6R キョウエイタイコ

ダートに限れば大きく崩れてはなく、前走の1勝クラス戦にしても4角の通過順がそのまま着順になるようなスローペースで仕方なし。牡馬混合戦で牝馬最先着の⑦着だったことは評価してよく、当時シンガリ負けだったリバースザトレンド(牝馬)も次走の牡馬混合戦で0.2差④着に好走しています。牝馬限定戦で相手関係も落ち着いたここなら。

2025年9月23日火曜日

【9/23(火・祝)地方競馬予想】テレ玉杯ASの注目馬

■浦和11R/テレ玉杯オーバルスプリント サンライズフレイム

人気になりそうなのは最内枠のムエックス。ただ本をただせば中央3勝クラスで頭打ちになったのち南関東移籍でOPまで上り詰めた存在。直近の勢いは認めますが、前走のさきたま杯は超が付く不良馬場で位置取りとコース適性が問われたもの。立ち回りを理解した人馬の貢献が大きく、まっとうな馬場で走るとなるとまた話は変わってきます。それならば4歳で上り目もあるティントレットを重く取りたいです。

一方、中央勢はモレイラJが駆るエートラックスが一応の中心。ただ重賞での好走は地方交流競走に限られ、真の実力がどこまでかは未知数の面が大きいです(中央では未勝利勝ちしかないハッピーマンも同様)。ガビーズシスターは良績がダート1200mのみで、初の1400m+周回コースと超えるべきハードルは低くありません。それならば、中央の1400m重賞でもキッチリ入着しているサンライズフレイムが能力的には最右翼と見ることができるでしょう。

中央のダート1400m重賞はわずか2つしかなく(根岸S、プロキオンS→東海S)、必然的にその路線のトップクラスが出走する構図になります。サンライズフレイムが戦ってきた相手もコスタノヴァやエンペラーワケア、ヤマニンウルスなど重賞の常連ばかりで、ここのメンバーの中では経験値が違います。何より額面上の重賞実績が無いため54kgで出られるのはチートと言えるほど恵まれたハンデで、斤量面の後押しも考えればここは勝っておきたい舞台でしょう。

2025年9月21日日曜日

【9/21(日)予想】オールカマー・神戸新聞杯の注目馬とねらい目レース(中山8R)

■中山11R/産経賞オールカマー リビアングラス

トビが大きく器用さに欠け、スムーズに先行できる形が向いています。前走の札幌記念はホウオウビスケッツを見るような形で控えて⑥着。後方待機勢が上位を独占する中で粘り通した方と言ってよく、頭数が手ごろになり強引にハナを主張するタイプも居ない今回は逃げないしは好位を楽に取れそうです。元はと言えばG1馬3頭が上位を独占した菊花賞の④着馬。元値の高さは証明済みで、ホーエリートが蓋をして後ろが大事に乗る形になればチャンスありでしょう。


■阪神11R/神戸新聞杯 ジョバンニ

このレースは23年連続でダービー出走組が連対を果たしており(20勝、②着13回)、昨年も4頭が出走しその中で最先着(⑩着)だったジューンテイクが②着と好走。勝ったのはダービー取消となったメイショウタバル、③着も2番目に着順の良かった(⑭着)ショウナンラプンタでしたから、ダービーにたどり着けたという事実とその実績から組み立てるべきレースと言えます。

今回は1桁着順に好走した3頭が該当。最先着(③着)のショウヘイは好位のインを回って直線だけ外に出すというお手本のような競馬が叶った分でもありました。一方エリキングは後方から脚を伸ばし直線だけで掲示板を確保しましたが、川田Jは「動かす必要があるとき」以外は無理をさせないタイプ。賞金獲得の必要があった京都2歳Sで「無理をして動かしました」と言っていた通り元々ズブさがあり、ダービーも不器用故内枠からうまく立ち回れずあのような位置取りになったと考えられます。今回、少頭数の外枠を引けたのは良かったですが、あくまで本番はこの先(中4週となる菊花賞に行くなら直行でよかったはずで、個人的には次はJCに行くような気がします)。「無理をして動かす必要はない」レースと見て、◎はジョバンニとします。

前走のダービーは鞍上曰く「いつもの反応が無かった」とのこと。陣営も「皐月賞がピーク」と言っていた通り流石に春3戦目でお釣りが無かったうえ、直線でも進路に迷うシーンがありました。今回は休みを挟んで立て直されての一戦。一瞬のキレよりしぶとく伸びるタイプなだけにじわっと加速できる阪神の外回りは向くはずで、ボンドロアが変な逃げさえ打たなければ。


■中山8R イコノスタシス

1枠を引けたときは(1,1,0,1)。唯一の着外だったフィリーズレビューはスタート後手、ボコボコの芝を走らされた上外差し決着と三重苦での敗戦で度外視できます。現級でも2度の掲示板があり、相手関係も落ち着いた今回距離短縮で上手く中団くらいから運べれば。


2025年9月20日土曜日

【9/20(土)予想】イサ殿下来場記念・大スポ杯の注目馬とねらい目レース(阪神6R)

■中山11R/バーレーン王国イサ・ビル・サルマン・アルカリファ殿下来場記念 キョウエイブリッサ

ダートは新馬戦以来。その新馬戦は東京1400mコースで先行して36.9の脚を使って押し切ったレースでした。新馬戦で前目につけた馬が押し切るレースはよくありますが、たいていは最後までしっかり脚を使えていないケースが多く36秒台でまとめたのは地味ながら評価できる内容です。この水準(勝ち時計1.26.6以下、3・4角5番手以内、上り36秒台以下)で良馬場の東京ダ1400m戦を勝ち上がった新馬は2001年のコースリニューアル後でも12頭しかなく、現OP馬のペンヌ、全日本2歳優駿②着のコンバスチョン、昇竜Sを勝ったグレートサンドシーなどのちの活躍馬に匹敵する水準です。

キョウエイブリッサ自身も全4勝を中山ないしは東京で挙げており、坂のあるコースでのパワー比べは歓迎のクチ。ここ2戦は暑さに加えキレが求められるレース(エプソムC、関屋記念)で見せ場を作れませんでしたが、気温が落ち着いた今日の中山であれば問題ないでしょう。過去2回とも②①着と変わり身を見せている休み明け2戦目で一発。


■阪神11R/大阪スポーツ杯 フェルヴェンテ

このコースでは①②②③⑤着。唯一の着外だった4走前の天満橋Sは差し有利展開を先行した分に加え、下がってきた馬の影響で3角をスムーズに運べなかった影響もありました。既に現級で②着2回③着3回とめどは立てており、好調時には連続好走できるタイプ。ここは決めたい番です。


■阪神6R ゴールドダイアー

前走の小倉戦でも推奨しましたが、勢いがついたところで進路が狭くなってしまい不完全燃焼の⑨着でした。現状では小脚を使わせるよりも伸び伸びと脚を使った方が良さそうで、追わせる馬に合っている和田竜Jへの手替わりもプラスと見ます。

2025年9月15日月曜日

【9/15(月・祝)予想】セントライト記念の注目馬

■中山11R/朝日杯セントライト記念 レッドバンデ

ここ3年はG1馬ないしはのちのG1馬が出てくるようになりレースレベルがかなり上がったセントライト記念。レベルは上りの質に繋がってきますが、特に中山のこのコースの場合外回りコースの形状の関係から残り1000m地点からペースアップし、かつレベルの高いレースではそれが最後まで維持される(=止まりにくい)ようになります。近3年の上位③着以内の馬のうち必ず2頭は「中山での勝利経験がある」馬が入っており、コース経験の有無で舞台適性を測るのが得策と言えます。それだけで絞ると6頭該当するのですが、ここから「5F以上減速しないラップを踏んで勝った馬」を選ぶとレッドバンデとエーオーキングの2頭に限られます。

レッドバンデ(未勝利戦:中山芝2200m)
12.6-10.7-12.5-13.0-12.7-12.6-12.6-12.4-11.8-11.5-11.4

エーオーキング(水仙賞:中山芝2200m)
12.6-10.9-12.5-13.1-13.8-13.4-13.0-12.5-12.3-11.3-11.1

エーオーキングは自ら逃げて刻んだラップで、特にラスト3F12.3→2F11.3という加速性能は素晴らしいのですがいかんせん中間に13秒台の区間が多く、サクラファレルもいるここは流石にここまで楽はさせてもらいないでしょう。一方レッドバンデは7Fにかけて減速なしで勝ったこのレースもそうですし、青葉賞も後半5Fが加速するレースを0.1差④着、その後の稲城特別も後半5Fずっと11秒台を刻む流れを3番手から脚を遣って勝っており、ロンスパ能力を証明する戦績を見せています。青葉賞組は出走13頭のうち11頭が次走を経験済でこの馬を含む7頭が勝ち上がり、勝ったエネルジコも新潟記念で②着とレベルの高いメンバーでした。G1馬はいますがここは本番に向けても結果が欲しいところで。


【9/15(月・祝)特別企画】JRAアニバーサリーキャンペーン:全24レースの注目馬<午後11~12R分>

■阪神11R/JRAアニバーサリーステークス エレクトリックブギ

ダート転向後④⑪着。ギアの掛かりが遅いところがあり、前走は福島戦で適応しきれなかった部分もありました。2走前の東京戦で走れているように大箱コースで前進余地あり。

■阪神12R ラフォン

前走の1勝クラス戦は先行馬に厳しい展開となりシンガリ負け。ただ当時4角5番手以内で走っていた馬の次走は②④⑤②着と、先行勢が実力を発揮できなかったレースであったと考えれば悲観する必要はないと見ます。見かけの着順で人気が急落するようなら。

■中山12R ワンダラー

1200mでは①②②着。前走下したメンバーは③④着馬が次走で勝ち上がり、⑦⑧着馬も次走②着とハイレベル。未勝利馬も混ざるメンバー構成のここなら。

※セントライト記念は「重賞注目馬」として別掲いたします。

【9/15(月・祝)特別企画】JRAアニバーサリーキャンペーン:全24レースの注目馬<午後9~10R分>

 ■阪神9R/新凉特別 ヤマニンシュラ

ダートの良馬場では(2,1,3,0)とパーフェクトに走れており、前走のように行き切った方が良いタイプなのであれば大外枠も好都合。競りかけそうな同型馬もいなさそうなここは連勝期待。

■中山9R/鋸山特別 ロッシニアーナ

8枠を引けば2戦2勝。好位外からの運びが叶いそうな今回は引き続き好走期待です。

■阪神10R/2015メモリアルモーリスカップ トーアライデン

気難しいところがあり、前走のWASJではルメールJに当たりながらも抑えきれず。万策尽きたかに思えましたが陣営は距離短縮の荒療治に出ました。マイルでも入着経験がありスピードは問題ないはずで、実質的にまともに勝負になるメンバーが4~5頭しかいないここなら。

■中山10R/2005メモリアルディープインパクトカップ フレミングフープ

じっくり控えた方が脚を遣えるタイプで、前走の長久手特別は仕掛けの早いバデルJも合いませんでした。モレイラJへの手替わりはプラスで本来の動きを取り戻せれば。

※以降のレースは追って更新します。

【9/15(月・祝)特別企画】JRAアニバーサリーキャンペーン:全24レースの注目馬<午後5~8R分>

■阪神5R アイガーリー

モズアスコット産駒の新馬戦回収率は単複100超え(芝184/113、ダート30/209)でベタ買いで儲かる水準です。このレースには2頭いますが、エイシンティザーの上は新馬戦でからっきしなのに対しこちらは上にいる2頭で①④着。ウッドで好時計もマークしておりいきなり動ける態勢と見て。

■中山5R アースヴィンチ

近親にタッチミーノットやピークトラムがいる血統。中間は1週前にしまい重点、直前にテンから飛ばす追い切りを消化し本番で動ける態勢を作ってきたと見ます。父アルアイン、母父ステイゴールドという血統からもいかにも中山で走りそう。

■阪神6R アスクコモンタレヴ

おそらくすぐ隣のオニムシャがハナを主張しそうで、その後ろを取ることは容易でしょう。あとはここぞの末脚を鞍上が引き出してくれれば決められるはず。

■中山6R モーゲンセン

このコースはストームキャット系が好相性。メンデルスゾーンの産駒はまだサンプル数が少なく評価が難しいところですが、管理する斎藤誠厩舎はこのコースでの近3年成績が(10,7,2,58)で単複回収率も100超え。1週前にはウッドで51.5-11.8の好時計をマークしており、態勢は整ったと見ます。

■阪神7R ウィンターガーデン

前走の中京戦は(レースになっていなかったシゲルオトヒメを除けば)実質最後方から直線だけで④着に持ってきたレースでした。元々使いながら良くなるタイプで、叩き2走目の前進に期待。

■中山7R ランスノーブル

前走の函館戦で⑦着。⑥着までの6頭は既に次走を走っており、勝ったライフゲートがFビレッジ特別で③着したのをはじめ2頭が勝ち上がりとなかなかの好メンバー。牡馬混合戦で牝馬最先着を果たしたのは額面以上に評価してよく、牝馬限定戦のメンバーなら。

■阪神8R フェイトライン

昇級戦だった前走で先着を許したインヴォークはその次の2勝クラスを連勝。相手が悪かったと思えばここは再度好走期待。

■中山8R クラッチプレイヤー

前走は返し馬で蹴られての除外。ダメージはなく引き続き再ブリンカーで臨みます。ハイペースを前目から押し切った4走前の未勝利戦の内容が良く、ロンスパ能力が試されるこの条件は合うと見ます。

※9R以降は後程更新します。

【9/15(月・祝)特別企画】JRAアニバーサリーキャンペーン:全24レースの注目馬<午前分>

Club JRA-Netで行われている「JRAアニバーサリーデーキャンペーン」で

「全24レースを各500円以上購入すると1万円分のクオカードが当たる」

という企画があることを発見。

↓これ。


12,000円分の投資で10,000円が当たるチャンス(しかも的中すればその分還ってくる)とあれば、やってみる価値はあると思いチャレンジを決意。全レースで1頭ずつをチョイスし単複を基本線に購入する予定ですが、せっかくなので全24レースの狙い馬を紹介しようと思います(紹介は発走順)。

■阪神1R ヴィンテージボンド

ここは障害2戦目のテーオーリカードが圧倒的人気ですが、ヴィンテージボンドは障害練習から1週間で合格をもらったセンスの良さが魅力。難波Jが継続騎乗のリプレイではなくこちらを選んだのも重視して。

■中山1R ベアアッコチャン

初戦はゲートを出なかったうえに、両隣の馬が目の前で交錯するような出方にもなりポジション取れず。それでも⑥着は頑張った方と言え、2戦目でスタートを覚えればまっとうに前進可能。

■阪神2R アンディムジーク

前走の新馬戦(芝のマイル戦)は前半4Fが51秒という超スローペースで、4角の隊列がそのまま着順になる形。5番手を走っていたこの馬も32.9の上りを遣いましたが及ばずで、まっとうに流れる未勝利戦になれば。

■中山2R ブリサマリーナ


横山典Jからの手替わりは誰であっても妙味あり。単複回収率が100を超えておりベタ買いで儲かる水準です。新馬戦なので単純になりなかった可能性もありますが、レースを覚えてくれば前進ありでしょう。

■阪神3R マイネルホウセン

前走の新馬戦(芝2000m)は前半1000mが67秒という超絶スローペースで、逃げ馬と最内を掬って追い込んだ馬のワンツー決着。それを終始外を回ったのでは厳しいレースでした。川田Jに替わって必勝を期すここは。

■中山3R ジュンビクトワール

流れ込むだけで動ききれていないレースが続いており、こういう馬を動かすことこそモレイラJの真価ではないでしょうか。人気でも仕方ありません。

■阪神4R アメリカンバー

良馬場なら③②②③着とパーフェクト。前走で先着したバルミラクルは一昨日の未勝利戦を勝ち上がっており、ここは決める番。

■中山4R ピースワンジョケル

8月デビューで⑩③着と前進一途。この時期の未勝利戦は使い通しで上げ幅の少ない馬同士のレースになることも少なくない中、伸びしろを見込めるキャリアの馬にルメールJへの手替わりというのは好材料と見たいです。同様にキャリアの浅い馬は他にも何頭かいますが、状態が微妙だったりダートからの転戦だったりと材料に乏しく、距離延長が課題も内目で上手く立ち回れればチャンスありでしょう。

※午後のレース(5R以降)分および重賞予想・ねらい目レースは別途更新します。

2025年9月14日日曜日

【9/14(日)予想】ローズSの注目馬とねらい目レース(仲秋S)

■阪神11R/関西テレビ放送賞ローズステークス テレサ

2年ぶりに阪神1800mでの開催。このコースで開催される年は長い直線での末脚性能が問われるレースになっており、特に近年の特徴としてはラスト3F~4Fにかけて11秒台が続き、かつラスト2F目が後半最速になる上りの刻み方をしています。

2023年(勝ち馬マスクトディーヴァ)
12.4-10.8-11.2-11.3-11.6-11.7-11.2-11.0-11.8

2019年(勝ち馬ダノンファンタジー)
12.8-11.2-11.4-11.7-12.2-11.7-11.0-10.5-11.9

2018年(勝ち馬カンタービレ)
12.7-11.0-11.5-12.3-12.4-12.2-11.0-10.8-11.8

2017年(勝ち馬ラビットラン)
12.4-10.9-11.3-11.8-12.2-12.0-11.6-11.3-12.0

2016年(勝ち馬シンハライト)
12.6-11.2-11.6-12.0-12.5-12.2-11.7-10.9-12.0

2015年(勝ち馬タッチングスピーチ)
12.5-11.0-11.6-11.6-11.7-11.9-11.2-11.5-12.2

近10年のうち阪神開催を抜き出すと6回中5回が「ラスト2F目が後半最速」に該当します。唯一の例外の2015年はレッツゴードンキが逃げて前半58秒4のハイペースを刻んだ年で、それでもラスト3F目に後半最速となっており、直線半ばでの加速性能が問われ得ます。今回のメンバーで「ラスト2F目に後半最速のラップを刻むレースを勝っている」馬はそこそこ居ますが、その中で「ラスト2F目が10秒台」で勝っているのは2頭のみ。

