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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2022年12月31日土曜日

【2022年の収支報告】

【2022年】
的中:45/242R(18.6%)
※本命抜擢馬の確定着順が3着以内となったレースを「的中」としています。

単勝回収率:36.8%
複勝回収率:76.1%

【本命抜擢馬と結果の一覧】(クリックで拡大します)


 自分は毎年目標を「複勝回収率80%」に置いています。馬券収支を上向かせるためにはまず、軸馬をしっかりと見定めるスキルを高めることが必要と考えています。そして、それを示す客観的な要素として最もブレが小さいのが複勝です。馬券の当たりはずれは相手のあるなしなどによって変わってきますが、ちゃんと上位に来る馬を見定められているかだけでいえば複勝が一番シンプルだからです。

 ではそれならば本来「100%」とすべきなのではないか?となりますが、複勝の払戻率は年間通じて80%に固定されているうえ、他の券種に比べてオッズの旨味が少ないため、実際の馬券勝負の上では他の券種で的中となることもあると考えた時に、概ね複勝で払戻率以上を稼げていれば年間プラスが見えてくるという見立てからです。

 今年もその目標にはわずかに及ばず。何より昨年と比較して酷くなったのが単勝回収率の低さ。要は①着に来る馬を当てられていないわけです。自分は買い方として「単勝だけ」買うことは稀にあっても「複勝だけ」買うことはまずないため、③着以内で複勝の払い戻しを得ることに加えて①着になることで単勝の払戻金をいかに上乗せできるかで最終的な収支も変わってきます。

 実際の年間収支がこちら。


 10倍以上の複勝的中もあった序盤の勢いは続かず、88%で着地。特に今年は「人気サイドを大きく狙って失敗する」「同じ馬を複数回狙ってことごとく外す」パターンが多く、ここら辺は自分自身が我慢できるか否かの戦いなわけです。馬券は買わなければ当たらないのですが、今の自分は「何を買わないか」が決められていない、いや、心に決めているつもりではあるのですがついつい出来心で買ってしまうケースがあるが故、自分に打ち勝てていない現状が如実に結果に現れていると自省しています。

 他方、完全に自己満足とはいえこうして毎週見解を立てて検証する試みは確実に自分の力になっており、むしろ仕事より熱心にPDCAサイクルを回せていると思います(笑)。そこに競馬がある限り、毎週末の戦いは今後も続いていきます。

 今年もお付き合いいただき、ありがとうございました。

2022年12月27日火曜日

【12/28(水)予想】ホープフルSの注目馬とねらい目レース(ベテルギウスS、阪神6R)

■中山11R/ホープフルステークス ミッキーカプチーノ

前走葉牡丹賞の1.59.1という勝ち時計は、実は今年行われた中山芝2000m戦で最も速いタイムでした。皐月賞のジオグリフでさえ1.59.7。G1をコンマ6秒も上回る時計をノーステッキで叩き出したのですから、現時点での完成度が相当高いと言えるでしょう。しかもレコード決着にありがちな「捨て身の逃げ馬が潰れて上がり最速の馬が勝った」というパターンではなく、前半60.0秒という2歳戦にしてはやや速い、という程度のペースでそれなりの位置を取って自ら勝ちに行ったレースですからその価値はなおさら高いです。

元々この馬の勝った新馬戦が相当ハイレベルで、京都2歳Sの勝ち馬グリューネグリーン(③着)を筆頭に②~④着馬が全て次走で即勝ち上がり。関西馬ながらに東京デビュー~中山遠征を既に経験しており環境が変わることへの不安も皆無。何より、矢作厩舎にとって連戦はお手の物なわけです。


上記は、全国リーディングを確定させた今年のローテーション別の成績。「使いながら成績も状態も上げる」のが師のスタイルで、間隔4週(=中3週)が最も高い成績となっています。このホープフルSを含む開催は「12/24・25および28」と1節に括られており表記上は中2週となりますが、水曜日の開催ですから実質的には「間隔3.5週=中2.5週」というのが正しいでしょう。上記の表でもスイートスポットにかなり近いと言えるローテは心強く、ごちゃつきやすい内目の枠よりはゲート入りも最後になる大外は歓迎のクチ。人気は必至でも先物買いで大きく狙いたい舞台です。


■阪神11R/ベテルギウスS ルリアン

前走のブラジルカップで0.4差③着した相手は木曜の東京大賞典でも人気が予想されるウシュバテソーロ。不良馬場で前が止まらなかったラジオ日本賞を取りこぼした以外は何れも完勝で、直線向いてヨーイドンが通用する大箱コースではちょっと手も足も出ないレベルで強いです。その実績を引っ提げて挑むここは相手関係も楽になるうえ、長く脚を使えるタイプでない分コース替わりと内枠は好材料。斤量差が詰まる点をクリアできればここでも上位争い可能でしょう。


■阪神6R メイクザビート

前走の未勝利戦ではスローペースを中団で折り合いつつ、向こう正面から鞭を入れて自らまくりに行くタフなレースで勝ち切りました。前半1000mで13秒台の続いていたラップが12秒台になったタイミングで脚を使い、最後の区間はまた13秒台になっているように厳しい展開で差し切ったのは額面以上に強かったと言え、現に当時の②③着馬は次走で即勝ち上がっているようにレベルも相当なものでした。ユティタムが人気先行でこちらにオッズの旨味が。

2022年12月25日日曜日

【12/25(日)予想】有馬記念の全頭評価とねらい目レース(中山7R)

■中山11R/有馬記念

[1]①アカイイト(幸)

この馬の好走は「まくりが決まるか否か」にかかっています。まくりの決まる条件としては「先行馬がバテる距離や展開」「外有利の馬場」「平均以上のラップ」が挙げられますが、それらが全て揃ったのが昨年のエリザベス女王杯と言えます。タイトルホルダーが引っ張れば中盤で必ず緩みますから向こう正面で仕掛けていく展開にできれば確かに良いですが、割と展開の向いた今年のエリ女でも0.7差④着。距離適性の都合上バテる馬の多い牝馬戦と違い、それなりに力のある先行勢の揃ったこの舞台で、それ以上に恵まれる期待は薄いです。

[1]②イズジョーノキセキ(岩田康)

前走のエリザベス女王杯はスタート直後に2回ほど挟まれ頭を上げるシーンが。直線でお釣りを残せず1.5差の⑩着でしたが、代役のルメールJが府中牝馬Sの再現よろしく中途半端に内にこだわった分、馬場の悪いところを走らされたことも災いしました。元々重馬場では(0,0,0,2)という馬でもあり、外差し展開もあり度外視できる敗戦でした。

その点今回は最高と言ってよい枠を引け、立ち回りの巧さを活かせるこのコースは向くはず。まくり勢の直撃を避け、ギリギリまで待って内を突くレースができればアッと言わせるシーンも。

[2]③ボルドグフーシュ(福永)

スタートに課題があり、追走力にも難がある現状につき中盤までのどこかで緩むパートが無いと厳しいです。故に2000m以下のレースでは終始緩まず脚を使えませんが、2200m以上のレースに絞ることで成績が安定しています。今回もタイトルホルダー以外に行きそうな馬が居ないため中盤で緩むことが想定されることから展開は向きそうで、あとはスタートの不利をどれだけ小さくできるかがカギになってきます。福永Jはテン乗りですが中間に2度騎乗しておりある程度の傾向も掴んだとのことで、後ろからの競馬にはこだわらない姿勢を示しています。スタートを決め好位のインで立ち回ることが叶えば、違った一面を見られる可能性もあるでしょう。

一方、今回が初の遠征競馬となる点は気がかり。父スクリーンヒーローの好走歴は東京・中山・札幌と近距離輸送か滞在競馬でのもので、同馬の産駒で現役最高賞金のウインマリリンも先日のエリ女・香港で好走するまでは遠征競馬で取りこぼし続けていました(それ以前に体調の問題も大きかったですが)。代表産駒のモーリス、ゴールドアクターも関西圏の出走が少ないながら良績は自ブロックに集中しており、雪による通行止めの影響を受け14時間ほどかかってしまった点がどう出るでしょうか。

[2]④アリストテレス(武豊)

集中力を欠く点があり、武豊Jの跨った3戦ではいずれも控える競馬を試みましたが⑨⑥⑰着。元々グレースアドマイヤの牝系は上りの速さよりタフさに強みを持つタイプが多く、2500mを走って最後に急坂という有馬記念の舞台は適性が高いはずです。それでも昨年の京都大賞典のようにかなり展開が向いた中でも勝ち切れなかったことを思えばG1でどうこうというレベルではないのですが、今回から着用するブリンカーの効果が大きいようでポジションが取れるとなれば鞍上込みで侮れない存在です。

[3]⑤ジェラルディーナ(C.デムーロ)

輸送障害の難を逃れ前日昼前に中山入りを果たした数少ない1頭。ここ2戦は正直馬場バイアスに乗っかっての勝利だと見ていますが、それをものにできるのはこの馬の機動力の高さ故で、真っ向勝負の舞台より紛れのあるこういうコースの方が相対的に走れるという部分もあります。

加えて心強いのが鞍上。クリスチャンJは今回の免許期間(約1か月)でエリ女を含む19勝の固め打ち。土曜日も3勝2着2回と高い馬質を確実に馬券にしています。但し今回の免許期間中に2回の騎乗停止を受けたため、制度上今回の免許期間(~12/28)の終了後1年間は次回の免許が交付されないことから実質的に来年は日本での騎乗が不可能となります。逆を言えば、今からどれだけ荒っぽい騎乗をしても騎乗停止を受けるのは2節後ですから本人にとってはノーダメージ。後先を考えない騎乗ができるという意味では最も怖い鞍上と言えるでしょう。

[3]⑥ヴェラアズール(松山)

前走のJCではペースが落ち着いた分、外を回していたら間に合わない可能性があった中でここしかない、という進路を見事に伸びてきました。その前の京都大賞典で末脚は証明済であったわけですが、やはり日本人ではあのような詰まり覚悟の進路取りは出来ないですからムーアJの起用は大正解だったと言えるでしょう。故に東京や阪神の外回りのようにしっかり末脚を使える舞台でこそ力を発揮でき、中山では5走前にサンシャインSで③着と取りこぼしているように本質的に間に合いません。一昨年のように良い時の松山Jであれば中を割ってくる騎乗も期待できますが、トリッキーな中山でそこまで器用なレースができる馬ではそもそも無いだけに。

[4]⑦エフフォーリア(横山武)

闘争心を呼び戻すためブリンカーを着けて臨んだ前走の宝塚記念も見せ場を作れず⑨着。この中間も2週にわたり3頭併せの中で追われ、調子自体は春よりは良いという陣営コメントであるものの、直前の追い切りに跨った鞍上からは「以前の姿を求めるのではなく、現状を受け入れたい」という後ろ向きな談話も。実績馬にとって気持ちの問題は身体よりも大きく、併せてファイトバックしてこない現状を見ると復活にはまだ遠く。

[4]⑧ウインマイティー(和田竜)

好走歴のほとんどは牝馬限定戦で「牝馬の中では2000m超に対応できる体力がある」という点から相対的に着順を上げている側面があります。京都大賞典の③着も、④着以下は正直G3レベル以下のメンバーが揃う中で差し勢としては内を進めた分の好走で、この馬自身の力で着をもぎ取った印象は持てませんでした。ここはメンバーも強く、他に恩恵を受けられる馬も多いだけに。

[5]⑨イクイノックス(ルメール)

血統的には中山で走れておかしくはないのですが、高いパフォーマンスを見せたのは東京コース。ダービーでは距離もあってか最後止まりましたが、前走の天皇賞(秋)では32秒台の鬼脚で歴史に残る差し切り勝ちを見せました。ただ、有馬記念に求められるのは「中距離向きのスピード」というよりは「上手く立ち回れる機動力」なわけで、皐月賞のパフォーマンスも考えると急坂の中山+距離延長は必ずしもプラスではないでしょう。自分の競馬をして直線でどこまで、というタイプにつき頭固定の買い方はしにくいかと…

[5]⑩ジャスティンパレス(マーカンド)

前走の菊花賞では好位から前を捉えきれず③着でしたが、4角でビーアストニッシドとディナースタが壁になり一度ブレーキを踏むロスがありました。ロングスパートを身上とするこの馬にとって加速を遮られるのは痛く、最後ボルドグフーシュに差し返されたのもスムーズに脚を使えなかった分と見ます。

昨年のホープフルSで掛かりながらも②着したように、早目の進出からタフさが求められる中山コースは向いており、前走からの距離短縮ローテで折り合い面の心配もありません。初騎乗となるマーカンドJも好位を取って運ぶ構えを見せており、この馬の良さを活かせる騎乗をしてくれるはずです。実績面は一枚劣るも舞台適性はピカイチ。輸送をこなせれば一発も。

[6]⑪ラストドラフト(三浦)

この秋はオクトーバーS、アルゼンチン共和国杯と2度使われいずれも0.2差で②⑤着。冬場に調子を上げる馬らしく体調は上向きですが、最近は展開頼みの部分が強く中山では間に合わない可能性が高いです。仮に脚を使えたとしても、他にも末脚自慢はいっぱいいるだけに。

[6]⑫ポタジェ(吉田隼)

馬場の良いインを通って押し切るタイプで、ここ2戦は苦手な瞬発力勝負に持ち込まれ良いところを出せず。イン有利の馬場は良いのですが、この枠からだとポジションを取るのに苦労しそうです。

[7]⑬タイトルホルダー(横山和)

やりにくいパンサラッサが居ない分スンナリハナは叩けそうで、そうなると菊花賞や天皇賞(春)のように中盤でしっかり落として逃げ込みを図るラップが刻めるでしょう。尋常に考えれば昨年以上が見込める舞台ではありますが、前走タフな馬場を走った影響がどこまでかは推し量るのが難しいところです。中間も入念に乗り込んではいますが、相手は基本的に格下で併入・先着して当たり前というメンバー。加えて今回はアカイイトがまくり戦法を示唆しており、タイミングによっては直撃を受ける可能性もあり最後の最後で止まる可能性も考える必要があると見ます。

[7]⑭ボッケリーニ(浜中)

切れる脚が無い分スローの決め手比べは分が悪いですが、かといって道中が流れると脚を溜められず。流れにくく上がりのかかる中山2500m自体は合うのですが、過去中3週以下の連続遠征の経験が無く、調教負荷自体も前回が併せ馬だったのに対し今回の最終は単走。前走以上を見込めない臨戦過程で相手強化となると?

[8]⑮ブレークアップ(戸崎)

前走のアルゼンチン共和国杯はキングオブドラゴンのアクシデントをうまく避け、緩んだ中盤区間でしっかり溜めを作れた分もあり後続を完封。戦前、手綱を取った田辺J曰く距離適性は半信半疑のところもあったとのことでしたが、ここに来ての成長を感じるレースでもありました。一方、好位を取れるかがカギとなる馬で4角4番手以下なら(0,0,1,4)。先行争いの上では最悪の枠を引いてしまったとも言え、強力な同型もいるここでは。

[8]⑯ディープボンド(川田)

タイトルホルダーの項で述べた通り、アカイイトの早仕掛けがあったとすればタフなレースになりこの馬の強みが活きる展開になる期待はあります。但し、この枠を引いてしまった以上その際にまくりの直撃を受ける可能性が高く、ここからインを取るのはいくら川田Jと言えど難易度は相当高いはずです。

<予想>
◎ジャスティンパレス
○ジェラルディーナ
▲イクイノックス
△タイトルホルダー
△ボルドグフーシュ
△アリストテレス
△イズジョーノキセキ


■中山7R クリノパイソン

デビューが3歳秋にずれ込み、園田でデビュー2連勝ののち中央転入という変わり種。連続騎乗の秋山稔Jが徐々に手の内に入れており、使われながらレースぶりが良化しています。前走は前半が64.6という超スローペースを中団から脚を伸ばして0.6差の④着しており、息を入れながら運べるこのコースも合うタイプ。ポジションを取りたい馬が何頭かいるメンバー構成で展開も向く期待ありで穴に。


2022年12月24日土曜日

【12/24(土)予想】阪神Cの注目馬

■阪神11R/阪神カップ ルチェカリーナ

前走の奥多摩Sは前半が35.2と芝1400m戦としてはかなりのスローペース。それを中団外で待機し差し切ったのですが、直線では馬なりで差を詰めて追い出したのは坂を上ってから。実質本気で走ったのは半分程度ながら33.3の最速上りをマークしており、相手に恵まれたこともありましたがポテンシャルの高さを伺わせる内容でした。元々芝1400mでは(2,2,2,0)と崩れてなく、前傾戦・後傾戦いずれでも勝っているようにペースも不問。混戦模様のメンバーであればいきなり通用の目もあるでしょう。

2022年12月18日日曜日

【12/18(日)予想】朝日杯FSの注目馬

■阪神11R/朝日杯フューチュリティステークス スズカダブル


本命と矛盾するデータですが、阪神開催となった2014年以降の朝日杯では1枠が3勝、3~5枠がそれぞれ1勝ずつしており、外枠勢受難の傾向です。加えて今開催の阪神は見た目ほどラチ沿いは悪くなく、昨日のタンザナイトSも5番-6番-2番のイン決着。逃げたアスタールビーが1.1差⑬着ですので逃げ馬が有利とまでは言い切れませんが、勝ったグルーヴィットが岩田康J騎乗というのにも現れている通り、最後の直線でインを取れるポジションを確保できるかがカギになってきます。

今回はスタートさえ決まればスピードの違いでフロムダスクがハナに立つのは間違いなく、デビューから3戦すべてで逃げているオールパルフェ、前走アッと言わせたグラニットをはじめ先行勢も比較的揃っています。特にホープフルSがG1になって以降、中距離馬がそちらに行くようになり以前にもましてスピードタイプが顔をそろえるようになった結果、同程度のスピードを持っていれば内枠にいた方が良いポジションを取れるわけですから内枠の成績が良くなるのも当然という話です。しかしながら、位置取りを左右するのは枠もそうですが鞍上の意識も大事で、その意味で抜擢したいのが鮫島駿Jの騎乗するスズカダブルです。

ここ2戦は1800m戦を使われ③⑤着ともう一つの成績ですが、2戦とも押し出されるようにハナに立たされ目標にされる厳しい競馬。理想としては初勝利を挙げた3走前のように、前に馬を置いてひと脚を使うレース。その3走前は東京芝1600m戦で直線馬なりで先頭に立ち後続を0.5秒突き放す強い内容で、距離短縮+逃げ馬の揃ったこの舞台でなら理想のレースができるでしょう。出来ればもう少し内枠が欲しかったところですが、そこは馬場を理解し枠のロスを最小限に抑える鮫島駿Jの手腕。高松宮記念のトゥラヴェスーラもそうですが、インが良いと判断したら外枠からでもしっかりポジションを取りに行くタイプです。フロムダスクに行かせて他の先行勢が様子見しているうちに好位を確保できれば、今年のメンバーなら1勝馬でもチャンスは十分でしょう。

2022年12月17日土曜日

【12/17(土)予想】ターコイズSの注目馬

■中山11R/ターコイズステークス アブレイズ

前走の天皇賞(秋)でも本命にしましたが、パンサラッサの大逃げが決まり上がりを持たないとどうしょうもない展開に。それでも0.8差⑩着は大健闘の部類で、やはりここに来ての地力強化が見て取れます。ベストはコーナー4回の1800〜2000mですが、中山コースはフラワーC勝ちも含めて(1,1,0,1)。唯一の大敗は雨中の不良馬場だった昨年の中山牝馬Sで、まともなコンディションの得意舞台なら見直し可能でしょう。

2022年12月11日日曜日

【12/11(日)予想】阪神JF・カペラSの注目馬

■阪神11R/阪神ジュベナイルフィリーズ モリアーナ

デビュー戦は最近の王道と化しつつある東京芝1600m戦。スローペースを前目で折り合い、直線坂上で後続を突き放す完勝ぶりでしたが、前後半4Fが51.2-45.7という超絶後傾ラップでこの手のパフォーマンス詐欺は少なからず存在するわけです。

しかしながらその能力を裏付けたのが前走のコスモス賞。距離延長でまともなペースを2番手で追いかけ、直線早々と抜け出しソラを使いながらも後続を完封。0.3差の②着だったドゥアイズは後に札幌2歳Sでも②着するなどルーラーシップ産駒らしくこの距離が得意なクチで、しかもこの時モリアーナは10日競馬で十分に乗り込めておらず、相手や臨戦過程を考えても額面以上の完勝と言ってよいレースでした。

裏を返せば仕上がり早なタイプで、この中間も2週前にDWで51.4-11.8を馬なりでマークして以降は2週連続で坂路調整。本数や負荷は問題にならず、サンティーテソーロが最内に入ったこともありスンナリ隊列も決まることから折り合い面の心配もありません。2歳戦で18頭立てというのは施行数自体が少なく、外を回されるロスを考えれば前付け出来て末脚が使えるタイプが有利。重賞、しかもG1で武藤Jに◎を打つのは相当なギャンブルではありますが、この馬に懸ける思いは他のそれとは違います。実力通りに走れれば最有力、との評価です。


■中山11R/カペラS レディオマジック

短距離戦らしく前に行きたい馬が集まっていますが、中でもハナを切るのはハコダテブショウでしょう。この馬はスピードに任せて「行くだけ行く」というタイプで、ダート1200m戦に7回出走していずれも前半3Fに33秒台のラップを刻んでいます(逃げなかった時を含む)。当然ながらそんなペースで飛ばされたら終いはバタバタになるわけで、4走前に勝ったブラッドストーンSでは33.0-38.1という超絶前傾ラップを刻み、最後の1Fは実に13.9も掛かっています。

ハコダテブショウの好走は「相手関係」と「馬場」にかかってくると言ってよく、例えば下級条件であればこのペースについていける馬はまずおらずで、上級条件戦でも前走のながつきSの時のようにドボドボの不良馬場でスピードが殺されない時にはその前半のアドバンテージがそのまま活きる、という格好です。では今回はどうかというところですが、パサパサの良馬場にそれなりに実績のあるメンバーが揃っており、最後の1Fで形勢逆転、となりそうな一戦と見ます。

ハコダテブショウの話をずっと書いてきましたが、◎はレディオマジックとします。

7走前の2勝クラス戦、2走前の天王寺Sと阪神で勝っていますが、いずれも最後の1Fが13秒台に突入するかなりの前傾戦でした。逆に前走の霜月Sで⑨着に敗れたように、坂がなだらかで長い東京のようなコースだと前が止まらず間に合わないわけで、急坂のある中山に加え超絶前傾ペースを形成する逃げ馬がいるここはこの馬向きの展開になると見ています。4戦ぶりに手綱を取る藤岡佑Jは戦法重視の焦らないレーススタイルで、Hペースに惑わされる他馬を尻目にじっくり構えて大外一気を狙ってくれるでしょう。


2022年12月10日土曜日

【12/10(土)予想】中日新聞杯の注目馬とねらい目レース(中京1R)

■中京11R/中日新聞杯 イクスプロージョン

上りのかかる展開が得意なタイプで、全5勝はいずれも最後の1ハロンが12秒台かかるタフなレース。内3勝は中京コースで、3角からなだらかな下り坂が続き最後の直線で急坂が待っているレイアウトが必然的に上りの時計を要求しています。前走の新潟記念はレースの3Fが33.8というキレ勝負で出番がありませんでしたが、得意コースに替わったここは浮上の目。


■中京1R レヴィアタン

姉にクリスティが居るという血統で、力のいる、上りのかかる展開を得意にするタイプにつき初めてダート短距離を使われた前走で③着と前進。パサパサの良馬場+急坂の中京であればもう一歩前進があっても良いでしょう。

加えて推奨としたいのは、テン乗りの岩田康Jの「1Rの成績」です。


上記は今年の成績をレース番号別に出したものなのですが、異常なまでに1Rで成績が良いです。1Rとなるとだいたいが未勝利戦で、勝ち上がってない馬同士というのは「もう少しで勝てそう~全く無理そう」と力量の差が激しく騎手の腕だけではどうにもならないことも多い中でこの数字。朝一でガッツポーズを決めたい鞍上の執念が透けて見え、ベタ買いで儲かるレベルの指標につき。

2022年12月4日日曜日

【12/4(日)予想】チャンピオンズCの全頭評価とねらい目レース(ラピスラズリS)

■中京11R/チャンピオンズカップ

[1]①グロリアムンディ(ムーア)

ダートで(4,1,0,0)。唯一土()がついた2走前のアンタレスSは外目を立ち回り理想的なレースができたものの、オメガパフュームの強襲に遭い0.1差の②着。斤量差も考えれば手放しでは喜べませんが、自分のレースでG1ウイナーに肉薄した点は評価できます。但しこのレースも含めダートでは5戦すべて7枠を引いており、好位の外目をスムーズに進むレース運び。4走前の雅Sではスタート直後両隣から馬が来た途端に頭を上げてしまうシーンもあり、本来馬群の中でレースさせたくはないタイプ。いくらムーアJとはいえこの捌きは非常に難しいでしょう。尤も、行き切ってしまえば話は別ですが…

[1]②サンライズホープ(幸)

前走のみやこSではスタート直後に伸びあがるようなしぐさを見せ、鞍上も無理をさせなかったのか後ろからのレース。結果的に向こう正面から12秒台前半のラップが続き先行勢に厳しい展開となった中でスムーズに外を回せたことが奏功した格好で、これと同じ戦法をたどるとなるとこの枠は厳しいです。

[2]③ハピ(横山典)

使える脚が意外と短く、デビュー3連勝のあとは外に出して最後止まる、というレースを繰り返してきました。しかしながらそもそも馬込みがダメな馬ではなく、5走前の鳳雛Sではあえて馬群に突っ込ませて直線で抜け出すレースで勝っています。ここ2戦も鞍上がレースを教えるかの如く馬群に入れて運んでおり、2走前のシリウスSは前がつかえて最後の100mほどしかまともに追えなかった中で②着を確保。前走のみやこSは前が開いてからが案外でしたが、(2,1,1,0)の左回りに対し右回りは(1,0,0,2)とスムーズさを欠く傾向にあり、左回りに戻るここは巻き返せると見ます。何より今の中京ダートは内有利傾向が顕著で、陣営もロスなく運ぶことを目標にしており近隣に逃げ馬も不在。スムーズに好位を取れれば最後のひと脚で間に合う可能性は高いかと。

[2]④スマッシングハーツ(鮫島駿)

決め手を活かせるときに好走するタイプで、もっぱら直線が長く末脚比べになりやすい東京での良績が目立ちますがやはり展開の恩恵があるかないかで着順は左右されます。中京1900mでも勝鞍はありますが、これも最初のホームストレッチ一杯の先行争いで多くの馬が最後にバテるコース適性を活かしての差し切りで、1800mでは前も止まりにくく。

[3]⑤ジュンライトボルト(石川)

使える上りに限界があり、行き脚も末脚もややズブいところのあるこの馬にとってダート転向は大正解でした。ダートでもテンから促していかなければいけないのは相変わらずですが、37秒の脚がコンスタントに使えれば勝ち負けできる世界につきそれが上手く嵌っている近況です。前走のシリウスSは内で詰まり通しだったハピを除けば展開利に乗じた後方待機勢が上位を占めたレースでメンバー的には強調できるものではないですが、時計が求められないコンディションにつき通用の目はあっても。

[3]⑥レッドガラン(斎藤)

初ダート。この馬の場合OP勝ちしている適性範囲が1800~2000mと狭く、既に重賞を2勝もしてしまっているのでG2以上の適鞍が中山記念まで無いという事情もありここに使ってきたのは理解できますが、昔のように芝のG3クラスが太刀打ちできるほど今のダート路線の層は薄くないだけに。

[4]⑦オーヴェルニュ(ルメール)

この馬は「休み明け」「左回り」「脚抜きの良い馬場」が揃って好走するタイプですが、今回は中3週で良馬場見込みにつき「左回り」しか該当せず。昨年もほぼ同様のローテーションを辿って②着馬と0.4差⑥着だった点を考えれば当時の②~④着馬のいない今回は順当であれば着は上げられるはずですが…位置を取り切るようなレースをした時は怖いです。

[4]⑧サンライズノヴァ(松若)

年齢的に距離延長にも対応できるようにはなっており、昨年は直線勝負で1.3差の⑤着まで押し上げてきました。ただ今の中京はイン有利が顕著なため、追い込み一手で垂れてくる先行勢を拾うレースでは掲示板が精いっぱいでしょう。

[5]⑨ノットゥルノ(武豊)

2走前のJDDは不良馬場で理想的な外3番手の位置が取れたことによる勝利で、伏竜Sで牝馬に負けたり兵庫CSでブリッツファングに1.3秒の大差をつけられたように、基本的にはここでやるだけの力量は足りない馬と見ています。広いコースに替わって見直せる期待こそありますが、フルゲートでしたらもう少し外枠が欲しかったところでもあります。

[5]⑩クラウンプライド(福永)

休み明けは走らない馬で、3か月半ぶりを叩かれた5走前のヒヤシンスSは⑥着、2走前の日本テレビ杯も4か月半ぶりを叩かれフィールドセンスに不覚を取る②着。叩き2走目の前走のJBCクラシックでは主導権を握り、テーオーケインズには屈したもののその他を封じ②着を確保。叩かれて型通りに上向いており、中間も2週連続で併せ馬を消化し出来も問題なし。世代間の力量を測る物差しとしては妥当に評価すべき存在と見ます。

[6]⑪バーデンヴァイラー(レーン)

中間でしっかり緩み13秒台半ばの区間ができるようなレースでは好走できますが、脚抜きが良くなったりメンバーレベルが上がって締まった流れになると脆いところがあります。2走前に勝ったマーキュリーCも道中でテリオスベルが捲っていけるくらいペースが緩んだことも幸いしたもので、G1のまっとうな流れになるとまだ対応力で課題を残します。

[6]⑫テーオーケインズ(松山)

35秒台の末脚で決めきる強さを有し、シニスターミニスター産駒らしくスピード勝負に対応可能。故に時計のかかる展開やコースでは取りこぼしがあり得、帝王賞やJBCクラシックは地方の深い砂が合わなかったと見る向きもあります(昨年の帝王賞は重馬場、前走のJBCクラシックはその帝王賞よりも速い時計を求められた)。パサパサのダートは決して合うわけではないのですが、中央の砂はスピード勝負になる傾向が強くこの馬の力を出しやすいレースにはなるでしょう。但し、内有利のコンディションでこの枠を引いてしまったことに加え、1走1走全力で走るタイプにつき中3週での仕上げには課題を残します。

[7]⑬シャマル(川田)

器用に立ち回れるタイプで、スタートさえ決まればいつも好走できています。ただ、やはりスピードを活かしたレースが向いておりOP昇級後の5戦のうち4戦は重馬場以下。距離が伸びてもコーナー4つの中京1800mは良いのですが、まっとうな良馬場で押し切るとなるとハードルは高いでしょう。

[7]⑭タガノビューティー(石橋脩)

前走の武蔵野Sは得意コースで最後前が空いたにもかかわらず伸びを欠き⑥着。流石にヘニーヒューズ産駒でこれ以上の成長を望むのは難しく、距離延長でキレなさを補ったとしてもこのメンバーでは。

[8]⑮サクラアリュール(酒井)

OP昇級後の良績はG3クラスまで。内に潜り込めればチャンスは無くはないものの、この枠ではそれも難しく。

[8]⑯レッドソルダード(丸山)

中央で勝ち星を挙げた3勝は何れも最後の1Fが13秒台に突入するスタミナ比べでのもの。このレースでそのような展開になるとすれば先行勢が大きく飛ばした時で、それはすなわちこの馬にとって苦しい展開を意味します。

<予想>
◎ハピ
○クラウンプライド
▲テーオーケインズ
△グロリアムンディ
△ジュンライトボルト
△オーヴェルニュ


■中山11R/ラピスラズリS モントライゼ

元々時計勝負には強い馬ですが、ここ2戦は内容が良化し復調を窺わせます。2走前の北九州記念はこれから伸びようかというところをボンボヤージに進路を塞がれての⑤着、前走のセントウルSもペースこそ向きましたが勝ち馬に32.9の脚を使われる異次元のレースとなり⑥着。いずれも相手を考えれば善戦で、重賞ばかり使われてきた中で今回は芝では初めてOP級を使われます。相手関係はぐんと楽になり、なかなか成長が見られなかった馬体も今年に入り500kg台を維持するように。充実ぶりがうかがえる今なら見直せます。

2022年12月3日土曜日

【12/3(土)予想】ステイヤーズS・チャレンジCの予想とねらい目レース(中京7R)

■中山11R/スポーツニッポン賞ステイヤーズS カウディーリョ

前走のダイヤモンドS時も本命だったのですが、従前にも言及した通りこの馬は気負いやすく遠征競馬や使い詰めができないタイプです。その前走は中京遠征から中5週でしたが、デムーロJ鞍上で最初の正面直線前でまともに引っ掛かってしまい消耗、結果的にはレース中に骨折。そこから休養を挟んで今回が9か月半ぶりの実戦となります。

この中間は木・日・木・日・木と精力的に併せ馬を消化。格下相手とは言え馬なりでしっかり動けていますので、陣営も言う通り息は出来ていると見てよいでしょう。元々4歳夏にも骨折歴があり、そこから10か月半ぶりだった昨年の七夕賞は苦手の遠征競馬ながら0.3差⑥着と健闘。メンバーの揃いやすい中距離路線での実績を考えれば、半分OP特別と言ってもいいここでは力量自体は足りてよいはずです。

あとはテン乗りの田辺Jにも期待。昨年はディバインフォースを駆りこのレースを制しましたが、カウディーリョの連対時の騎手は「藤岡佑2勝、大野1勝②着1回、石橋脩1勝、モレイラ1勝」と日本競馬を理解した折り合えるジョッキーがずらり。田辺Jもまた好位で折り合わせる意識の強いジョッキー故、気持ちの難しいところのあるカウディーリョには手が合うはずでしょう。


■阪神11R/チャレンジC ビーアストニッシド

先週からBコースに替わった阪神は内外の差がなくなり、直線で馬群が広がる割にはそこまで外が絶対的に有利とも言えない状況。但しペースを考えずに飛ばせば普通に潰れるので、好位でインも取れる馬にチャンスが巡ってくる舞台と見ています。

今回それに最も近そうなのがビーアストニッシド。展開的には折り合い面から逃げたいレッドベルオーブ、こちらも逃げで自分の形を作りたいニホンピロスクーロ、また一本調子なため前に行かないと味が無いタイセイモンストルと行きたい馬がズラリと揃っており、好位のインを確保することは難しくないはずです。4走前の皐月賞は絶対的にイン不利の展開、ダービー、神戸新聞杯、菊花賞はいずれも不適距離で、コーナー4つの1800~2000mが今のところ適性と見られます。

この中間は3週前、1週前、最終と岩田康Jが稽古をつけ、1週前は坂路で51.3-12.8の好時計をマーク。先週の京阪杯のプルパレイはスタートが決まらず不発でしたが、入念な闘魂注入は期待の現れ。この秋も存在感を見せる3歳世代唯一の出走馬として格好は付けてくれるはずです。


■中京7R ナンヨーローズ

もう2年近く勝利から遠ざかっていますが、調子の波が大きいうえに調子のよいときに限っていろいろと噛み合わないレースが続いています。この馬は調教での動きがパフォーマンスと直結するタイプで、この中間DWの全体時計が52秒を切ってきたのは好調のサイン。加えてラスト2Fを24.0以内に纏めてきた時が走り頃で、これは今年5月の新潟の栃尾特別で1.0差⑧着した時以来。当時は馬場の荒れが進行していたこともあり1200m戦にして35.3-34.4というドスローを最後方から進み、3角で一旦最内に入れたのち直線では外に持っていくという極めてロスの大きい競馬で当然勝てるはずもなかったのですが、上り自体はメンバー最速の33.3を使っており噛み合えばこのクラスでやれる力はあるはずと見ています。

前走は4Fの距離延長も堪えました。マイルに戻して改めて見直したいですし、丸山Jは詰まり覚悟でインを突ける騎手。インが活きている開幕週の中京であれば、直線でばらけた馬群を突いての一発に期待です。

2022年11月26日土曜日

【11/27(日)予想】ジャパンCの全頭評価・京阪杯の注目馬とねらい目レース(カノープスS)

■東京12R/ジャパンカップ

[1]①[外]シムカミル(ブノワ)

欧州3歳馬にとって凱旋門賞の重要なステップレースともなるニエル賞を勝った(ドウデュースも参戦し④着)ものの、予備登録が無かったことから凱旋門賞は回避しここへ照準を合わせてきました。好位を取って直線一杯に合わせて勝負根性で着を拾うタイプで、馬群がひとかたまりになる小頭数戦の方が向いているタイプと言えるでしょう。多頭数戦に加え一瞬のキレが求められる日本の競馬への適性は何とも言えません。

[1]②[外]オネスト(ルメール)

パリ大賞の勝ち馬。そのパリ大賞が稍重で2.27.7という勝ち時計で、逆に前走の凱旋門賞等馬場が重くなると成績を落としています。日本でも活躍馬を送り出すフランケル産駒ということもありある程度の時計勝負にも対応は出来そうです。但しこの馬の場合スタートが良くなく、いつも後方からのレースを強いられるのがネック。相対的に多頭数になると最後の直線で詰める距離が増えるわけで、このメンバーだと32秒台の末脚が無いとシンガリ一気は難しいでしょう。

[2]③ヴェルトライゼンデ(レーン)

前走のオールカマーでは見せ場なく⑦着も、元々右回りでは手前を変えないなど能力を出し切れないタイプ。左回りに替わるのはプラスで、2走前には鳴尾記念(中京開催)で1年4か月ぶりの復帰戦ながらにジェラルディーナを抑えて重賞初制覇とこの年になって充実ぶりを見せています。最終こそ坂路での単走でしたが、中間は3週にわたり意欲的に併せ馬を消化し好時計をマーク。東京遠征もダービー③着時に経験済で、地味ながら今年のメンバーに入れば十分に可能性を見出せる1頭でしょう。

[2]④トラストケンシン(丸田)

良績は東京の根幹距離(1600/2000/2400)に集中しており舞台設定は良いのですが、本来ならばアルゼンチン共和国杯に出たかったクチで除外になってのJC参戦。OPでの良績は軽ハンデ時のものでもあり、このメンバーでまっとうに同じ斤量を背負わされると正直厳しいです。

[3]⑤[外]グランドグローリー(ギュイヨン)

昨年⑤着に気を良くしてか、陣営は引退を撤回しもう1年現役を続行。このレースの後は日本で繁殖牝馬としての繋養が決まっており、正真正銘今回がラストランです。

昨年のこのレースでは直線でコントレイルの進路をなぞるように脚を伸ばし0.8差の善戦を見せました。ただ、前半1000mが62.2というスローペースの中、向こう正面でキセキが一気にまくったことで残り1200m地点から11秒台のラップが続く大味な展開になり、ほぼ3角の位置取りで着順が決まったようなレースになりました。中団追走から垂れてきた先行勢を拾っての⑤着は額面通りの評価は出来ず、前走の凱旋門賞にしても最後方追走からバテた馬を交わしての⑤着確保。よほどの大雨が降らない限りは昨年以上を望むのは難しく。

[3]⑥ヴェラアズール(ムーア)

前走の京都大賞典(阪神開催)では内中勢をまとめて大外から差し切って重賞初制覇。稍重の阪神で33.2の末脚を繰り出せたのは驚異的で、このコースも2回走っていずれも上がり最速で③①着と、能力発揮に不安はありません。芝を使うようになってからは後方待機のレーススタイルで、今の東京芝で間に合うかという点は気がかりですがマークは必要でしょう。

[4]⑦[外]テュネス(ムルザバエフ)

ご存じの通り昨年の凱旋門賞馬トルカータータッソの半弟。ドイツで前走G1・バイエルン大賞を含む5連勝中と勢いに乗っていますが、いかんせん時計への対応が未知数。キャリア6戦のうち良馬場は1回(メイデンレースで0.4差②着)、特にここ4戦は重か不良で、前走のバイエルン大賞にしても不良の芝2400mで勝ちタイムが2.44.3。3走前の条件戦でも重馬場で2.35.8ですから、単純計算で10秒以上は時計を詰めないと勝負になりません。あのゲリラ豪雨のあった6/12でさえ重馬場で踏みとどまったほど水はけのよい府中で、この馬向きの馬場になるかと言われると厳しく…

[4]⑧デアリングタクト(マーカンド)

これまで海外でも長欠明けでも1秒差未満で戦績をまとめてきたこの馬が、ここ2戦は1.0差の敗戦と精彩を欠く現状。オールカマーもエリザベス女王杯もトラックバイアス等を言い訳にしているようですが、前走はウインマリリンの後ろを通ったうえで伸びなかったわけですからその理屈は成り立たないでしょう。「2400mは長い」という認識を示しながらここに使ってくるもの解せずで、刺激を求めての乗り替わりがプラスになれば…でしょうか。

[5]⑨ユニコーンライオン(国分優)

前走の福島記念が鮮やかな逃げ切り。前半1000mが59.4と決してペースに恵まれたわけでもなく、加えて最終週で差しの利くコンディションになっていたことも考えれば額面以上に強いレースでした。但し2走前の京都大賞典でも同様に逃げて直線でバッタリだったことも考えると、矢作師の言う通り「2400mは少し長い」という可能性があり、最後にもうひと脚が求められる東京も本質的には合っているとは言えずで。

[5]⑩ハーツイストワール(武豊)

前走のアルゼンチン共和国杯ではキングオブドラゴンのあおりを受けながら伸び直しての②着。ラスト3Fの勝負になった時に強く、前走時にも取り上げた通りまさに東京向きのタイプでしょう。ただその前走にしても鞍上がとっさの判断でがら空きの内に切れ込み進路を確保したおかげもあっての好走で、勝ったブレークアップもこれが重賞初制覇でメンバーレベル的には必ずしもここにつながるものではありませんでした。加えて、元々良く見せるほうではないとは言え最終追いも2歳未勝利馬にようやく併入といった感じで上積み自体も疑問符で、相手強化でどこまでやれるかでしょう。

[6]⑪カラテ(菅原明)

前走の天皇賞では中団のインを運び0.7差の⑥着。シャフリヤールとは0.1差、皐月賞馬ジオグリフには先着と大健闘を見せました。相変わらず坂路調教は良く動いておりさらなる上積みは期待できますが、マイルに近い東京芝2000mのコース形態からまっとうに4回コーナーを回る2400mへの距離延長はプラスとは言えずで。

[6]⑫シャドウディーヴァ(松山)

3走前のヴィクトリアマイルでは32.9の末脚を繰り出し0.6差の⑨着と、6歳を迎えた今年もパフォーマンスの衰えは見られません。但し2000mを超えると過去(0,0,0,4)と結果を出せておらず、相手も強くなるここでは。