カムニャック(新馬戦:中京芝2000m)
12.9-11.7-13.3-13.0-13.2-13.0-13.1-12.2-10.9-10.9

テレサ(アルメリア賞:阪神芝1800m)
12.4-11.2-11.9-12.4-12.6-12.5-11.7-10.9-11.6

何れも10秒台ですが、前半ユルユルで脚を遣ったカムニャックの新馬戦に対し、テレサの勝ったアルメリア賞は前半60.5という平均ペースを逃げて自ら加速したレース。この舞台に向いている末脚性能の持ち主という意味では後者を重く取りたいです。

先週の紫苑Sも春までの実績馬(桜花賞③着リンクスティップ、阪神JF③着テリオスララ、フローラS③着エストゥペンダ、忘れな草賞①着サヴォンリンナ)が総崩れの中、春は重賞やリステッドであと一歩だった馬(スイートピーS③着のケリフレッドアスク、フラワーC④着のジョスラン、リステッド④⑤着のダノンフェアレディ)が上位を占める結果に。この世代は夏の成長力で既成勢力を逆転できる余地があると考え、2勝クラスを勝ってここに臨むテレサから入ります。


■阪神10R/仲秋ステークス ダズリングブレイヴ

休み明け2走目は①③①①着。前走の長岡Sは休み明けで+12kgながら③着に健闘しており、地元競馬に戻って上積みが望める今回。1400mでは前半が忙しく、かといって1800mでは切れが鈍る現状を考えればベストはマイルで、しっかり溜められるルメールJへの手替わりもプラスです。


2025年9月13日土曜日

【9/13(土)予想】チャレンジCの注目馬とねらい目レース(中山3R)

■阪神11R/チャレンジカップ マイネルクリソーラ

手塚厩舎は騎手起用に勝負度合いが現れやすく、リーディング上位騎手を配するときは勝負になると判断していると見ることができます(逆に脚部不安明けなどリハビリ期間と見られる馬には所属の嶋田Jを乗せることが多い)。今回のメンバーで騎乗経験のある馬が去勢明けのエアファンディタしかいないという事情もありますが、わざわざ関東からの遠征馬かつ非社台の馬にルメールJが乗るのはかなりのレアケース。これを含めても今日は4鞍のみの騎乗で無理やり乗鞍を確保しているようにも見えず、鞍上も勝負になる可能性を考えての判断と思われます。

そのマイネルクリソーラは前走の目黒記念で③着と健闘。前にいた馬のワンツーフィニッシュとなったところをしぶとく脚を遣っての好走でしたが元々キレで勝負するタイプではなく、昨年の中山金杯でも③着したように東京よりも器用さが問われる小回りの方が向いています。阪神内回りで内枠を引けたのは何よりで、他の有力馬が外に回ったのも好都合。ここは立ち回りで着を拾える舞台と見ます。


■中山3R ヨタロー

脚の遣いどころが難しいタイプで距離短縮したここ2戦で結果を残しています。ここまで4戦手綱を取った西村太Jも「脚を遣うのは最後の1Fのみで良い」と語るほどなので、坂を登ってからの最後の一押しで決められる可能性のある中山コースは向いているはず。脚抜きの良い馬場で前が速くなれば最後はバタバタになる展開が予想されるだけに、戦法的に溜めざるを得ないこの馬のようなタイプが浮上すると見て。

2025年9月7日日曜日

【9/7(日)予想】紫苑S・セントウルSの注目馬とねらい目レース(中山8R)

■中山11R/紫苑ステークス セイキュート

近5年の紫苑Sの③着以内馬は何れも「坂のあるコースの勝ち鞍がある」馬たちでした。例えば人気どころで言えばリンクスティップなんかはきさらぎ賞②着も含めて連対は京都のみ。桜花賞③着、オークス⑤着の実績は疑いようはないものの、何れも直線で伸び負けていたことを考えればそもそもの切れ味に加え坂への適性という点で疑問符が付くところ。デムーロJの大味な騎乗が嵌るタイプでもあり、一転して最内枠&トリッキーな中山コースを考えると全幅の信頼は置きにくいです。一方ジョスランは中山で新馬勝ちしているものの、4F52秒-5F65秒というドスローを2番手から押し切ったまででフラワーCで伸びきれなかったあたりはやはり急坂適性に疑問符。エストゥペンダもカーネーションCまでさんざん取りこぼして前走の新潟で圧勝した内容からは平坦向きで、その他の該当馬も夏に平坦の1勝クラスを勝ってきたりドスローを押し切ったのみで強調材料に乏しく、それならば阪神芝2400mの未勝利戦を勝ち上がったセイキュートの可能性に賭けたいです。

前走の矢車賞は少頭数で目標にされた分もあっての②着。とはいえ0.1差先着を許したタガノアビーはオークス③着馬で仕方のないところでした。ここ2戦は積極策で活路を開いており、距離と折り合いを気にして控えたい馬が多くなるトライアルにおいて前に行けるのは強みになります。津村Jも前への意識の高いタイプで、ノーマーク先行が叶えば粘りこみの目も。


■阪神11R/セントウルステークス ジャスティンスカイ

今年は2年ぶりに阪神の開幕週で開催され、純粋なスピード勝負への対応が問われるレースになりそうです。時計の比較で言えば1200mの日本レコード(1.05.8)を持っているテイエムスパーダが断然ですが、当時は48kgを背負いノーマークの逃げが叶ってのもの。同馬にしても一昨年のこのレースを勝って以来1200mでは7回走ってすべて1秒以上負けており、今更この距離でどうこうという状況ではないと見ます。とすれば浮上するのが昨年の鞍馬Sを1.06.9で制したジャスティンスカイになります。

ここ2週は坂路で好タイム。直前にポリトラックや芝コースを取り入れることも多い友道厩舎にしてはしっかり負荷をかけられており、春にモルガナイトSを勝った時の動きに近づいています。前走のCBC賞はイン有利の展開に加え、左回りでいまいち伸びきれなかった分もありました。現状得意の右回りに戻って見直せるタイミングと見ます。


■中山8R ナムラジミー

中山では④④①着と堅実なのに対し東京では⑧⑪着。前走の青竜Sも脚抜きの良い馬場で前が止まらずのシンガリ負けでしたが勝ち馬とは1.2差。当時②着のプロミストジーンや⑥着のシュラザックが即2勝クラスを勝っていることからも水準級のメンバーだったと言え、ここは前走で現級入着馬が4頭しかいないメンバー構成。得意舞台に戻っていきなりから。

2025年9月6日土曜日

【9/6(土)予想】京成杯AH・札幌2歳Sの注目馬

■中山11R/京成杯オータムハンデキャップ ダイシンヤマト

中山マイルは④①①③①①着。全4勝をこのコースで挙げる中山巧者ぶりに加え、馬群で我慢させるレースが向いており内枠は歓迎のクチ。そこにインにこだわる岩田康Jが戻ってきたとなれば買わない手はありません。ここを勝てばサマーマイルシリーズで逆転優勝の可能性が残ってもおり、賞金的にもここを叩いてマイルCSへという意思はないはず。一戦必勝を期したローテーションと見て狙い打ちます。


■札幌11R/札幌2歳ステークス ジーネキング

今年の札幌は先々週と先週はBコースを使用し、最終週のみCコースで挙行。例年Bコースを挟まない運用だったためこのレースはCコース2週目ないしは3週目の実施となっていましたが、今年はインが活きた状態での実施ということで前に行ける馬を中心に考えたいです。

ジーネキングの前走は新潟外回り1800m戦を逃げ切ってのもの。そもそもこのコースは逃げ切りが難しいことは承知の通りですが、2歳戦でこのコースを前半49秒以下で逃げ切ったのは2020年以降ではこの馬を含め3例しかなく、その他の2例がレディバランタイン(OP、春雷S③着)とエンブロイダリー。しかも他2例は何れも夏の開幕週という最もインの良いタイミングでの開催だったのに対し、ジーネキングの未勝利戦は夏の4週目。内回りとの合流点以降は見るからに芝は荒れており、この日の準メインの中郷特別はエストゥペンダが外から豪快に差し切り勝ち。見た目以上に逃げ切りの難易度は高かったはずです。新馬戦ではロスパレドネスに敗れていますが、当時は新馬としてはかなり締まった流れで差し有利の展開。絶好枠から自分のレースが出来ればチャンスありでしょう。

2025年8月31日日曜日

【8/31(日)予想】新潟記念・中京2歳Sの注目馬

■新潟11R/新潟記念 クイーンズウォーク

名物ハンデ戦が今年からグレード別定に。ハンデ戦は近走実績のある馬に厳しく、また賞金別定は近年賞金の高額化が著しいG1勝ち馬や、ディープモンスターのように複数回OP特別を勝って賞金を積んでいるタイプが出にくいデメリットがあります。今回の改定でより有力馬の参戦が促されることが見込まれ、左回りワンターンの2000mという条件から、今後はここをステップに秋の天皇賞に向かう馬も今後増えてくるのではないでしょうか。今年もこれだけのメンバーが揃いましたが、この傾向が続けばG2に格上げされるのもそう遠い将来の話ではないでしょう。有力馬が力を発揮しやすい斤量設定、日本最長の直線の末脚比べ、G1勝ち馬から条件戦上がりまでメンバーの格差が大きいことを考えればそう紛れは起こらないと考えられ、急速に外差し傾向が進む今の馬場コンディションも踏まえればここはクイーンズウォークで仕方ないところでしょう。

秋華賞や小倉牝馬Sで大敗を喫したように器用さに欠け、なし崩し的に脚を遣わなくていい大箱の条件を選んで走りたいタイプ。かといってマイルは短く、大目標にしたいのはおそらく秋の天皇賞のはず。そこから逆算して同様の条件で叩けるところはここしかなく(札幌記念はコーナー4つ、オールカマーはトリッキーな中山、京都大賞典や毎日王冠では間隔が短すぎ)、もちろん叩きとはいえ狙っての参戦であることは明らかでしょう。中間の動きも文句なく、じっくり外を回して脚を伸ばす戦法は今の新潟にもマッチするはず。VMで先着したシランケドより人気していないのであれば妙味も十分です。


■中京11R/中京2歳ステークス フレンドモナコ

回次は「第1回」ですが名目上は小倉2歳Sを移設した形。とはいえ距離もコースも左右も違う小倉2歳Sを参考にするのは流石に無理があります。ここで紹介するデータは、前身という扱いではないものの昨年まで2歳OPとして継続して行われてきた(報知杯)中京2歳Sのものになります。18年にはアドマイヤマーズが勝ったレースでもありますが、なにぶん施行時期がバラバラなうえ距離も統一されてなく、1400mで行われたのは2013年が最後。そのあたりの元データの揺らぎはお含みおきください。


上記は過去10年の前走コース別成績です。中京が4勝、次いで阪神が2勝となっており、東京を含めれば坂のあるコースを走ってきた馬が7勝しています。今回は小倉勝ち上がり組の参戦が多く、この条件で絞ると5頭が該当。うち遠征が初となるパープルガーネット、前走が5頭立てでペースが参考にできないタマモイカロス、未勝利馬のアイルトンは割引と考えればマイケルバローズ(2代目)とフレンドモナコが残ります。まだ素質だけで走っている感のあるマイケルバローズは伸びしろが見込めるものの、前走騎乗した川田Jが「調教ほど動けなかった」と語っているように、実戦では善戦タイプの可能性。それならば全く人気のないフレンドモナコから入ってもよいのではないでしょうか。

左にモタレる癖があり、デビューの福島戦ではペースが遅かったのもあって終始力みながらの走り。直線ではかなり膨れる場面がありながらの⑤着で、2戦目の千直は3番枠を引き参考外。前走の中京遠征では3番手でピタリと折り合い、直線モタレる場面を見せながらもしっかり脚を遣って勝ち切りました。レースぶりからも現状は左回りの方が良く、かつ締まった流れの方がレースしやすい様子。母フレンドパリは1400m戦を勝ち上がった経歴の持ち主で距離もここまでは持ちそうだと期待します。

2025年8月30日土曜日

【8/30(土)予想】ねらい目レース(日本海S)

■新潟11R/日本海S ドラゴンヘッド

開催の進んだ芝コースが得意という馬。過去3勝は「2回札幌(連続開催)の4週目」「2回小倉(連続開催)の4週目」「春の新潟(芝の生育が不揃いですぐに傷む)の3週目」と、何れもこの条件に合致します。前走の七夕賞も連続開催の3週目というコンディションが向いての⑤着健闘で、過去には2600m戦でも好走しており1F延長も問題なし。現級であれば勝ち負けでしょう。

2025年8月24日日曜日

【8/24(日)予想】キーンランドC・新潟2歳Sの注目馬と狙い目レース(朱鷺S、WASJ4)

■札幌11R/キーンランドカップ クファシル

昨年の北海道シリーズで①②①着。ちょうど1年前のWASJでティータンJが騎乗し2勝クラスを突破しましたが、これを含め海外Jが騎乗した機会は(2,0,0,1)と走れています。唯一の敗戦はイーガンJが騎乗したデビュー2戦目のシンザン記念ですが、新馬戦とあまりにラップが違いすぎてレースになっていなかったとも見られ参考外でよいでしょう。気温の上昇とともにパフォーマンスを上げるタイプでもあり、3走前のシルクロードSは時期も良くありませんでした。良績ある北海道開催で剛腕バデルJが駆る今回は本来の動きを引き出せるチャンスと見ます。


■新潟11R/新潟2歳ステークス タイセイボーグ

前走のダリア賞はスタートが決まらず、前残りの流れを追い込むも④着まで。ただ牝馬にして既に470kgもある馬で正直新潟の内回りは向いてなく、距離が伸び外回りコースになるのはプラスと言えるでしょう。派手な勝ち方をしてきた馬たちの多くはスローから末脚を繰り出したまでで、まっとうな流れでどこまで脚を使えるかは未知数。それならばOPを経験し明確な敗因がありながら戦績に傷があるだけで人気しないこの馬から。


■新潟10R/朱鷺ステークス ハクサンバード

左回り1400mで1枠か2枠を引けたときは(2,0,1,0)。前走の関屋記念は流石に距離が長かったという敗戦で、走っても走っても人気しないタイプですが適距離に戻ったここは見直してよいでしょう。


■札幌12R/ワールドオールスタージョッキーズ第4戦 トーアライデン

行きたがるところがあり上手く収められるかが鍵となる馬。前走は逃げ馬を上手く遣ったものの、単独の2番手追走となってしまったこともありお釣りが残せず。岩田康Jが乗ると皆ちょっかいをかけにくく、周りに絡んでくる馬がいなかったのが災いする格好になりました。折り合いさえ付けば見直せてよく、これが仕掛けの早い海外勢や折り合わせるという概念のない横山典Jなどに当たったらどうかでしたが、ルメールJで駄目なら仕方ないでしょうという思いも込めて心中します。

2025年8月23日土曜日

【8/23(土)予想】ねらい目レース(BSN賞)

■新潟11R/BSN賞 ジョージテソーロ

馬群に入ると難しいタイプで、前走のジュライSは外の速い馬に被されインに閉じ込められてしまったのが敗因でした。元々はアマンテビアンコやチカッパともOPクラスで接戦していた戦歴の持ち主で、2走前の下総Sは58kgを背負って逃げ切っており斤量も問題なし。外目から無理なく好位を取れればチャンス十分でしょう。

2025年8月17日日曜日

【8/17(日)予想】札幌記念・中京記念の注目馬とねらい目レース(NST賞)

■札幌11R/札幌記念 シュトルーヴェ

アウスヴァールとホウオウビスケッツの先行争いが見込まれる中、問題は好位を誰が取るか。内目の枠を引いたリビアングラスにボーンディスウェイ、さらにはケイアイセナやトップナイフもポジションを取りたいタイプでここはなかなか決着しなさそう。さらにはローカルまくりが得意な丹内Jが駆るコスモキュランダも居るとなると、前目につけた馬にとってはかなり厳しい展開になりそうです。こうなると馬群で我慢できる馬にチャンスが生まれ得ると見て、内目を引いたシュトルーヴェを狙いたいです。直線で先行勢が垂れてくる展開になれば昨年の日経賞で見せたように馬群を割って伸びてこられる持ち味が生きる舞台と見え、コーナー径の大きい札幌コースも大跳びのこの馬には好都合。折り合い不安のキングJでも距離短縮のここなら辛抱できるはずで。


■中京11R/中京記念 トランキリテ

時計のかかる決着で好走してきたクチですが、前走の関屋記念では1分31秒台の決着の中を小差の④着に検討しました。速い上がりが求められる展開でもきっちり脚を使って来られたのはここにきての成長を感じる内容でした。加えて休み明けは仕上がりきらないタイプながらにここまで走れたのも収穫で、有力馬に休み明けが多い中叩き2走目で型通り上昇できていればここでも通用できるのではないのでしょうか。


■新潟11R/NST賞 コパノパサディナ

前走の福島テレビ賞を含め過去8枠からのスタートでは②②①③着とパーフェクト。展開に左右されるのは確かですが、外目からスムーズに追走して射程圏をキープできれば好走できる確率が上がります。外枠有利の傾向もある今の新潟ダートであればこの枠を引いたからには再度チャンスありでしょう。


2025年8月16日土曜日

【8/16(土)予想】ねらい目レース(新潟11R)