[7]⑬テーオーロイヤル(菱田)

前走のアルゼンチン共和国杯はキングオブドラゴンのあおりをもろに受け、ブレーキをかける不利があっての⑥着。元々最後の3Fでしっかり脚を使いたいタイプなだけに再加速のロスは大きく、鞍上も言う通り「よく0.2差まで詰めてきたな」というのが感想です。今の東京はまだ内が活きており比較的フラットかつ上がりの速さが求められるコンディションであり、前目につけてひと脚、というこの馬の戦法が嵌る可能性は十分です。

[7]⑭ダノンベルーガ(川田)

前走の天皇賞では直線入り口で進路を探しながらの進出を強いられ、結果的にワンテンポ仕掛けが遅れたことでパンサラッサを捉えきれずの③着。皐月賞以降、枠や進路取りなどに恵まれないレースが続いていますが、ハーツクライ産駒で伸びしろを残しながら現状のパフォーマンスが出来ていると考えれば上出来でしょう。陣営は「ベストは2000m」という見解を示していますがここもタイミング一つで十分に守備範囲で、1週前に3頭併せを敢行したように状態面も問題なし。ここも最後は見せ場を作れるでしょう。

[7]⑮シャフリヤール(C.デムーロ)

昨年のこのレースではコントレイルの③着。ダービー馬に適性を疑う余地は本来無いはずですが、昨年は直線でコントレイルに並ばれた際に怯むような素振りを見せており、やはりあの時点で少々苦しくなっていたのかと考えるとベストは2400mではないと見ています。

前走の天皇賞では馬体の成長が見られない点が気がかり、という話をしましたが、結果的にデビューから+6kg456kgでの出走となりました。直線では伸びを欠き⑤着もハイペースを好位で追いかけるという難しい立ち回りのレースになったことに加え、当時も藤原英師が述べていたように仕上がり面の不安もありながらの一戦であくまで照準はここという使われ方でもありました。その点、上積みは期待できますが先ほども述べた通り距離が延びること自体はプラスでは無さそうで。

[8]⑯[地]リッジマン(石川裕)

社会情勢的に仕方ないのかもしれませんが、折角岩手から来るのなら地元から騎手を連れてくるべきでしょう。中央所属騎手を配して勝負気配…という理屈なら、戸崎、田辺、横山武といった面々が空いている中でなぜ石川Jなのかも解せません。出来は上向きとのことですが、元々中央時代の良績は2600m超に集中しておりステイヤーズSを勝ったのも4年前。2500m以下の重賞では当時も1秒以上負けており、無事完走が目標でしょう。

[8]⑰ユーバーレーベン(M.デムーロ)

前走の天皇賞は展開も向かず、手塚師も「距離が短い」と言う中で最後まで脚を使い0.8差の⑧着まで押し上げてきました。香港国際競走への登録もありましたが、最終的にはコース適性を重視してこちらへの参戦を決断したわけですが、この馬の勝ったオークスは後方で外を回した馬が圧倒的有利だったレース。メンバーレベル的にも当時の出走馬でその後古馬相手に勝った(条件問わず)のは3頭しかおらず、ソダシ以外の2頭は条件戦。掲示板を確保したハギノピリナ、タガノパッション。アールドヴィーヴルは条件戦すら勝ちあぐねるという体たらくで、3歳春の時点で牝馬が2400mを走るというのはあくまで「相対的なスタミナ」が問われるのみで、純粋な力比べではないということは明らかです。舞台が向くとはいえ流石にこのメンバーで勝負に持ち込むのは容易ではなく…

[8]⑱ボッケリーニ(浜中)

前走の京都大賞典では一度位置取りを下げる不利もありながら伸び直しての②着。距離延長によりゆったり入って溜めを作れるペースで好走できています。2走前の目黒記念は1000m通過が62.5でレース上りが34.4と、坂を2回上る東京芝2500mならではの特殊なペースになりこの馬の強みが嵌りましたが、本来は上がり勝負には持ち込まれたくないタイプ。かといって流れると末脚を溜められずで、これが2400mになると一気に上りが求められる舞台になりこの馬のウイークポイントが顔をのぞかせる懸念が。

<予想>
◎ヴェルトライゼンデ
○ヴェラアズール
▲ダノンベルーガ
△テーオーロイヤル
△シャフリヤール


■阪神12R/京阪杯 プルパレイ

かつて乗っていたデムーロJ曰く「レース中一度機嫌を損ねてしまうと一切鞍上の言うことを聞かない」ところがあるようで、須貝師からも「ここ最近はレースを止めている」とのコメント。ファルコンSを勝って以降は2桁着順が続いており、今回は距離短縮に加えクロッカスS②着時以来再びブリンカーを装着して臨む一戦です。

そこでこの馬の再生を託されたのが岩田康J。カツジ、ケイデンスコール等同じように3歳春の重賞で活躍しその後伸び悩んだ馬を見事に再生させた手腕は誰もが知るところ。この中間はプルパレイの稽古をつけ、坂路で追走から最後まで走り切るようしっかり追って52.2-11.9と上々の時計をマークしています。何より、土曜の11R・12Rと最内を突いた馬が②着に飛び込むなどBコース替わりの初週でインが活きており、先手を主張したい馬が数頭いる中で好位のインを確保したいこの人馬にとって絶好のチャンスと言えます。真面目に走りさえすれば力量は足りてよく、復活を狙うならここでしょう。


■阪神11R/カノープスS フィニステール

決め手に優れるタイプで、展開に左右されるものの末脚が活きる流れでは確実に走ってきます。ダート転向後の6戦で、前後半4Fの比較で前傾ラップだった時は①②①①着なのに対し後傾ラップの時は③⑦着。ラップの出来方はメンバーによるところもありますが、ダートの場合一番は「コース形態による特性」です。

阪神ダ2000mというのは4角奥の引き込み線からスタートし、ホームストレッチを目いっぱいに使って先行争いが繰り広げられます(京都・中京のダ1900mも同じ構造)。1800mのスタート地点から200m最初に直線を走る距離が長くなることから自ずから前傾ラップになりやすいうえ、最初と最後で2回坂を上るためゴール前は時計がかかりがちです。加えて今回はメイショウフンジン・メイショウカズサと先手を取りたい馬がおり、アメリカンシードなども加えてペースは流れそう。傑出した実績のオープン馬が居ないここであれば昇級戦でも。

【11/26(土)予想】京都2歳Sの注目馬とねらい目レース(東京8R)

■阪神11R/ラジオNIKKEI賞京都2歳S グリューネグリーン

半兄ヴェルデグリーンはジャングルポケット産駒ながら重賞勝ちはオールカマーと中山記念の2勝。祖母にウメノファイバーが居る母系で、いとこのサンリヴァルも皐月賞②着とキレよりも牝系の力強さが前面に出る一族と言えます。

デビュー戦は東京の2000m戦でスローの追い比べとなりキレ負け気味の③着でしたが、当時の②着馬はおろか1.1差の④着馬も次走で勝ち上がっておりレベルの高い新馬戦でした(勝ち馬はミッキーカプチーノ)。一転して前走の1800m戦はエエヤンが1000m57.9で逃げるかなりのハイペースを離れた2番手を追走し、3角から差を詰めにかかると最後は後続を相手にせず突き放しての快勝でした。このレースの上がりは36.8。東京コースとしては異常なまでの前傾戦で、自ら動いていき最後の700mにわたって脚を使い続けた勝ちっぷりからも中山や阪神内回りといった上がりを要する舞台の方が向いていると言えます。行く馬のいないメンバー構成で自ら動いていける点もプラス。末脚自慢がどっしり構えているうちにリードを確保できれば残り目十分でしょう。


■東京8R フクウン

だいぶバレバレなのですが、前走が内枠を引き直線でどん詰まり。ハイペースで続々垂れてくる先行馬をモロに受けてしまい全く追えませんでした。一転して大外枠を引き条件好転となる今回はただでさえ人気してしまうのですが、単勝オッズだけ見るとここ2戦不完全燃焼のロードジャスティスや惜しいレースが続くバルミュゼットの方が上。人気順が逆転しない前提ならこれでもまだ妙味がある方と見て推奨します。


2022年11月20日日曜日

【11/20(日)予想】マイルCSの全頭評価とねらい目レース

■阪神11R/マイルチャンピオンシップ

[1]①マテンロウオリオン(横山典)

ポツン戦法に加え元々コース取りの巧さで着を拾ってきている馬で、3走前のNHKマイルCではタイム差なしの②着。但し当時は外差し有利の馬場傾向であり、当然ながら内を通ったダノンスコーピオンの方が評価は高いわけです。前走のスワンSでも意図的にスタートで下げ最後方から大外を回し0.5差の⑦着。距離延長のここは前進が見込めるものの、最内となると一度下げて外を回すロスは大きく、荒れが進行するAコース最終週で直線でも馬群がだいぶ横長になることを考えるとこれを追い込むのは楽ではありません。

[1]②ウインカーネリアン(三浦)

蹄葉炎による1年近い休養を経て馬がしっかりしたこともあり、加減することなく調教を積めているのは好材料。前付けしてひと足、というレースぶりも板についてきました。但しこの3連勝は坂の緩い新潟と開幕週の阪神でのもので、内が荒れた急坂を克服するのが課題です。過去休み明けは(0,0,0,4)でもあり、ぶっつけローテが吉と出るかも未知数です。

[2]③ダノンザキッド(北村友)

この馬の特徴は「速い上りが使えず」「ペースが速いと脚が溜まらず」「かといってペースが遅いと引っ掛かる」という同居の難しい欠点をいくつも抱えている点です。使える上りに限りがあるとなると馬場のいい開催前半や東京・新潟と言った上がりの絶対値を求められるコースには向いておらず、ペースの問題で走れる距離としては1600~1800m程度に限定されてしまいます。

上記を踏まえると、ここ3戦は東京・新潟といった不得意コースで4走前の中山記念は道中ずっと11秒台前半の流れが刻まれペースが向かず。5走前が昨年のマイルCS③着となるわけですが、阪神1600mはスタートから3角に向かって緩やかな上り坂となっており、道中で12秒台の区間ができ溜めを作れるペースになったのが幸いしました。加えて平坦の京都と違い阪神の直線には急坂があり、この馬の末脚でも面倒が見られるのも好都合。となると、これ以降国内の芝1600~1800mのG1でこれらの条件を満たすレースは見当たらず、この馬が再びG1で好走できるとしたら実質的にはもうここしかないわけです。そのものずばりのステップレースがないのでどうしても臨戦過程から人気は下げてしまいますが、昨年の①着馬が抜けるここは純粋に前進が期待できるでしょう。

[2]④シュネルマイスター(ルメール)

初のスプリント戦となった前走は道中ついていけずの⑨着。ここに向けた叩き台としてはまずまずの内容と言ってよいでしょう。昨年のこのレース②着もなかなか進路ができなかった中でグランアレグリアと0.1差ですから文句のつけようはなく、安田記念②着は帰国後体調が整わない中でのレースでした。1週前にはDWで7Fから追われて51.8-11.7を単走でマーク。手塚師が「自己最高の負荷をかけた」と語るほどで今回は体調面の不安も無く臨め、順当に勝ち負けを期待できる存在と見ます。

[3]⑤サリオス(ムーア)

前走の毎日王冠はこれまでこの馬の欠点であった「馬群に突っ込ませられない」点を見事に克服しての勝利。ここに来てのメンタルの成長は著しく、この中間もDWでの最終追いで49.1-11.8をマークするなど出来は絶好。半姉のサラキアも5歳秋に急上昇を見せエリザベス女王杯・有馬記念を連続②着しており、ようやく身体に精神が追い付いてきたと見てよいでしょう。ベストは1800mでしょうが、今のこの馬であれば再度の戴冠も現実味を帯びてきます。

[3]⑥ソダシ(吉田隼)

前走の府中牝馬Sはイズジョーノキセキに不覚を取っての②着。確かに距離は1F長かったかもしれませんが、東京コースは1400~1800mで造りがほとんど変わらずマイラーでも十分勝負になる舞台。格下相手の敗戦は喜べるものではありませんが、今回は当時よりもさらにデキを上向かせており1週前にはCWで49.3-11.3と好時計をマーク。安田記念馬ソングラインらを完封したヴィクトリアマイルの内容、3戦3勝の阪神マイルに戻ることを考えれば、この馬場でも押さえは必要でしょう。

[4]⑦ジャスティンカフェ(福永)

前走の毎日王冠は勝ったと思ったところをサリオスに掬われてしまい②着。この馬のレースは出来ましたが、ベストはやはりマイルかと思わせるレースでもありました。距離短縮はプラスで、あとはこの馬のキレを活かせる良馬場になってくれれば良いのですが水はけの悪い阪神では回復は望み薄で…

[4]⑧ロータスランド(岩田望)

この馬の好走パターンは「前付けできるかどうか」で、4角通過順が3番手以内なら(6,2,0,4)。3走前の高松宮記念はコース取りの妙もあり②着を確保しましたが、ここ2戦はポジションが取れず⑩⑥着。今回はめぼしい先行馬がホウオウアマゾン・ベステンダンクしかおらず3番手は取れそうで、あとは苦手な瞬発力勝負に持ち込まれなければ台頭は可能でしょう。そのためには(3,2,0,0)と得意にする稍重以下の馬場コンディションが望ましく、水はけの悪さに定評のある阪神ですから朝方までの雨が残ってくれればチャンスはあるかと。

[5]⑨ピースオブエイト(C.デムーロ)

前走の富士Sは直線で前と後ろが入れ替わるような差し有利展開の中で④着。マイルへの適性は示したものの、特に不利がなかった中で上位3頭とは明らかに差のある負け方で、さらに相手が手ごわくなるここでは。

[5]⑩セリフォス(レーン)

前走の富士Sでは狙いすましたように末脚を発揮しての快勝。但しG1のようなよどみない流れとなり先行勢が壊滅した中で差し勢の中では一番良かった、という程度の話で、ここはさらに相手が強くなるうえ春の安田記念時に4kgあった斤量差がここでは1kg。中間の動きも格下を余裕であおっていた前走時に比べればソフトなもので、上積みが期待できない中でどこまでやれるかは懐疑的です。

[6]⑪ソウルラッシュ(松山)

直線で進路が無かった2走前の安田記念を除けば位置取り・馬場状態不問で走れている優等生。ただ前走の富士Sにしても3走前のマイラーズCにしても馬場バイアスと相手関係に恵まれた感は大きく、3歳勢との斤量差が縮まる点はプラスもこのメンバーでどこまで、というのは未知数です。

[6]⑫ホウオウアマゾン(坂井)

3走前のマイラーズCは得意の阪神で自分のレースができた分の②着でしたが、ベステンダンクが0.4差④着に残せるような展開で最後に止まってしまったことを思えばやはりベストは1400mと見ます。ここは1F長いうえ、Aコース最終週で内前にやさしくないコンディションでもあり…

[7]⑬エアロロノア(武豊)

2走前の安田記念の時にも指摘したとおり、前半が緩いレースでないと好走できないタイプ。入りの3Fが35秒以上なら(6,1,4,1)なのに対し34秒台以下なら(0,0,0,7)。OP・リステッドならまだしもG1でこのペースになることは稀ですが、今回は行きたい馬がさほど見当たらず昨年くらいのペース(35.6)になるようであれば食い込む余地はあるかと。

[7]⑭ベステンダンク(藤岡佑)

セリフォスを降ろされた藤岡佑Jが2年ぶりの騎乗。流石に10歳秋となり最近は行きたくても行けない現状。無理してハナを叩けたとしても今の馬場では残り目は薄くて。

[8]⑮ダノンスコーピオン(川田)

前走の富士Sでは初の古馬相手に③着と好走しましたが、元々上りが掛かったほうが好走できるタイプ。2走前のNHKマイルCは前半が34.1と流れたことで、34秒台の上がりでも十分勝負になるレースになりました。今回はペースが落ち着きそうでそれなりに上りが求められそうですが、渋った馬場はかえってプラスに働きそうです。

[8]⑯ハッピーアワー(川又)

最後に勝ったのは3年半前のファルコンS。そもそもマイルでの勝鞍がないうえ、最近は回って帰ってくるだけのレースが続いており、ここも無事完走で手当てゲットが現実線でしょう。

[8]⑰ファルコニア(池添)

再三再四繰り返していますが、この馬は立ち回りの巧さで着を稼げるタイプ。故に小回り、内枠等器用さが求められる舞台では好走できるものの、まっとうな瞬発力勝負などになると分が悪く今回は枠も最悪。上手く立ち回ったとて内前のアドバンテージも無い舞台につき。

<予想>
◎シュネルマイスター
○ダノンザキッド
▲ダノンスコーピオン
△エアロロノア
△サリオス
△ソダシ
△ソウルラッシュ
△ロータスランド


■東京11R/霜月S イバル

左回りが向いている馬ですが、脚質の問題から前が止まらない脚抜きの良い馬場になると間に合いません。前走のテレ玉杯オーバルスプリントはそもそも追い込みようのない浦和コースで出番がなく、それを含めて昇級後の3戦はいずれも稍重以下で前を捕まえられずのレースでした。コーナー径の大きい東京に替わるのは好材料で、良馬場なら一変期待です。


■福島8R シーズザデイ

角田和Jは福島ダート1150mコースで(2,2,0,4)。単回170/複回130と馬券的にも優秀で、今日の1Rでも10番人気のカマラードマリーを③着に持ってくるなど活躍が目立ちます。シーズザデイ自体は一本調子ゆえひと息で勝負がつくこの条件は向いており、前走で1000m戦を使われた3頭の中では最もスタートを決められる可能性が高いと言え、鞍上と相手関係から好走可能な一戦でしょう。

2022年11月19日土曜日

【11/19(土)予想】東スポ杯2歳Sの注目馬とねらい目レース(東京7R)

■東京11R/東京スポーツ杯2歳S シルトホルン

デビュー2戦は洋芝を使われ④⑦着と揮わなかったものの、前走で今回と同舞台の未勝利戦を快勝。大外枠のスタートでポジションを取るのに脚を使ったものの終始好位を進み、直線では左鞭一発で後続を突き放し1.0差をつけるパフォーマンスを見せました。

今回人気のハーツコンチェルトも新馬戦を1.3差で圧勝したことが注目されていますが、道中緩んだタイミングでポジションを上げ前を突いたことで他が垂れた側面もあり、うまく勝ちパターンに持ち込んだと言えます。一方でシルトホルンはレースの流れに乗って脚を使っており、まさに正攻法の競馬での圧勝だった分価値が高いと見ています。スピードの出る東京が合っているとすれば今の馬場も好都合で、何より今回はポジションを取りそうな馬がドゥラエレーデくらいしかいないメンバー構成。内前のポジションを取れる馬が恵まれうる展開を味方につけられる存在としてマークします。


■東京7R サトノワールド

久々にブリンカーを外した前走はスタートからやる気を見せず流れ込むだけのゴール。この馬は再Bも含み「ブリンカーを着け始めたレース」で(2,0,0,0)と、刺激を与えることが好結果につながっているタイプです。前走4角3番手以内が7頭もいるメンバー構成で、じっくり構えて乗れるこの馬が浮上する余地は十分にあります。

2022年11月13日日曜日

【11/13(日)予想】エリザベス女王杯・福島記念の注目馬とねらい目レース(オーロC)

■阪神11R/エリザベス女王杯 マジカルラグーン

2200mは牝馬限定戦としては長距離に該当し、年によってメンバーのレベルがかなりバラツキます。実際最近5年の出走馬の内、エリ女以降に勝ち星を挙げた馬の数を数えるとその偏りは顕著です。

2021年:2頭(①着アカイイト)
2020年:7頭(①着ラッキーライラック)
2019年:9頭(①着ラッキーライラック)
2018年:6頭(①着リスグラシュー)
2017年:5頭(①着モズカッチャン)

条件戦も含まれるため一概には言えませんが、2021年まではメンバーレベルも高く有力馬・実績馬が額面通りの強さを発揮するレースでした。一方で昨年は⑤着までを重賞未勝利馬が独占したように正直メンバーレベルとしては微妙なところ。そもそも昨年の場合既に重賞を勝っていた馬が7頭しかおらず、他の年と比べてもメンバーの層の薄さは否めない一戦でした。それが今年は国外含め15頭の重賞ウイナーが参戦しメンバーレベルとしては一定以上の水準が見込まれることから展開の紛れも少なく、実力馬が額面通りに強さを発揮する年と見ます。

その「実力馬」をどう定義するかはそれぞれですが、ここは今年のアイルランドオークス馬マジカルラグーンを推奨します。そのアイルランドオークスでは直線で早目に先頭に立つと後続を完封する強い内容で、起伏の激しい欧州の競馬場は国内でいえば中山2200~2500mや阪神2000~2200mに近く、この舞台が合っていると言えます。何より前走ヨークシャーオークスでは後の凱旋門賞馬アルピニスタと0.88差の⑤着。これだけのパフォーマンスを引っ提げて日本に来るのでは、逆らわない方が無難と考えます。


■福島11R/福島記念 カテドラル

前に馬を置いてギリギリまで我慢させる乗り方が合っており、7走前に京成杯AHを勝って以降はずっと2桁馬番を引かされ壁づくりに苦労してきました。前走の小倉記念も16頭立ての14番枠で壁を作らんとしていったん下げて内に入れた分ポジションが下がり、直線で前が空きませんでした。もう2列は前でレースしたかったはずでしょう。久々に内枠を引けた今回はチャンスな上、周りに馬が居ないと遊んでしまうため福島の短い直線も合っています。団野Jも手の内に入れた感が強く、このメンバーなら。


■東京11R/オーロC アイラブテーラー

トーセンラー産駒は東京芝1400m戦で(3,1,2,33)で勝率7.7%、複勝率15.4%と目立つ成績ではないものの単回167、複回125で穴馬を輩出する種牡馬です。しかも好走は牝馬の方が多く(2,1,1,18)で単回202、複回207とベタ買いで倍になる計算。この条件でトーセンラー産駒の牝馬が出てきたらとりあえず買い、が正解です。

アイラブテーラー自身の話をすれば、元々昨年のスワンSでも0.4差⑧着など1400mへの適性を示しており、3走前のパラダイスSでは33.0の末脚を使うも、馬群が全体的に外に膨れた分進路を確保できず脚を余しての⑦着で情状酌量の余地はありました。前走のスワンSではポジションを取りに行くも前半34.1の速い流れで自滅し⑬着。手ごろなハンデで出たなりの競馬で臨む今回は一変可能と見ます。

2022年11月12日土曜日

【11/12(土)予想】武蔵野S・デイリー杯2歳Sの注目馬とねらい目レース(会津特別、オキザリス賞)

■東京11R/東京中日スポーツ杯武蔵野S アシャカトブ

体重の増減が激しく、休み明けはいつも仕上げに苦労していたのですが今年の2戦はいずれも5か月ぶりを使われ⑤①着。馬体重もこの馬の好走実績である500kg台で出てきており、ここに来て馬がしっかりしてきた印象です。

前走のラジオ日本賞では水の浮く不良馬場で前が残せる展開を味方につけましたが、4角で馬群がばらけ自分の動きたいところで動けたことが大きかったです。どうしても上級戦かつ直線の短いコースでは動き出しが早くなるため4角などで早目に競られてしまうと脆いのですが、一昨年に同じコースのアハルテケSを勝った時のようにじっくり構えて直線でびっしり追う展開に持ち込めれば強いです。

東京1600kmコースは直線の長さ故4角からの早仕掛けは後方待機勢に限られ、加えて断然人気のレモンポップは久々の1600m戦で大事に乗ってくるはず。他の馬もレモンポップの動き出しに合わせて仕掛けるはずで、全体的に仕掛けのタイミングが遅れそうです。バスラットレオンのいる今回は隊列もスンナリ決まりそうで、スムーズなレース運びが叶えばもう一丁。


■阪神11R/デイリー杯2歳S ショウナンアレクサ

前走の紫菊賞は小頭数で壁を作れず力みながらの走りで、4角を出たところで一旦先頭に立つも坂上で失速し④着。最後方にいたコスモサガルマータが大外を回して差し切ったように、早目に押し出された馬にとっては苦しい展開になってしまいました。距離短縮に加え継続騎乗の岩田望Jなら溜めを作って走れるはずで、前走の負けで人気を落とすようならむしろここは買い時でしょう。


■福島10R/会津特別 チャイカ

前走の宗像特別では16番枠を引いたうえ、小倉開催の最終週で皆が外を回すコースコンディションでまともに大外を回らされ勝負になりませんでした。今回は内枠替わりとなるうえこのコースは2回走って①②着と問題なし。相手も手ごろな今回が現級突破のチャンスと見ます。


■東京9R/オキザリス賞 サノノウォーリア

気性面の課題から行き切る形が良いと見られていましたが、控えた前走は馬込みに入らずに脚を溜められ、直線では一瞬で抜け出す強い競馬を見せました。縦長になりやすく囲まれないワンターンの東京1400mコースも合っており、手の内に入れた石川Jが継続騎乗であればここでも強さを見せてくれるでしょう。

2022年11月6日日曜日

【11/6(日)予想】アルゼンチン共和国杯の全頭評価・みやこSの注目馬とねらい目レース(東京8R)

■東京11R/アルゼンチン共和国杯

[1]①キングオブドラゴン(坂井)

前走の京都大賞典は番手から運び直線で上手く前が空きましたが、阪神がかなり時計の出る馬場で上りを求められた分抵抗できず⑧着。レース上り33秒台はこの馬自身経験がなかったのもありますが、そもそも中山や阪神内回りと言った上がりのかかるコースの方が好走できるタイプ。速い上りが使えないため、この舞台替わりはマイナスです。

[1]②プレシャスブルー(津村)

前走のオクトーバーSは最後方からひと脚を使い0.5差の⑥着まで差を詰めましたが、そもそも4角10番手以下が3頭も掲示板に載るような差し有利の展開でしたからもう少し何とかなったのではというレースでした(相沢師が「前残りだった」とコメントしているのが理解不能)。距離延長で位置を取りたいところですが、2500m以上のレースは(0,0,0,2)でいずれも1秒以上の大敗。キレイな馬場ではまだ出番は遠いでしょう。

[2]③ユーキャンスマイル(石橋脩)

前走の新潟記念は久々に軽いメンツを相手にできた分の②着で、有力馬がステップとして使うことの少ないG2、G3戦であればまだまだやれることを示しました。この中間もウッド・坂路でしっかり追われ、調子が悪いときは芝やポリトラックなど負荷の軽いコースで追わせることの多い友道厩舎としてはかなり負荷をかけています。石橋脩Jはこの馬に乗って①②着と手も合っており、このメンバーなら再度注意が必要でしょう。

[2]④コトブキテティス(永野)

長欠明けを叩かれ今回が3戦目。前走の新潟牝馬Sでは早目の進出を見せた①②着馬に対し後方で構えて④着でしたが、直線では②着のホウオウエミーズが終始外に張りながらの伸び(右ムチ入れて右に寄れてたので騎手は悪くないのですが)でそのあおりを受け不完全燃焼の一戦でした。

全4勝全てが左回り、うち3勝が東京芝2400mというコース巧者で、4走前の六社S(2021)では開幕週にも関わらず大外を回して差し切り。東京で掲示板を外したのは6走前のジューンS⑥着のみで、この時はスローの前残り(4角通過順=入線順)+先行勢が直線で皆外に出しコースを取られた分の敗戦で、内がまだ生きているここはこの馬のレースができるでしょう。外を回さざるを得ない分展開頼みの面は強いですが、3勝クラス勝ち牡馬が54kgに対し、2年半勝ち星のないレッドサイオンと実質同斤の51kgは恵まれた部類。ハンデ差を活かしての一発は十分に期待できる一頭です。

[3]⑤テーオーロイヤル(菱田)

長距離戦での好走が目立ちますが、青葉賞④着の実績が示す通り本来は最後の3Fのキレで勝負するタイプで東京向き。前走のオールカマーは4角では良い手応えで上位を窺う勢いでしたが、直線坂でぱったり。外を回らされた分もありましたがゴール前で進路を譲ったロバートソンキーはキッチリ伸びていたので、この馬自身中山は向かなかったと見るべきでしょう。ダイヤモンドS勝ちは54kgでのもので今回は斤量差が鍵になってきますが、坂を2回上る東京コースでタフさが要求される展開になれば地力で押し切れるまであるでしょう。

[3]⑥キラーアビリティ(C.デムーロ)

春2戦は陣営も状態が整わない中での参戦であったことを認めています。立て直された今回は1週前からクリスチャンJを乗せてじっくり仕上げられており、見た目の時計自体は問題ないように映ります。しかしながら春までと違って今回は中間オール単走で、強い負荷をかけられてないのが気になるところ。G1馬にも関わらず55kgと控えめなハンデなのは好感ですが、そもそも横山武Jも重賞すら勝っていないウィリアムバローズを優先するあたり現時点でのこの馬への期待度も高くないと見ます。

[4]⑦ブレークアップ(田辺)

2走前のジューンSでヴェラアズールの②着。これだけ聞けば重賞級と思えますが、当時は前半1000m63.8秒のスローペースを逃げて残せなかったもので、前走の六社Sは稍重馬場で後方勢のキレ味が削がれる展開を味方につけたレースでもありました。本質的には中山など急坂のあるコースで先行して後続を封じる走りが向いているタイプで、不得意コースで重賞メンバーが相手となると楽では無さそうです。

[4]⑧カントル(岩田望)

前走の佐渡S(芝2000m)は1年ぶりの実戦ながら33.0の末脚で差し切り。能力の高さをうかがわせる一方で、3走前に緑風S(芝2400m)で②着していますがロスなく運んだ割には最後に脚が上がってしまったような止まり方。決して切れるタイプではないアイアンバローズにやられてしまった点を見ると、現状2400mはやや長いように映ります。さらなる距離延長はプラスとは言えなさそうで。

[5]⑨ディアマンミノル(荻野極)

春の目黒記念で前残り展開を外から追い込み0.1差の④着。元々スローペースで脚を溜める形が向いており、ここも前半61秒くらいのペースが予想されるだけに展開は向きそうですが、中7週以上間隔を空けた時が(4,0,0,1)なのに対しそれ以下で(1,1,3,17)と、使い詰めは向かないタイプ。同じローテで臨んだ昨年が0.6差の⑤着で、当時から斤量が1kg増える点もどうかでしょう。

[5]⑩ダンディズム(富田)

前走の目黒記念は0.3差の⑦着でしたが、外に進路を求めた他の差し勢に動じず執拗に内を突き、坂上で脚を使ったマイネルウィルトス(②着)の後ろで前が空くのを待っていました。結果的に十分なスペースは出来ず伸びきれませんでしたが、4走前、3走前と外を回して伸びきれなかったレースを踏まえ馬群を割って伸びた2走前の教訓から、富田Jがこの馬の特性を掴んだうえでの戦法でした。外差し勢が台頭するコンディションでは目標を作りずらいですが、馬群が横一列に広がる今くらいの馬場の方がレースはしやすいはずでペースも不問。富田Jは前走勝ったハギノアレグリアスがみやこSに出るにも関わらずこちらに乗りに来ており、勝手知ったる人馬のコンビで前進が見込めます。

[6]⑪ラストドラフト(三浦)

好走は11~1月に集中しており、18年11月新馬①着→19年1月京成杯①着、12月中日新聞杯②着→20年1月AJCC③着、11月AR共和国杯②着→21年AJCC③着と毎年この時期に決まって連続好走してきました。しかしながら昨年は12月中日新聞杯⑨着→22年AJCC⑩着と着を上げ切れず。前走のオクトーバーSでは58kgを背負い②着と地力を見せここは距離延長と気温低下で上昇は見込めますが勝ち切るまでとなるとどうでしょうか。

[6]⑫マイネルファンロン(M.デムーロ)

手塚師は馬の状態に関して正直なジャッジをする調教師で、この馬については秋の帰厩以降は「まだ春の頃には至らない」と調子が上がってこないことを嘆いています。ワンターンの新潟記念を勝ったようにスピード競馬への対応ができるタイプで、距離も2000m前後がベストなことからここは叩きと割り切るのが良さそうです。

[7]⑬レインカルナティオ(菅原明)

好走歴は中山・中京と上がりのかかるコースに集中しており、東京芝は2回走って0.9差、1.2差と大きく負けています。3走前に弥彦Sを取りこぼしたように本質的にキレ勝負は向かないタイプで、コース替わりはプラスではありません。

[7]⑭アフリカンゴールド(国分恭→マーカンド)

戦法が決まっているタイプにつき、あとは展開と「舐められるか否か」が好走のカギを握ります。その点、長らくコンビを組んでいる国分恭Jが急遽乗れなくなったことは世間的にはマイナスに見られがちですが、先週のアブレイズでも述べた通りマーカンドJは「前に壁を作りひと脚使わせる」騎乗の出来る騎手と見ています。アフリカンゴールド自身はひと脚を持っているタイプではないものの、元々3年前のこのレースでは1番人気に支持され③着と東京コース自体は苦にしません。前に行きたい馬もそれなりにいるメンバー構成で、マークが薄くなれば残り目はあるでしょう。

[7]⑮レッドサイオン(石川)

元々462kgでデビューした馬が前走は436kg。去勢後なかなか馬体が戻ってこない現状で、藤沢厩舎所属時代の最後は所属の木幡育Jの練習台的な使われ方もされておりOPで掲示板すら1度しかないという体たらく。斤量差があると言っても最近の成績からは背負わされた方でしょう。

[8]⑯ヒートオンビート(戸崎)

使える脚がに限界があるうえそれも一瞬ゆえに勝ち切れず、直線の長いコースは本来不得手です。ここ最近の好走は池添Jが脚の使いどころを理解したうえで上手く導いたもので、(0,0,0,2)と相性の悪い戸崎Jへの乗り替わり、出来の面でも良化途上の段階につきここでは強気には出られなさそうです。

[8]⑰ハーツイストワール(武豊)

切れ味を削がれた稍重馬場の2戦以外は14戦すべて掲示板入りの優等生。前走の札幌日経OP勝ちは鞍上の腕によるところが大きく、スローの瞬発力勝負に強い本来は東京向きのタイプです。最終をコースで併せ負荷をかけることの多い国枝厩舎にしては坂路仕上げだった点が少々気にはなりますが、単走だった前走時に比べ3頭合わせで一杯に追われ負荷自体は強めてきており注意は必要かと。

[8]⑱ボスジラ(ルメール)

3走前のメトロポリタンSはスローを4番手で進んでほぼそのまま流れ込んでの③着で、特に見るべきポイントのないレースでした。スピードに欠けるタイプで本来合っているのは洋芝で流れも上りも落ち着く札幌の2600m。ルメールJ継続騎乗も不得手コース替わりでは手は出しづらく。

<予想>
◎コトブキテティス
○ダンディズム
▲テーオーロイヤル
△ユーキャンスマイル
△ラストドラフト
△アフリカンゴールド
△キラーアビリティ
△ハーツイストワール


■阪神11R/みやこS タガノディアマンテ

ここは行きたい馬が多いメンバー構成で、後ろから鋭い脚を使える穴馬の台頭に期待できる舞台です。例年ならニューモニュメントやプリティーチャンスがそこに収まるのですが、今年のメンバーで惑星となりえるのがタガノディアマンテです。

距離を詰めた前走の京成杯AHでメンバー唯一の33秒台の脚を使い0.5差の⑩着。溜めればキレるタイプですがスピードに欠け、芝中距離路線の一線級相手では足りませんでしたがダートでそれを補える可能性は十分にあります。半兄タガノトネールは武蔵野Sレコード勝ち等ダートで活躍した快速馬で、適性さえあれば通用の素地はあります。


■東京8R パラノイド

3走前の1勝クラス戦では前が空かずまともに追えたのは最後の200m程度しかなかったにもかかわらず差し切り。脚抜きが良く前が止まりにくい馬場状態を考えても優秀だったと言えるでしょう。2走前は牡馬相手の稍重、前走はコーナー4回が合わなかった分で、得意条件に戻って牝馬限定戦なら十分見直せます。


2022年11月5日土曜日

【11/5(土)予想】京王杯2歳S・ファンタジーSの注目馬とねらい目レース(東京7R)

■東京11R/京王杯2歳S フロムダスク

今回のメンバーで芝レースへの出走経験のある馬のうち、唯一良馬場で走ったことがないのがフロムダスクです。しかしながらこの馬はいかにもな森厩舎の外国産馬で、デビュー戦も勝ち方自体は地味でしたが、1週前の坂路で48秒台をマークするほどのスピードの持ち主。良馬場であったならもっと楽に勝てていた可能性すらあります。

前走のカンナSはゲート内で煩い仕草を見せスタート後手。トリッキーな中山芝1200mの先行争いでラチ沿いを塞がれてしまいブレーキを踏むなどチグハグな競馬でしたが、スタート後長く直線を走る東京であれば、多少のミスはカバーできるでしょう。東京の秋開催は進行につれラチ沿いが固くなり時計が求められるのが例年の傾向で、良馬場で秘めたスピードを全開できればアッサリも。


■阪神11R/KBS京都賞ファンタジーS ブトンドール

前走の函館2歳Sは差し有利展開の恩恵もありましたが、ロスの大きいコーナーリングからよく差し届きました。デビュー2連勝はいずれも函館芝1200mの稍重馬場で、時計で押し切るタイプでない分距離延長も問題ないでしょう(ビッグアーサー産駒なのでマイルまで行くとどうかですが)。中間はアロマデローサと併せて先着するなど、一息入れて状態も良好。この先の重賞はマイル以上のレースが多く、ここでもう一丁を狙っての参戦でしょうから素直に期待です。


■東京7R アルマイナンナ

被されるとよくないうえ切れる脚も無いため、被されずに運べ時計のかかるシチュエーションが理想。現に5走前の現級④着は函館芝でのもので、昨年夏も札幌芝で⑥⑤着と小差のレースをしており時計のかかる洋芝が向いた結果でした。よって現状は洋芝か、時計が求められないダートでしか期待できないという現状です。

ここ最近は全く自分の走りが出来てなく、ダートに戻った前走は最内+距離短縮で位置を取れず。2走前も被されて早々終戦、3走前は外目の3番手こそ取れましたがレース上り33.6で全く歯が立たずで、6走前・7走前はスタート決まらずこれもまた被されてしまいました。しかし7走前の⑥着が好内容で、今回と同じ東京ダ1600mを使われ2番手外追走から直線で一時は先頭に立ち見せ場を作りました。結果として差し決着に屈したものの先行勢では最先着で、稍重だった馬場を考えればよく頑張りました。今回は大外+時計のかかる良馬場で条件はガラリと好転するうえ牝馬限定戦。好走条件の揃ったここは一変あっても驚けません。

2022年10月30日日曜日

【10/30(日)予想】天皇賞(秋)の全頭評価とねらい目レース(新潟12R)

■東京11R/天皇賞(秋)

[1]①マリアエレーナ(松山)

距離を伸ばしてから成績が安定していますが、立ち回りの巧いタイプで前走の小倉記念にしても上手く内を掬えた分の圧勝でありました。左回り自体は問題ないものの、内が伸びにくいコンディションなうえ小柄な馬体で56kgを背負うとなると超えるべきハードルは低くありません。

[2]②カラテ(菅原明)

前走の新潟記念はそれまでほとんど良績の無かった2000m戦での快勝。爪が伸びやすく暖かい時期は調整が難しい馬で、最終追いの栗東坂路53秒というのは以前美浦の坂路を51秒で駆け上がっていた馬とすれば物足りなくも映ったのですが、逆にそういう変化があったからこそ中距離への転向を判断したのかもしれません。

今回も前回同様坂路で53秒台と上々の動き。夏負け気味の調整過程であった前回に比べ、気温が下がった今の方が調子が上向きで、前回時3Fと2Fが逆時計だったのが今回は加速ラップを踏めています。元々マイルの実績馬故、コーナー3回のスピード勝負は歓迎のクチ。58kgも経験済で一発の魅力は十分です。

[2]③パンサラッサ(吉田豊)

最初の一歩目が遅いのは元からですが、前走でも指摘している通りドバイターフの頃からやや出が悪くなっており、ハナを取るのに一苦労しているのが気になります。陣営も「自分のレースをするだけ」とコメントしている通り逃げは揺るぎませんが、叩き2戦目のバビットが外におりスンナリとは行かない可能性も。ただでさえ出脚が悪いのでこの枠では被される懸念が大きいです。

[3]④ポタジェ(吉田隼)

大阪杯を見ていても解る通り、元々瞬発力勝負では分が悪く前目からスピードを生かすレースで勝ってきました。ポリトラックで仕上げられた前走毎日王冠の時に比べれば、坂路で追われた今回は一応の上昇が見込めますが、相変わらず陣営は控えるレースを示唆しており、まっとうな末脚比べではキレ負けするでしょう。

[3]⑤ダノンベルーガ(川田)

皐月賞は内枠が仇となり、ダービーは距離で止まってしまったというのが内外の共通見解。故に今回はベスト距離・ベスト舞台であることは間違いないのですが、気になるのは夏休みを含む中間の調整過程です。

最終追いはダービーも今回も軽めですが、元々右トモに疲れがたまりやすいタイプでそれに配慮していると堀師が詳細を語ってくれています。加えてダービー後、左の飛節球炎を発症しその治療に充てた分、もう少し休養期間が欲しかったというコメント。これを額面通りに捉えれば「天皇賞に出るのは既定路線だけど本当は間に合っていない」とも取れるわけです。名トレーナーをしてもこの馬を仕上げるのは難しいようで、現に中間も川田Jが来ることはなくコメントも無し。その最終追いは格下相手に後れを取る内容で、陣営は「先週びっしりやったので微調整で」と語っていますが、未勝利馬(しかも3歳)を交わすだけの負荷すらかけたくないというのは流石にどうなのかと。

[4]⑥ジオグリフ(福永)

秋初戦。完成度の高い馬で、皐月賞は外枠からスムーズなレースができた分の①着でした。ダービーは多頭数でごちゃついた分もありスムーズに運べずの⑦着で力負けではないものの、多少のロスをカバーできるという意味では2000mの方がやり易いという判断でしょう。但し毎々触れているように、ノド鳴りを抱えており常にそのリスクと戦わなければいけません。特に今週の東京はほとんど雨が降っておらず空気も冷えてカラッカラ。能力は認めても軸にはできないタイプです。

[4]⑦イクイノックス(ルメール)

ダービーは戦前からも懸念されていた通り距離に阻まれた印象で、勝ったドウデュース、③着のアスクビクターモアがスピードの持続力に長けたタイプでもありそちらに軍配が上がったレースになりました。長い直線でエンジンをふかすのが得意なタイプで、ダービーの結果を考えれば先を意識することなくここに全力投球してくるのは当然の流れでしょう。速めのラップを刻まれるとどうかという懸念はありますが、Bコースに替わったものの外差しのトレンドは相変わらずで、自分のレースができればここは好勝負可能でしょう。