■新潟11R ハッピーパンニャ

千直はゴールに向かって減速するラップを刻むことから、ダート戦の好走実績と成績がリンクしやすい傾向にあります。それでも芝があまりにも速すぎると絶対的なスピード不足で及ばないのですが、今日の新潟はまだ昨日までの雨が残っておりソフトな仕上がりでダート馬でも十分に通用する舞台と見ます。ハッピーパンニャは現級3度の好走が何れも最後の1Fで1秒以上ラップが減速する消耗戦でのもので、このコースへの適性が高い存在と見ます。絶好枠、そして千直マイスターの1人でもある津村Jが駆るとなれば人気でも見直しは必至でしょう。

2025年8月11日月曜日

【8/11(月・祝)地方競馬予想】クラスターCの注目馬

■盛岡11R/クラスターカップ サンライズアムール

ここはアドバンスファラオが行くと思いますが、スタートが安定しないのが難点です。中間の出来だけで言えば東海Sの方が良く、ハナに立つまでにだいぶ脚を遣うことが予想されます。とはいえ飛ばすタイプでもなく、ペース自体は落ち着きそうでそうなると誰が2番手を取るかの争いになりそう。ダノンスコーピオンはスプリント戦では追走力に欠け、ヒビキも昇級後はぺースの関係から追い込み一手に。チカッパは交流競走でも中団から運ぶタイプですが、コーナーリングは右回りの方がベストというタイプで、自ずからサンライズアムールがここに収まると見ました。インには岩手勢しかおらず、アドバンスファラオを見る位置をスンナリ取れればあとは4角で外に出して交わすのみ。4走前のカペラSではチカッパに先着しており力量は遜色なし。岩手リーディング2位の高松Jがたまたま空いていたのも僥倖で、ここは大チャンスと言えるでしょう。

地元勢はラブバレットクラスでないと台頭は難しいレース。紐には素直に中央勢と、実績は見劣るも転入初戦を圧勝して勢いのあるキャンディドライヴまで。

<予想>
◎サンライズアムール
○チカッパ
▲アドバンスファラオ
△ヒビキ
△ダノンスコーピオン
△キャンディドライヴ

2025年8月10日日曜日

【8/10(日)予想】CBC賞・レパードSの注目馬とねらい目レース(UHB賞)

■中京7R/CBC賞 メイショウソラフネ

前走の北九州記念はテンが速く追走に脚を遣った分最後まで残せずの⑬着。後方外有利展開で内枠から馬群を進んだのもバイアスに逆行する負け方で、着順ほど悲観する内容ではないと見ています。中京は最後の急坂も含め上りがかかりやすく、1400m寄りの適性を持つタイプが好走しやすい舞台。現に勝ち鞍もあるうえ今回は先行争いが激しくなり中団外にポジションを取る外枠勢に流れが向きそうな展開が見込まれるだけに、前走大敗で人気が落ち着くようなら妙味十分と見ます。


■新潟7R/レパードステークス ヒルノハンブルグ

リニューアルされたユニコーンSは京都1900mコースでの施行に替わり、それまでの東京マイルでのスピード比べから一変し体力勝負の色が濃くなりました。1800mよりも最初の直線を走る距離が長く、ポジション取りに脚を遣う分(最後に急坂のある中京1900m、阪神2000mよりはマシとは言え)先行馬には厳しい舞台で、特にまだ体力のつききっていない3歳馬にはタフなレースと言えます。その中で先行して(しかも先団がびっしり広がり逃げ馬も3角で脱落した中2番手を進み)⑤着したヒルノハンブルグは力量上位の存在であるとみなすことができます。自厩舎の馬でもないのにデビューからずっと坂井Jが跨り続けるのは期待の高さ故(今週はシャーガーC参戦のためやむなく乗り替わり)。本来は一段引いた位置からレースができるタイプで、先行争いが激しくなり体力勝負の展開になれば浮上の目も。


■札幌11R/UHB賞 メイクアスナッチ

ルーラーシップ産駒らしく小脚が使えないタイプで、馬群の中でレースをさせるのが苦手。近親のラウダシオンやローウェルもそうであるようにワンターンのコースでスピードに乗せた走りをさせるのが向いており、ここ3戦は後方からしまいに賭けるレースを続け何れも最速の上りを遣えています。中山2戦は展開が向かず、前走の青函Sも内有利かつコーナー径の小さい函館では大外ブン回しも届かずでしたが、外枠を引きかつコーナー径の大きい札幌であれば届く可能性は十分。あまり飛ばしていくタイプも見当たらず馬群が固まりインが渋滞するようなら一発も。

2025年8月9日土曜日

【8/9(土)予想】エルムSの注目馬

■札幌11R/エルムステークス ウィリアムバローズ

前走のかしわ記念はコーナー4つのコースで息を入れられた分もあり②着と好走。この馬の場合距離うんぬんよりも一息で走らされるワンターンが向いてなく、小回りのコーナー4つはまさに適条件と言えます。現にローカル場のダートでは札幌・福島で2戦2勝としており、ここもJBCクラシック(船橋)を見据えた賞金加算で狙いすました一戦。大外枠からごちゃつかずに先行できそうなのもプラスで、斤量が嫌われて人気しないのであれば再度の好走期待。


2025年8月3日日曜日

【8/3(日)予想】クイーンS・アイビスSDの注目馬

■札幌11R/北海道新聞杯クイーンステークス アリスヴェリテ

前走のヴィクトリアマイルは最終的に外差し勢の決着となった中、果敢に逃げて坂上まで見せ場十分の⑤着と健闘しました。スピードの制御が難しいタイプだけにワンターンが向いていたというのもあったでしょうが、自らハイペースを刻んで残せる強みを発揮したレースでした。牝馬限定重賞のメンバーに入れば力は上位で、池添Jの継続騎乗もプラスに働くと見て。


■新潟7R/アイビスサマーダッシュ ニシノコニャック

このコースで2勝を挙げていますが、何れも前半32秒台のハイペースを中団外から差しての勝利。今回のメンバーを見るに元々出脚の良くないテイエムスパーダやモズメイメイはかなり脚を遣うはずで、他方スンナリ前につけるスピードのあるシロンやカフジテトラゴン、スコーピオンなどはこぞって内枠を引いてしまい、これらが内ラチでの先行争いを繰り広げるとなると外側の馬群はばらけることが想定されます。こうなると外ラチに寄せて差しを狙う意識のある騎手を狙いたいところで、それができる存在と言えるのが津村Jや菊沢J。ただコラソンビートは追って味のあるタイプではなく控える戦法は考えにくいだけに、素直に差しの実績のあるニシノコニャックを狙おうと思います。

2025年8月2日土曜日

【8/2(土)予想】ねらい目レース(中京12R)

■中京12R スマートロベール

前走の小倉戦は外目からのスタートでポジション取りに脚を遣ってしまい、直線追い出されるも案外伸びずで③着止まりでした。うまくタメを利かせたいだけに内枠変わりは歓迎で、坂上まで余力を持って運べれば未勝利では上位の存在だけにアッサリまで。

2025年7月27日日曜日

【7/27(日)予想】東海S・関屋記念の注目馬

■中京7R/東海ステークス エートラックス


前走の東京スプリントを含め交流重賞を2勝。今回は1はロン距離延長となりますが元々は1700mでも勝っている馬で、テンが忙しい1200mよりは1400mの方が流れは向いてくるはずです。その2勝は何れもモレイラJの手綱でしたが、今回初コンビのバデルJは早速昨日の中京でダートで2鞍に騎乗し①③着。香港が本拠地なだけに普段ダートで走る機会はないのですが、このガタイはいかにもゴリゴリに馬を動かしてくれそうで、マジックマンに勝るとも劣らない資質の持ち主なのではないかと期待しています。あとは馬自身がこの暑さを克服さえしてくれれば。


■新潟7R/関屋記念 ニシノスーベニア

3度目の骨折明け2戦目。前走は脚元への配慮からあえてダートを使われたもので、今回は主戦場である芝に戻ってくる形。昇級後はダービー卿CTで④着、エプソムCで②着と好走しており、2走前の毎日王冠も見た目の着順は⑬着ですが4角の通過順がそのまま着順になるスローペースで勝ち馬とは0.8差で善戦の域と言えるでしょう。新潟外回りは直線が長く差し有利に見えますが、平坦かつコーナー径がきつく前付けして長く脚を遣えるタイプの方が有利です。エプソムCのレースぶりがまさに理想で、好位から目いっぱい脚を遣えるレースが出来れば台頭可能でしょう。

2025年7月26日土曜日

【7/26(土)予想】ねらい目レース(TVh賞)

■札幌11R/TVh賞 ロードトレイル

今週から開幕の札幌ですが、今朝のクッション値は7.5とかなりソフトな仕上がり。前日までの雨が残っており、発表こそ良馬場ですが稍重に近いコンディションと言ってよいでしょう。ロードトレイルは昇級後2戦して④⑥着。前走の淀屋橋Sは前半32.8の超Hペースを好位で追いかけての失速でやむを得ない敗戦でした。当時逃げたナムラローズマリーが同じくここへ参戦していますが、良馬場で3勝している相手に対しこちらは稍重でも走れており、時計を要する展開であれば一日の長があるでしょう。もう少し外を引ければよかったですが、モズナナスターさえうまくこなせれば外目を被されずに先行できそうで、スムースなレースが叶えば一発も。

2025年7月21日月曜日

【7/21(月・祝)地方競馬予想】マーキュリーCの注目馬

■盛岡12R/マーキュリーカップ ディープリボーン

このレースは4角で4番手までの馬がそのまま以上位に入着するケースがほとんどで、必然的に基礎的な脚力に長け位置を取れるJRA勢が上位を独占します。2022年のヴァケーション、2020年のランガディアと差し馬の穴好走実績はありますが、外に振られにくい最内枠かつ普段から盛岡の坂を経験している地元岩手所属馬という共通点があります。今年の1枠1番はライトウォーリア。先行力もあり実績は十分ですが、不安は久しく直線に坂のあるコースを経験していない点。メイショウフンジンやクラウンプライドが出だしにポジションを取りに来ると考えれば必ずしも楽な競馬にはならない可能性があり、カズタンジャーやセラフィックコールはじっくり構えるタイプ。それならばある程度の位置が取れ左回り実績も十分なディープリボーンのチャンスがあると見ます。

前走のブリリアントSでは前に馬を置く形で我慢しながらの道中から最後に脚を遣っての勝利。下したピュアキアンは土曜にマリーンSを制しておりレースレベルも低くはありませんでした。3走前のカノープスSはHペースの差し決着、2走前のプロキオンSは強力メンバーの中で終始外を回らされた分でもあり、交流G3クラスであれば十分足りるはずです。

2025年7月20日日曜日

【7/20(日)予想】函館2歳S・小倉記念の注目馬

■函館11R/函館2歳ステークス スターオブロンドン

ダートで勝ち上がったとはいえ、父タワーオブロンドンは芝の勝率がダートの2倍近くあり本来は芝向きの種牡馬です。前走の新馬戦にしても4頭雁行状態の先行争いで必ずしも恵まれた内容ではない中で先団から最後にひと脚見せての差し切り勝ちで、直線入り口の反応の良さなどはローカル向きのスピードを感じさせる内容でした。最終追いは函館芝で4頭併せの大外から軽快に抜き去ったもので、やはりこの馬自身も芝向きのスピードを持っていると見てよく実質1勝クラスのここなら通用しても不思議はないでしょう。


■小倉11R/小倉記念 マイネルメモリー

前走の函館記念はコーナー4つの右回りというこの馬に合った条件の中、前半流れても最後に脚を遣う内容で③着に食い込みました。体質的に夏の方が絞れるようで中間も元気そのもの。差し馬でも流れると脚のたまらないタイプがいる中でこの馬はハイペースへの対応力を持っており、引き続きの右回りコーナー4つ+前半が流れやすい小倉であれば再度追いかける価値はあるでしょう。

2025年7月19日土曜日

【7/19(土)予想】ねらい目レース(テレQ杯・湯浜特別)

■函館9R/湯浜特別 シンゼンカガ

使いながら仕上げる荒川厩舎。4走前の未勝利戦も叩き2走目での一変勝利で、前走の恵山特別も内前有利展開で動けず出せずの中④着を確保したのは叩き2走前の前進と評価できます。超高速馬場に仕上がったこともあり今年の函館は最後までコンディションを保てそうで、最内枠も苦にはならないはず。鞍上大幅強化で臨む今回はさらに前進可能と見ます。


■小倉11R/テレQ杯 デイトナモード

休み明けは②②①着。そのうちの1勝も含め小倉1200mでは(2,0,0,0)とパーフェクトに走れており、その両方の条件が揃ったここは好走の番と見ます。現に全3勝が1200mで挙げたもので、1400mを使われ外差し有利展開で逃げて⑧着だった前走はむしろ不適条件で健闘した部類と言え、得意舞台に戻れば見直し必至。


2025年7月13日日曜日

【7/13(日)予想】七夕賞の注目馬

■福島11R/七夕賞 ギャラクシーナイト

この馬はとにかく気分が乗るかどうかが鍵で、そのくせスタートも安定しないのでなかなかアテにしにくいタイプです。逆に言えば、ポジションが取れても取れなくても突かれたり被されたりしなければよく、実際好走した昨年のオクトーバーSは先団の外から、今年の中山金杯は無理せず最後方から脚を伸ばしており、そのあたりの勘所を心得ている菊沢Jに戻るのは好材料です。この中間は再度の障害練習を敢行し気持ちが向くように調整。昨秋も障害帰り2戦目のレインボーSで激走を果たしたように気持ち一つでこのクラス通用の力は持っており、めぼしい先行馬もおらずスムーズに好位を取れれば一発も。

2025年7月12日土曜日

【7/12(土)予想】ねらい目レース(小倉8R、HTB杯)

■小倉8R ゴールドダイアー

昇級後は1400m、1600mと忙しい距離を使われ大敗、前走は1800mに戻されたものの前が止まらない馬場となり⑦着でした。それでも4角15番手から直線だけで着を上げてきており、じっくり構えれば自分の脚は遣えるタイプ。当時先着した⑩着のオーミアレストは次走の古馬混合戦で③着しており、当時のメンバーのレベルは高いはず。向こう正面から下り坂で最後の最後に止まることも多い小倉コースなら届いても不思議はなく。


■函館10R/HTB杯 アスクドリームモア

前走のテレビ山梨杯は外枠で壁を作れずシンガリ負け。G1タイトルを獲得し今夏の再来日が予定されているキングJの唯一のアキレス腱が折り合い面で、今年の重賞好走はすべてマイル以下。京成杯のセンツブラッドやAJCCのチャックネイトも折り合わせられずに着外に敗れました。鞍上強化とは言い難いものの、最内枠を引き減量の舟山Jが駆るのであれば好位で押し切る期待も。

2025年7月6日日曜日

【7/6(日)予想】北九州記念の注目馬とねらい目レース(ジュライS)

■小倉11R/北九州記念 レッドヒルシューズ

夏の小倉は(3,1,0,0)とパーフェクト。一昨年も昨年もテンで33.0と飛ばしながら逃げ切る芸当を見せており、スピード能力はこのコース向きと言えるでしょう。このレースは毎年好位のインを追走した組から穴好走馬が生まれており、すんなりポジションが取れそうなこの枠も好都合。53kgのハンデも魅力で複穴として相手は手広く狙いたいです。


■福島11R/ジュライS コンバスチョン

芝1400mでも好走できているようにワンターンが向いているのは確かですが、ひとえにキックバックを嫌う性格なだけにごちゃつくコース形態が向かないという見方が出来ます。骨っぽい相手が大沼Sに回った分メンバーも手ごろと言え、キャリア18戦目にして初めての大外枠はプラスに向くはず。距離延長と再ブリンカーでスンナリ先行が叶えば一発も。

2025年7月5日土曜日

【7/5(土)予想】ねらい目レース(マレーシアC・TUF杯)

■小倉11R/マレーシアカップ ドットクルー

平坦コースが向いており、現級昇級後も3走前、2走前はそれぞれ京都・新潟で小差のレースが出来ています。しまいを活かすレースが板についてきた今なら前半が流れやすい小倉も歓迎のクチで、叩いてよくなるタイプでもありそろそろ走りごろでしょう。


■福島11R/TUF杯 アイアムユウシュン

このコースは新馬戦で0.5差の圧勝歴があり、中山1200mコースでも2勝を挙げているように芝スタートの右回りが合っています。この中間は直前こそ輸送を考え手控えたものの、1週前に6F78.9-4F48.2-ラスト11.5と超抜時計をマーク。これでいて最後まで加速ラップを踏んでいるのですからスピード能力は相当なもの。出方を見ながら運べる中枠も良くいきなりから。

2025年6月29日日曜日

【6/29(日)予想】函館記念・ラジオNIKKEI賞の注目馬とねらい目レース(臥牛山特別・湯の川温泉特別)

■函館11R/函館記念 マイネルメモリー

全4勝のうち3勝が「右回りコーナー4つ」のコースで挙げたもの。長い直線での末脚比べよりは小回りで決め手を活かすレースが向いているのですが、7走前にテレQ杯を勝って以降6戦続けて左回りもしくはコーナー6つ以上のレースに使われ続けており、今回は久々の好走シチュエーションでの出走となります。5走前のアルゼンチン共和国杯では展開に恵まれたとはいえ⑤着と健闘しており、流れ一つで重賞でもいい勝負ができるところを見せてくれました。牝馬2頭が54kgを背負うことから、この馬含めた55kgの牡馬3頭が実質的な最軽量ですが、アウスヴァールの昨年はホウオウビスケッツが蓋をしてくれた部分が大きく、昨年◎を打ったサンストックトンはOPでは頭打ち。マイネルメモリーにとっては今回が妙味ある舞台と見ます。