[5]⑧シャフリヤール(C.デムーロ)

前走のプリンスオブウェールズSは最後伸びを欠きよもやの④着。元々不良馬場の神戸新聞杯でも④着と取りこぼしており、欧州の馬場は向かなかったのかもしれません。ダービー、ドバイシーマクラシックを勝ってはいますが、昨年のジャパンカップの内容などを見てもやはり理想は2000m前後のスピード勝負。適性舞台に戻ってきたここは無視できない存在です。

但し、気になるのがデビュー時からあまり馬体の成長がみられていない点。陣営も精神面の成長は認めますが、450kgでデビューした馬が今回の調教後馬体重でも462kg。恐らく輸送を経て450kg台前半くらいに収まってくるでしょうが、藤原英師も「能力の限界がわからない」と語る通りまだ伸びしろがあるのか既に完成しきっているのかはジャッジが難しい状況。国内戦では初めて58kgを背負うわけですからその点もクリアする必要があります。

[5]⑨ジャックドール(藤岡佑)

前走の札幌記念は控えて結果を残せたこと自体は大きいですが、パンサラッサが垂れてきた分もあったうえ上りが37.7も掛かった展開で差しのききにくい芝コンディションになったことも幸いしました。本来本領を発揮できるのは左回りの2000m。秋への始動戦と考えれば十分な内容ではありました。

当時と違って今の東京は外差しもバンバン効くコンディションですが、この馬自身も33秒台の上がりを使って逃げきっている経験があり速い脚は持っています。あとは58kgへの対応と逃げが叶わなかったときにそのように自分の能力を発揮できるかがポイントです。追い切り同様にリラックスして走れれば。

[6]⑩ノースブリッジ(岩田康)

前走の毎日王冠は痛恨の出遅れも最後にひと脚を使い0.4差の⑤着。以前は行けないとからっきしだった馬でしたから、地力の強化を感じさせる一戦でした。中間はウッドで3頭合わせを敢行。岩田康Jが駆けつけ、大きく追走し直線で仕掛けられるとすぐに前を捉える抜群の動きを見せました。速い脚を持っていないので上がり勝負になると厳しいですが、飛ばした先行勢を見ながら運べれば浮上の目も。

[6]⑪レッドガラン(横山和)

今年に入って重賞2勝と充実期を迎えていますが、元々は折り合いの関係からマイルを使われていたもののここに来て精神面の不安がなく走れているのも大きいです。但しその2勝はいずれもレースの上がりが35秒台で、流石に7歳でもあり速い上りを求められるこの舞台はパフォーマンスを落とす懸念が。

[7]⑫バビット(横山典)

前走のオールカマーでは1年7か月のブランクをはねのけ④着。キングオブドラゴンが張り合わず楽にハナを取れ理想的な展開を刻みましたが、最後はキレのある差し勢に交わされてしまいました。今度は前回以上に差し勢の台頭が見込める東京替わりで同型もおり、元々気のいいタイプにつき続戦によるメンタルの高ぶりも心配です。

[7]⑬アブレイズ(マーカンド)

前走の府中牝馬Sでは見せ場十分の⑤着。元々上りのかかる展開でないと厳しいと見ていましたが、前目を進み最後も34.3でまとめてきました。休み明けは走らない馬にしてはこれは上出来と言っていい内容で、叩かれての中1週で上積みも期待できます。元々2走前のヴィクトリアマイルでも控えて32.9の脚(メンバー最速)を使い⑦着まで押し上げていますから、5歳を迎えここに来て馬が一皮むけてきた印象すらあります。

何より期待は、今週来日して既に2勝を挙げているイギリスリーディング3位のT・マーカンドJです。

昨日は5鞍に騎乗し③⑤④①④着とオール掲示板。今日も東京2Rで既に勝ち星を挙げており、これを含め5鞍に騎乗します。乗鞍の数自体は本国リーディングでも2位につける妻のH・ドイルJの方が多いのですが、昨日のレースを見て感じたのは「安易に進路を求めず、直線では併せ馬にこだわり1つでも着を拾う」騎乗スタイル。溜めさせることを意識しつつ、かといって下げるのではなく好位で壁を作り直線でしっかり追うというのは我慢も必要ですし詰まりのリスクと表裏一体でもあります。

ただ、海外、特に欧州の競馬は小頭数のレースも多く、馬群が密集しやすいことがこのような騎乗スタイルが求められる一因でもあります。その点日本の馬は切れ味を持つタイプが多く、多少の距離ロスがあっても外に持ち出して脚を伸ばせば勝てることからあまりリスクのある騎乗をする人はいません。この秋は残念ながら騎乗停止になりましたが、スミヨンJが日本で勝ちまくれるのもこういった違いが生んでいるとも言えます。

今回アブレイズに求められるのはまさに「好位で溜めを作り直線でひと脚」という競馬。マイルでも善戦し速い上りに対応できている今なら一発の魅力は十分で、マーカンドJがその良さを引き出せばヘヴンリーロマンスの再現があってもいいでしょう。

[8]⑭ユーバーレーベン(M.デムーロ)

フローラSでさえも取りこぼしたように、2000mは正直距離不足の感が否めません。とはいえ香港ヴァーズが本線であるが故、逆算して酷な斤量を背負わずに使えるのはここぐらいしかないのが正直なところ。外目を無難に回ってくるだけのレースになりそうです。

[8]⑮カデナ(三浦)

今年は得意の小倉でも③⑥⑦着と尻すぼみ。過去4回の天皇賞挑戦と比べればメンバーはまだ与しやすいとはいえ、大外枠を引いてしまったこともあり立ち回りも難しく。

<予想>
◎アブレイズ
○イクイノックス
▲カラテ
△シャフリヤール
△ジャックドール
△ジオグリフ
△ノースブリッジ


■新潟12R アムールマルルー

速い上りが使えず、上りのかかる展開で浮上するタイプ。前走の中山戦は雨の降りしきる中の重馬場でしたがのそっとしたスタートで後方から。結果的に先行勢がそのまま残り出番のないレースになりましたが上りは35.0、2番手が35.7だったことを考えれば1頭だけ違う脚を使っていたと言えます。距離延長で追走が楽になることに加えて、雨の影響もあり新潟芝は上りがかかるようになっており、内枠から上手く立ち回れればチャンスあり。

2022年10月29日土曜日

【10/29(土)予想】アルテミスSの注目馬とねらい目レース()

■東京11R/アルテミスステークス マラキナイア

デビューは中京のマイル戦。中京は3角からなだらかな下り坂が続き直線で急坂を迎えることから上りが掛かりやすく、特に体力面で心もとない2歳牝馬にとってはタフな舞台です。マラキナイアは3番手を進み、メンバートップの34.7の末脚を繰り出し快勝。前半が47.8とそれなりに流れた割に最後まで脚が使えた点は大きく、このコースにおける2歳牝馬のパフォーマンスとしてはかなり高いものがあります。


上記は過去10年(2013年以降)における中京芝1600戦で「4角3番手以内」で「上り35.0未満」で「①着」だった馬です(減量騎手騎乗を除く)。ヌーヴォレコルト、ナミュールの活躍は言わずもがなで、エピファレーヌもこのレースの後両脚の屈腱炎で引退を余儀なくされましたが無事ならいいところまであったはずの馬でした。しかしながらこれらの4鞍を「前後半のタイム」で見ると…

マラキナイア 47.8-46.9
ナミュール 52.7-46.3
エピファレーヌ 48.2-46.8
ヌーヴォレコルト 49.1-47.4

一番前半の流れがきつかったのはマラキナイアの新馬戦で、他3頭は上がり最速でないことからもわかる通り「流れに乗って走っていればそれなりの上がりが出るレース」でもありました。マラキナイアは自力で勝ちに行き、さらにその末脚が他を上回るという文句のつけどころのない内容ですから、これを重視しない手はないでしょう。

もちろん今の東京が外差し傾向で、リバティアイランドが額面通りの末脚を繰り出せばお手上げという見解に異論はありません。しかしながら、姉のロムネヤが新馬勝って以降今ひとつという成績が続いており、リバティアイランドにしても新馬戦のパフォーマンスを果たして維持できるのかどうかは確証が持てない段階。それで一本被りの人気なのであれば他から妙味を探るべきと見ており、ポジションを取れて脚を使えるこの馬の出番があって驚けないでしょう。


■新潟7R リーゼントフラム

2回の直千競馬は6、5番枠とゲートに恵まれず。それでも②⑥着と小差に纏めており適性の高さを見せています。今回は枠順が一気に好転しねらい目です。


■東京9R/伊勢佐木特別 メラーキ

キレ負けするタイプで、2勝は不良馬場の中京芝2200mと良馬場の中山ダ2400mと上がりのかかるときに勝ち切っています。東京は火曜日以降降水がなく、乾燥した秋晴れでダートの含水率は2.1%とパサパサ。半年ぶりではありますが3走前の①着は2か月半ぶりのレースで、休み明け自体は苦にしないタイプ。条件が好転するここはいきなりからやれても。



2022年10月23日日曜日

【10/23(日)予想】菊花賞の注目馬とねらい目レース(新潟6R)

■阪神11R/菊花賞 ジャスティンパレス

平坦の京都開催は切れる脚を持つタイプが台頭する一方で、最後に坂のある阪神は後半5~6Fにかけての加速が求められます。ジャスティンパレスは典型的な「切れる脚を使えないタイプ」で春2冠は出番がありませんでしたが、中京開催の神戸新聞杯でレースラップに合わせて加速する形で完勝。周りが速くなるところで脚を使うと本来は苦しくなるところで、実際同レースの②③着は道中後方を進んだヤマニンゼストとボルドグフーシュ。ああいう競馬しかできないボルドグフーシュはともかく、最後の最後まで脚の使いどころを待ったヤマニンゼストが②着に食い込むレースなのですから、好位を進んだ馬にとってどれだけタフなレースだったかは推して知るべしでしょう。

それでも世間的にはダービー③着のアスクビクターモアを下したガイアフォースのセントライト記念の方が評価が高く、全体的に神戸新聞杯組自体が低評価。3角から下り坂となりロングスパートが必要なこの舞台で、春2冠とは全く違う適性が求められるとくればこの馬を見直すのはありでしょう。デビュー8年目の鮫島駿Jにとっても初G1の大きなチャンス、この流れに乗ってもらいたいものです。


■新潟6R マイネルデステリョ

使われながら良くなるタイプで、3か月ぶりの前走は叩きと割り切れます。元々陣営はこのレースから使い始める予定だったのを2週前倒ししたのが前走で、柴田大Jで叩きを使いここに和田竜Jを配することができたのはひとえに畠山師の計らいもあったでしょうか。若手主体の今週の新潟に1000勝ジョッキーが混ざっていること自体かなり異例(新潟牝馬Sのストリクトコード騎乗のため)ですが、ここは格の違いを見せつけてほしいものです。

2022年10月22日土曜日

【10/22(土)予想】富士Sの注目馬とねらい目レース(阪神12R)

■東京11R/富士S ラウダシオン

「その距離適性に求められるよりも少し早いペースを刻める」というタイプで、例えば「1200m寄りの1400m戦」や「1400m寄りの1600m戦」といった、その距離で実績を残している馬が苦しむようなペースで好走する馬です。例えば一昨年のNHKマイルCはそれこそ「1400m向き」のレシステンシアを競り落としての①着で、昨年・今年の京王杯スプリングCもメイケイエール、トゥラヴェスーラといったスプリントG1の好走馬に混ざって①⑤着と好走しています。

今開催の東京はかなり時計が出ており、先週日曜日の12Rに組まれていた2勝クラスの芝1600mの勝ちタイムが1.32.6。春のNHKマイルC・安田記念の勝ちタイムが何れも1.32.3ですから、ここも1分32秒台の時計はたやすく出てしまいそうなコンディションです。こうなるとマイラーでも緩い流れを差し込んでくるタイプはついていけず、短めの距離適性を持つ基礎的なスピードに長けたタイプの出番。ラウダシオンの今年は④⑨⑤⑫着ですが敗れたのはスプリントとダートを使われた時で敗因は明確。東京マイルに強い菅原明Jへの手替わりで一発を期待です。


■阪神12R メイショウカイト

前走は昇級初戦に加え10か月ぶりのレースで⑮着。しかしながらこの馬は未勝利を脱出した時もそのあと半年休んで⑪着→中1週で続戦し15番人気で③着としたように、叩かれて上向くタイプで前走は度外視可能。連続凡走しないタイプでもあり、続戦のここがねらい目と見ます。

2022年10月16日日曜日

【10/16(日)予想】秋華賞の注目馬とねらい目レース(オクトーバーS)

■阪神11R/秋華賞 ライラック

2000mで争われる秋華賞は牝馬限定戦としては距離の長い部類で、加えて阪神開催となったことで最後の急坂を克服するために基礎的なスタミナが求められるようになりました。昨年札幌記念を勝って臨んだソダシが敗れたように、短距離や平坦と言ったスピード寄りのレースでの良績を鵜呑みにしにくいレースでもあります。

もう1つ、考えるべきは「内で渋滞が起こる可能性」です。同じ舞台で行われる牝馬限定戦と言えば夏のマーメイドSが挙げられますが、最後に力尽きた先行馬がインで下がってくることで詰まりが発生し、結果的に外をスムーズに伸びた差し馬が台頭するケースが多いです(ここ2年は開催日程の変更で開幕週に行われることで内前の馬も多く好走していますが)。今年はラブパイローを筆頭に伏兵勢に先行馬が多いメンバー構成ですが、好位差し勢にはこれを捌くことが求められるうえ先週の京都大賞典を見ても外差しの利くコンディションにつき、外を回せる差し馬の台頭に気を付けるべきと見ています。

ライラックは4走前のフェアリーSで勝った時のように、ごちゃつかずに外をスムーズに回せるレースが理想です。前走の紫苑Sも4角で挟まれる局面があり③着で、ここ3戦はそういったロスの多い戦法を好まない鞍上の分この馬の良さを生かし切れない騎乗でもありました。サークルオブライフの回避により、2勝いずれの手綱も取っていたデムーロJに戻るのは好材料。道中で距離ロスなく運べる内枠も歓迎で、元々は4走前にはスターズオンアースにも先着。相沢師の言う通り、捌き一つで好機でしょう。


■東京11R/オクトーバーS ショウナンマグマ

前走のセントライト記念でも◎を打ちましたが、直線で失速し1.5差の⑨着。ラジオNIKKEI賞の内容から考えても、距離と坂が壁になったと見るべきでしょう。そこから坂の緩い東京替わり・距離短縮となれば前進は可能で、気分良く行ければ少々ペースが速くても残せるタイプ。何が何でも、という馬はおらずで展開利も見込めそうです。

2022年10月15日土曜日

【10/15(土)予想】府中牝馬Sの注目馬とねらい目レース(飛翼特別)

■東京11R/アイルランドトロフィー府中牝馬S クールキャット

母メジロトンキニーズはダイヤモンドS②着等大箱コースで活躍。この馬も立ち回りの課題を持つ分大箱コースでごちゃつかない方がいいタイプです。東京コースは①⑤①⑭着ですが、⑤着のアルテミスSは道中で不利があってのもの。⑭着のオークスは掛かり気味に追いかけてきたソダシとステラリアに終始つつかれる厳しいレースでやむを得ない敗戦と言えるでしょう。

加えて揉まれずに運べることが理想で、過去12戦ほとんどすべてフルゲートのレースに出ておきながら2桁馬番を引けたのがわずか1回。久々に外目の枠を引けたここはチャンスで、ソダシが本番を見据えた仕上げである点も含めねらい目でしょう。


■新潟11R/飛翼特別 ヴィクトワールメイ

前走の驀進特別が初めての千直。着順こそ⑨着でしたが9番枠からのスタートで外に持ち出すのに時間がかかったうえ、直線では挟まれてブレーキを踏む不利も。枠順好転のここはスタート五分ならポジションは取れそうで、芝の生育の違いから夏と比べ内枠・先行勢のアドバンテージが薄れる秋開催なら素直に外枠から妙味を探るべきと見ます。

2022年10月10日月曜日

【10/10(月・祝)予想】京都大賞典・マイルCS南部杯の注目馬とねらい目レース(GCC)

■阪神11R/京都大賞典 キングオブドラゴン

目標レースに間隔を取って臨みたいという最近の傾向もあり、近年の京都大賞典は秋の天皇賞へのステップという位置づけは薄れつつあります。マカヒキ・アリストテレス・キセキという昨年の上位3頭の顔ぶれからもわかる通り長めの距離適性を持ちながら古馬G1では足りなくなっている馬が集まっているのが現状で、今年も悪い意味の混戦と言えます。このメンバーであれば川田Jを配したキングオブドラゴンで足りるでしょう。

ラヴズオンリーユーのイメージとは裏腹に川田Jが矢作厩舎の馬に乗ることは稀で、今年もまだ5回しか機会のないこのコンビですがその戦績は(2,0,0,2)。昨年は(5,4,2,6)、一昨年も(3,2,1,1)と総数こそ多くないですが確実に決めてくる起用です。川田Jの特徴として「逃げを嫌う」ことが挙げられますが、今回は同厩のユニコーンライオンが逃げ宣言をしており隊列はすんなり決まりそうで、番手からでも競馬の出来るタイプで問題は無いでしょう。

前走のオールカマーは3か月半ぶりのレースだったうえ、スタートでバビットに前をカットされてリズムに乗れず。元々叩いて調子を上げる厩舎でもあるうえ、所属騎手を重用する矢作師にも関わらず坂井Jは重賞勝ち馬のユニコーンライオンに乗せ、重賞勝ちの無いキングオブドラゴンにテン乗りの川田Jを配してきたあたり、ここでタイトルを獲らせたいという意向が伺えます。


■東京11R/グリーンチャンネルカップ サンダーブリッツ

全5勝のうち4勝がこのコース。器用さに欠ける部分があるためワンターンの東京コースが向いていますが、4角で5番手以内にいれば(3,1,0,0)と発馬と位置取りが鍵となります。その点横山武Jへの乗り替わりはこの馬の良さが出せそうで、最終追いで先着した相手のシーズンリッチは月曜の未勝利戦を快勝。動きにも不安はなく得意コースで能力全開なら。


■盛岡11R/マイルチャンピオンシップ南部杯 エアスピネル

左回りワンターンのマイル戦は得意の舞台。9歳シーズンも元気に走っており、前走のさきたま杯はコーナーを4回回る不適舞台にも拘らず、前有利展開を道中じわじわと追い上げての④着と価値のあるレースでした。ここは来月同舞台で行われるJBCへの叩きという見方もでき、有力馬はここから調子を上げていく仕上げを施されている中この馬は最終追いの坂路を単走で52.2-12.2と好時計をマーク。特に2Fの24.3というタイムは秀逸で、最終追いの時計としては2017年の京都金杯①着時に匹敵する水準です。このようなタイムを出せること自体が久々な上、輸送を控えながら直前にここまで負荷をかけられるのも珍しく、それだけ体調が良いことの裏返しと見ます。他馬が調子を上げ切る前のこの舞台でこそチャンス大でしょう。

2022年10月9日日曜日

【10/9(日)予想】毎日王冠の全頭評価とねらい目レース(オパールS)

■東京11R/毎日王冠

[1]①レッドベルオーブ(幸)

距離を詰めても折り合いがどうにもならず、前走の小倉日経OPではついに大逃げを敢行。結果的に気分良く行けたぶん残せましたが、実績あるOP馬は消耗を避ける傾向にある昨今ではOP特別~リステッドのレースレベルの地盤沈下が激しく、このレースもメンバーに恵まれたうえだいぶかわいがられたペースでの結果と言えます。一気の相手強化でノースブリッジのマークもあるであろう今回、色気を出して控えたりすればまた制御不能に陥る恐れもあります。

[2]②ノースブリッジ(岩田康)

逃げなくてもレースができる点は成長で、流れれば控えられるし緩めば行ってもいいというタイプ。一方3走前のように後ろから行っても見せ場がなかったように、本来キレ勝負では分が悪く東京の開幕週で天候悪化が無いとなるとこの馬にとってはやりにくいコンディションと言えます。

[3]③サリオス(松山)

3歳秋以降の戦績を見ると、内目の枠を引いたときに崩れており逆に外枠を引いたときには前走の安田記念③着を含め走れているという現状です。単に被されないというだけであれば下げて後ろを回しても良いのですが、開幕週の東京でそこまでのリスクを負えるかどうか…

[4]④ダノンザキッド(戸崎)

2走前の安田記念、前走の関屋記念と絶対的な上がりが求められる舞台で勝ち切れず。G1勝ちは冬の中山でのものでもあり、本質的に瞬発力勝負には向いていないと見ています。狙うべきはマイルCSでしょう。

[5]⑤レイパパレ(川田)

川田Jはダノンザキッドではなくこちらへ。恐らくですが、川田JはマイルCSでダノンスコーピオンに乗ることからダノンザキッドは前哨戦段階から本番を見据えた騎手起用をしたかった意図もあり戸崎J、もう1頭のお手馬でエリザベス女王杯を見据えるレイパパレに川田Jが収まったと見ます。

それはさておき、レイパパレに関しては本来変に控えるより大阪杯を勝った時のように行き切ったほうが良さが出るタイプと見ています。スタートで落馬寸前の躓きがあった前走のヴィクトリアマイルは参考外としても、前哨戦で思い切るレースは絶対にしないでしょうからここは控えてキレ負けの懸念です。

[6]⑥ポタジェ(吉田隼)

元々「開幕週ハンター」でキレイな馬場を走りたいタイプ。3歳秋からの4連勝はいずれも開幕2週目以内の荒れていない芝を走ってのもので、昨年もこのレースに参戦しシュネルマイスター・ダノンキングリーと0.2差の③着。今週のコンディションは絶好と言えるでしょう。

但し気になるのがOP昇級してから控える競馬を志向するようになっている点。元々レースの上がりから-0.5秒程度の末脚しか使えていないにも関わらず正攻法では上級戦を戦えないと考えているのか、4走前のアメリカJCCも3走前の金鯱賞も控えて不発。ポジションを取りに行って結果を残しているだけに不可解ですが、今回も陣営は控える構え。調子は良いので台頭は可能かと思いますが、ここは天皇賞を見据えた舞台でもあるだけに。

[7]⑦キングストンボーイ(ルメール)

長くいい脚を使うタイプで、青葉賞②着の戦績が示す通り東京コースは向いています。前走の関越Sは道中でインに入れたことで直線前が空かず、進路を探しながらのレースになり前を捉えきれず。実質脚を使えたのは最後の200mのみでしたがそれでも33.5の脚で鋭く追い込んできたあたり、手ごろな頭数+開幕週のキレ勝負となるこの舞台でさらなる上昇が見込めます。

[7]⑧キングオブコージ(横山武)

主戦の横山典Jが乗れないうえ距離不足に映るローテーションですが、これはノドに配慮してのもの。前走の宝塚記念も直線でノドの異常を認め最後は流しての入線で、手綱を使って制御をかけたりができない中でレースに出る現状。ワンペースで道中運べたとしても、東京での重賞勝ちは開催終盤の目黒記念でもあり絶対的な上がり勝負では分が悪いです。

[8]⑨ジャスティンカフェ(福永)

2走前の湘南Sでは32.9の末脚で直線だけで前の14頭を交わし切っての勝利。勝ち時計も1.32.3と今年の安田記念と同タイムで、重賞級のポテンシャルの持ち主であることは疑いようがありません。前走のエプソムCは昼に大雨が降りだいぶ水分を含んた芝コースに切れ味を削がれましたが、開幕週の切れ味勝負ならこの馬の出番でしょう。

しかしながら、やはり懸念は横山典Jからの乗り替わり。これは福永Jがどうこうというのではなく、キングオブコージにも同じことが言えます。


上記は今年「前走で横山典Jが騎乗していた馬の次走成績」です。御覧の通り、継続騎乗であれば高いパフォーマンスが見込める一方で乗り替わってしまうと極端に成績が悪くなります。さらにこれを「前走の位置取り別」に見ていくと、問題の本質が見えてきます。


前走の位置取りが「後方」であった馬は2勝を挙げているものの複勝率は極端に悪く、期待値的にはとても割に合いません。機械的な集計のため厳密には区分けできませんがこの「後方」にはもちろん「ポツン」も含まれます。

以前某メディアのインタビューで「ポツン」をする理由について同騎手は「気性面などを考慮しそれが一番チャンスがあると判断するから」という趣旨のコメントをしていましたが、訳せば「馬込みで掛かるリスクを避け、リラックスして自分のリズムでギアを上げさせたい」という意図が見えます。つまり、ポツンというのは馬にストレスをかけずに勝つ可能性を高めるための戦法であって、決して「折り合わせる」とか「脚を溜めさせる」といった教育の類ではないということです。

しかしながら安田翔師はこの点を勘違いしているようで、例えば先週のシリウスSで⑩着に敗れたハセドンも元々はポツンで青竜Sを勝った馬でしたが「春の経験を活かして秋は少し位置を上げて」と鮫島駿Jでポジションを取りに行った結果、折り合いに苦労し直線でも全く弾けずというレースでした(そもそも鮫島駿Jが折り合いに長けたタイプではないというのもありますが)。ポツンの結果はあくまでポツンでのパフォーマンスであって、そういう意味では横山典Jの起用は後戻りできない「片道切符」なわけです。馬群内で競馬をさせても同じように走れると思っているのであればそれは間違いですし、優等生騎乗をモットーとする福永Jへの手替わりは額面以上に分が悪いと見ています。

[8]⑩ハッピーアワー(川又)

3年前のファルコンSを勝って以降は掲示板にすら入れておらず、理想のローテを組めない現状。ワンターンの1800mなら守備範囲かとは思いますが、ここは出られることを優先しての起用でしょうし無事完走で手当てをもらって帰ってくることが最優先です。

<予想>
◎キングストンボーイ
○ポタジェ


■阪神11R/夕刊フジ杯オパールS スマートリアン

前走のCBC賞では初めての6F戦に臨みましたが、前半が31.8という異次元のペースについていけず。それでも最後まで脚を使っての④着と格好は付け、今回は引き続いての1200m参戦に加え絶好枠も後押し。好位のインからロスなくひと脚を使えればこのメンバーなら十分伍せるはずです。

2022年10月8日土曜日

【10/8(土)予想】サウジアラビアRCの注目馬とねらい目レース(東京3)

■東京11R/サウジアラビアロイヤルカップ ドルチェモア

新馬戦の内容がセンスを感じさせるレースぶり。6番枠ながらも好発からスンナリハナを奪い、スローとはいえ稍重の馬場で最後の2Fを11.5-11.7で逃げ切る内容は力が違いました。ここも開幕週の内有利傾向に加え、エアレーション作業も施され東京らしい末脚が要求される舞台。ポジションを取れる強みで優位に立つのはこちらと見ます。


■東京3R ハルオーブ

前走は3角で前を走っていた馬のあおりを受けて落馬。元々1200mでも先手を取れているようにレースセンスは高く、中4週で再度立ち上げられ仕上がりも良好。まともなら未勝利はすぐに通過できる器で、狙いどころはここでしょう。

2022年10月1日土曜日

【10/2(日)予想】スプリンターズSの全頭評価とねらい目レース

■中山11R/スプリンターズS

[1]①テイエムスパーダ(国分恭)

2走前のCBC賞は前半3F31.8と千直でも珍しいハイラップ。48kgで物理的に速く走れたこの馬がそのまま逃げ切ったという見方が妥当で、時計の出る馬場は歓迎ですが53kgで急坂の中山となると楽ではありません。

[1]②ジャンダルム(荻野極)

2走前の高松宮記念は馬場が合わず、前走の北九州記念は枠に泣きの連続凡走。しかし2走前にも触れた通り荻野極Jに手が変わったことでゲートはちゃんと出るようになっており、あとは好走パターンである「4角4番手以内」を確保するためには枠の利があれば…というところで、テイエムスパーダの1つ外で1枠2番という絶好枠を確保できました。ファストフォースが来ることを加味しても3~4番手は確保できそうなメンバー構成で、自分の形に持ち込めればやれておかしくは無いはずです。

[2]③メイショウミモザ(丹内)

6走前の巌流島Sでロスの大きい競馬ながら1.07.3の好時計で快勝。4走前の阪神牝馬Sでマイルも克服しましたが、有力馬が外を回す中でスルスルと内を立ち回った分もあり、その後正攻法で敗れている点からもやはり適性はスプリンターでしょう。前走のキーンランドCは必要以上に外を回す馬が多く、外枠を引いた分距離ロスが大きかったことも災いしました。時計だけを言えば外を回った巌流島Sから短縮は可能ですが、相手関係に加え急坂を克服できるかがカギとなるでしょう。

[2]④ダイアトニック(岩田康)

2走前の高松宮記念はゲートでガチャガチャしているときにスタートを切られてしまい致命的な出遅れ。直線でも内に進路を取り勝ち馬の後ろを伸びてきてはいたのですが、流石に間に合わず最後は流し加減でした。今年初戦の京都金杯で前が空いても伸びきれなかったのを見れば、前走の安田記念も含め上級戦では1400mが距離の限界と言ったところでしょう。

安田隆師もいう通り、とにかくスタートがカギとなります。逆にそこさえ決まればこの枠ですからインベタ好走というのは十分期待できます。岩田康Jに乗り替わってからは敗因がはっきりしているレースばかりで、阪急杯を勝ち切ったように動き自体はよかった頃のものを取り戻しており軽視はできません。

[3]⑤エイティーンガール(秋山真)

外差し馬場でバイアスに乗っての好走が基本で、このコース(0,0,0,3)の成績が示す通り外を回すロスが大きいコース形態は向いておらず、今の馬場バイアスでは外から差し切るのは至難の業でしょう。

[3]⑥ナランフレグ(丸田)

春の高松宮記念は正直トゥラヴェスーラが鼻血を出していなければ開かなかった位置をこじ開けてのもの。もちろんそれだけのキレる脚がなければ成しえないですし腹を括った丸田Jの思いが通じた勝利でしたが、基本的には控えて外を回して、というレースが得意な馬。最終になっても内が活きている今の中山で春の再現とばかりに内を掬えれば良いのですが、左回りの方が走りはスムーズなだけに。

[4]⑦ウインマーベル(松山)

B着後(4,2,0,1)と変わり身を見せており、大敗したのは直線でぶつけられ挟まれ戦意喪失したファルコンS⑮着のみ。このような経緯が示す通り、馬群の中でレースをすると不安がある一方で、スムーズに外目を回れたり馬群が密集しないレースでは好走できるというのが現状でしょう。前走のキーンランドCは必要以上に外を回す人馬が多く、結果としてこの馬の走っていたあたりが「見えない内ラチ」として機能していたのも大きい好走でした。内が活きているコンディションでフルゲートのG1、この枠となると超えるべき壁は多いです。

[4]⑧ファストフォース(団野)

前走のセントウルSはこの馬が得意とするハイラップに持ち込まれたのが大きく、坂を上っても止まらなかったのはスピード能力の高さ故でしょう。ここも飛ばしたい存在がおり、内を見ながら前に出していけるこの枠順も歓迎。但し前走と比較して調教負荷が2枚も3枚も落ちる調整過程で、前走が目イチでメンバー強化となると恵まれ期待の一戦になりそうです。

[5]⑨ナムラクレア(浜中)

この夏の活躍は高いスプリント適性を示した一方で3歳牝馬の恩恵を活かしたと言え、函館にしろ小倉にしろ平坦コースで軽斤量の機動力に優れるタイプが活躍できる舞台でもありました。勝ち切った3戦は全て滞在競馬で、初めての関東輸送というのも懸念材料です。

[5]⑩タイセイビジョン(福永)

CBC賞、北九州記念といずれも軽ハンデの馬に負けての②着。今回はG1で斤量差が縮まるのは良いのですが、いずれも小倉開催で勝ち方を知る川田Jの手綱の貢献度が大きい好走でもありました。後方からでも馬群を縫って直線ではインにいる、というのは4角で加速のつく小倉のコース形態とその特性をよく知る川田Jあっての特殊要因で、昨年の内容からもそれがそのまま中山でのG1に結び付くかと言われると難しいでしょう。

[6]⑪トゥラヴェスーラ(鮫島駿)

前走の高松宮記念はG前の鼻出血で④着に泣きましたが、外枠をハンデにせず上手く壁を作り馬群を割って伸びる形を作ることができました。この馬が嵌るためには内が活きるコンディションが不可欠で、今の中山はまさに嵌る舞台。中京に良績があることもそうですが、ドリームジャーニー産駒らしく坂のあるコースも得意で久々の中山も問題ないでしょう。

問題は7歳馬にして半年ぶりというレース間隔ですが、これは陣営があえてそうしてきたものでしょう。先に述べた通り高松宮記念は鼻出血を発症したわけで、この馬は実は調教中に鼻出血を発症し休養したことが2度あります。馬の鼻血は(外傷性のものを除き)肺からのもので体質に加え激戦の疲労などが少なからず影響するものです。なるべくフレッシュな状態で出したいものの、賞金がなければ狙ったレースに出すことはできないためこれまでステップを挟んでの参戦となっており、それが鼻出血リスクを高める一因でもありました。しかし昨年に京王杯SCで②着、今年も阪急杯で②着と賞金加算に成功し、ぶっつけでG1に出せるだけの収得賞金になりました。

何より、気性面などの問題で外を回したい馬が多い中で馬群を割れる強みは大きく、平坦コースの時計勝負に強い馬は多くても坂のある消耗戦で走り切れる存在がどこまでいるのかも難しいところ。それならば春の敗因がはっきりしている実績馬から入っていくのが期待値としても高いでしょう。昨春から追いかけている身としては勝ったら泣きます、多分。

[6]⑫ヴェントヴォーチェ(西村淳)

函館SS、アイビスSDとテンのきついレースが続き追走に苦労していたところ、前走のキーンランドCでは34.5という落ち着いた前半になり能力全開。4走前の春雷Sを完勝しているように力はあるのですが、連続好走が難しいタイプなうえこれまで休み休みのローテで、夏2回使っての臨戦というのもこれが初めて。前走比でまた流れてしまうと位置取りを落とす懸念があります。

[7]⑬メイケイエール(池添)

春の高松宮記念は外枠を引いたうえ、イン有利の馬場傾向にも泣いて⑤着。まだ内に入れることの難しさを残しながらで0.1差であれば勝ちに等しいレースだったと言えるでしょう。前走のセントウルSこそが成長を見せた一戦で、馬群で折り合ってしまいを伸ばすという「普通の競馬」が出来ていました。上りのかかりやすい中京にあって32.9の末脚を使ってのレコード勝ちですから、絶対能力の高さを証明したレースでした。

但し、そこからの中2週というのは気性的にも身体的にも反動が気になるところ。これまでも高いパフォーマンスを見せてきたのは休み明けで、そこから連戦での好走実績となると新馬戦から中1週で臨んだ小倉2歳S①着時までさかのぼります。流石にローカル2歳戦と古馬G1を同一視するのは難しそうで、前走の+14kgが余裕残しということであれば杞憂なのですが。

[7]⑭ラヴィングアンサー(菱田)

現状、重賞級のメンバーでは前が止まっても届いておらず、8歳を迎え年々使える脚に限りが出てきているのも気がかりです。加えて外差し有利のバイアスでもない今回は完全に展開待ちのレースになりそうです。

[8]⑮シュネルマイスター(横山武)

前走の安田記念は海外帰りの初戦で調整の難しさもあった中でタイム差なしの②着と地力の高さを示した一戦でした。とはいえ1200mはおろか1400mすら未経験の馬がいきなりスプリントG1、しかもそれなりにテンの速いメンバーが揃っており道中はかなり後ろになってしまいそうです。それでも最後の1F、ゴール前でぐっと時計がかかるような流れになれば台頭はありそうで、馬場悪化が見込めない今回はどれだけ前が飛ばして止まるか、という展開頼みのレースになりそうです。

[8]⑯マリアズハート(菊沢)

元々中山に良績が集中しているタイプですが、昇級後の勝ち星は直線1000m戦で8枠を引いた際の2勝。千直を含め重賞での相手関係には苦しんでいるうえ、試練の大外枠。陣営は戦前「大外とかを引いてしまったらある程度思い切らなければいけない」と語っていましたが、こうなると現実的に採りえるのは終い一手。エイティーンガール同様、今の中山では厳しいと言わざるを得ません。

<予想>
◎トゥラヴェスーラ
○ジャンダルム
▲ダイアトニック
△メイケイエール
△シュネルマイスター


■中京12R タケルラスティ

矢作厩舎勝負の中1週連戦ローテに加え、元々現級でも良績のあるダート替わり。芝への転戦を経て控える競馬が板についており、距離短縮でしまいを活かす作戦が奏功する余地は十分です。

【10/1(土)予想】シリウスSの注目馬とねらい目レース(関ケ原S)

■中京11R/シリウスS ハセドン

2走前の青竜Sの勝ちっぷりが印象的ですが、元々馬群の中では落ち着きを欠きレースにならない馬なのでポツンが嵌ったというものでした。上り34.3と芝並みの末脚を繰り出し勝った反動もあり、前走ユニコーンS後の横山典Jのコメントが「前走(青竜S)あれだけのパフォーマンスをした後だし…」といった趣旨だったことを踏まえれば、それだけ青竜Sが理想的なレース運びでしっかり走り切れた、ということでしょう。そこからの中4週は少々酷だったかもしれません。

今回は3か月の休み明けで体調面の不安も無く、最終追いでは3頭併せの真ん中でカレンルシェルブルにも先着。加えてこれまで5戦は1桁馬番で運びが難しい面がありましたが、7枠14番を引け外目をスムーズに追走できるのも強みです。4走前の未勝利戦を見る限りでも、馬群の外に出した途端にピタリと折り合っていたことから決して最後方から追いかける必要は無さそうで、送り出す安田翔師も「今回は少し位置を取りに行きたい」とポツンにはこだわらない姿勢を示しています。今回ケイアイパープルの回避で繰り上がって出走が叶った背景からも、休み明けのここで全力で賞金を加算し今後のローテを楽にしておきたいところです。


■中京10R/関ケ原S ホウオウエクレール

このレースやたら先行馬が多いわりに逃げ馬不在というメンバー構成。皆ハナは切りたくないという中でポジションを主張しそうなのはホウオウエクレールでしょう。中京芝2000mコースは坂の途中でスタートする形態もあり元々スローになりやすく、重賞でも前半が61秒くらいで運ぶこともザラ。ホームストレッチいっぱいに先行争いが繰り広げられる2200mが差し有利なのに対し、こちらはスローの前残りが多く真逆の性質。実際にこの馬も中京2200mでは⑧④着なのに対し2000mでは②③③③着と明暗が分かれています。

2走前の高山Sでは逃げたいミトノマルーンとかち合ったことで前半が60.7と(このコースの条件戦としては)流れ差し有利の決着の中で0.3差の③着。勝ったのは次走関越Sを制したイクスプロージョンですから善戦と言えるでしょう。好位追走勢がけん制しあうような流れになればこの馬の望むところです。

2022年9月26日月曜日

【一口馬主】パラスアテナ引退、夢を紡ぐ頑張りを見せてくれた人馬に感謝と敬意


(出典:広尾サラブレッド倶楽部Webサイトより)

 出資馬である広尾TCのパラスアテナ(牝5、美浦・高柳瑞厩舎)が先日18日(日)の中山10R・レインボーS(3歳上3勝クラス・芝1800m)に出走し、15頭立ての13着となりました。レース後、左前肢の腱鞘炎が判明し、一定期間の休養を余儀なくされることに加え近走のパフォーマンスも踏まえ、このレースを以て現役を引退することが決まりました。

 2月の初音Sで15着に敗れて以来7か月ぶりとなる復帰戦。昨年の西宮Sに続いて2戦連続での大敗に、陣営はこの中間障害練習を取り入れるなどの工夫を施し心身のリセットを図ってきました。しかしながらレースでは頭の高いままで勝負どころでも全くギアが入らず、ここ2戦と同じような走りでただ回ってくるだけのレースになってしまいました。弟のカイザーノヴァにも見られるようにステラリードの牝系は頭の高いフォームになることが多いのですが、そもそも気持ちの面でオンオフが切り替えられておらず、調教の時計自体も出てはいたのですが実戦でまるで勝負にならないことが続いていました。

 馬の腱鞘炎というのもあまり聞かないですが、けがの程度としては重いものではなく程なくすれば復帰自体は難しくないとのことではありました。しかしながらこのような戦況が続き、なおかつ来春には6歳春を迎える年齢面も考慮し、このタイミングでの決断となりました。個人的にも、ここまで手を尽くして変わらないのであれば無事に次のステージに進めることが大事だと考えておりましたので、この判断を尊重したいと思っています。


 レインボーS当日は現地におり、雨の降りしきる中結果的に最後となったパラスアテナの雄姿を見届けることができました。実は中山に行ったのは彼女のデビュー戦の時以来。パドックの様子もいつも通りで、なぜこの見た目で走れないのかと不思議でなりませんでしたが、性別的なものもきっとあったことでしょう。これまでの頑張りに感謝を申し上げるとともに、良いお母さんになることを祈っています。


 パラスアテナは私が初めて一口馬主として出資を決めた際、広尾TCの4口無料特典で出資したうちの1頭でした。他3口はマミリアス、キャットウォーク、キセキノセンシに使ったためこの馬が一番早いデビューとなり、正真正銘初めての出資馬でした。結果的に初勝利、初重賞挑戦、初G1挑戦と想像をはるかに超える活躍を見せてくれ、勝ち星こそ2勝にとどまりましたが一戦一戦がとにかく楽しみで仕方ありませんでした。

 しかしながら、母ステラリードは函館2歳Sの覇者、弟のキングエルメスも京王杯2歳Sを制したという血統背景や、結局デビュー時から馬体重が大きく変動することなく5歳秋を迎えた点を踏まえれば、競走馬としてのピークは早い段階で迎えていたのかもしれません。その一方で、3歳1月のデビューでクラシック登録すらなかったこの馬が世代G1に出られるまでに出世できたのはその高い完成度故のことでしょうし、一戦一戦大事に使ってきた高柳瑞厩舎の努力の結晶であり、カーネーションCや紫苑S等限られたチャンスを確実にものにしてきた武豊Jはじめこの馬に携わった人々の丁寧な仕事ぶりが伺えました。

 何より、大敗が続き場合によっては今春で引退となっててもおかしくない状況で、ここまで現役を続けてこられたのは厩舎サイドが可能性を信じ再起のチャンスを与えてくれたからにほかなりません。こうして無事に繁殖として上がれることも含め、師を始め厩舎スタッフの皆さんに心から御礼申し上げます。