■福島11R/ラジオNIKKEI賞 アタラシイカドデニ

ハンデ戦ではあるものの、3歳の夏でクラシックに乗れなかった馬しか集まらないため実力でハンデ差をつけることが難しく、実質的には見た目の戦績で斤量を背負わさざるを得ません。基本的に1勝馬は53kg、2勝馬は55kg、リステッド連対馬が56kg、重賞連対馬が57kgといった具合で、ここからレース内容などを勘案し±1kgの調整が入っているイメージです(昨年の勝ち馬オフトレイルも白百合S②着で56kgを背負っていました)。

但し、制度の問題点か「1勝馬=53kg」としてしまったがために恵まれていると思われるのが、転入馬で1勝クラスを勝っていながら53kgに据え置かれたアタラシイカドデニです。スタートに難があるもののなぜか内田博Jが乗ると無難に出せており、同騎手が手綱を取った4走前・3走前に中山マイルで②①着としています。2走前のNZTはスタート失敗、前走の白百合Sも1800m戦にしては最初の3Fが34.0とかなり流れてしまい展開向かずの大敗でしたが何れも度外視できるもので、3走ぶりに手綱が戻った今回自分のペースに持ち込めさえすれば一変があっても。


■函館9R/臥牛山特別 マイバラード

滞在競馬と洋芝が合っており、昨年も函館で⑤③③着と滞在2戦目から連続好走。前走は開幕週で大外枠を引かされての⑥着ですから悲観する必要はなく、昨年同様に中1週で続戦するここは型どおりの前進が期待できそうです。


■函館12R/湯の川温泉特別 マルプリ

どうしても展開の助けが必要になってしまい、前走もインで詰まって全く追えずの⑧着。洋芝は1週ごとの消耗が野芝より大きく、開催3週目のここはもう少しばらけてくれるはずで、再度内枠を引いたここも我慢の競馬が出来さえすればチャンスありでしょう。

2025年6月28日土曜日

【6/28(土)予想】ねらい目レース(青函S)

■函館11R/青函S マイネルレノン

好走実績は外目の枠順に集中。特に8枠を引けたときは②②③着とパーフェクトに好走できています。何が何でもというタイプのいない今回はスンナリ好位を取れそうで、稍重とはいえ1Rの未勝利戦で1.09.4の時計が出ていることを考えればメインは7秒台の決着が見込まれます。高速決着に強いタイプでもあり、馬場の回復も後押しで。


2025年6月22日日曜日

【6/22(日)予想お休みします】

今週は全くもってツキが無く、買った馬は来ず切った馬に来られるのを繰り返しており…良い予想を提供できないと判断しましたので、お休みさせていただきます。

2025年6月21日土曜日

【6/21(土)予想】ねらい目レース(スレイプニルS、東京12R)

■東京11R/スレイプニルステークス リチュアル

左回りが走れるタイプで、昇級後の戦績は左回りでは②④②④に対し右回りでは⑥⑥⑧③⑪となっています。今回は5戦ぶりの左回りで前進が見通せるうえ、差し込みやすい良馬場も好材料。昨年8月の名鉄杯で②着しているように暑い時期も問題なく、このコースで連勝中のカズタンジャーは何れも脚抜きの良い馬場での勝利だったことを踏まえれば、今日のコンディションで逆転まで期待したいです。


■東京12R プロスペクトパーク

前走の1勝クラス戦はダート1800m戦にして最初の入りが36秒を切る厳しいラップを2番手で追走。前が5頭が雁行状態で広がり常にプレッシャーを受ける展開で、向こう正面で勝ち馬たちが捲ってきたところで先行勢は全滅。その中でも0.8差⑥着に踏ん張った内容は評価でき、古馬混合戦でメンバーも楽になるうえワンターンの東京なら変な仕掛けをする馬もいないはずで、再度見直したい局面です。

2025年6月15日日曜日

【6/15(日)予想】宝塚記念の全頭評価とねらい目レース(パラダイスS)

■阪神11R/宝塚記念

[1]①ベラジオオペラ(横山和)

前走の大阪杯はスタートからすべてが完璧に運び、好位から抜け出すこの馬のスタイルで連覇を達成。重馬場はスプリングSで経験済で、前付けが叶えば抜け出す脚は良いものがあるだけに、今回もこの枠から好位集団のインにつけるレースが出来れば好レースでしょう。強いてケチをつけるとすれば勝ち切っているのは2000mまでで、この距離は一寸長いようには見えますが中間が緩む展開になれば心配はないでしょう。もしそういう流れにならなければ厳しいものはあるでしょうか…

[1]②ドゥレッツァ(横山武)

スタミナがある割に、JCでも②着したようにまっとうなキレ勝負でも結果を残せるタイプ。中間区間が緩んでラップの山ができるこのレースへの適性は高いタイプと見てよいでしょう。裏を返せばきれいな走りができるだけに良馬場が理想で雨残るとどうかという点と、ルメールJがアーバンシックを選んだという点で天栄勢の中での評価がさして高くないという現状をどう捉えるか。

[2]③ローシャムパーク(池添→菱田

気持ちの面での難が強くなっており、道中大人しいと伸びを欠き、前進気勢が強いとおさまりが効かない現状。池添Jが負傷で乗れなくなり、この中(鮫島駿、和田竜、吉村誠、田口etc.)では菱田Jは一番「それっぽい」選択ではありますが、そもそもこの馬がルメールJクラスでないと重賞では結果を出せないだけに(なので池添Jのままでも無印の予定でした)。

[2]④プラダリア(高杉)

今年は得意条件の京都記念でも⑥着まで。冬場の方が動ける馬でもあり、夏に近づくことはプラスでもなく。

[3]⑤チャックネイト(レーン)

重馬場以下なら2戦2勝と、他が苦にするレベルの道悪であれば相対的に浮上できます。但し想定より雨の止む時間帯が早まり、稍重以上への回復が見込まれる状況になっています。稍重で行われた前走の日経賞ではモレイラJを擁してもマイネルエンペラーの後塵を拝しているだけに、道悪でなければこの中に入って勝負するのは難しく。

[3]⑥ボルドグフーシュ(内田博)

前走の大阪杯は距離不足と考えられる中でも0.6差⑧着まで押し上げてきました。勝負所で置かれるうえ、内前有利展開を差してのものですから着差程悲観する必要はないでしょう。ただ、休養前は上り最速をバンバンマークするキレ者でしたが、復帰後はキレが無くなっているのが気になるところ。極端な道悪になればエンジンの掛かりの遅さが逆に幸いする可能性もありましたが、内回りコースでよくて稍重程度であるならばそれも望み薄で。

[4]⑦ジャスティンパレス(ディー)

前走の天皇賞(春)は早仕掛けで失速。いろいろと物議を醸した騎乗ではありましたが、本来あそこから体力勝負で残せるのがこの馬の身上だったはず。得意の長距離戦で着外に敗れてしまったのは不本意と言わざるを得ません。一方、この馬の身上であるキレを引き出すためには日本人騎手では力不足という側面も指摘でき(4走前クリスチャンJで上り3位→日本人騎手で3戦連続上り4位以下)、NHKマイルCでチェルビアットをタイム差なしの③着に導いたディーJが駆る点では無視できません。中距離戦で勝ち切れるかは微妙な存在ですが、1週前にはウッドで49秒台をマークするなど意欲的に追われ、今回はブリンカーを装着して走りに集中させる狙いも見えるだけに複穴の期待は持っても。

[4]⑧シュヴァリエローズ(北村友)

稍重以下では(0,0,0,5)。流石に良馬場までは回復しそうにないだけに。

[5]⑨ヨーホーレイク(岩田望)

前走の大阪杯では絶体絶命の位置から直線で進路をこじ開け③着。本来はもう少し前につけて壁を作りたいタイプで、距離延長かつ飛ばす逃げ馬がいるここは上手く好位につけられそうです。純粋なキレ味比べでは分が悪い一方稍重以下では①①⑤①着と崩れなく走れており(⑤着は皐月賞)、相対的にキレが求められない舞台なら。

[5]⑩リビアングラス(坂井)

切れる脚を遣えないうえ、今回はメイショウタバルが飛ばすだけに後ろも早目に被せてくるでしょう。自分の形で可愛がられる期待は持ちにくいだけに。

[6]⑪ソールオリエンス(松山)

重馬場では皐月賞①着と昨年のこのレース②着。ただ想定より馬場が回復しそうなのと、京都開催の昨年とはコースも馬場コンディションも違うだけに、あれと同程度に恵まれる期待は持ちにくく。

[6]⑫メイショウタバル(武豊)

この馬の場合、パンサラッサのように飛ばすことで良さが出るというよりは気性面の問題でどこまで我慢させられるかのせめぎあいの結果逃げているといった方が正しそうです。武豊Jが初めてコンタクトを取った前走のドバイターフではピタリと折り合ってひきつけた逃げを打てていたように鞍上の「折り合わせる能力」に依存する部分が大きく、継続騎乗となるここはもう一段階上の走りが期待できそうです。

[7]⑬アーバンシック(ルメール)

器用さに欠けるだけにきれいな馬場の方が向いていると考えられ、また中団からじわじわ伸びるタイプなので、中長距離戦でもトリッキーな中山よりは動きやすい東京・阪神のような大箱が向いています。ただ評価が難しいのが、レガレイラと違ってこの馬は古馬戦で勝ったことが無いうえ有馬記念時から斤量も2kg増、おまけにスワーヴリチャード産駒は早熟というより「早目に仕上がる」タイプなので、2歳~3歳の成績は基礎能力の高さというより他より完成度が高いことの証左であると思われます。


上の表は現4歳世代のスワーヴリチャード産駒の月次成績です。驚異的な勝ち上がり率を見せた2023年(2歳時)をピークに成績は尻すぼみで、例えばこれがキズナであればずっと勝率2桁、複勝率30%以上をキープしているような分布になるわけで、比較しても早期完成の傾向が見て取れます。3歳より強くなっているかどうかが定かでない中、馬場も込みで前進期待を持てるかというと?

[7]⑭ジューンテイク(藤岡佑)

二度の重賞好走は内枠を引きインを立ち回ってのもの。この枠、このメンバーでは上手く乗っても難しく。

[8]⑮ロードデルレイ(川田)

折り合い面の難しさがあり、ハイペースで引っ張られた方が良い走りができるタイプです。ここ4戦はデシエルトないしはメイショウタバルが引っ張るレースで②②①②着としており、ここもメイショウタバルがキップ良く飛ばせば他の馬が脚が溜まらない中でもしっかり末脚を遣えるはずです。ただ懸念は良馬場でしか走ったことが無い点。2頭の兄は何れもダートで結果を出していますが、この馬自身がそもそも右回りではコーナーリングがぎこちない面があるだけに緩い馬場が堪えるようだと?

[8]⑯ショウナンラプンタ(幸)

長距離を使われたここ2戦はレース上り以上の脚を遣えてなく、高野師の見立て通り距離が長かったと言えそうです。脚の遣いどころが難しいだけに阪神内回りに替わるのはプラスですが、幸Jはどちらかというと粘りや長い脚を引き出すのに長けているタイプで、この枠から外を回すようなレースになると馬の方が脚が持たず、鞍上の良さを引き出せない懸念があります(そういう意味ではワンチャンの末脚を活かせる鮫島駿Jは適任であったと考えています)。

[8]⑰レガレイラ(戸崎)

前走の有馬記念では無難にスタートを決め、それまでの大外一気のルメール戦法を改め道中からじわじわ進出しシャフリヤールとの接戦を制しました。末脚に賭けるイメージがあったもののそれは(母同様に)スタートが悪いので仕方なくという話で、エリザベス女王杯後にルメールJが降板を申し出たことからも、戸崎Jが駆った前走のようなスタイルが一番本来の力を発揮できる乗り方だと言えるでしょう。この中間は有馬記念同様に順調に乗り込まれており、骨折明けを感じさせない状態には持ってこれています。あとはアーバンシックの項で述べた通りスワーヴリチャード産駒の成長力に疑問符が付く中、当時から2kg増の斤量がどう堪えるか。跳びが大きく道悪も向かないだけに…

<予想>
◎ヨーホーレイク
○ベラジオオペラ
▲ジャスティンパレス
△メイショウタバル
△ロードデルレイ
△ドゥレッツァ
△レガレイラ


■東京11R/ウッドバイン競馬場賞パラダイスステークス ゴールデンシロップ

雨が残る馬場ではあるものの前が流れれば外差しが効くコンディション。2走前のオーロCはハンデ戦ではあるものの外に持ち出し末脚を遣う理想的な内容で、1分20秒台の勝ち時計も及第点を与えられる内容。昨年のこのレースはスローに泣いて⑤着でしたが、前目につけたい馬もそろったここは淀みなく流れるはず。年齢と前走で人気しないのであれば得意コースに戻ったここがねらい目と見ます。

2025年6月14日土曜日

【6/14(土)予想】函館スプリントSの注目馬とねらい目レース(三宮S)

■函館11R/函館スプリントステークス ジューンブレア

宝塚記念の移設もあり、今年から函館の開幕初日に開催されることとなりました。痛みの早い洋芝で行われるだけに、たった1日の移設ではありますがこれまで以上に内前有利が加速するものと見られます。ジューンブレアはここまで1枠を引けば(3,0,0,0)とパーフェクト。前走のアクアマリンSでも1枠1番から前半32.7の超Hペースを押し切っており、内目を引いて自分の形に持ち込めた時の強さは重賞級と見ています。追い込み脚質のナムラクレアが人気するなら、同じく1枠を引いたカルチャーデイ共々狙ってみたいです。


■阪神11R/三宮ステークス ヴァンヤール

2走前の総武Sでは重馬場を早目にまくり上げての勝利。これを含め重馬場では(2,1,1,0)とパーフェクトに走れており、まとまった雨量が見込まれる今日の阪神で期待できる存在です。人気のダブルハートボンドはここまで4戦が全て良馬場なだけに、脚抜きの良い馬場への対応や泥被りなど未知数な点が多く、前走だけで人気を落とすのであればこちらから。



2025年6月8日日曜日

【6/8(日)予想】安田記念の全頭評価

■東京11R/安田記念

[1]①シックスペンス(ルメール)

前走の大阪杯は4角まで好位で運ぶも直線でいいところが無く⑦着。横山武Jも語るように、3F通過が34.9秒、4F通過が46.3秒とこの馬自身が経験したことない締まったペースに脚が溜まらなかった模様。そういう意味では距離が長かったというのも確かに言えるのですが、安田記念はこれと同じかそれ以上にペースが流れるレース。流れのきついマイル戦の経験がない現状でいきなり好走できるかと言われると?

[1]②ダディーズビビッド(池添)

前走の六甲Sはこれ以上ない脚の遣いどころで差し切ったもの。完璧な騎乗でようやくリステッドを勝つレベルという現状で、本質的にはマイルは若干長い馬。流石にここに入ってどうこうというのを望むのは酷で。

[2]③マッドクール(坂井)

マイル戦はデビュー以来。スプリンターでも流れがきつくなると対応できず、昨年高松宮記念を勝った時も最初の3Fは34.9という重馬場の低速戦を押し切ったもの。高速馬場、距離延長に加えて熱中症の懸念のある時期に差し掛かったこともあり強くは推せません。

[2]④ウインマーベル(松山)

昨年のマイルCSでは外目の好位を追走し③着。内枠勢がこぞって伸びあぐねるコンディションも味方しましたが、前半3Fが33.8というスプリント戦のようなハイラップになり、1400m寄りの適性を持つタイプの出番があったと見るべきでしょう。ここも1F長いというのは正直なところですが、京王杯SCで2年連続好走しているように東京は得意な舞台。精神面のもろさが解消され内枠でも安定して走れるようになった現状なら押さえは必要。

[3]⑤レッドモンレーヴ(ディー)

極上のキレが持ち味ですが上級戦では届かずの現状。格が上がると前の馬もそうそう止まらないうえ、最後まで伸び続けられるのは1400mまでという現状では展開に恵まれても厳しそうで。

[3]⑥グラティアス(横山和)

切れる脚も無く押し切れるスピードも無く、ただ流れ込むレースが続いています。東京コースはギアチェンジ能力が求められるだけにここでは。

[4]⑦ガイアフォース(吉村誠)

前走の香港は輸送で大きく体を減らしてしまい参考外の一戦。ただ以前はスピードで押し切るレースが身上でしたが、最近は出脚が付かなかったり躓いてしまったりとスタートに難がある状況。陣営は今回ブリンカーを装着し行き脚の改善を図るようですが、仮に行けたとしてもしまいまで脚が持続しなくなっている現状を見るにそろそろ芝のマイルでは厳しいかもしれません。秋の天皇賞などに出てくれば話は違うでしょうが…

[4]⑧エコロヴァルツ(M.デムーロ)

前走の大阪杯はデシエルトが飛ばしたこともあり先行勢が苦しくなったところをうまく立ち回り、ベラジオオペラの後ろで進路を確保しての④着でした。元々気持ちの難しい面がありインで壁を作れたほうが走りやすいタイプで、1桁馬番では①①②⑤⑦③①②と大崩れなく走れており、⑦着だったのはレコード決着で届かなかった皐月賞ですから仕方なし。東京は2回走って⑤⑦着も、何れもこらえきれずに前に行ったレース。マイルでしっかり脚を溜めれば見せ場は作れても。

[5]⑨シャンパンカラー(内田博)

最後に勝ったのは一昨年のNHKマイルC。その当時は稍重馬場を味方につけての勝利だっただけに。まっとうな良馬場では展開に恵まれても厳しいでしょう。

[5]⑩ジャンタルマンタル(川田)

前走の香港マイルは中間熱発で調整過程が狂ったこともあり力を出せずの大敗。高野師曰く「かなりの熱発」と表現するほどの症状で、回復途上で遠征したのも尾を引いて復帰まで時間を取ることになりました。卓越したスピード能力はNHKマイルCで証明済みで、ペースの上がる上級戦でこそ力を発揮できるタイプと見ますが、問題は状態面。ぶっつけになる分もあり、高野厩舎としては珍しく1週前に川田Jが跨りいっぱいに追われましたが、これまでこの馬が計時したことない逆時計でのフィニッシュ。見た目には仕上がっているように見えても心肺機能への影響がある可能性が懸念されますし、この中間川田Jからのコメントも無し。NHKマイルCを勝った際には「マイルの頂点に立てる」とまで評価していた馬に乗るにしてはやけにテンションが低いのが引っ掛かります。

[6]⑪サクラトゥジュール(レーン)

高齢馬らしく連続好走が出来なくなっている一方で、唸るような行きっぷりは年齢を重ねてなお盛んに。それゆえに凡走後や休み明けなど反動のないタイミングでの激走が期待できるタイプです。2走前の京都金杯ではウォーターリヒトやロジリオンを降しており、昨年の東京新聞杯では後にG1で好走するウインカーネリアンやホウオウビスケッツにも勝っています。当時の勝ちタイム1.32.1は一昨年の安田記念のソウルラッシュ(1.32.2:⑨着)より上で、このメンバーの時計勝負であれば十分に対応可能と見ます。うまく内に入れられれば一発があっても。

[6]⑫ロングラン(岩田康)

前走のマイラーズCは少頭数と外差し展開が嵌っての勝利。この馬自身力をつけていることは確かですが、良績は右回りに集中。左回りは3度使われて何れも2桁着順と走れてなく、上り勝負には限界もあるだけに。

[7]⑬ソウルラッシュ(浜中)

前走のドバイターフでロマンチックウォリアーを撃破。クリスチャンJの狙いすました好騎乗もありますが、元々長めの距離を走ってきたこと、また時計勝負になりにくいコンディション(ドバイターフの勝ち時計は1.45.8、一方前走の中山記念③着時の走破タイムは1.45.0、勝ったシックスペンスとは0.2差)という背景も味方した勝利でした。元々上り勝負は得意ではなく、昨年のマイルCSでもレースの上りが34.5という環境で外目をまっとうに走れた分の快勝。この馬自身にケチをつけるつもりはありませんが、サクラトゥジュールの項でも述べた通りこの馬を中心視するのであれば必然的に1分32秒台の決着を見込むことになるわけで、そうなると伏兵勢に十分チャンスが生まれ得る水準となるだけに。

[7]⑭ウォーターリヒト(菅原明)

押せ押せで使われた中であった昨年のNHKマイルCを除けば東京で3戦3勝。そのいずれもが最速の上りを遣っての勝利ですから、戦法的にも府中の大箱は合っています。今回は石橋守厩舎への転厩緒戦で、河内厩舎時代は押せ押せローテの影響もあり坂路オンリーでしたがこの中間はウッドでも負荷をかけられ好時計をマーク。その分ウッドでの時計が控えめになった点がどうかですが、長く脚を遣う必要のある東京コースでそれがプラスに出れば今回のメンバーなら台頭の目が合っても。

[7]⑮ホウオウリアリティ(丹内)

11走前に勝った魚沼Sは不良馬場の2000m戦。適性を探っているのでしょうがそもそもスピードが足りません。

[8]⑯トロヴァトーレ(横山武)

3歳時に柔らかい馬場で取りこぼした弥生賞と距離不適の青葉賞で敗れたのを除けばオール連対。ルメールJがシックスペンスを選んだのはおそらく次のジャックルマロワ賞とセットでの依頼だったからで、ルメール、マーカンド、モレイラとタイプの異なる鞍上で結果を出せている点からも手替わりが問題にはならなさそうです。長く脚を遣うというよりは一瞬の加速に秀でたタイプで本音を言えばもう少し内枠の方が競馬しやすい感はあるものの、飛ばしていきそうな馬が見当たらない今回のメンバー構成であれば好位にはつけられそうで、あとは壁を作って運べるかどうか。それがうまく行きさえすればスピードは十分通用するはずで。

[8]⑰ジュンブロッサム(武豊)

スタートの悪さは解消されてきたものの、跳びが大きく不器用なため大箱で外を回す競馬が向いているクチ。4走前の富士Sはまさに理想的な競馬だったと言えるでしょう。過去3度の8枠発走では④①①着。唯一の着外は少頭数スローの前残りだった3年前の1勝クラス戦でのもので、まっとうに流れて末脚が活きる展開になればチャンスはあるでしょう。

[8]⑱ブレイディヴェーグ(戸崎)

この馬もまた器用さに欠けるので大箱で走りたい上、一走ごとの消耗が大きく続けて使えないタイプ。ヴィクトリアマイルでは前走のドバイターフから中5週しか取れないこともあり、ここに照準を合わせてきました。しかしながらそのドバイでは熱中症になって戻ってきたとのことで、中間は回復に努めながらの調整となってしまったのは割引材料。今回は溜める競馬を示唆していますが、ローズSはそれで取りこぼした前科もあり。そもそも重賞勝ちは牝馬限定戦のみでマイル戦で勝ったこと自体無いにも関わらず、イメージで人気しているのであれば戦略的に軽視したいです。

<予想>
◎サクラトゥジュール
○ソウルラッシュ
▲エコロヴァルツ
△ジュンブロッサム
△トロヴァトーレ
△ウインマーベル
△ジャンタルマンタル
△ウォーターリヒト

2025年6月7日土曜日

【6/7(土)予想】ねらい目レース(東京8R)

■東京8R キョウエイフロイデ

ちょいちょい牡馬混合戦に出るため戦歴は安定しませんが、牝馬限定戦に限れば⑧⑤④①②⑥③③と大崩れせず走れています。前走は牡馬混合戦だったうえ追い込み勢にとって超絶不利な新潟ダート1800m戦で、4角6番手までの馬が①~⑥着を独占する中14番手から直線だけで⑦着まで押し上げてきました。トモの嵌りに時間がかかりワンターンで置かれる懸念はあるものの、直線向いてから脚を遣える東京に替わるのはプラス。相手関係が易化するこのタイミングで狙ってみたいです。


2025年6月1日日曜日

【6/1(日)予想】日本ダービーの全頭評価・目黒記念の注目馬

■東京11R/東京優駿(日本ダービー)

[1]①リラエンブレム(浜中)

前走の毎日杯は直線で全く反応せずの⑦着。陣営も不可解な負けと語るほかないレースでしたが、過去2走は道中前に馬を置いて走れていたのに対し、馬群に入れられず前が開いた状態で走っていたことが一因と考えられます。勝った新馬戦とシンザン記念では前が開くと馬が自分でわかっているかのように加速しており、前向きな気性面もあり道中でしっかり我慢させられるかがポイントになる馬といえるでしょう。そういった意味ではこの枠は絶好。好位のインでファウストラーゼンのまくりの直撃を回避することが出来ればチャンスはあるでしょう。

[1]②ショウヘイ(ルメール)

前走の京都新聞杯はドスローを2番手から押し切った内容。再度スローペースが見込まれるとはいえ、調教負荷も前走以下という臨戦過程では強くは推せず。

[2]③エリキング(川田)

骨折明けを一度使われたとはいえまだ良化はスロー。勝ってきた3戦は何れも10頭立て以下のレースで、不器用な面を残す中この内枠も痛いです。

[2]④ドラゴンブースト(丹内)

2走前の京成杯は位置取りで着を拾ったまで。前走の皐月賞でも全く見せ場を作れず、瞬発力勝負に距離延長と条件はさらに悪くなるだけに。

[3]⑤レディネス(横山典)

2走前の弥生賞は渋った馬場も合わず⑧着。前走のプリンシパルSで一変したように、きれいな馬場で走らせれば相当な末脚を持っています。スワーヴリチャード産駒でもあり左回りの方がパフォーマンスを出せるはずで、前走のように内を突いて伸びてこられる点も強み。まくりで中盤からレースが動く展開になり内が開けば昨年のダノンデサイルの再現も。

[3]⑥ファンダム(北村宏)

3連勝中。前走の毎日杯はガルダイアが逃げ切らんとする流れを次元違いの末脚で差し切り、持てるエンジンは世代でもトップといえるでしょう。一方で気性面が課題で、行きたい馬も見当たらない今回は相当苦労するはず。天栄なら本来ここでルメールJの出番となるところ、デビューから手綱を取る北村宏Jが継続騎乗してきた点にもその懸念が見て取れます。その鞍上も新馬戦後「短いところが合っている」と語っており、辻師も中間は距離不安を吐露。にもかかわらずNHKマイルCではなくここに来たのは、オーナーサイドの意向もあるでしょうが続けて使うことが難しく都度リフレッシュを入れざるを得ない気性面に起因する選択と見られます。折り合いを保てれば最後は脚を遣って来られるだけに、ギリギリまでテンションを見極めて取捨をしたい馬です。

[4]⑦ミュージアムマイル(レーン)

前走の皐月賞は先に動いたクロワデュノールをうまく目標にしたレースで快勝。確かにマイルが短いというのは事実でしょうが、朝日杯のレースぶりを見るにズブさがあり、新馬戦・弥生賞と幸Jで取りこぼしたように日本人には動かし切れないタイプに見えます。その点今回はレーンJに乗り替わることから再度末脚全開の期待は持てますが、皐月賞で着順を上げたのはスタミナ面というより1600mではエンジンがかかりにくかったからということが考えられます。皐月賞の上り34.1という時計はメンバー4番手で、必ずしも脚を長く使うタイプではなく「使える脚が短く点火に時間がかかり、マイルではそれが間に合わない」馬だからこそ「マイル並みのスピードで流れる2000m戦」を勝つことができたと考えられます。長い直線、なおかつ道中からレースが動いて仕掛けどころが難しくなると、やはり長く脚を遣えるタイプの方が有利になるはずで。

[4]⑧エムズ(戸崎)

京都新聞杯ではショウヘイの後ろからつけての②着。前にいた勝ち馬と同じだけの脚しか使えなかった点を見ても上りに限界のあるタイプで、瞬発力勝負の東京では分が悪いです。おそらく戸崎Jもそれがわかっているので積極的なレースをするはずで、ファウストラーゼンの目標にされる点からも難しい立ち回りが要求されます。

[5]⑨ジョバンニ(松山)

前走の皐月賞では向こう正面で挟まれるシーンがありながらも盛り返し④着。立ち回りで着を拾えるメリットを最大限に活かしたレースでした。舞台が変わって広い東京ではそうはいかないのと、長く脚を遣うレースも向いていないだけに。

[5]⑩トッピボーン(岩田望)

前走の京都新聞杯では折り合えず④着。それでも最速の脚を遣って追い込んでいるだけに力はあるのでしょうが、勝った2戦は何れも前が止まる展開を味方につけたものでありました。さらに距離が延びるここは運びが難しいのと、そうした難しさを抱え、かつ松島家の馬にもかかわらず武豊Jが選ばなかったというのも引っ掛かる点で。

[6]⑪ニシノエージェント(津村)

前走の皐月賞は前が止まる展開にもかかわらず見せ場を作れずの⑬着。京成杯のレベルを考えても、距離が伸びてよいタイプには見えずで。

[6]⑫カラマティアノス(池添)

前走の皐月賞では馬群の中で難しいレースにもなり⑩着。勝ち切ってきたのは1桁頭数の少頭数戦という経歴からはごちゃつかない方が走れそうなのですが、前走でも指摘したようにトップスピードに入ると寄れる癖があり、特に直線ではラチ沿いを走らせたいという矛盾。末脚比べの東京は明らかに前走より舞台が悪くなる(だから皐月賞で◎を打ったのですが)うえ、少頭数でばらける展開にならないと好走できないとなれば、自ずからクラシックでの健闘は期待できません。

[7]⑬クロワデュノール(北村友)

前走の皐月賞ではファウストラーゼンのまくりを受けてスムーズさを欠き、前崩れで早目に先頭に押し出されたところをミュージアムマイルに計ったように差されて②着。勝ちに行った分、また目標にされた分の敗戦であり、持てるエンジンの違いは2歳時の3戦で証明済み。成長力の懸念は残るも、他路線組がパッとしない現状では改めて好走が期待できるはずで。

[7]⑭ホウオウアートマン(田辺)

ここ2戦は特殊なコンディションの中で健闘。青葉賞0.3差⑥着に1勝クラス勝ちと目下の充実度は窺えますが、その前走にしても前半62秒の流れから35.0の末脚で押し切ったレースとなると流石にスピード不足は否めず。明日まで雨が残るようなら話は別ですが、そもそも前日これだけ降っても稍重にしかならない府中の水はけを考えると厳しそうで。

[7]⑮ファウストラーゼン(M.デムーロ)

前走の皐月賞ではまくり切った後の抵抗をかわせず⑮着。やることが決まっている馬なので鞍上どうこうでは無いとは思いつつも、上級戦での経験が少ない杉原Jからの手替わりは致し方のないところ。ただ、この舞台ではまくり切ったとてそこから脚を遣う距離が長すぎるうえ、使える上りに限界のあるタイプでは後続を封じるのは相当難しいだけに。

[8]⑯ファイアンクランツ(佐々木)

キング・モレイラ両Jを以てしても伸び負けてしまったここ3戦を見るに、控えても使える脚に限界があるタイプのよう。実際勝ち切った新馬戦は札幌の重馬場で、タフさや体力を活かした消耗戦でこそ力を発揮できるはずです。行儀よく流れるレースになると厳しいものの、逆に今回乱ペースが見込まれることはこの馬にとって吉兆となる可能性も。

[8]⑰マスカレードボール(坂井)

皐月賞では1角の入りでごちゃつくなど道中スムーズにいかない中で直線だけで③着と力を見せました。前走は陣営が散々泣いていただけに舞台替わりのここは見え見えの人気する局面で、テンションに気を使うタイプで地下馬道の懸念や距離の不安はあれど、ここまで東京では明らかに違う走りを見せているだけに、コーナー4つを克服すれば走ってきても。

[8]⑱サトノシャイニング(武豊)

前走の皐月賞では1コーナーの入りでぶつけられるなど不利があった中、直線向いてからの脚は流石という内容の⑤着。コーナーでもたつくところがあり広い東京コース替わりはプラスで、前走からさらに1段階攻め馬を強化できているのも好材料。距離適性よりも絶対能力が問われる舞台でなら、皐月賞からの前進も可能でしょう。

<予想>

◎リラエンブレム
○レディネス
▲マスカレードボール
△クロワデュノール
△サトノシャイニング
△ファイアンクランツ
△ミュージアムマイル
△ファンダム


■東京12R/目黒記念 マキシ

前走は脚を取られる馬場、2走前はスタートの失敗と敗因が明らか。目黒記念はスタート直後に坂を登ることもあってか最初の4Fが50秒近くかかるレースでもあり、スローで前付けして速い脚を遣える性能はこのレースに向いています。輸送減りするタイプですが4走前の六社Sは-12kgと体を減らしながらも勝利しており、中間攻めすぎなかったのもそれを見越してと考えられます。今の東京の芝は3分どころあたりを避けて通るコンディションですがラチ沿いは生きており、他が外に散ってコースロスを避けて走れれば。

















2025年5月31日土曜日

【5/31(土)予想】葵Sの注目馬とねらい目レース(アハルテケS)

■京都11R/葵ステークス カワキタマナレア

前走のマーガレットSはレース中の鼻出血で⑦着。それを除けば芝1200mでは2戦2勝と底を見せていません。2勝が何れも昨年の札幌だったことを考えれば、暖かい時期の平坦コースは向いていると見られます。一瞬の脚を活かすタイプで内回りコースは引き続き歓迎のクチで、前走で人気急落局面なら。


■東京11R/アハルテケS エルゲルージ

重賞初挑戦となった前走の武蔵野Sで⑥着と健闘。芝に比べ施行数が限られるダート重賞における実績はOP級においては重視すべきで、中間も半年ぶりを感じさせない絶好の動きを披露。過去にも8か月ぶりで②着、9か月ぶりで③着と実績があり、長欠明けは苦にしないタイプです。スタートを決めて流れに乗れればここでも。

2025年5月25日日曜日

【5/25(日)予想】オークスの全頭評価とねらい目レース(韋駄天S)

■東京11R/優駿牝馬(オークス)

[1]①アルマヴェローチェ(岩田望)

前走の桜花賞では上り最速の脚を繰り出し②着。ベストのレースは出来たとはいえ、相手に走られすぎたというのが本音でしょう。ただ今回もまた渋化馬場の恩恵を受けられそうな立場であるうえ、血統的にもマイルよりこちらの方が力は出せるはず。オークスは過去10年なんだかんだ言って桜花賞組が7勝を挙げており、鬼門の内枠とはいえ今回も別路線組に脅威となる存在が見当たらない以上は有力視不可避でしょう。

[1]②レーヴドロペラ(大野)

札幌2歳Sはアルマヴェローチェから1秒以上離されての⑤着。芙蓉S②着の実績はあれど当時買ったジェットマグナムはその後OPで苦戦を強いられ、③着に降したミッキーマドンナも1勝クラスすら勝てていない現状。距離に魅力はあったとて、根本的に牝馬の中で伍せるだけのスピードが不足していると言わざるを得ません。

[2]③パラティレーヌ(丹内)

前走のフラワーCは伸びあがるようなスタートから挟まれ後方から。それでも脚を見せての②着と力量を感じさせる走りではありました。ただ、出遅れの原因となったゲート内の駐立にも現れていたように、精神面の成長が途上で環境の変化に敏感なタイプ。初の東京に地下馬道、スタンド前の大歓声と危うい要素は少なくなく、前走駆った川田Jが来ないというのも現状での評価を表しているだけに。

[2]④アイサンサン(北村宏)

緩いペースのマイルでしか走れてなく、ここでの通用根拠は見いだせません。

[3]⑤リンクスティップ(M.デムーロ)

前走の桜花賞ではスタート後にぶつけられ後方から。3角最後方からのまくりで③着まで押し上げましたが、マイル戦であれだけ後ろからになってしまってはあれが限界でしょう。鞍上もエンジンの掛かりに課題があることを指摘していたように、コース替わりは間違いなくプラス。前走時にも触れたとおりきさらぎ賞の相手関係を考えれば牝馬クラシックでは主役を張れる存在で、外差しの決まりやすいオークスという舞台にも手が合う鞍上で改めて。

[3]⑥ビップデイジー(幸)

割と流れた桜花賞でもハミを噛んでしまい⑪着。さらに距離が延びるここはこらえさせるだけでも厳しく。

[4]⑦レーゼドラマ(坂井)

前走のフラワーCでは4角から加速をつけての快勝。ただ逃げ切って勝ったこのレースの上りは35.4。2走前のゆりかもめ賞では33秒台の上りについていけず⑥着に敗れており、早目に踏んでいくレースが出来るかがカギとなります。直線の長い東京では33秒台を繰り出せる馬も少なくないだけに、外差し有利のコンディションで2秒以上のセーフティリードを作れるかとなると?