 私事ですが、最初に一口馬主を始めたときの目標は

 「G1で掲示板に入る出資馬を持つ」

 ことでありました。

 まさか1頭目でそれをなし得るとは思っておらず、今後の出資戦略をどうしようかと悩んでおりました。パラスアテナの引退により、中央現役の出資馬は3頭(アリシアン、セントアイヴス、メグルキセキ)となりこのまま縮小の方向もありかと考えていましたが、家内の「彼女の子供が待ち遠しい」という言葉に、これからも一口馬主ライフをひっそり続けていけたらと思っています。それを叶えてくれたのも、ひとえにパラスアテナのここまでの頑張りが二世への夢を紡いでくれたおかげだと感じる次第です。

 たくさんの感動と喜びをありがとう。お疲れ様でした。

2022年9月25日日曜日

【9/25(日)予想】オールカマーの全頭評価と神戸新聞杯の注目馬

■中山11R/産経賞オールカマー

[1]①ロバートソンキー(伊藤工)

スピードとキレを身上とするタイプですが、2走前の天皇賞(春)では条件馬ながらに⑦着と好走。流石にお釣りは残ってなかったですが垂れてくる先行勢を冷静に捌いて着を拾っており、やはり基礎能力は高い馬です。前走の日本海Sも新潟内回りで4角9番手と絶望的な位置から鮮やかな差し切りを決めたように、長くいい脚を、というよりは鋭い脚が使えるタイプでトリッキーな中山コースは向いているはずです。左回りの方がコーナーワークはスムーズで本線はアルゼンチン共和国杯と思われますが、現状の賞金では出られるか微妙な情勢につきここで加算を目論んでの参戦でしょうし、2週連続で併せ馬で先着しているように状態も万全。馬群の中でレースをさせたいタイプにつき最内も問題にはならないでしょう。

[2]②ジェラルディーナ(横山武)

重賞で僅差の好走が続いていますが、元々折り合い面に難のある馬で前走の小倉記念も福永Jがギリギリ宥めながら我慢させての③着でした。一方でマイルでは溜め切れずに取りこぼすことから現状では1800mがベストであり、さらなる距離延長に加え積極騎乗の横山武Jへの手替わりはこの馬に関しては必ずしもプラスではないと見ています。

[3]③ウインキートス(松岡)

連覇を目指した前走の目黒記念は、昨年ほどではないにしろ前半62.5のスローペースを刻んで逃げて③着。実はデビュー22戦目で逃げたのはこれが初めてでしたが、主張するタイプの逃げ馬が居ない中結果的に4角で前にいた馬が③着内を独占する流れで自分の形に持ち込むには良い判断でした。ただ今回はあくまでエリザベス女王杯を見据えての仕上げであるうえ鞍上も出たなりでのレースを示唆。前付けできないと着を落とすタイプな上、外枠に行きたい馬が勢ぞろいしており位置を落とす懸念があります。

[4]④ソーヴァリアント(川田)

昨年のチャレンジCは好メンバーを相手に強い勝ち方でした。骨折により9か月半ぶりの実戦ですが中間は意欲的に乗られ、3週連続でDWで併せ馬を消化し好時計をマークしており動ける態勢にはあると見ます。もちろん目標は先であり、トリッキーなコースをこなすステイゴールド系の特性を考えれば有馬記念までを逆算してのローテかと思いますが、川田Jがあえてこちらに乗ってきたことも含め格好は付けたいところです。

[4]⑤ヴェルトライゼンデ(戸崎)

大敗を喫したのは中3週で挑んだ皐月賞と菊花賞の2回のみ。ドリームジャーニー産駒故この馬も中山の大舞台から逆算してのローテと推察しますが、前走久々の勝利を飾った鳴尾記念時と同様に中間は坂路で抜群の時計をマーク。幾度となくコントレイルと接戦を演じた力量は疑いようがなく、ここは通用級の1頭です。

[5]⑥クリスタルブラック(吉田豊)

実に2年5か月ぶりの復帰戦。2走前の京成杯は大外を回してスカイグルーヴを差し切る豪快な競馬で勝ったものでポテンシャルの高さは認めるものの、元々足元が丈夫ではなく中間は坂路で3F追いがメインとセーブした内容。時計もさして目立つものではなく、ここは実戦勘を取り戻すための叩きと割り切った方が良いでしょう。

[5]⑦アドマイヤアルバ(原田)

小差の好走は頭数にも恵まれたOP特別でのもの。昨年の目黒記念③着もスローペースで3番手にいたというだけの話で、力で重賞を走れるレベルには現状ないと見ます。

[6]⑧デアリングタクト(松山)

2017年以降の中山芝2200~2500mの重賞全体で牝馬は(6,5,1,28)で勝率15.0%と牡馬(7.4%)の2倍。単回98、複回81と馬券指標で見ても優秀です。中山コースは2200m以上では外回りコースを使用しますが形が非常に特殊で、1コーナーと2コーナーの間がほぼ直線であったり3コーナーの前から下り坂になったりと加減速の頻度が多いことから牝馬らしい俊敏なスピード能力が活きる余地が大きいことが要因と推察されます。現にオールカマーも牝馬の出走の無かった2018・19年を除けば2017・20・21と牝馬が3連勝中。2000m級のレースでの実績がある馬が高い確率で好走しています。

デアリングタクトはこれが秋初戦でエリザベス女王杯から逆算してのローテであることは明らか。前走の宝塚記念は正直タイトルホルダー以外はG2~G3クラスのメンバーで、消耗戦で垂れてきた先行勢を待機策から交わしたまでのレースであったものの、絶対的な距離適性が求められる阪神2200mよりは中山の方がこの馬の操縦性の高さを活かせる舞台であると言えるでしょう。長欠明けを叩かれ半信半疑だった春シーズンと比べれば明らかに状態は良く好戦は必至でしょうが、必ずしも勝ちに行く局面ではないだけに何かに負けるリスクは考慮に入れるべきでしょう。

[6]⑨クレッシェンドラヴ(内田博)

一番良い動きをしていたのは6歳シーズン。年々ズブさに拍車がかかっており立て直しにも時間がかかるようになっているうえ、その6歳シーズンにオールカマーで④着していますがその時から相手も強くなっている分、通用可能性を見出すのは難しいかと。

[7]⑩テーオーロイヤル(菱田)

長距離馬のイメージがありますが、最後の3Fで加速できれば良いダイヤモンドSと800m前後からなし崩し的に脚を使わされる春の天皇賞とでは求められる性質が大きく異なります。テーオーロイヤルは阪神外回りや東京など前者向きの適性で勝ち上がってきた馬で、本質的には中山2200m向きでないと見ています。それでもあえて京都大賞典ではなくここを使ってきたのは力試しの側面に加えアルゼンチン共和国杯を逆算してのことと見られ、目標が先にある前提で不適舞台でパフォーマンスを上げられるかと言われると。

[7]⑪キングオブドラゴン(三浦)

詰めの甘さは相変わらずも、それを積極騎乗でカバーしている昨今。中山にも良績があり行ければ面白いですが、使いながら調子を上げるタイプであるうえ所属の坂井Jを他厩舎のジュンブロッサムに譲っているあたりからも矢作師の勝負度合いは決して高いとは言い切れず、ここを叩いて再来週の京都大賞典が本線と見ています。

[8]⑫フライライクバード(福永)

阪神外回りや東京と言った長くいい脚を使うコースで好走できるタイプで中山は向かないうえ、テンションに気を遣って最終はポリトラックでの仕上げ。坂路で追って東上した前走目黒記念時と比べてもトーンダウンは明らかで。

[8]⑬バビット(横山典)

1年7か月ぶりの実戦ですが、元々気のいいタイプでもあり休み明け自体は苦にしていません。中間もじっくり乗られ追うごとに時計を詰めており、最終追いは横山典Jが騎乗しまさに唸るような動きを披露。坂路52.1-12.3というタイムは休養前でも出ておらず、身体共に仕上がっているようには見えます。何が何でもというタイプもいないだけにハナも楽に叩けそうなうえ、昨日の回復途上のコンディションと違い良馬場でインも活きており、デアリングタクトが負ける可能性があるとすればこういう馬ではないでしょうか。

<予想>
◎バビット
○ヴェルトライゼンデ
▲デアリングタクト
△ロバートソンキー
△ソーヴァリアント


■中京11R/神戸新聞杯 アスクワイルドモア

中京開催に限らず神戸新聞杯は前走ダービー組が優勢。出走頭数も多いですが過去10年で9勝しており、全体でも勝率19.1%、複勝率36.2%と高いアベレージを誇ります。アスクワイルドモアにはそのダービーでも◎を打ちましたが、やはり中2週の東上は容易ではなく陣営も鞍上も状態面を敗因に挙げていました。そこから立て直されてのここは見直せる舞台のはずで、京都新聞杯で先着したヴェローナシチーやボルドグフーシュよりも人気がないとくればねらい目でしょう。

2022年9月24日土曜日

【9/24(土)予想】ねらい目レース(中京6R、ながつきS)

■中京6R セルバーグ

約半年で39勝を積み上げた今村J。コース別の成績を見ると5回以上騎乗機会がある中で最も高い複勝率を誇るのがこの中京マイルです。


通算で(3,2,0,3)としていますが、見てのとおり4角10番手以下では(0,0,0,3)なのに対しそれ以外では(3,2,0,0)とパーフェクト。以前中距離戦の方が成績が良いというお話をさせていただきましたが、その際にも触れた通り今村Jのセールスポイントはペース判断に優れている点。最近では仕掛けを焦らないのに加え、小倉で未勝利勝ちしたタケトンボの時のように道中のペースと馬の脚を鑑みて途中で行き切ってしまうレースも増えており、着実にレース勘を養っているのが見て取れます。

今回騎乗するセルバーグは重賞にも挑戦してきたので馬柱こそ汚れていますが、自己条件ではこれまで①③⑥着と大きく崩れていません。③着の白梅賞はカワキタレヴリーと0.1差、⑥着だった前走じゃ1400m戦で位置を下げてしまった分もありました。距離延長に加え行きたい馬が居なさそうなメンバー構成で、前付け時の信頼度の高い鞍上となれば巻き返しは必至でしょう。


■中山11R/ながつきS ハコダテブショウ

このコースで3勝を挙げる中山巧者。前走の新潟戦は元々走らない休み明け、2走前の京葉Sは単騎逃げの形に持ち込まなかったことで後続に脚を溜めさせてしまい大敗しており、むしろ自滅気味にガンガン飛ばして最後の1Fが14秒近くかかるような消耗戦に持ち込んだほうが良いタイプです。同型不在のここは見直せるはずで、遠慮なく飛ばせる8枠から自分のレースができれば勝機です。

2022年9月19日月曜日

【9/19(月・祝)予想】セントライト記念の注目馬

■中山11R/朝日杯セントライト記念 ショウナンマグマ

レース結果はさておき、昨日のローズSと違いこのレースは実績馬の好走が目立つ舞台です。過去10年のレース結果を前走のクラス別にみると

条件戦(2,4,2,67)勝率2.7%/複勝率10.7% 単回16/複回43
OP(0,0,1,5)勝率0.0%/複勝率16.7% 単回0/複回41
重賞(8,6,7,45)勝率12.1%/複勝率31.8% 単回118/複回88

と圧倒的に重賞出走組が好成績です。

但しその中身を見ると、「前走ダービー」が(6,5,4,21)、「前走ラジオNIKKEI賞」が(2,1,1,11)とこの2レースで好走馬のほとんどを占めています。このレースの軸はそのいずれかから選ぶことが妥当と思われますが、ダービーの内容からもアスクビクターモアが人気面では中心になることが予想されます。

一方で展開面を考えると、控えたい田辺Jより前に行きそうなのは横山武J騎乗のショウナンマグマです。ラジオNIKKEI賞②着から臨む今回ですが、その前走は前半4Fが46.8と淀みない流れを刻み0.2差②着。最後は内を掬ったフェーングロッテンに屈しましたが、自分の形に持ち込めれば多少速いペースでも十分に残せることを証明しました。今回も主導権を握れそうな舞台につき、引き続き好走が可能と見ます。

2022年9月18日日曜日

【9/18(日)予想】ローズSの注目馬とねらい目レース(中山6)

■中京11R/関西テレビ放送賞ローズS メモリーレゾン

重賞とはいえ世代限定戦。出走できる馬が限られ、春の実績馬と夏の上がり馬という構図はどのレースでも一緒です。とはいえ春の実績馬の場合多くが賞金的には問題がなく、ここで権利取りに躍起になる必要はありません。一方で条件戦上がり、特に2勝クラス(賞金900万円組)の馬の場合は賞金的に微妙なためここでぜひ権利を取っておきたいという位置づけのレースになります。事実ローズSの前走ローテで一番多いのは「前走1勝クラスを勝った」馬で、昨年のアンドヴァラナウトもこれに該当します。


上記は過去10年のローズSの前走クラス別成績ですが、1勝クラス組は母数が多いぶん好走馬も多く輩出していますが、ハズレも多く悩みどころです。一方出走数は半分程度になりますが複勝率ベースでは「前走2勝クラス組」のほうが好成績を収めています。但し好走馬に多いのが「前走2勝クラスを勝てなかった馬」。2勝クラスを勝ち準OPに昇級すれば秋華賞へはほぼ確実に出られるため、ここに出るのが必要なのは2勝クラスを勝てなかった本賞金900万円組が主流となるわけです。

以上の背景を踏まえれば、そもそも前走で2勝クラスを勝った馬がここに出てくること自体がレアであるわけで、夏の上がり馬の中では序列は最上位になり得、今回はメモリーレゾンがその立場となるわけです。ではそれが春の実績馬との力量比較でどうなのかという点ですが、アートハウスについては忘れな草賞が実質1勝クラスというレベルの相手関係で、休み明けにも関わらずオークスのときより調教負荷が軽いという点が気になります。フローラS②着のパーソナルハイにしてもこのコースを逃げ切ったのは前半65秒という超スローペースで、春先は完成度でリードしていたぶん多少無理なローテでも走り切れましたがあれだけ使った後の秋にどれだけ伸びしろがあるのかは懐疑的にならざるを得ません。本質的に急坂が得意でないとも見て取れ、この相手関係ならば上がり馬代表のメモリーレゾンに軍配が上がると見ています。


■中山6R リヴェット

前走は初の1700m戦でしたが、流れが速く脚がたまらずの⑧着。しかしながら1800m戦を主戦場にしてきた馬にとって、1400mに近い流れになるローカルの1700m戦は全くの別物で、度外視できる敗戦でありました。頭数も手頃になったここは見直せます。

2022年9月17日土曜日

【9/17(土)予想】ねらい目レース(中京3、ケフェウスS)

■中京3R カンノーリ

新馬戦はフロムダスクの④着。森厩舎だからというのもありますがとにかく稽古からよく走っていた馬で、ここは通過点という勝ち方。これに負けたのは仕方ありません。今回2Fの延長となりますが、注目したいのはこの一族の距離延長時の成績が良い点です。

3代母エイシンギャロップはノーザンテーストを父に持ち、現役生活こそわずか2戦で引退したものの母として小倉3歳S(当時)を勝ったエイシンサンサンを輩出。そこからエイシンニーザン、エーシンリターンズ等の活躍馬が産まれました。一族の傾向として距離延長時の好走(&高配当)が目立ち、距離延長時の全成績は(18,16,20,118)で勝率10.5%/複勝率31.4%で単回110・複回101とベタ買いで儲かるレベル。オジュウチョウサンも出走した19年ステイヤーズSで11番人気③着に激走したエイシンクリックもこの一族で(当たり前ですが)この時も距離延長ローテでした。

これらの顔ぶれからも想像がつく通り、この一族は前向きな気性の持ち主で前々から勝負したいタイプが多いです。カンノーリも叩き2戦目と距離延長で前目のポジションを取れれば、スロー必至の2歳未勝利戦で前残りの恩恵を受けられる期待があります。


■中京11R/ケフェウスS アーデントリー

3走前の中京記念の時にも言及しましたが使いながら仕上がるタイプで、この夏は1年2か月の休みを叩いて⑪⑪⑧⑤着と徐々に上向き加減。この頭数、このメンバーではスローは必至で、外を回して差しに回ったのでは間に合わないでしょう。馬群を割って伸びることができるのがセールスポイントのこの馬にとってはチャンスと言える舞台で、叩き5戦目でそろそろ走り頃でしょう。

2022年9月11日日曜日

【9/11(日)予想】京成杯AH・セントウルSの全頭評価とねらい目レース(中山6)

■中山11R/京成杯オータムハンデキャップ

[1]①ベレヌス(西村淳)

前走の中京記念は暑い時期で調子が良かったのもあるでしょうが、ベステンダンクが思った以上に行き脚がつかず59.9秒で逃げられたことが大きかったです。4~5Fにわたって長くいい脚を使うことのできる馬であり、前半にオーバーペースを回避できたことが勝因でした。ハンデ戦で2kg増となるうえ、本質はスローの逃げ馬であり距離短縮はプラスではないとなると自身のペースに持ち込む難易度はかなり高いと見ます。

[2]②コムストックロード(柴田大)

マイルでは(0,0,0,3)。坂のない新潟でも末が甘くなってしまうあたり、1F長いでしょう。

[3]③インテンスライト(菊沢)

暑い時期は良くなく、10-3月が(4,3,3,7)なのに対し4-9月は(0,0,1,5)。今回も暑い夏を越えての復帰初戦につき完調とまでは言い難く、仮にそうだとしても春のダービー卿CTは差し有利展開に乗じての0.4差⑥着。掲示板確保が現実的な目標になるでしょう。

[3]④シャーレイポピー(鮫島駿)

昇級後は案外ですが、3走前の福島牝馬Sでは再三再四不利を受けてのもの。2走前の米子Sでは得意の阪神マイルも落鉄の影響で伸びを欠きまともなレースができていませんでした。前走の中京記念も結果的に1F長かったと言えますが、それ以上に後半加速するタイミングで脚を使ってしまったことで共倒れになった側面が大きく、福永Jが果たしてレースの流れを正しくとらえていたのかどうかは疑問が残ります。

今回は3走ぶりに鮫島駿Jに手綱が戻るわけですが、そもそも福永JはセントウルSにお手馬が居るわけでもなく乗りに来ようと思えば来られるわけでした。2走前は訳アリの敗戦で前走も距離に敗因を求めることはできるはずで、この馬で2勝している立場からすれば本来今回優先的に乗れるはずなのですが、そうでないとすれば「乗せる側の意向」としての交代である可能性を含み置く必要はあるでしょう。通算2500勝のベテランから300勝の若手への交代と字面だけ見ればマイナス要素ですが、背景を鑑みればあながちそうとも言い切れないと見ています。

昨年は紫苑Sに出走し0.4差の④着と健闘。元々4勝全てが阪神マイルと急坂コース向きであるうえ、適性とは言えない2000mでもファインルージュから小差と格好をつけられた走りからして中山コースへの適性はかなり高いと見ます。G3クラスのメンバーに入れば大差はないはずです。

[4]⑤タガノディアマンテ(大野)

近走では掛かる面が出ており、折り合い面の心配のないこの距離を使ってきたという経緯。実は中山コースは皐月賞でサートゥルナーリアの0.8差⑥着するなど相性が良く、その前のスプリングSも含め外々を回らされていなければもっと着は上げられたでしょう。本来連戦向きでなく中3週での続戦がどうかも、3走前の京都記念で中4週を克服しての②着もあり克服の可能性に賭ける手はありそうです。

[4]⑥ミスニューヨーク(M.デムーロ)

前走の中京記念は最後の100mで狭くなってしまい不完全燃焼。上りが掛かる展開で最後まで脚を伸ばす形がセールスポイントなだけにこの不利は痛かったです。小倉巧者のイメージがありますが実は一番良績を残しているのは中山で(3,0,1,1)と成績安定。上りを要する展開が理想につき開幕週の馬場はどうかも、距離短縮でしっかりと溜めを作れれば最後は切れる馬です。

[5]⑦ルークズネスト(戸崎)

良績は中京・阪神と急坂コースに集中しており、初の中山を克服できるポテンシャルは持っています。但しマイルだと現状どうしても末が甘くなってしまう上、関西圏以外では(0,0,0,4)。遠征対応に課題を残す点も気がかりです。

[5]⑧ダーリントンホール(横山武)

3か月ぶりにも拘らず陣営からは「長い休みを取れてないのでフレッシュさに欠ける」というコメント。確かに5走前の富士Sは9か月半ぶりの実戦で⑤着しており長い休みを苦にするタイプではないのでしょうが、これで休みが足りないと言われると陣営にとっては使いどころが難しくなってしまいます。ただでさえ調整力に課題のある木村厩舎なのに…

とは言え、中間の本数・時計共に十分動けており、長らく課題であった発馬も今年に入ってからは安定しています。ジリっぽいところがあり本来は直線の長いコースが理想ですが、今のスタートであれば食い込みは可能でしょう。

[6]⑨シュリ(津村)

前走の関屋記念では会心の好走。現状、上がり33秒台のキレ勝負で勝てる馬ではないので道中に少しペースを落とし過ぎたことが悔やまれますが、あれだけ流れが落ち着いても誰もちょっかいを出さなかったことが好結果につながりました。裏を返せば、誰も行きたくない展開であえて行った津村Jの好判断であり、息を入れられる流れになりダノンザキッドに有利に働いたラップの中でも抜かせなかったあたりは、持てる素質はやはり重賞級であるということを再確認できました。