[4]⑧サタデーサンライズ(田辺)

ドゥーラやハギノピリナのようにマイル実績のない馬が穴を開けるパターンは決まって外差しです。これらの馬たちは、中距離戦を差して勝ってきた経歴がありギアチェンジの競馬に対応できる素地があります。対して平場を前目で押し切る程度のスピードしかないようではこの舞台ではそもそも厳しく、サタデーサンライズはまさにそのタイプに当てはまるだけに好走の目は薄いでしょう。

[5]⑨エンブロイダリー(ルメール)

前走の桜花賞では直線半ばでアルマヴェローチェに来られるともうひと脚を繰り出して完封。アドマイヤマーズ産駒が芝の稍重以下で勝ったのはこれが初めてで、血統のカルマを超えて勝ち切れるとなると相当な実力があると考えてよさそうです。父父であるダイワメジャーの産駒はマイルまでとそれ以上で戦績がくっきり分かれる傾向があり、この馬にとってもベストではない可能性こそあるものの能力の絶対値を考えれば印は回さざるを得ません。

[5]⑩タイセイプランセス(石橋脩)

前走のフローラSは権利獲得まであと一歩の③着。小柄なタイプで開幕週のきれいな馬場が合っているうえ、実質1勝クラス戦のメンバーで前半が流れ差し決着になった点も大きかったです。馬場が重くなるのは歓迎できず、前走の見た目でこんなに人気するのは少々危険かと。

[6]⑪ウィルサヴァイブ(団野)

勝ち切ったのはスローの短距離戦のみ。ここで通用する論拠は見いだせません。

[6]⑫ブラウンラチェット(レーン)

前走の桜花賞は出ムチが入るも出ていけず⑨着。エンジンの掛かりが遅く距離延長はプラスになりそうなものの、ちょっとここ2戦が別馬のような負け方。鞍上で人気しているものの調教後馬体重も前走からさらに減らしており馬体の成長が無いのは明らかで、それでいて気性面がどんどん難しくなっているというのは…

[7]⑬タガノアビー(藤岡佑)

2走前(!?)のフローラSでは内枠があだとなり直線外に持ち出せず⑤着。スタートが悪いうえ器用さが無いため、外目を回して脚を遣わせたいタイプなだけにこの枠はプラスでしょう。前走の矢車賞は超スローを最後方(といっても6頭立てですが)から差し切っており、ギアチェンジの競馬にも対応可能。3走前の未勝利戦のように上りの掛かるコンディションでも走れており、すべてがスムーズに来た時には要警戒。

[7]⑭サヴォンリンナ(北村友)

サンライズジパングの下という血統。ただ前走の忘れな草賞は前半62.7のスローペースを押し切ったまでで、ここで通用するスピードは窺えず。

[7]⑮カムニャック(シュタルケ)

前走のフローラSはトライアルにしてはそれなりに流れた分もあり、課題の折り合いも何とかなっての差し切りでした。追い込み有利の展開で中団から33.4の脚を遣えたのはレベルの違いを感じさせ、締まった流れの方が走れる現状なら上級戦もプラス。友道厩舎らしく1週前に猛時計を出しており調整過程に抜かりもなく、別路線組最大の惑星ならこの馬でしょう。

[8]⑯ゴーソーファー(津村)

前走のフローラSでは馬群でハミを取らず⑯着大敗。未勝利戦は逃げ切り、3走前の1勝クラス戦は最後方からの差し切りと、器用さが無く極端なレースしかできない現状です。ここも後方外からのレースをせざるを得ず、32秒台の脚が使えるとかでもない限り。

[8]⑰ケリフレッドアスク(ディー)

切れる脚が使えず前目で粘るレースしかできない現状。差し有利のオークスの展開にも不向きで、藤原厩舎お得意の舐めた仕上げでは(シャフリヤールのような元値の高い馬ならともかく)上り目も乏しく。

[8]⑱エリカエクスプレス(戸崎)

前走の桜花賞は最内枠も考慮しての積極策でしたが、最後に止まっての⑤着。フローラSまでは1週前のウッドで順時計でこらえられていたところ、前走の1週前は逆時計。行きたがる面が出ていたのもそのためだった可能性があり、今回も1週前が逆時計となると折り合いは厳しいでしょう。

<予想>
◎リンクスティップ
○アルマヴェローチェ
▲エンブロイダリー
△タガノアビー
△カムニャック


■新潟11R/韋駄天S ロードベイリーフ

3年以上勝ってないとはいえ芝短距離戦では善戦を続けており、千直もその多くが内枠を引いてしまったもの。本来は叩いてからのタイプですがこの中間は障害練習を行っていたもので、普通の休養とは区別して考えてよいでしょう。この絶好枠を引いてこの人気にとどめ置かれるようなら狙いたいです。

2025年5月24日土曜日

【5/24(土)予想】平安Sの注目馬とねらい目レース(欅S)

■京都11R/平安S ルクスフロンティア

ダートで6番枠以内の内枠なら(3,2,0,0)。前走のブリリアントSは13番枠から枠なりのレースとなり、馬群に入れられなかったのが響いての大敗でしたが、再度内枠を引いた上インにこだわる岩田康Jへの手替わりは大きなプラス。1900m戦は先に動き出した馬が最後に止まるコース故、インを立ち回ってゴール前に足を伸ばすレースが出来れば一発も。


■東京11R/欅S コパノニコルソン

このコースは2回走って①⑤着。⑤着だった昨年のこのレースはコスタノヴァ、エンペラーワケアが①②着したレースで、離されたのも致し方ありません。前走はいきなりの距離延長で不発だったものの、元々昨年の鎌倉Sではロードフォンスやバグラダスに先着しておりこのメンバーで通用する素地はあるはず。走りなれたこの距離で一変があるなら。

2025年5月18日日曜日

【5/18(日)予想】ヴィクトリアマイルの全頭評価

■東京11R/ヴィクトリアマイル

[1]①クリスマスパレード(石川)

昨日の東京は大雨にもかかわらず、メインの六社Sは外差し決着。驚異的な水はけを前に前有利展開が生まれる余地は小さく、加えて気温上昇や天候回復で馬場が乾いてくるとなるとその恩恵は傾斜の高い外側から出てきます。この枠ですので行くしかないこの馬にとっては厳しい条件が重なるだけに。

[1]②ステレンボッシュ(戸崎)

前走の大阪杯は陣営も首をひねる大敗。輸送を経てマイナス4キロという身体は今思えばギリギリだったのかもしれませんが、仮にも桜花賞を勝った馬が今になって輸送に敗因を求めるのは無理があります。暮れの香港ヴァーズは53kgで出られた分も大きく、デビュー時456kgだった体重は前走でも460kgとほとんど変わらず。完成度と好騎乗でカバーできていた3歳春までの戦歴で人気するようなら疑ってかかりたいです。

[2]③アルジーヌ(レーン)

前走の阪神牝馬Sは後方インを立ち回り直線では上手く前が開いたもののスパッと伸びきれず②着。+12kgといかにも叩きという仕上げもありましたが、元々が立ち回りで着を拾うタイプなので中山や京都、ローカル場の方が向いておりここでは切れ負けの懸念があります。

[2]④サフィラ(松山)

サロミナの仔らしく、被されずに外を立ち回るレースが理想。前走の阪神牝馬Sは好位2番手から直線で上手く馬場のいいインに入り、外枠勢の追撃をしのぐ完璧な立ち回りでした。ただ好走を続けているここ4戦は何れも半マイル48秒くらいの緩い流れを前付けしたもので、ここは下手をすると45秒くらいで流れることも想定されるだけに内取りを落とす懸念があります。そうなるとこの内枠はあだとなる可能性があるだけに。

[3]⑤ラヴェル(津村)

府中のマイルは2歳時にアルテミスSを勝利。世界の強豪に挑み続け香港でそのあまりに短い生涯を終えたリバティアイランドに、牝馬で唯一先着したのがこの馬です。跳びが大きく大箱がベターなタイプなので舞台替わりは見直したいですが、まだ完調手前といったところでテン乗りの津村Jが駆るという点でも本当に狙えるのはここを使ってからの府中牝馬S(旧マーメイドS)でしょうか。

[3]⑥ミアネーロ(ディー)出走取消

[4]⑦ワイドラトゥール(北村友)

前走の愛知杯は前が止まった流れにも乗じて差し切り勝ち。テイエムスパーダが飛ばし前半が32.7とG1でも見ないような超絶ハイラップになった分恵まれたのは事実ですが、そこについて行って末脚を繰り出す能力が備わっているというのは同様にハイラップが見込まれるこの舞台で評価できるポイントでしょう。世間的にはマイルが長いとも見られがちですが、そもそも新馬勝ちはマイルでのもの。桜花賞も直線で前が開かず進路を探しながらの0.3差、ステレンボッシュとほぼ変わらない上りを遣えていたのは評価するべきで、例によって藤原厩舎らしい舐めた仕上げで人気しないでしょうが前が流れて外差しバイアスが出てくれば格好の走り時。

[4]⑧シンリョクカ(木幡初)

加減速が苦手なようでワンターンが向いており、5走前の新潟記念もワンターンのコースでワンペースの押し切りが叶ったものでした。距離もコースも合ってはいるもののギアチェンジの上でキレが求められるこの舞台では。

[5]⑨アドマイヤマツリ(田辺)

前走の福島牝馬Sでは好位のインを立ち回り直線で外に持ち出す理想的な内容で完勝。レースセンスの高さが光りますがいかんせんマイルは未経験で、ここでハイペースに巻き込まれたときにどこまで脚を遣えるかは未知数です。

[5]⑩ボンドガール(武豊)

キレはあるのですが長くいい脚を遣うタイプではなく、勝ち切るには展開の助けが必要になってきます。ただ今回は前が飛ばして早めに垂れた際に後続がどこで脚を遣うかといったレースになることが予想され、それを心得た鞍上なら浮上の目も。

[6]⑪シングザットソング(斎藤)

前走の愛知杯は得意距離でインをうまく立ち回るも②着まで。外差し展開に泣かされたのは事実ですが、この馬の場合元々1400mでも上手く立ち回ってなんぼというタイプで、ワイドラトゥールなどと違って距離が伸びてよくなるタイプとは言い難く。

[6]⑫シランケド(M.デムーロ)

大事に使われながら3連勝。元々初勝利が1400mだったように短距離自体は問題なく、しまいは必ずいい脚を遣ってきます。2走前の魚沼Sを見る限り、直線いっぱいに脚を遣えるタイプでこの舞台替わりもプラスなはずで、前崩れの際に仕掛けるタイミングが難しくなるのがどうかも外差しが効くコンディションなら押さえは必要ではないでしょうか。知らんけど。

[7]⑬ビヨンドザヴァレー(菱田)

リリーオブザヴァレーの仔は2000m以上の実績が多いのですが、この馬はイスラボニータの影響かマイル前後に適性を有します。ただ使える上りに限界があるようで、位置取りを落とした時に勝ち切れないのもそこから。今回は前付けしたとて末脚が求められる舞台なだけに。

[7]⑭マサノカナリア(横山典)

前走の立雲峡Sは時計的には評価できるものでしたが、好位を立ち回り直線で上手く外に出せた分の勝利でもあります。マイルでは掲示板までという戦歴に加え勝ち上がり後は○×ホースと化しており、今回は凡走の番。

[7]⑮ソーダズリング(坂井)

前走の阪神牝馬Sではスローペースにしびれを切らした後続が早めに上がってきたのに合わせる形で脚がダレてしまい⑥着。折り合いが難しいタイプなだけに、しっかり我慢させて自分のタイミングで動けることが必要です。そういった意味では締まった流れかつ直線でゴーサインを出せるこの舞台は向いており、この中間も前走同様に好調をキープ。フローラSで②着があるように東京コースも問題なく、短距離の差し馬が台頭する今のコンディションなら。

[8]⑯クイーンズウォーク(川田)

左回りは①④①①着。唯一の敗戦は昨年のオークスですからやむ無しでしょう。フランケル産駒の兄グレナディアガーズと違い成長はまだまだこれからといった感じで、雄大な馬体を持て余す分現状は大箱の方が向いておりここは適条件でしょう。ただ久々のマイル戦につき位置取りを落とすことはやむを得ず、不器用故外を回してという競馬になると間に合うかどうかは時の運。

[8]⑰アスコリピチェーノ(ルメール)

前走の1351ターフスプリントは、短いところを使って気合を入れたい陣営の意図もあった模様。勝ち切った以上にスピード競馬への対応を証明した点で、ここに向けてよいステップになったと見られます。京成杯AHで見せたように早目に流れても溜めればキレる脚を持っており、外枠も含めて好材料が揃った今回は上位争い必至でしょう。

[8]⑱アリスヴェリテ(池添)

前走の福島牝馬Sは出たなりの競馬で④着。結局、ぶっ放す戦法は折り合えなかったがための善後策で、その前走は内前有利展開で届かずもがっちり抑えられる騎手が乗れば外を回して脚を遣わせるレースができるということがわかりました。ラヴェルの勝ったアルテミスSで③着した実績からもコース替わりは問題なく、クリスマスパレードをあまり深追いしすぎずがっちり折り合えれば一発も。

<予想>
◎ソーダズリング
○ワイドラトゥール
▲アスコリピチェーノ
△アリスヴェリテ
△ボンドガール
△シランケド
△クイーンズウォーク

2025年5月17日土曜日

【5/17(土)予想】新潟大賞典の注目馬とねらい目レース(立川特別)

■新潟11R/新潟大賞典 マイネルメモリー

まっとうなキレ勝負では分が悪いものの、上りの掛かるコンディションを苦にしないタイプで今の新潟のコンディションは合っています。元来ゴールドシップ産駒は馬場による成績差が少ないとはいえ、流石に重賞となると単に粘り強いだけでなくある程度の位置から末脚を遣うことが求められます。前が止まらなくなるローカル重馬場の乗り方を心得ている丹内Jが駆るとなれば無視できません。


■東京10R/立川特別 ヨゾラノムコウニ

全2勝は何れも重馬場。4走前のように外目を被されずに進出するのが理想で、脚抜きの良いコンディション且つ外枠を引けた今回はチャンスでしょう。現級善戦レベルが数頭程度のこのメンバーなら狙えるはずで。

2025年5月11日日曜日

【5/11(日)予想】NHKマイルCの全頭評価

■東京11R/NHKマイルカップ

[1]①モンドデラモーレ(戸崎)

3走前の札幌2歳Sは向こう正面で先に出てしまった分後ろの目標にされ④着。2走前のジュニアCはスローペースでファンダムの後ろから追いかけて②着、前走のファルコンSは大外枠からのスタートで道中何度か寄られて外に張るロスもありながらの②着と、何れも中身のあるレースをしています。特にジュニアCで好戦したファンダムは(個人的には)ダービーに出てもいい勝負になると踏んでいる存在で、それに迫った内容は評価してよいでしょう。久々に1桁枠番を引けた今回は好位のインから直線で外に出すレースができるはずで、我慢させられる戸崎Jへの手替わりは要注意。

[1]②ショウナンザナドゥ(池添)

前走の桜花賞は柔らかい馬場の影響もあって⑩着。ミスエーニョの仔らしいといえばそれまでですが、そもそもが脚の遣いどころの難しいタイプで東京替わりはプラスでないうえ、大味な競馬の方が向いているだけにこの枠も難しいです。

[2]③チェルビアット(ディー)

桜花賞は後方待機組に展開が向いた中でも⑥着。リンクスティップがまくった時に進路をカットされたシーンはありましたが、ではそれが無ければそこからずっと伸びて勝ち負けだったか?というとそうは見えず。フィリーズレビューの勝ち方を見ても33秒台で長く伸びることが求められる東京は向いていないと見られるだけに。

[2]④ヤンキーバローズ(岩田望)

前走のファルコンSは後方のインから直線入り口で外に進路を切り替え差し切り勝ち。父親ならあそこでインにこだわって詰まることが想定されるだけに、ここら辺は中央の芝レースに上手く順応していると言えます。裏を返せば鞍上が相当上手く乗った分届いたとも言え、ここから1Fの延長、なおかつごまかしの利かない東京となると上昇は?