今回はベレヌスが最内枠を引いておりその点がカギではあるものの、ペースを落としたいベレヌスに対して引っ掛かりたくないシュリは今回もポジションを主張するでしょう。開幕週につき11秒台のラップを刻むことは容易で、阪神・中京で計3勝を挙げており決して平坦巧者というわけでもなく対応は可能と見ます。上級戦で勝ち切れるタイプではありませんが相手なりには。

[6]⑩ルフトシュトローム(横山和)

3歳秋から7戦連続2桁着順。末脚を繰り出せず流れ込むだけのレースが続く現状を打破しようと、陣営は去勢手術を決断。調教の動き自体は変わっておらず、いつも正直な堀師が順調をアピールしているように状態面の問題は無さそう。あとは実戦に行ってどう変わるかは未知数ですが、同厩舎の下級戦や重賞でも人気のない馬などで重用される石橋脩Jではなく、あえて横山和Jを配してきたあたりは堀師もそれなりに手ごたえを感じている証左かもしれません。

[7]⑪ファルコニア(吉田隼)

再三再四述べているようにこの馬は立ち回りの巧さで着を拾うタイプで、勝ち切れなさと表裏一体。そのため器用な立ち回りの得意な川田Jが毎度上手く導いているわけですが、今回はモントライゼに乗るため中京へ。乗り替わり自体はプラスではないものの、名前のせいか吉田隼Jが乗ると(1,1,0,0)。3走前の六甲Sではフルゲートの10番枠から五分のスタートを決め、引っ掛かるレッドベルオーブを前に置いても焦らず待機し、馬場のいい2分どころを通しながらギリギリのコース取りで進路を確保する完璧なエスコート。それでも②着なのがこの馬の勝ち切れなさを示しているのですが、この馬の乗り方を理解している鞍上であれば軽くは扱えません。但し今回は開幕週でインががちがちに密集するだけにポジションを取れるかは運の要素も大きく、複系の軸として信頼できるとまではいかない舞台です。

[7]⑫ミッキーブリランテ(岩田康)

馬群の中で上手く立ち回りたいタイプにつきこの乗り替わりは手が合いそうです。あとはこの馬が「中山マイル」「距離延長ローテ」「中1週」で臨んだ際はニューイヤーS①着・東風S②着で(1,1,0,0)。矢作厩舎の狙いすましたローテーションでありますが理想を言えばもう少し内枠が良かったのと、過去2回の同ローテと比べて坂路の時計が控えめだった点がどうでしょうか。

[8]⑮クリノプレミアム(松岡)

ヴィクトリアマイルは⑯着大敗も、元々キレで勝負する馬では無くワンターンのマイルG1挑戦自体が無謀でした。それでも1.0差に踏みとどまったあたりはむしろ善戦の域で、4か月ぶりの今回は1週前にDWで49.6-11.7を馬なり単走でマークするなど調子は問題なし。3走前の中山牝馬Sも3角から外々を回すロスの大きい競馬で勝ち切っただけに、このコースへの適性を考えれば今回は見直せる舞台です。

[8]⑯レインボーフラッグ(小牧太)

繰り返しになりますが、賞金が足りないため出られるところに出るしかないという現状。前走の中京記念は道中でラップの速くなるところで脚を使いながら0.5差⑧着と善戦を見せましたが、今回は内も止まらない開幕週で距離短縮となると道中置かれる懸念もあります。じっくり構えて1桁着順狙いが妥当かと。

<予想>
◎シャーレイポピー
○クリノプレミアム
▲ミスニューヨーク
△シュリ
△ミッキーブリランテ
△ファルコニア
△タガノディアマンテ
△ダーリントンホール
△ルフトシュトローム


■中京11R/産経賞セントウルS

[1]①ボンボヤージ(川須)

前走勝った北九州記念は、見た目ほど悪くなかったがら空きのインを突いての快勝で小倉をわかっている川須Jならではの好騎乗でした。今回は定量戦でその前走から+3kgとなる54kgを背負う上良績は小倉と京都のみ。左回り・急坂ともに不安要素が大きいです。

[2]②シャンデリアムーン(斎藤)

このコースで開催されたここ2年は、昨年のこの馬も一昨年のセイウンコウセイもシンガリ負け。3角から下り坂でスピードがついたのち直線で急坂を超える中京芝1200mは本質的に距離適性の長い馬の方が好走できており、坂上からのもうひと脚が必要。3走前の春雷Sでも最後にばったり止まってしまっており、スピード一辺倒というタイプには厳しい舞台です。

[3]③ジャスパープリンス(松山)

3連覇のかかるエニフSに出ると59kgを背負うことになるため、3年ぶりに芝のレースへ。とはいえ今回は内のシャンデリアムーンが速く、馬場の渋化も見込みにくい天候につき。

[4]④メイショウケイメイ(古川吉)

定量戦で54kgに戻るうえ、前走の敗因を「(開幕週で)時計が速すぎた」と言っておきながらまた開幕週に使ってくるというのは何かのギャグなのでしょうか…

[4]⑤メイケイエール(池添)

前走の京王杯SCは折り合い面の進境を見せ、鞍上の押し引きにきっちり応えての完勝でした。陣営はその後マイルには進まず秋に備えましたが、この中間はCWで終い重点の追い切りを施され、馬自身もそのアクションに応えられている点成長は確かでしょう。すでにこのコースではシルクロードS①着、高松宮記念⑤着と実績は十分。あとは自分との戦いです。

[5]⑥タイセイアベニール(藤岡康)

タフな流れで差し込んでくるタイプで、このコースでも一昨年のセントウルSで0.3差の④着など小差で好走を続けています。ただ今回は予定していたキーンランドCを除外されてここに回ってきたという過程もあり、状態を維持するレベルの調整に終始している点が気になります。3走前の函館SSも直前軽めの調整過程から③着しているものの、当時は栗東坂路で51秒、52秒台を計時してから当地でサラッと、という流れなだけに今回のそれとは中身が異なります。

[5]⑦サンライズオネスト(横山典)

ここ2戦はスタートがひと息で、元来キレで勝負するタイプでもないため自身の形に持ち込めていませんがいずれも小差の接戦。マイルを使われてきた時期が長かったですが、その分中京のようなタフさが求められるスプリント戦は向いています。この路線においては重賞タイトルがないと好きなレースに使えず、河内師も賞金面の不安から「スプリンターズSに行くためには1着が欲しい」とコメント。中間の坂路も通常運転の50.5-12.5をマークし順調そのもので、初騎乗の横山典Jがしっかり発馬を決めてくれれば台頭の余地はあるでしょう。

[6]⑧モントライゼ(川田)

スピードに任せるレースが奏功せず前走の北九州記念ではブービー人気にまで評価を下げましたが0.4差の⑤着。直線で進路ができさあこれから、というときにボンボヤージに進路をカットされてしまったことが大きく、復調を感じる内容でした。陣営はこの形を板につけたい模様で今回も控えてからのレースになりそうですが、最終週の小倉ではそれで良くても開幕週の中京でどこまでハマるかは展開頼みの部分が大きいです。時計勝負は問題ないのですが。

[6]⑨ダディーズビビッド(竹之下)

左回りの方が走りはスムーズで、ここ2戦は外枠を引け詰まらないレースが出来ていることもあって連続②着と好走中。しかし夏はあまり合わないようで、陣営も帰厩後「良い頃の煩さがない」点を懸念しています。気難しい馬故それが成長であれば良いのですが、暑さゆえ本調子にないとなるとレース当日も30度近い陽気が見込まれる今回の舞台は…

[7]⑩チェアリングソング(坂井)

課題だった時計勝負を徐々に克服している点は好感ですが、右回り(3,0,6,9)に対し左回りは(1,0,0,5)と今ひとつ。このコースで戦う上では1400m以上の実績も欲しいだけに。

[7]⑪ソングライン(ルメール)

馬込みを嫌ったり抜け出すとソラを使ったりと難しいところの多い馬ですが、しっかりエスコートできた時の強さは証明済。1周1400mのキーンランド競馬場で開催される次走のBCマイルを見据え、忙しい流れを経験させる目的で1200m戦へ初参戦という経緯ですが流れが締まった方がレースのしやすいタイプでここでも力は出せるでしょう。但しメンバーのレベルはこれまでとはかなり落ちるため、意図せず早目に先頭に立ってしまうと何かに捕まるリスクはあります。

[8]⑫ファストフォース(団野)

中京では(0,0,0,4)。3走前の高松宮記念では0.3差⑨着と字面だけ見れば悪くはないものの、終始まともに追えなかったサンライズオネストにすら先着されてしまうのではやはりこの坂が合っていないと見るべきでしょう。

[8]⑬ラヴィングアンサー(菱田)

このコースで(0,0,0,4)。自分の脚は使えているもののやはり急坂で鈍ってしまううえ、開幕週でも自分の戦法を変えられるタイプではないだけに。

<予想>
◎サンライズオネスト
○メイケイエール
▲ソングライン
△モントライゼ


■中山6R モモエチャン

中央で9戦して未勝利だった後佐賀に転出。テンにもたつくところがあり、佐賀でも徹底して1750m以上を使われ続けて3勝をマークしましたがいずれも3角から押し上げていく形。嵌った時は強いタイプで勝った時はいずれも②着に0.6差以上をつけた一方で、敗れた5戦はいずれも1.0差以上の大敗。スムーズにいかなかったときの脆さも併せ持っています。再転入初戦となった前走の福島戦は馬体減に加え、3角から押し上げを図るも再三ブレーキを踏まされスムーズに行かなかった中でも直線だけで0.6差⑧着を確保するまずまずの内容。当時②着だったネイリッカも既に勝ち上がっており、ローカルの牝馬限定のダート戦にしては悪くはないメンバーでした。

中央で6戦連続で手綱を取った柴田大Jからの乗り替わりとなりますが、同騎手はこのレース乗鞍なし。今年デビューの佐々木Jはまだ3勝にとどまるものの、春の東京開催以降控えるレースで頭角を現し夏の福島・新潟でもたびたび波乱を演出しています。減量の一押しもさることながら、道中的確に捌ければ牝馬限定戦なら食い込み可能な存在と見ます。

2022年9月10日土曜日

【9/10(土)予想】ねらい目レース(エニフS)

■中京11R/エニフS ボンディマンシュ

昇級後連戦で使われた3戦は案外も、2か月以上の休み明けなら(3,1,1,2)。2度の大敗は苦手な遠征競馬(小倉)でのもので、輸送距離の短い本州圏のレースであれば額面通り走れています。泥をかぶらずに外目をスムーズに運べるこの枠は歓迎で、ボンボンショコラが内枠を引いて先行争いが激化することは必至。中間はコースで負荷をかけ単走でCWで50.3-11.0をマークと好調そのもの。展開利も味方に前進可能と見ます。

2022年9月4日日曜日

【9/4(日)予想】新潟記念・小倉2歳Sの注目馬とねらい目レース(雷光特別)

■新潟11R/新潟記念 プレシャスブルー

デムーロJはこのコースが大得意です。15年以降毎年新潟芝外回り2000mで勝ち星を挙げており、通算成績(8,6,3,9)で勝率30.8%、複勝率は65.4%。およそ3回に2回は馬券になっている計算です。これだけならリーディング上位騎手と大差ありませんが、驚くべきは馬券での貢献度。単勝回収率263、複勝回収率も153と、平均人気4.0に対し実際の着の平均が4.2と乖離が少なく、それだけ人気薄の馬を持ってきている証拠でもあります。

新潟記念も(2,3,0,1)と好相性。昨年①着のマイネルファンロンは12番人気、15年①着のパッションダンス・19年②着のジナンボーはいずれも6番人気と人気以上の走りを見せています。新潟記念が行われるのは毎年夏開催の最終週と決まっており、野芝オンリーで開催されるだけに芝の損耗を勘定に入れて導く必要があり、長い直線を活かせる決め手に加えて騎手の勘所も重要になってきます。そういう意味では、デムーロJはまさに最終週の勝ち方をわかっていると言えるでしょう。

今回コンビを組むプレシャスブルーは昨年0.4差の⑥着。一昨年には春開催の新潟大賞典で0.3差③着に入った実績もあります。時計勝負では分が悪い一方でタフな流れで力を発揮する馬で、ここ2走は新潟でも開幕週の時計の出る馬場を走らされた分着を落としていますが2走前の新潟大賞典でも1.59.2と自身の時計だけは走れており、あとはレースタイムがその水準になってくれば自ずから着は上げてくるはずです。同条件で行われた土曜の2勝クラス戦・赤倉特別は61.9-59.0でレースタイムは2.00.9。前半が59秒台で流れれば1.59.0前後の決着が想定され、この馬でも間に合う水準が期待できます。


■小倉11R/小倉2歳S ロンドンプラン

初戦が好内容。ハイペースを好位追走して外を回って差し切る内容で、開幕週の内有利コンディションを考えれば見た目以上に中身のあるレースでした。当時先着したミカッテヨンデイイは後にフェニックス賞を勝利しここでも人気していますが、行きたい馬を行かせて好位を取れればチャンスあり。


■新潟12R/雷光特別 ローズブルーム

2走前のはやぶさ賞では最内枠を引いてしまい、スタート直後に大外まで持ち出すロスもありました。直線で前が開いたのは最後の100m少々で、それでも鋭い脚を見せて0.6差⑤着まで詰めてきた内容は評価できます。コース実績のある馬がこぞって内枠を引いた今回は逆転のチャンス。

2022年9月3日土曜日

【9/3(土)予想】札幌2歳Sの注目馬とねらい目レース(TVQ杯)

■札幌11R/札幌2歳S シャンドゥレール

札幌2歳Sは札幌続戦組の成績が意外と悪く、同じ北海道でも函館転戦組の方が好成績だったりします。


上記は近10年の成績ですが、最も勝ち馬を輩出しているのは函館です。但し函館の場合何故か新馬戦からの2戦目という馬が(2,1,2,17)とイマイチなのに対し未勝利を使ってきた組が(2,1,0,2)と比較的安定して走れています。今回それに該当する馬はゼロ。となると次に狙いたいのは高いアベレージを誇る東京デビュー組です。

東京で新馬戦を勝ってここに来た馬は5頭、内3頭が連対(14年ブライトエンブレム①着、20年ユーバーレーベン②着、21年ジオグリフ①着)を果たしています。掛かって暴走した20年スライリー⑭着以外は全て掲示板に入っており、高値安定と言えるでしょう。今回唯一該当するのが◎シャンドゥレール。初戦は超スローペースを無理やり折り合わせ、ノーステッキで押し切るなど随所に若さを出しながらも素質だけで勝ち切ったレースでした。中間は3週連続でコースで併せ馬。ハヤヤッコなど年上の馬を毎週相手にし、最終も3歳馬を相手に馬なりで先着と仕上がりに不安はありません。勝ち星のある馬同士の対戦で折り合いがマシになればさらなるパフォーマンスの向上が見込めます。


■小倉11R/TVQ杯 フォイアーロート

小倉1200mで3戦2勝。唯一敗れた5走前の巌流島Sはボロボロの内を走らされ、4角で前をカットされる不利にも見舞われ力を発揮できませんでした。北海道で2戦しての転戦ですが上がりのかかる展開が理想で、前走のしらかばSも上手く脚が溜まりましたがスローペースで末脚を繰り出す間がありませんでした。メイショウハナモリ等ポジションを主張したいメンバーが居るここはまっとうに流れそうで、インの好枠から抜け出せるでしょう。

2022年8月28日日曜日

【8/28(日)予想】キーンランドC・新潟2歳Sの注目馬

■札幌11R/キーンランドC マイネルジェロディ

今週が最終週となる香港のホーJ。来日後既に5勝を挙げていますが、カフジオクタゴンのレパードS以外の4勝は芝でのものです。昨日から始まっているWASJを見ていると、グラハムJのように母国が先行優位の競馬をしていると日本の差し競馬にはなかなか適応が難しい印象。一方で日本と馬場も競馬のスタイルが近い香港を主体にしているだけあって、芝レースにもほどなく順応しています(モレイラJなどにも同じことが言えますが)。

特に印象的だったのはカゼノタニノアヤカでの初勝利。直線1000mは形態が特殊であるうえ、ゴールにかけて各馬の脚が上がるので早仕掛けでは共倒れになってしまいます。いかにアスコットでも経験があるとはいえ、初の新潟の直線競馬で後方待機からしっかり差し切ってしまうあたりは冷静な判断能力の現れと言えるでしょう。マイネルジェロディは控えてひと脚を使いたいタイプですがここ6戦ほど冷静な判断能力に乏しい鞍上起用が続いていただけに、この乗り替わりで能力全開とくればこのメンバーならチャンスありでしょう。


■新潟11R/新潟2歳S キタウイング

デビューの福島芝1200m戦はもっさりとしたスタートでレースを理解していない感じ。加えて前後に馬群が大きく分かれる展開を後方から追走し、開幕週の馬場を考えれば絶望的な位置だったにもかかわらず直線だけで④着まで押し上げてきました。続く前走の新潟戦はマイルに距離を伸ばしましたが、前半4Fが49.8という2歳戦にありがちな超スローペース。ここでもヨレ気味のスタートから後方待機でしたが、前にいたバロックダンスとのマッチレースに持ち込み最後の最後にねじ伏せた末脚は新潟・東京と言った直線の長いコースで活きてくるでしょう。陣営は最後まで出走を迷っていましたが、状態面に問題がないことを踏まえ参戦。そうした経緯にも拘らず戸崎Jが乗ってくる点がポイント高いです(しかも新馬戦勝ったバグラダスが居るのに)。この人気なら頭妙味。

2022年8月27日土曜日

【8/27(土)予想】ねらい目レース(小倉6R、釜山S、WASJ第2戦)

■小倉6R エイシングリュック

デビュー2戦はマイルを使って⑤⑤着。しかしそのいずれも直線で坂を迎える際に急に外に寄れる仕草を見せており、まだ腰の甘さを残す現状でした。その点平坦コース替わりはプラスに働きそうで、4角から追いどおしになるところから勝負所でのペースアップにも課題があり、息が入って最後の3Fで加速するマイルの流れよりもゴールに向かって減速する小倉の芝1200mが向いているとも言えるでしょう。前走阪神戦で一緒に走った馬の内、②~⑬着までの実に6頭が次走複勝圏内に走れておりレースレベルも水準以上。デビューから手綱を取る小沢Jの継続騎乗もプラスで、勝てずとも1勝クラスでいずれ勝負になる馬かとは思いますがここはキッチリ勝っておきたいところです。


■小倉11R/釜山S ラホーヤノキセキ

特殊条件でもあり、前走同条件のマレーシアCからの臨戦組が4頭(+その後2戦を消化しているチェリーブリーズ)いますが、ラホーヤノキセキのマレーシアCは脚抜きの良い馬場で道中置かれ気味になったのに加え直線では前が塞がり全く追えず。元々この条件では前走含め②②⑤着と安定して走れており、2度の②着はいずれも良馬場。今日の小倉は降水確率0%につき天気の心配も無さそうで、ここは逆転の期待がかかります。


■札幌11R/2022ワールドオールスタージョッキーズ第2戦 モリノカンナチャン

全成績(3,4,1,10)の内北海道開催で(2,3,1,2)と好相性。2度の着外はここ2戦の函館・札幌戦ですが、怖がりな面がありスタートで隣の馬が寄ってくると引いてしまうため後手を踏みがちで、それが位置取りを下げる要因となっています。そのうえ丸山Jが不必要にインにこだわるレースをするためロスが大きく、追い出しても間に合わなかったというのがオチです。大外枠は絶好と言え、元々は新馬戦でバスラットレオンの②着するなど力は持っています。騎手抽選制のここは能力全開のチャンス。

2022年8月21日日曜日

【8/21(日)予想】札幌記念・北九州記念の注目馬

■札幌11R/札幌記念 フィオリキアリ

有力馬が前に固まりましたが、今開催の札幌は内の傷みが進んでおり向こう正面からゴール前までの内ラチ沿いはCコース替わりでもカバーできていません。一部の実績馬を除けばメンバーレベル的にも大差ない連下候補の中で、ここに食い込む可能性を見出したいのが夏馬フィオリキアリです。

毎年夏場に好走を見せており、一昨年は2勝クラス勝ち、昨年も7~9月で④②③着、今年は2走前に五稜郭Sを制し前走のクイーンSでも0.4差の⑧着と差なく走れています。その前走はスローペースに加えて直線どん詰まりでまともに追えず。一瞬の脚を活かしたいタイプにつき上手く立ち回れるかがポイントで、前後で馬群がばらける今回はスムーズに追える可能性が高いです。昨夏の博多Sではベレヌスと0.3差の②着の実績があるほか、五稜郭Sでは故障馬のあおりを受けてロスがあっても盛り返すなど、牡馬相手でも怯まないハートは上級戦向きと言えます。このメンバーを力でねじ伏せられるかと言われると難しいですが、馬群の中で溜めて一瞬の脚を引き出すことにかけては定評のある鮫島駿J。この乗り替わりはハマる可能性があると見ます。


■小倉11R/北九州記念 チェアリングソング

ここ最近は脚質転換が奏功し安定した末脚を使えているうえ、従来苦手だった時計勝負にも適応。これまで1分9秒台までしか勝てなかったのが4走前のアクアマリンSで1.07.9で差し切るなど、ここに来ての成長が伺えます。流石に3走前の鞍馬Sは上りが速く展開も向きませんでしたが、その後2戦は⑥③着と着実に進境を見せています。一雨降って適度に時計がかかるうえ内の傷みが進行しそうな今の小倉、加えて最後の1Fが掛かるコンディションになれば、もうひと脚が使えるこの馬の出番があって良いでしょう。滞在調整でコンディションの不安がないのも好材料で、ここは一発を期待です。