[3]⑤ランスオブカオス(吉村誠)

昨年の金杯の時にも触れた「東京が苦手なシルバーステート産駒」というのは継続していて、いまだに函館と東京だけ異常に成績が悪いです。


出走数の7割が芝レースなので上記は芝のみ抽出しての比較ですが、全場で唯一複勝率2割以下に沈んでいるのが東京。産駒の出走履歴を見ると、どうやら使える上りに限界のあるタイプが多く600mを伸び続ける適性のない馬が多いことが原因とみられます。前目で脚を遣えるタイプで阪神外回りも勝っているだけにこの舞台が合わないとは言い切れませんが、血統面からは割り引きたい存在です。

[3]⑥イミグラントソング(ルメール)

前走のNZTはアドマイヤズームを射程にドンピシャの仕掛けで差し切り。ただ石川Jも語る通りいかにも中山向きという反応の良さとキレがある一方、東京でそれをやろうとすると直線半ばまで前を射程に入れられる位置で構える必要があります。4走前の未勝利戦がまさにそういう勝ち方でラスト400mだけ加速すればよいレースだったのに対し、2走前の1勝クラス戦はラストの3Fがずっと11秒台前半で流れ取りこぼしています。流石にG1の流れでそんなやわなレースになることは期待しにくく、よほど位置取りがうまくいった上で馬群がばらけるなどすれば浮上の目も。

[4]⑦トータルクラリティ(北村友)

朝日杯FS以降は気持ちの問題がモロに出るようになり結果につながらず。初ブリンカーが刺激になればというところですが、勝った新潟2歳Sにしても伸び返したというより相手が垂れた結果の押し切りといった方が良さそうで、ここで強調できるレベルにはないのではないかという見立てです。

[4]⑧アドマイヤズーム(川田)

母ダイワズームは初勝利に7戦を要し、3歳の春にようやく勝ち上がった後そこから500万下、スイートピーSと3連勝でオークスに駒を進めた(⑪着)経歴の持ち主。この馬自身も新馬戦を取りこぼした後で未勝利→朝日杯FSと連勝するなど叩き良化型のDNAを受け継いでいる模様で、前走のNZTも明らかな叩きと割り切ることができるでしょう。正直最後の3Fの加速の仕方だけを見ればイミグラントソングと大差なく、東京の600mを目いっぱい走り切るのが向いているようには見えません。それでも父モーリス、母父ハーツクライという晩成血統にして現時点でのパフォーマンスの高さは出色で、戦歴以上のポテンシャルを秘めた存在と考えればここも有力視。

[5]⑨マイネルチケット(横山武)

東京での2戦は稍重馬場で速い上がりが求められなかった分の③②着。ダノンバラード産駒が33秒台の上り勝負に対応できるとは思えず…

[5]⑩マジックサンズ(武豊)

前走の皐月賞は4角から早目の進出で見せ場たっぷりの⑥着。骨折休養明けでも折り合い面の進境が感じられ、止まったのは距離と急坂の分と考えれば舞台は好転します。一方で当時の皐月賞は内前がほぼ総崩れという展開でそこに乗じた点は否めず、デビュー2連勝は何れも平坦で直線の短い函館・札幌だったことを考えれば600mを伸びきる走りに向いているかどうかは懐疑的です。コナブリュワーズの子供は早枯れ傾向も見て取れ、骨折期間を挟んだこの間の成長度も?

[6]⑪パンジャタワー(松山)

昨日のエプソムCの上位3頭は2000mの勝ち鞍のある馬が揃う結果に。ワンターンなのでマイル寄りのスピードが必要なのに加えその距離を走り切れるスタミナの裏付けも必要なレースでした。パンジャタワーは朝日杯の止まり方を見る限り距離は1400mまでが限界と見られ、外差しが嵌った時の複穴候補までか。

[6]⑫マピュース(田辺)

前走の桜花賞では前が止まった展開にも乗じて④着。とはいえインをうまく立ち回ったうえ稍重馬場も味方した形。最後方から大外を回したリンクスティップとは着差以上の力量差があると考えるべきで、前走でも指摘した通り高速決着への対応力も未知数です。

[7]⑬ミニトランザット(鮫島駿)

新馬戦は逃げ切り、京成杯とチャーチルダウンズCは後方からしまいを活かして③着。2走前のきさらぎ賞でいいところなく⑧着と敗れた際鮫島駿Jは「馬混みで競馬(を経験)していなかったのが響いたのか…」とのコメント。姉のイフェイオンも好位外につけて被されないレースをした方が力を出せるタイプで、もまれずに運べるかどうかがカギになると言えるでしょう。この枠であれば好位外のレースができるのが理想ですが、馬も鞍上もスタートがアテにならないタイプなだけに…

[7]⑭ティラトーレ(木幡巧)

自分で決める脚が無く、牝馬限定戦で先行力と体力を活かして粘りこむタイプ。末脚も求められるこの舞台では?

[7]⑮アルテヴェローチェ(佐々木)

折り合いの難しさを抱えながらも最後は自分の脚を遣えており、前残り展開にも泣いた朝日杯FS⑤着以外はオール連対。締まった流れの方がレースしやすいタイプで、4走前のサウジアラビアロイヤルCを見る限りは直線の長い東京も向くはず。あとは速い上がりが使えるかがカギなだけに、なるだけいい位置でレースをさせてあげられれば。

[8]⑯サトノカルナバル(レーン)

正直共同通信杯の走りを見る限りは距離が伸びてよいタイプには見えず、外差しでしまいに賭けるという戦法ができる馬でもなさそう。鞍上が鞍上だけに押さえる必要はあるとは思いますが…

[8]⑰ヴーレヴー(浜中)

前走の桜花賞は最内を引いたこの馬に向かないコンディションや展開にもなり⑧着。割り引く敗戦ではないと考えますが、それでも2走前のエルフィンSが4F48秒とかなり落ち着いたラップの2番手から押し切ったまでとなるとここでのスピード不足は否めません。

[8]⑱コートアリシアン(菅原明)

トータルクラリティの項でも述べましたが、長く脚を遣えるタイプではなく一瞬のキレで決めたいところ。それだけに前走のNZTは中山コースも向いた格好で、再び末脚全開の東京に戻るのはマイナスでしょう。

<予想>
◎モンドデラモーレ
○アルテベローチェ
▲アドマイヤズーム
△マジックサンズ
△ランスオブカオス
△マピュース
△パンジャタワー
△ミニトランザット

2025年5月10日土曜日

【5/10(土)予想】京都新聞杯・エプソムCの注目馬とねらい目レース(駿風S)

■京都11R/京都新聞杯 ロットブラータ

京都外回りで少頭数、なおかつ先を見据えたステップレースの側面もある3歳重賞となるとスローペースは必至。陣営は番手競馬を希望してはいますが、おそらく誰も行かなさそうなので今回もこの馬がハナを切ることが予想されます。改修後も芝コースの水はけの悪さは相変わらずで、この天気では回復は難しそう。切れ味が削がれ前目の馬に展開が向く流れの後押しもあれば。


■東京11R/エプソムカップ ラケマーダ

名目上は宝塚記念のステップレースという位置づけにつき、その本番が3週間前倒しになったことに伴いエプソムCも1か月前倒しで開催されることに。ただ、過去10年で実際にエプソムCから宝塚記念に行った馬はわずか2頭で(0,0,0,2)。中距離馬にとって上半期の総決算で、大阪杯春の天皇賞など国内に加え、サウジにドバイ、香港などいろいろな路線から直行する賞金持ちの馬が多くなったことが主因ですが、そもそもワンターンでほぼマイルといって差し支えのない東京1800mとコーナー4つの内回りコースで争われる阪神2200mとでは求められる適性が全く異なり、むしろここに出る馬は安田記念を目指した方が現実的な気もします(中3週であればできなくはない)。

ラケマーダは前走の小倉大賞典で③着。前半が流れる展開も向きましたが、ここ最近は気難しさもマシになりしっかり控えるレースが出来ています。1800mでもマイル寄りの適性が求められる舞台はぴったりで、メイショウチタンが主張するところにビーアストニッシドが追いかけ、さらに押さえの利かないシュトラウスが絡んでくる展開になればしまい勝負の色が強まることは間違いありません。カシオペアS、キャピタルS、洛陽Sと重賞好走級の馬たちと小差で走ってきていることも踏まえればここは通用してもいいはず。


■新潟11R/駿風S ウォータールグラン

二の脚の速さがセールスポイントで、促さなくても32秒台でハナに立ててしまいます。その分コーナーのあるコースではためを作った後続にやられてしまうレースが続いていますが、一息で押し切れる千直でなら見直せるはず。中枠からであればむしろかぶせる形で先行出来、自分の形に持ち込めればスピードは間違いなく通用級で。

2025年5月6日火曜日

【5/6(火・休)地方競馬予想】名古屋グランプリの注目馬

■名古屋11R/名古屋グランプリ ハギノアレグリアス

前走のアンタレスSは熱中症を発症しシンガリ負け。当日は25度近くまで気温が上がったことは確かですが、9月の阪神で行われるシリウスSを連覇しておりその理屈は当てはまらないのでは?と最初は疑問に感じました。ただ、今年のJRA古馬ローテ改正の理由の1つでもある「暑熱順化」を切り口に考えると話は変わってきます。

2025/4/19 アンタレスS(阪神)⑫着 23.7度
2024/12/1 チャンピオンズC(中京)④着 14.3度
2024/9/28 シリウスS(阪神)①着 28.8度
2024/5/18 平安S(京都)⑦着 27.8度
2024/4/14 アンタレスS(阪神)③着 22.4度
2024/3/6 ダイオライト記念(船橋)③着 14.5度
2023/12/3 チャンピオンズC(中京)⑥着 13.7度
2023/9/30 シリウスS(阪神)①着 25.8度
2023/6/28 帝王賞(大井)④着 30.8度
2023/5/20 平安S(京都)②着 23.9度
2023/3/16 名古屋大賞典(名古屋)①着 22.1度

上記は重賞を初めて制した一昨年の名古屋大賞典以降の成績と近隣観測点の当日の最高気温を示したものです。例えば連覇したシリウスS(何れも夏日)と前走(言うて23度)を見比べれば前者の方が気温が高かったわけですが、夏を超えての高温は問題なくても春先の急な気温上昇は堪えるという説を取れば説明がつく内容です。昨年の平安Sで着外に敗れたこととも整合性が付き、今日はあいにくの天気で気温が15度くらいに落ち着く(しかも弥富は海沿いの埋め立て地なのでこれより体感は寒いはず)となれば見直してよいでしょう。昨年のシリウスS~チャンピオンズCの内容はここに来てのもう一段階の成長を感じさせるもの。もう少し内枠が良かったとも思うものの不良馬場なら外を回せた方が有利と見られ、外3番手あたりを取れそうなノットゥルノと併せて狙いたいです。

2025年5月5日月曜日

【5/5(月・祝)地方競馬予想】かしわ記念の注目馬

■船橋11R/かしわ記念 ウィリアムバローズ

中央勢で唯一良馬場の船橋で勝った経験がある馬。その3走前の日テレ杯ではウシュバテソーロ、メイショウハリオ(、キャッスルトップ)といったG1級を向こうに回しての逃げ切りでした。昨年のかしわ記念は不良馬場も合わず位置を取れないレースで⑥着でしたが、前走のフェブラリーSは見た目以上に競りこまれる展開でもありました。良馬場ならシャマルの外の2番手あたりにつけられそうですし、何より3F目に息が入らないワンターンのレースは向いていないはず。コーナー4つでメリハリを持って進めれば変われてよいはずで、距離適性を疑問視されて人気しないようなら。

2025年5月4日日曜日

【5/4(日・祝)予想】天皇賞(春)の全頭評価

■京都11R/天皇賞(春)

[1]①アラタ(大野)

今の日本競馬は中距離に最適化され過ぎており、本質的にステイヤー、という馬は勝ち上がることが難しい構造になっています(2歳戦は2000mまでしかレースが無い、新馬戦の早期終了、未勝利戦も3歳9月で終了、etc.)。生産界も番組数や繁殖価値からみな最初からステイヤーを志向した配合はしないため、結果的に今の長距離路線は「中距離でも十分強いけどこっちの方がより強さを発揮できる馬」のためのレースになっています。ゆえに、中距離G3でやっと勝負になるレベルの馬では足りないというのが基本的な考えです(これは他の出走馬にも言えますが)。アラタに関して言えば中距離戦でも位置が後ろになりがちなので距離が延びることは問題ないと思いますが、基本的にはコーナー4つのレースで一瞬の脚を活かすレースがしたいタイプで3角からの長い加速に対応できるかといわれると怪しく。

[2]②ウインエアフォルク(幸)

3勝クラス馬。豪華メンバーの一昨年のJCは別としても、その他2度の重賞挑戦でも1秒以上負けている現状では。

[2]③ブロ-ザホーン(菅原明)

良いときはコース追いでしっかり負荷をかけているのですが、この中間は1週前にウッドが1本あったのみ。併入でまとめているものの最後の1Fは減速しており、やはりまだ本来の動きにはない様子。よっぽどの大雨でも降れば話は別ですが…

[3]④ジャンカズマ(野中)

前走のダイヤモンドSは最後の600mで勝負が決まる東京のレースがそのまま3400mに持ち込まれた結果、前が可愛がられての②着確保でした。ここはメンバーレベルが上がるうえ、動き出しの速い京都外回りでは。

[4]⑤サンライズアース(池添)

前走の阪神大賞典は格上挑戦で勝利。まだ物見をしながら走っており精神面の課題は残るものの、当時も途中でマコトヴェリーキーに交わされてスイッチが入ったとのことで、目標にできる馬が置ければエンジンが入るタイプのようです。今回は前目で残したい馬がそこそこ居るので道中の隊列は決まりそう。あとはそれらを直線で早々に交わした後でどこまで粘れるかが課題で、キレのあるタイプに負ける懸念はあるものの長くいい脚を遣うレーススタイルは京都に合っているはずで。

[4]⑥ヘデントール(レーン)

日本の芝レースへの適性に疑問符のつくオシェアJの乗った青葉賞以外はオール連対。ダイヤモンドSも4角からの進出で長い東京の直線を押し切るなど、自分で勝ちに行ける強みを持っています。ここ2戦が戸崎Jでしっかり折り合っての好走だっただけに、レーンJになってガツンと行ってしまわないかが不安も能力だけなら中心視。

[4]⑦プラダリア(松山)

前走の京都記念は仕掛け遅れの分の⑥着とはいえ、得意時期、得意コースということを考えれば物足りない内容。2走前の香港ⅤでクリスチャンJが積極的なレースをした分前走行きたがる面が出てしまったとのことで、この馬が池添Jでしか勝てていないことがよくわかるエピソードでもあります。一気の距離延長となるここも気性面がネックとなりそうで。

[5]⑧ショウナンラプンタ(武豊)

前走の阪神大賞典は明らかに脚を測ったレースで④着。それでもレース上りより遅い脚しか使えなかった点を考えると、元々の末脚に限界があるのかこの距離が向いていないのかのいずれかと考えられます。前者であれば、折り合い面から控える競馬に徹してきた鮫島駿Jの戦法に無理があったという話でこの手替わりがプラスに働く(=武豊J騎乗で位置が取れれば届く)可能性がありますが、後者であればそもそも誰が乗っても…という結末。菊花賞の走りからは後者のような雰囲気も感じなくはなく、また本来は左回りの方がパフォーマンスが良いだけに悩みどころですが、この鞍上でこの人気というのは押さえなければいけません。

[5]⑨シュバリエローズ(北村友)

2走前のステイヤーズSで新境地。前走の日経賞は柔らかい馬場にのめってしまっての大敗で度外視できるレースでしたが、一瞬のキレというよりは前付けしてしぶとさを活かしたいタイプで京都コースは向いています。折り合いにも進境がみられる今なら中距離戦でくすぶっていた鬱憤を晴らす走りも。

[6]⑩リミットバスター(岩田康)

前走で2勝クラスを勝ったばかり。杉山晴師はやけに強気ですが、もまれ弱さを抱え少頭数戦でないと好走が難しく、インにこだわる鞍上との相性は最悪なはず。

[6]⑪マイネルエンペラー(丹内)

マイネテレジアには一貫してステイゴールドおよびその仔がつけられており、ステイゴールド産駒の兄マイネルファンロンは22年のこのレースで⑥着、ゴールドシップ産駒の全姉ユーバーレーベンはオークス馬と長いところの適性を持っている母系と言えます。マイネルエンペラーにしても今まで使われてなかっただけで、血統的にはここでやれて何ら問題はありません。ただ丹内Jは関西圏では別人のように大人しく、元々騎乗数が少ないのもありますが京都芝では15年前に1回勝ったのみで通算は(1,3,2,61)となかなか厳しい数字。20-21年に放映された大河ドラマ「麒麟がくる」は本能寺の変で敗走する途中で討ち取られたとされた光秀が丹波の山奥で生きていた、という結末ですが、函館出身のキリンさんは果たして勝って帰ることができるのか。

[7]⑫ワープスピード(横山和)

昨春の天皇賞は条件線上りのスマートファントムが差して④着するような消耗戦を差して⑤着。とはいえ末脚はそのスマートファントムや先行した上位勢にも劣るもので、ステイヤーとしての資質が高まっているというより年々スピードが衰えているといった方が正しいでしょう。前走の阪神大賞典は前に出した分度外視できるレースとは言え、メンバーレベルも上がるここで前進は望めず。

[7]⑬ジャスティンパレス(鮫島駿)

昨年はドバイ遠征から宝塚記念へ直行するローテでこのレースをパス。それも含めて一昨年にここを勝って以降はずっと中距離戦を使われ今一歩のレースが続いてきましたが、やっとこの馬を中心視できる条件になったと言えます。何度も言及していますが、この馬はパラメータを体力に振られたタイプで長距離戦や超絶ハイペース戦(一昨年秋の天皇賞)など他の馬が体力を削がれる局面で力を発揮するタイプ。中距離戦ではキレ勝負で負けてしまうところも、消耗戦必至の長距離戦では見直さなければいけません。

[8]⑭ビザンチンドリーム(シュタルケ)

前走のレッドシーターフハンデは新たな一面を見せたものの、ステイフーリッシュが勝つなど代々このレースは日本のG2~G3級の馬が通用し得るレベル。海外のステイヤーレースは欧州の重い芝が中心で、日本に近い時計の出るサウジの長距離戦となるとどうしても層が薄くなってしまいます。昨年の菊花賞も後方有利展開に乗じての⑤着では嵌った感が強く、ペースを引っ張る先行馬が見当たらない今回は展開面も厳しく。

[8]⑮ハヤテノフクノスケ(岩田望)

青森県産、血統的背景からも人気が先行しがちですが、昨年の菊花賞では後方から運ぶも2秒以上離されての大敗。条件戦のペースでは何とかなってもここでは。

<予想>
◎ジャスティンパレス
○サンライズアース
▲ヘデントール
△ショウナンラプンタ
△シュヴァリエローズ
△マイネルエンペラー

2025年5月3日土曜日

【5/3(土・祝)予想】京王杯SC・ユニコーンSの注目馬とねらい目レース(東京7R)

■東京11R/京王杯スプリングカップ アサカラキング

過去距離短縮局面では④①①①着。唯一の着外は3歳春に走った2000m戦で、マイル以下に限ればモルガナイトSも含めパーフェクトの成績です。3走前の阪神CはG1級のメンバーに交じって差し有利展開を果敢に逃げて0.4差の④着と健闘。2走前の阪急杯も外差し決着の中逃げ粘っての②着と展開に抗って好走を続けており、外枠に差し追い込み馬が集まった今回のメンバー構成なら急かされずに自分のペースで先行できるでしょう。今の東京が差し追い込み有利なのは承知の上ですが、距離延長ローテの馬の多い今回は前が甘やかされる期待も込みで。


■京都11R/ユニコーンステークス ベリタバグス

4走前の1勝クラスでジャナドリア(雲取賞①着、羽田盃③着)の②着、3走前の黒竹賞でルクソールカフェの②着と世代上位と差のない競馬をしています。気難しさを見せる一面があり、ここ2戦は決して折り合いが上手とは言えないキング、モレイラ各Jが乗って④③着と勝ち切れていませんがこれが実力ではなく、藤岡佑Jへの手替わりでじっくり運ぶレースが出来れば変わっていいはずです。


■東京7R ネオゴールド

左にもたれる面があるのですが、脚元が弱く休み休み使われた都合もありここまで右回りしか使われてきません。今回は爪不安明けの一戦ですがようやく左回りに使われるのはプラス材料で、めぼしい先行馬も居ないここは距離延長で先手を取れれば押し切れる期待も。

2025年4月29日火曜日

【4/29(火・祝)地方競馬予想】羽田盃の注目馬

■大井11R/羽田盃 アメージング

3走前の黒竹賞ではルクソールカフェにびっしり競られて⑤着。確勝を期して早目に仕掛けてきた相手に対し4角から応戦するも直線では失速してしまいました。それでも並みの馬ならバッタリ止まりそうなところ、ルクソールカフェの後ろから一緒に上昇してきたスナッピードレッサとの⑤着争いに踏みとどまったあたりはよく残したと言えるでしょう。前走の京浜盃にしてもリコースパローにハナを譲った分だらしない競馬になったもので、田邊J(NAR表記)もハナに行けなかったことを敗因に挙げているあたり今回はしっかり主張するはずです。スマイルマンボとの兼ね合いが鍵も、前走初の1800mでハナを切って⑤着という結果を踏まえれば向こうは控えて脚を溜めたいところで、行き切った時の強さは4走前、2走前のパフォーマンスを見れば評価できるもの。特に2走前は4角から断然人気のサムシャインにこれまたびっしり競られるも逆に返り討ちにしての勝利で、流石にルクソールカフェと比べればここはメンバーも落ち着くだけに本来の強さを発揮できる舞台と見ます。

2025年4月27日日曜日

【4/27(日)予想】フローラSの注目馬

■東京11R/サンケイスポーツ賞フローラステークス タガノアビー

昨日の東京は芝レースが5R組まれていましたが、ペースの速い遅いにかかわらずすべて差し追い込み勢が勝利。4角先頭の馬は③着が1回あったのみで、先行馬も②③着がそれぞれ1回と先行受難(しかも何れも3番人気以内)のコンディションでした。昨年同様にエアレーション作業を行い差しが効いた部分もありますが、直前の雨でもう少し末脚が削がれると思った青葉賞でさえ外差し決着、好位にいたゲルチュタール(4人気)が外差し2頭に権利を搔っ攫われてしまう展開となれば、先行有利のフローラステークスとて差し勢の台頭に留意する必要がありそうです。

牝馬にとって2000mという距離は長距離戦の部類で、ここに出てくる馬は「距離不足で差し届かなかった馬」と「スピード不足で平均速度の下がる中距離戦で先行して成績をあげる馬」に分かれると考えられます。例えばフラワーカップで言うところのゴーソーファーは前者で、勝ったレーゼドラマは後者だったと言えますが中山だからああいう結果になったという話で、これを東京でやっていたらこの2頭の着順は逆だったかもしれません。2000mを走り切れる馬が多くないという3歳牝馬同士のレースであるが故内枠先行優位に出ていますが、逆に言えば2000mを走り切れるのであればしっかり末脚を遣える馬の方が本来有利なはずで、今の東京のコンディションを考えればそういう馬を探したいと思います。

名前の出たゴーソーファーやエストゥペンダもいいのですが、過去10年の勝ち馬のうち8頭が8番枠以内の内枠。それならば毎回最速の上りを遣いつつ、距離を伸ばしながら成績を上げてきたタガノアビーの伸びしろに賭けたいです。前走の未勝利戦はスタートで挟まれ位置取りを落としたものの外々を回っての差し切り。3角から下り坂で加速する小倉(特に中距離戦)では外を回ると遠心力で余計に振られてしまうため不利なのですが、それを押し切ったのですから見た目以上のパフォーマンスと言えます。隣のロートホルンは逃げるでしょうからゲートで邪魔をされる懸念も小さく、有力どころがこぞって外目を引いた今回狙いたい存在です。

2025年4月26日土曜日

【4/26(土)予想】青葉賞の注目馬

■東京11R/テレビ東京杯青葉賞 ホウオウアートマン

過去10年で差し追い込み勢が8勝と圧倒的な後方有利レースですが、今年から開催が1週繰り上がりフローラSとともに開幕週に行われることに。トライアルという性質を考えればどの馬も行かせたくない舞台で、折り合いの懸念のあるガルダイアも池添Jとなればがっちり抑えて運びたいはず(そもそも気性面でダービーを目指すべき馬ではないと思いますが、国枝厩舎のラストイヤーなのでNHKマイルCで妥協するという選択肢はなかった様子)。一方でホウオウアートマンはここで初ブリンカー。2走前の未勝利戦は向こう正面からのまくりに応戦しながらも最後まで伸び続ける見どころのある内容で、あれを見る限りは前に行って自分のタイミングで脚を遣った方が良さそうなだけに、単騎逃げが可能&次を見据えて控える人馬が多くスローペースが見込め、かつ内前有利のコンディションが期待できる今の東京でならねらい目はあるでしょう。

2025年4月20日日曜日

【4/20(日)予想】皐月賞の全頭評価・福島牝馬Sの注目馬とねらい目レース(野島崎特別)

■中山11R/皐月賞

[1]①ニシノエージェント(津村)

ホープフルSがG1に昇格して以降の施行となる2018年以降の京成杯に顕著なのが「展開を利して勝った馬」と「力の違いを見せつけて勝った馬」の差です。具体的には前者は「先行押し切りor後方一気」で展開に乗じて勝ったケース、後者は中団につけて直線で末脚を繰り出して勝ったケースを指します。

[展開利パターン]4角位置→その後の成績
18年ジェネラーレウーノ(2番手)→皐月賞③着、セントライト記念勝ち
19年ラストドラフト(先頭)→その後平地で勝ち星なし
20年クリスタルブラック(10番手)→その後勝ち星なし(長期休養中、てかまだ抹消してなかったんだ)
21年グラティアス(2番手)→その後勝ち星なし
22年オニャンコポン(10番手)→その後勝ち星なし

[実力パターン]
23年ソールオリエンス(5番手)→皐月賞
24年ダノンデサイル(5番手)→DSC、ダービー

まとめると、極端な位置取りや戦法で展開利で勝った馬はその後多くが奮わず、逆に道中ついていくスピードに加えて脚もしっかり見せた馬はその後も活躍を続けています(ソールオリエンスはカウント上5番手ですが極端な戦法という意味では前者に該当するかも)。ニシノエージェントは4角位置こそ6番手でしたが、早目に先行馬が垂れてきた分番手が繰り上がった格好。3角11番手は実質的に追い込み競馬で勝ったもので、流石に皐月賞に出てくるメンバーはそう簡単に垂れないだけに。

[1]②エリキング(川田)

骨折休養明け。前走の京都2歳Sは川田Jが「無理やり動かした」と語るほど直線での反応が悪く、何とか間に合ったというレース。少頭数戦しか経験がないうえ器用さに欠けるところがあり、中山の内枠というのもマイナスです。

[2]③キングスコール(藤岡佑)

この馬もまた跳びが大きく不器用なところがあり、多頭数戦の内枠はマイナス材料です。前走のスプリングSは落鉄しながら③着と力はあるのですが、ここよりもダービーが楽しみな存在です。

[2]④ジュタ(坂井)

前走の弥生賞は4角でごちゃついたときに馬が止めてしまったとのこと。不器用さと繊細さをはらみ、多頭数戦の内枠では買いにくいです。

[3]⑤ジョバンニ(松山)

若葉Sでもタイム差なしの勝利だったように、常に相手なりで勝ち身に遅いところがありますが器用さと一瞬の脚で京都2歳S・ホープフルSと小回りコースを②着と健闘。立ち回りで着を拾うタイプなだけにゲートの悪さがネックでしたがそれも解消され、1週前には格下相手とはいえウッドで50秒台~しまい2Fにわたって11秒台をマークするなど動きの良さが目立つ中間。ホープフルSは現時点での完成度でクロワデュノールに完敗を喫しましたが、目下の充実度であればその差はもう少し詰まってもよいはずで。

[3]⑥マスカレードボール(横山武)

気持ちの高ぶりやすいタイプであるだけに地下馬道を通る必要が無いのはプラスに働くでしょうが、ホープフルSは荒れ馬場に脚を取られたとの話で跳びの大きいタイプはイコール大箱向きとも言え、陣営が口をそろえて語るように東京の方が良いのは事実でしょう。加えて祖母のビハインドザマスクは現役時代12~1400mを主戦場にしていたスピードタイプで、ワンターンの直線でトップスピードに乗せる走りが得意なクチなだけにここが全力かといわれると怪しく。

[4]⑦フクノブルーレイク(松岡)

重馬場が得意というよりは使える上りに限界があるタイプで、前走のスプリングSは重馬場で切れ味が削がれる展開の中で相対的に浮上できた②着でした。前半1000mが60秒を切る締まった流れを走ったのは新馬戦のみで、キャリア唯一の着外がその新馬戦となるとここは脚が溜まらない懸念が。

[4]⑧ジーティーアダマン(岩田望)

逃げて2連勝。必ずしもペースに恵まれてのものではなく、前走のすみれSは59.5の流れを自ら刻んで上りも35.1でまとめるという好内容でした。とはいえ時計が出たのは開幕初日、しかもただの開幕週ではなく約1年の休催明けという絶好のコンディションで1番枠からのイン逃げだった分もあり。母カウニスクッカも行き切ってこそというタイプだっただけに、逃げ馬クラッシャーがいる今回は楽な戦いにはならないでしょう。

[5]⑨ピコチャンブラック(石橋脩)

前走のスプリングSは結果的にラチ沿いを運んだ先行勢が潰れた上、重馬場で後ろから誰も来なかったというレース。外3番手にいたことが勝因としか言いようのないレースで、やはり本来は控えるよりも行き切ってしまった方が良さが出るタイプです。新馬戦のパフォーマンスからも持てる力は相当なはずですが、いかんせん当日のメンタル次第という馬だけにあてにはしずらく。

[5]⑩クロワデュノール(北村友)

デビューから2戦が前目からの最速上がり、前走のホープフルSは中団から運ぶもファウストラーゼンを追いかけるように4角までで好位につけて直線突き放すレースを見せ、同世代には敗けようがないと感じさせる内容。3か月半ぶりとなるここも1週前の時点で長めから併せてラストに10秒台まで加速する追い切りを見せ、中間の調整に抜かりはありません。2戦目の東スポ杯の時に+24kgと大幅な馬体増を見せた後、ここまでの過程で体重が増えている様子はないだけに成長力という点では他の馬の方が上でしょうが、この先はともかく少なくともこの段階までは現状の力を出せれば勝負になっていいでしょう。

[6]⑪ミュージアムマイル(モレイラ)

モレイラJはこのコースで(4,3,2,1)と複勝率90%。昨年②着に持ってきたコスモキュランダはその後デムーロJに手綱が戻っても今一つな成績が続いているように、プラスアルファの瞬発力を引き出すことに長けていると言え、その点でトリッキーな中山コースは向いているタイプでもあります。ミュージアムマイル自身は3戦目の黄菊賞のパフォーマンスからも距離はこのくらいの方が良く、朝日杯FSも必ずしも適距離と言えない条件でアドマイヤズームに0.4差の②着なら上出来でしょう。弥生賞は重馬場を苦にしての④着で、良馬場で鞍上強化となるここは巻き返し必至と見ます。

[6]⑫ドラゴンブースト(丹内)

京成杯は勝手に前が垂れてきたところを外から交わしての②着。それでいてさらに後ろにいたニシノエージェントに差されていることを考えれば距離が伸びてよいタイプでもなさそうで。

[7]⑬アロヒアリイ(横山和)

2走前は自身のさらに外を回ったゴーソーファーに差されて②着、前走の弥生賞もファウストラーゼンが向こう正面でまくって流れが速くなり前を行く馬が厳しくなったところを最後の最後に脚を遣っての②着。そもそもファウストラーゼンが37秒も上がりかかっているのにそれを差せない時点で上りの限界を露呈した格好で、他に脚を遣える馬がいっぱいいるここでは。

[7]⑭カラマティアノス(戸崎)

前走の共同通信杯は直線ヨレながら走るマスカレードボールに突き放されての②着。レイデオロ産駒らしく陣営はギアチェンジ能力への懸念を口にしており、調教の時も一気に加速するとその反動で苦しくなる様子。指摘されているモタれ癖もそこから来ているようで、左回りというより残り2F目のトップスピード比べとなりやすい東京コースが向いてなく、4角からじわっと加速し坂上でトップスピードになる中山の形態であればモタれずに最後まで走り切れることが期待できます。ダービーよりもここというタイプで、人気が上がり切る前の今がねらい目という考え方も。

[7]⑮ヴィンセンシオ(ルメール)

前走の弥生賞は道中ハナを切って運ぶもファウストラーゼンのまくりに遭い②着。大型馬で緩い馬場のグリップに苦労しながらも道中速くなったところも耐え、後続の追撃を封じたあたりは能力を見せました。ただ体質的に間隔を取って使いたいタイプで、これまでも3か月の間隔でレースを使われてきた経緯もあるだけに中5週で整ったかどうかは気になるところ。陣営も1週前までは前走のダメージからの立ち上げに苦労した旨を語ってもおり、若干間に合わせた感は否めません。

[8]⑯サトノシャイニング(西村淳)

前走のきさらぎ賞は前に馬を置く形をとって差し切り勝ち。②着に降したリンクスティップは桜花賞③着、③着のランスオブカオスは毎日杯を勝つなど、メンバーレベルの高い一戦でした。ただ当時は1800m戦にしてはマイルに近いペースで流れた分もあり今回距離延長で折り合いが課題となるのと、揉まれたくないだけに外目を通るとファウストラーゼンのまくりをモロに受ける懸念もあり、スムーズに走り切れるかも試練となるだけに。

[8]⑰ファウストラーゼン(杉原)

母ペイシャフェリスも前傾ラップを押し切るタイプの逃げ馬で、スタートで出ていかないこの馬が減速ラップを走り切る流れに持ち込むためにはまくりを打つのが最適という現状。やることが決まっているタイプなので結局は対応できる馬の数=道中動いてもなお最後まで脚を遣える馬がどれだけいるかで成績が変わってきます。今まではそれが居なかったかいてもクロワデュノール程度でしたが、今回はじっと我慢して最後に脚を遣えそうな馬がもう少し居そうなのとつられて引っ掛かってしまいそうな馬も出てくる懸念が。

[8]⑱マジックサンズ(佐々木)

骨折明け。前走のホープフルSは行きたがってしまい馬ごみに入れられず、ファウストラーゼンにまくられたあたりでスコーンと抜けてしまったような失速の仕方。コナブリュワーズの仔は気性面の問題が尾を引き頭打ちになるケースが多く、大外枠を引いてしまったのでは折り合いが厳しく。

<予想>
◎カラマティアノス
○ミュージアムマイル
▲クロワデュノール
△ジョバンニ
△サトノシャイニング
△ファウストラーゼン


■福島11R/福島牝馬S ホーエリート

このレースは非主流種牡馬が活躍しやすいレース。過去10年で最多の19頭を送り出したディープインパクト産駒は(0,3,3,13)で何と勝ち星なし。この間の勝ち馬を見てもSS系が4勝に対し圧倒的に出走数が少ない非SS系が6勝と優勢で、うち4勝はルーラーシップが2勝と、同じミスプロ系の種牡馬から出ています。

今回ミスプロ系はルーラーシップ産駒が2頭。中でもホーエリートはフラワーC②着と実績もあるうえ、根幹距離で(0,0,0,5)に対し非根幹距離は(2,2,1,0)と得意にしているクチ。アリスヴェリテにペイシャフラワーが絡み、セキトバイーストも早めの競馬をするとなると動き出しが早い展開になり、最後の最後で脚を遣える馬が浮上しうる流れになりそうなのもプラスでしょう。

■中山9R/野島崎特別 ピンクジン

現級で常に差のない好走を続けながらも、地味な血統と勝負服のせいかなぜか人気しない存在。昨年のこの時期には格上挑戦で福島牝馬S④着するなど立ち回り一つでここを突破できるはずで、内枠を引いたにもかかわらずシンガリ人気で放置されるようならねらい目も。